シェルター(Splatoon)

登録日:2023/03/11 (土) 20:38:48
更新日:2025/02/13 Thu 18:59:28
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シェルターとは、『Splatoonシリーズ』に登場するブキカテゴリの一種である。



概要

2』から新規参入した、特殊な要素満載のブキカテゴリ。
まず、Splatoonシリーズのプレイ経験が無い人は『シェルター』と言われてもどういうブキなのかイマイチ想像出来ないだろう。から身を守る方のシェルターとは当然違う。
結論から言うと、このブキ群のモチーフはである。


傘である。


アニヲタ諸兄は小学生の頃、傘を銃や剣に見立ててヤンチャな遊びをしたことはなかっただろうか?
それでなくても、どっかの胡散臭いチャイナ娘や傘に鉛弾を仕込んで戦うスパイ映画の諜報員など、傘を武器として扱う創作は割と多い。
日用品である傘で、洒落た戦い方をしてみたい……Splatoonのシェルターは傘のイメージと特性をうまくゲームシステムに落とし込み、そんなを半分叶えてくれるブキなのだ。

このブキカテゴリはアサルトライフル・SMG系のシューターやスナイパー枠のチャージャーと続いて、欠けていたメジャーな銃器カテゴリたる『ショットガン』に近い性質を持っている。
射撃イメージは屋内に入る時にずぶ濡れになった傘の水滴をバサバサして弾き飛ばすアレそのもの。具体的には小粒のインクを前方に拡散発射し、命中した量に応じてダメージが変動する等、概ね一般的なショットガンのイメージとも合致する。
ただし、一般的なFPSにおけるショットガンとは違い、近距離で当てても(一部のシェルター以外)敵は即死させられない。

シェルター最大の特徴は、開いた傘で敵の弾を防げること。
射撃後に暫くボタンを押し続けると傘を展開、シールドモード(便宜)となり、一定ダメージ量のインクを防ぐ盾となるのだ。
開いた傘にはダメージ判定があり、威力30*1とミリ削りにも使えなくもない。
サブやスペシャルを使わずとも自発的に防御が行えるのはシェルターの特権であり、「シェルター」というカテゴリ名はここから由来している。

更に、傘部分にはパージ機能を搭載。
展開状態から更にボタンを押し続けるとなんと傘部分を射出。インクを噴射しながら敵弾を防ぐ盾として一定距離を進んでくれるという、Splatoon以外に類を見ないギミックが仕込んである。
傘を追いかけつつ強引に敵との距離を詰め、相手に高火力の一撃を浴びせかけるのが基本となる。

総じて、特異性で固められたユニークなブキカテゴリ。
扱いは当然ながらクセが強く、いちいち傘をパージして身を守りつつ戦う都合上敵を仕留めるのに時間がかかる。
そのくせ傘が目立つので複数から叩かれやすく、パージはインクを多量消費するので息切れしやすい……と欠点は多い。
しかし傘を用いた防御力と生存能力の高さは本物であり、基本的にタイマンには強い。傘を盾に強引に距離を詰めるムーブは単純ながら対処しにくく、刺さるブキにはかなり強く出られる。
他ブキ種と一切被らない独自の強みを多く持っており、他とは一味違うプレイスタイルで勝ちたい、というゲーマーはきっとシェルターを楽しめることだろう。

ちなみに、傘としてアメフラシを防いだりは出来ない。上に差しても射出しちゃうしね……
撮影モードでのみ傘として写真を撮ることが出来る。

2024年現在、実装されているシェルター四種はすべて雨具メーカー「アダクラ」が開発している。


性質

3』までに全部で3種類存在し、セミオート(単発)2つとフルオート(自動連射)1つが実装されている。

まずざっくり長所と短所をおさらいしておこう。

長所
  • 自力で敵の攻撃をガード出来る
  • 射出した傘で突入したり囮に出来る
  • 味方への簡易的な援護シールドにもなる
  • 散弾なので狙いが多少アバウトでもダメージは与えられる
  • 射出した傘は地面を塗るので移動経路になり、ガード判定も残る
  • 自チームの傘は味方の攻撃を一方的に通せる

短所
  • 射程が短い上に距離減衰が激しく、中距離以上での戦闘は困難
  • 弾がバラけるので接近しないと纏まったダメージを与えられない
  • ガード中でも背後は無防備
  • 傘を射出したり破壊された後は暫く展開できず無防備になる
  • パージするとインク回復不能になるインクロックが掛かる
  • 傘にボムが当たると即起爆するので味方への二次被害がある
  • 攻撃速度=DPSが低く、傘を使わない撃ち合いにはやや弱い
  • 射撃の瞬間に硬直が入り、イカ状態になれない

