ストリンガー(Splatoon)

登録日:2022/12/22 Thu 15:34:02
更新日:2025/07/12 Sat 18:15:29
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既に確認されている弓のような新しいタイプのブキは、「ストリンガー」と呼ばれることが判明した。
ZRボタンで弦を引き絞り、離すと複数のインクを同時に発射するようだ。
地上では「ヨコ射ち」、空中では「タテ射ち」とブキを持つ姿勢が変化する。
使いこなすとカッコイイぞ!
*1

ストリンガーとは、Splatoonシリーズに登場するブキカテゴリーである。



概要

Splatoon3にて初登場した、そのまんまの形状をしたブキ種。見た目通り、弦の張力によって遠距離までインクを矢のように射出する新しいタイプのブキである。

同じカテゴリでもブキ種ごとに性能が大きく異なるのが特徴。
発売当初から実装されている「トライストリンガー」「LACT-450」の時点で全く別の運用をするブキであり、アップデートで追加された「フルイドV」も前者2種とは操作感がまるで異なる。
ここに後述する操作難度も加わるので、基本的にはゲームに慣れてきてから触るのがオススメのブキたち。
その分使いこなせればカッコいいぞ。


性能

まず、全ブキカテゴリ屈指のアクションの多彩さを誇る。最初はその把握だけで苦労しがち。

どのストリンガーも共通して発射口が複数備え付けられており、射撃時はそこから扇形にインク弾を発射する。一回の射撃で発射口の数だけ弾を放つ。
地上で撃つと弓を横に構えて放つヨコ射ち、空中で撃つと縦に構えて放つタテ射ちに変化する。ローラーのヨコ振り/タテ振りをイメージすればわかりやすいだろう(あちらほど性能は変わらないが)。

さらに、弓を引き絞る動作により、従来のチャージャー同様チャージを行うことが可能。どのストリンガーもチャージすればするほど射程が伸びる。
ただし、ストリンガーはチャージした長さによって射程だけでなく弾の性質も変わる。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、とりあえずチャージすればするほど良くなるブキではないのが従来のチャージブキとの大きな違い。
チャージはスピナー同様二段階。「ノーチャージ」→「一周チャージ(一周以上フル未満)」→「フルチャージ」。
概ね共通しているのはチャージするほどに射程が伸び、着弾点が収束していくという点。後述するフルイドVはこの部分すら異なるのだが……。

上述をまとめると、シンプルに考えるだけでも、
  • ヨコ射ちノンチャージ・一周チャージ・フルチャージ
  • タテ射ちノンチャージ・一周チャージ・フルチャージ
……と、性質の異なる6種類の射撃を使い分けて戦うことが出来るノンチャージは縦横それほど違いはないけど
フルチャージで威力と有効射程を活かすことが前提のチャージャーとも、チャージするだけ制圧力に拍車が掛かるスピナーとも異なり、場面に応じた手札の多さで勝負できるのがストリンガーの魅力。既存のブキカテゴリに該当しない全く新しい概念のチャージを操れるか否かが、ストリンガー種を扱う鍵になってくる。

その他、よく比較されるチャージャーとの違い:
  • 曲射を行うことが出来る。
    照準を上向きにすることで、弾が山なりの軌道を描いて飛んでいく。この着弾時に威力減衰はない。これにより、遮蔽物を飛び越しての狙撃やインク塗りが可能となっており、弓矢らしい強みを持つ。
  • レーザーサイトが表示されない。
    チャージャーと異なり、攻撃の瞬間まで撃たれる方向を悟られにくい。とはいえフルチャージすると手元が光ってしまうので、遠目からでも目立つのは変わらない。
  • 収束しない一発ごとの威力は低い。
    フルチャージを全弾命中させれば一撃で倒せるものの、弾の判定は独立したままなのでカス当たりがある。動き回るイカに安定して全弾命中させるのはチャージャー以上にシビア。


種類

上述通り、ブキごとに大きく異なる性能を持つ。個性の振れ幅ならスロッシャーと同等かそれ以上なので、自分にハマる一張を選ぼう。

トライストリンガー

パッケージでもメインを飾る、ストリンガーの代表とも言えるブキ。モチーフは見ての通り釣り具で、製造元は釣り具メーカーの「つり」。*2
『3』を意識してか一度に三発の弾を放つ。

カテゴリ内最長の射程を誇る遠距離型のストリンガー。さらに釣魚のクーラーボックスからの連想かインクの冷却機能を搭載しており、チャージしたインク弾が着弾点で破裂するという特徴を持つ。
一言で言えば、とにかく出来ることが多い器用さ重視のブキ。フルチャージで狙撃キルを狙うのはもちろん、中ほどの収束弾で敵の足元を奪って追撃、曲射で遮蔽物越しに狙撃、冷却弾で移動を強制させる……など芸達者な攻めが可能。遠距離だけでなく前線やや後方からの援護も積極的に行える。
遠距離からキル以外でも貢献できる行動があるという点から、チャージャーより敷居が低い遠距離ブキとしても受け取れる。
「やれることが増えたチャージャー」とも言えるだろう。