基本的に前線に出張って持ち前の耐久力で相手の攻撃に耐え、間接的に味方への被害を減らしつつ倒してもらう……という、分かりやすいぐらいの『タンク役』である。

接近さえできれば至近距離で散弾を浴びせて仕留める単独運用も出来る。
パージした傘に潜んで接近したり、逆に潜んでいると見せ掛けて逆方向から奇襲したり……と中々にトリッキーな戦法が行えるが、極めようとすると結構ハードルが高い。
ちなみに、分かっている味方がいればパージした傘に味方を潜ませるという戦法もできる。イカニンジャをつけた味方がいれば試してみよう。特にローラーとの連携は超強力なのでオススメ。

上にも挙げたように散弾なので、拡散する弾は前方広範囲を攻撃できる……が、対象が遠くに行くほど当たる弾は減り、速度は落ちて更に威力が低下する。
アバウトでも当たればダメージは通るが、ショットガンのイメージ通り数滴掠めた所で大した威力にはならない。飛ばした傘のラムアタックにも劣る極小ダメージしか与えられないので、インク密度の高い近距離で浴びせなければ結局撃ち合いには勝てない。

そんな訳で、実戦ではパージした傘を盾(囮)にしつつ突撃して相手の土手っ腹に弾を叩き込む脳筋運用と、耐え忍んで相手のヘイトを買いつつ攻撃タイミングと引き際を見極める冷静な運用を両立する必要がある。
要は扱うプレイヤーが読み合いに強いほど輝くブキ。
上記のように立ち回りはもちろん、実物と違って直接ぶん殴って攻撃することは出来ないので、中心部に正確に弾を叩き込めるAIM力も要する。

まずは散弾をキッチリ当てられる立ち回りと照準スキルを身につけ、それから戦術の拡大・応用として傘の機能も使っていこう。
基本イメージとしては先出しで攻撃し、相手の反撃を傘でいなしつつ次弾で仕留める様を想定すると分かりやすいか。
ローラーの運用に近い不意打ちが噛み合うだろう。

ちなみにパージ機能を持っていないシェルターも1種類だけだが存在する。
その場合は上記のパラソル戦法がほぼ不可能だが、逆に考えて「パージしなくて済む」と思えばまた違った戦法が取れる。
自分専用のとして絞った、対面戦での安全性を増した運用である。

上手く使いこなせれば対面した相手に後退を強制させられる、この上なく鬱陶しい存在となる。苦手意識を持たせて動きが鈍った相手をさらに刈り取るべし。


種類

パラシェルター

基本型。
一回のダメージは最大81と命中させれば2確の威力、傘の耐久も丁度中間とバランス型のシェルター。
セミオートだが連射速度もまずまずなので、会敵しても比較的凌ぎやすい。
射出した傘はライン8本分と進行距離もダントツ。
ホコやアサリで平坦なステージなら道作りや強行突破としても使える。

ただしインク周りはかなりシビアであり、射撃とパージのいずれも劣悪な燃費とインクロックに悩まされやすい。
また、ガード中でも見た目通り後方や真上はガラ空きなので、背後に爆発系ウェポンやスロッシャーの曲射、ブラスターの爆発を食らえばモロにダメージが入る。
所謂『めくり』には警戒しておこう。

バランス型ゆえにシェルターへの理解度がモロに出るので、基本型ながらシェルター初心者には割とお勧めしにくいという罠が存在する。『3』ではシェルター種で頻発するラグによる貫通現象のせいでこいつはかなり悲惨なことになってるし
最初にこれを選んで全然勝てない、となったら他のシェルターを試してみよう。シェルターに習熟し、パラシェルターで勝てるようになってきたら君も立派なシェルター使いだ。

『2』では黒い見た目のヒーローシェルターレプリカ、『3』では白い見た目のオーダーシェルターレプリカもある。

キャンピングシェルター

名前の通りと言うべきか、そもそも傘ではなくキャンプテントを横から裂いて傘にした魔改造品。
何を言ってるのかわからないって? 実際に見れば分かる。

性能としては重量級らしく驚異の100越えの1確ダメージを叩き出せるが、代償として連射速度は大幅に低下しており、発射時の硬直も相まって外した際のリカバリーがしにくい。