一方、出来ることが多い分器用貧乏に陥りやすいのが難点。
射程・撃ち合い性能・曲射など、様々な性能で大抵はそれぞれに特化した上位互換が存在している。
やれることが多い分チャージャーより遠距離ブキとしては敷居は低いが、対戦のレベルが上がるにつれて「やれること」をフル活用しないと特化ブキには競り負けてしまうのだ。
触るだけでなく「勝ちたい」となると要求スキルはぐっと高くなる。
チャージャーのように単純に距離を取れば有利というブキではないし、一方で長射程からガンガン狙撃するプレイが求められることもある。
「チャージャーは難しいけどこっちなら出来そう」と考える初心者から中級者、役割の多さを苦に思わない上級者にまで広くオススメできる一張だ。

亜種はトライストリンガーコラボトライストリンガー燈

イカ、トラスト愛溢れるアニヲタ達の記したトラストの詳細を纏めておく。トラスト単独で項目にした方が良かったんじゃないかレベルで子細に語られているため、トラストに興味を抱いているプレイヤーはぜひとも参考にすべし。








LACT-450

ストリンガーの軽量モデル。メーカーは.52ガロンやカーボンローラーと同じ「ペトロ」で、通称「ラクト」。
トライストリンガーに比べると射程が短い代わりにチャージが早い・連射力に優れているなど近距離型のストリンガー。
初心者には塗り、中~上級者には撃ち合い性能で応えてくれるポテンシャルを秘めている。
詳細とマルミサ関連のアレコレは該当項目にて。

亜種はLACT-450デコ、LACT-450MILK


フルイドV(ファイブ)

『3』発売から1年9か月を経て遂に登場したストリンガーの新型モデル。メーカーはリッター系ブラスター等を扱う「ハイドロ」。
名前の通り、古井戸のような金属感のある弓幹に5門の発射口を携えた重量級ストリンガー。弓というよりは射出機といったほうが近い。こんな金属の塊が重量級なんて言葉で済むのかはさておき
なお、フルイド(fluid)は「流動」という意味。さらに「フルイドアート」という絵の具の流動性を利用した描画法の用語もあり、おそらくトリプルミーニングの凝った名前。

性質としては中距離型。トライストリンガーと同じくインクの冷却機構を持ち、一周チャージ以降で冷却弾を放てるのも同じだが発射口が5門……つまりこちらは5Way攻撃になる。
しかし、トラストとの最大の違いはチャージの性質。
  • 一周チャージまでは照準が収束していく
  • 一周チャージの時点で完全に収束
  • 一周チャージを超えると逆に照準が拡散。
    照準が戻っていき、フルチャージで最大範囲になる

トライストリンガーと異なり、一周チャージの時点で一確を狙える収束狙撃になる。
冷却弾は1発35.0ダメージのため、トライストリンガーと異なり全弾命中させなくても3発当たるポイントで捉えれば(理論上は)一確が可能。
ただし、エイムが雑でも簡単にキルが取れるかと言えば大間違い。一周チャージを超えるとレティクルが拡散する性質上、チャージした状態で狙いを定めることができないので、むしろタイミングを合わせた瞬発的なエイムが必須。

そしてフルチャージ時には弾が収束せず、広範囲に冷却弾を放つことができる。バイトで似たようなブキを見た気がする? 口外厳禁である
高拡散5Way爆発弾の制圧力は非常に厄介で、広範囲への削りや相手の足場を奪う塗りは強烈。もちろんその塗りからガチエリアでも活躍可能。
また、射撃一回の威力が高い都合上対物性能が非常に高い点もリリース直後から話題になっている。この射程におけるホコバリアやカニタンクの破壊速度は全ブキ中最速であり、グレートバリアも装置への曲射にて簡単に破壊できる。

ノンチャージは冷却機能なし。射程はLACT-450と同程度だが連射速度が低いので塗り性能はやや低め。
何気にノンチャージが24.0*5なので、理論上はノンチャージで一確を狙える前代未聞のチャージブキでもあったり。
とはいえ実戦で狙うことはほぼ不可能。