肝心の傘(?)の性能は横に大きく広く、耐久性はパラシェルターと下記の軽量級シェルターの耐久を合わせた程と、シェルターの中でも随一の固さ。
射出時の速度が遅い、高さはそれほどなので高台からの射撃や爆風は普通に素通りするといった難点はあるが、それらを補って余りある耐久性で強引に敵陣に割り込んで傘越しに一確を叩き込むムーブがシンプルに強力。
代わりに展開時のガード時間は大幅に短くなっており、本当にすぐにパージするので対面では一瞬の展開で弾く必要がある。
飛ばすモノだと割り切って使おう。

傘の耐久性・火力に特化したシェルターであり、エイム力さえあれば実はシェルターの中ではかなり扱いやすい部類。
シューター2人程度ならしのぎ切る硬さの盾を強引に前線で広げて、味方ごとガードしたり囮にしたりとタンク役がとにかくしやすく、敵に強みを押し付けやすい。
ただしパラシェルター以上に傘への依存度が増しているので、インク切れに注意。慣れていないとインク切れで傘が射出できない事態が頻発する。

スパイガジェット

パージ機能? よくわからんし要らね。な思考回路をお持ちな野郎共にうってつけの軽量級シェルター。
文字通りスパイ映画に出てきそう*2なシックな色合いの傘らしいデザイン。

パージ機能を排したお陰で傘の耐久が持つ限りボタン長押しでずっと展開=防御し続けられる上、そのままガードしながらフルオート射撃も続けられる至れり尽くせりなブキ。
特定のブキ持ちからしたら相手にしたくなくなること請け合いだろう。
ビニール傘の如く半透明素材なので、展開時でも前方の視界が遮られないのも地味にありがたい。
ただし、傘の耐久はパラシェルターの半分以下。壊れやすいところもビニール傘っぽい
とは言え壊されても修復時間は割と短く、さらに壊れた状態でも相手をキルすると傘の耐久が全快するという隠れ特性も有する。

どちらかと言えば問題は火力の方。
火力は最大で40*3と最低レベルで、射程も短い。「最大で」40なので、散弾の性質上中距離どころか近距離でもそれを下回ってしまうことも多かったり。
一応それを補うように射撃スピードはシェルター内でトップクラス、かつ射撃時のインク消費量は少なめ。
ちなみにボタン押しっぱなしよりもボタン連打で撃つ方がヒト状態での機動力が高かったりする。

攻撃と防御が常に両立する射撃をばら撒き、短射程を追い払ってラインを上げやすいのが強み。ただしパージができず、そもそも火力も耐久力も低いので単独で強引に突っ込むムーブは不可能。キルを取るには基本サブスペか味方の力を借りることになる。
「味方と足並み揃えてラインを上げる」という意識が大切なサポート型の上級者向けシェルター。
勝利の為に工作活動を行い、他の味方が見ていないところで人知れず活躍する……そういったスパイらしい立ち回りを心掛けよう。

無印に与えられるサブウェポンは『2』『3』共にトラップという実にスパイらしい構成。一方スペシャルウェポンはスーパーチャクチ→サメライドと、近距離攻撃用の派手なものが揃う。
基本はインクとトラップを撒いて敵の妨害。時にはシェルターらしい囮活動で敵を誘い込みトラップ付近まで誘導*4、ここぞという時にスペシャルウェポンで派手にキメる……という立ち回りが理想。気分はまさにスパイ映画。

亜種には『ソレーラ』が存在し、『2』ではスプラッシュボムとイカスフィア、『3』ではトーピードとスミナガシートがついている。
サブがボム系統となったことで無印よりも攻めの状況でも使いやすく汎用性に優れる反面、計画的に使用しないとボム投擲直後の撃ち合いでインクが切れて傘の展開が出来ずに瞬殺ということも起こり得るので注意。

『2』限定の亜種『べッチュー』はトーピードとインクアーマーを持っていた。

24式張替傘・甲

『3』で追加された和傘がモチーフのシェルター。
海藻由来の素材を用いた傘は何が当たっても一瞬で壊れてしまうほど脆いが、その代わり一瞬で復活する。
パージそのものもパージした傘の移動速度も素早く、パラシェルターやキャンピングシェルターに比べてインク消費・インクロックもかなり軽いため、恐ろしいほどたくさんパージしまくれるのが特徴。。
連射の速いブキの攻撃は防御しづらい分、チャージャーのような火力が高く継続射撃がしづらいブキに対しては強く出られる。