と、ここまでならトラストの射程とラクトの一確を併せ持つハイブリッドブキにも思えるが、当然固有の短所もある。
まず射程は最大でも4.8、一確を狙える一周チャージの射程は3.0。勘違いされがちだが、トライストリンガー(5.4)には射程で大きく劣っている。ゴツければ射程が長いわけではないのだ。
一周チャージの射程についても、3.0帯はS-BLASTやロングブラスター、スクリュースロッシャーなどのキルブキが犇く魔の射程帯。重量級であるフルイドの一周チャージだけで渡り合える相手ではない。
かといって前線に近い中衛ポジションにいないと仕事ができない場面が多く、求められる立ち回りとエイム練度、特に対面での反撃と警戒はトライストリンガー以上に素早い判断が求められる。
頼りの一周チャージの収束狙撃はジャンプすることでチャージ鈍化≒キープすることができるが、近距離では上述通り瞬発的エイムが必要。もちろん広範囲爆撃で足場を奪う、素直に逃げるといった選択肢があることも忘れないようにしたい。
インク射出量が多い分燃費も悪いので注意されたし。

総じて、冷却弾の範囲制圧にスポットを当てた中距離型ストリンガー。同じく制圧が得意なスピナーに比べると臨機応変な対応力が求められ、その頼もしい重量感に反し繊細な立ち回りを要求されるタクティクス重視のブキになっている。パワータイプが多い重量級ブキの中ではかなり異色である。
実装当初から「ポテンシャルは高い」と評されつつも、大会や環境でいまいち明確な活躍を残せていない雌伏のブキでもある。上記S-BLASTのように遅咲きを果たせるか、今後の動向に期待が掛かる。
重量級ながら前線~中距離で生き延びられる射手にこそ真価を発揮できる連弩だ。

亜種は現在フルイドVカスタムの一種のみ。




+ ワタシ個人の持ち物が混ざってしまいました。見つけても絶対に持ち出さず、口外しないでください。

クマサン印のストリンガー

重量:中量級
クマサン謹製、サーモンラン専用のストリンガー。ベースこそトライストリンガーっぽい見た目だが、魔改造により発射口が3倍の9個に増やされている。
照準など知らんとばかりに着弾点はバラバラ。フルチャージしても全く収束しないが、右側に照準が密集するポイントがあるためそこを活用するとバクダンを一撃で処理できるので試してみよう。
逆に照準の粗さをイカし、ノンチャでもかなり広範囲を塗ることができるほか、ベースとなったトライストリンガーと同じ1周チャージから着弾後の爆発が発生するため壁塗りも得意。
フルチャージした時の1発あたりのダメージは150で、全弾命中すれば150×9=1350という破格のダメージ。至近距離まで接近し全弾ぶつければモグラやテッキュウといった高体力オオモノシャケもワンパンできる。さらに的のデカいオカシラシャケであれば全弾叩き込むのは容易。メインでイクラキャノン1発を超えるダメージを叩き出す、対オカシラ決戦兵器と化す。

が、クマサンシリーズの宿命としてインク効率の悪さがあり、フルチャージすると4発しか撃てず、ノンチャでも10発しか撃てないためインク残量には注意。


余談

  • ストリンガーの代表であるトライストリンガーはスプラトゥーン3のパッケージを飾っている。3という数字に所縁があるものが多いが、このトライストリンガーもその一つと言えよう。

  • すりみ連合のフウカは、ラジオでたびたびステージ相性とストリンガーについて言及していることから、ストリンガーが得意武器であると予想されていた。その後、サイド・オーダーにて、フウカのパレットブキで装備できるブキがストリンガーであったことから、ストリンガー使いであることが判明した。

  • ヒーローモードでもトライストリンガーが支給されることがあるが、『5-7 不可逆な時の中でこの街並みを選ぶ意味の場所』でのトライストリンガーチャレンジはヒーローモード屈指の難関の一つと言われている。トライストリンガーのエイムや着弾点の収束を熟知して臨まれたし。ブラスターでクリアして放置してる人は正直に手を挙げなさい

  • 『3』において完全新規の重量級ブキは実はフルイドVだけである。*3。(マイナーチェンジ版を除く)
    • ちなみにフルイドV初出の公式PVに登場した「アタマにマルノミウーパーを被ったインクリング」が「フルイドくん」*4の愛称でXにファンイラストが多く投稿されている。三つ編みヘアスタイルのボーイ、フードを被った弓使い……と個性的な属性が際立っているゆえか。
      ナワバトラーでもフルイドVのカードイラストにフルイドくんが使われている。




追記・修正はヒーローモードのステージ5-7をトライストリンガーでクリアしてからお願いします。


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最終更新:2025年07月12日 18:15

*1 Splatoon公式TwitterアカウントのTweetより

*2 捻りもくそもないが「つり」が歴としたメーカー名である

*3 2025/6の「バンカラコレクション」アップデート次点において

*4 マユゲがボーイ限定のものになっている