射撃はフルヒット90ダメージと高火力だが、特筆すべきは散弾が射程端でもほとんどバラけず、遠距離でも高いダメージを入れられる点。
一方で連射は遅く、前述のように傘が脆いこともあり「ガードしながら近距離で撃ち合う」という他のシェルターのような戦い方は不向きで、むしろ中距離での撃ち合いの方が得意という シェルター界の異端児
また弾がバラけない都合上、射撃はあまり塗り広げに適さず、パージの方が塗りの確保や道づくりに使いやすい。

とにかく ありとあらゆる性能がシェルターとしては前代未聞 であり、他の3種とはまったく異なる立ち回りが要求される。
とはいえ、「大量のパージで相手の注意を逸らして横からどつく」「高速のパージに乗って動きの鈍い敵を潰しに行く」など、傘を軸にして立ち回るのは他と変わらない。
オンライン対戦での運用方法はまだ開拓途中なので、気になる人は自分で使い方を模索してみよう。

+ 他言無用

クマサン印のシェルター

パラシェルターをベースにしたクマサン謹製の対シャケ用ブキ、通称「クマシェルター」「クマシェル」
見た目は傘の骨組みにクマサン印特有の金色のシリンダーが刺さっており、シェルター系列のアイデンティティたる傘部分は取っ払われているという異色の造形。当然、傘を開いての防御やパージはできない。
じゃあ何ができるんだというと、「シューター並の速度でフルオート発射できる散弾を全ブキ最速の射撃中移動速度でバラ撒く」というシロモノ。射程も拡散する角度もパラシェルターより上であるため、とにかく圧倒的速度で塗りを広げられるのが強み。ダイバーのリングもあっという間に塗り返せる。
火力もクマサンブラスターを超えるDPS400を誇るため一部のオオモノ処理にも強いほか、連射速度・広範囲の射程を併せ持つためザコシャケの殲滅も得意とかなり器用な立ち回りができる。
加えて、クマブキ特有の燃費の悪さも無いため、継戦能力は非常に高い。
一癖も二癖もあるクマサンシリーズの中では使いやすい部類に入る。

ちなみに、2のシェルター専用勝利モーションはイカが「本体を回し、その後傘を開いてクルクル」、タコが「傘を開いて浮遊した後、本体を抱えてエアギター」となっている。
そのため、それをこのクマシェルターで行うと骨だけの傘をクルクルしたり、骨だけの傘で浮遊したりといった非常にシュールな光景となる。



効果があるギアパワー


  • インク効率アップ(メイン・サブ)/インク回復力アップ
散弾とはいえ攻撃や塗りの為にドパドパ撃ちまくる上、パージにもインクを消費するので結構すぐに枯渇する。
やや貧弱な火力を手数で補うためにも積んでおくと吉。

  • ヒト/イカ移動速度アップ
傘の展開を織り混ぜて戦うので歩き撃ちする機会は他のブキより多い。撃ちながら傘の耐久の調整で物陰に隠れたりも出来る。
スパイガジェットならヒト速の恩恵も受けやすいだろう。
単純に相手に近寄る足としても置きAIMの要領でズラしとしても活用可能。

  • 復活時間短縮
とにかく前線に出たい、という死線上等のプレイヤーなら縁の下の力持ちとなってくれる。キャンピングシェルターなどはオススメ度高め。
一人でも倒してしまうと効果が無くなるのが玉にキズか。
逆に、まだ撃ち合いに自信がない……というプレイヤーにもオススメ。シェルターに慣れるまでのお守りとして頼ろう。

  • イカニンジャ
不意打ち上等、貧弱な火力を先制攻撃で補いたい殺意マシマシのプレイヤー向け。
単発の最高威力が1確のキャンピングシェルターなら、気付かれずに背後からズドパァン!する戦法も使える。
なお、上述したがイカニンジャを付けている味方がいたら積極的に連携を試みよう。


余談

サーモンランでの立ち回りはサーモンラン(Splatoon)を参照。




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最終更新:2025年02月13日 18:59

*1 スパイガジェットは15

*2 というより2の紹介映像のカメラワーク的に元ネタは『キングスマン』に登場した傘

*3 1発12ダメージの弾を7発同時発射しているのだが、ブキカテゴリの性質で40以上与えることは出来ない

*4 トラップは設置時にインク消費のため、先に仕掛けておけばインク全回復で撃ち合える