改宗歴8年10の月ー
私の崇高な探求は、ついに最終段階に移る。
人と虫との完全なる融合だ。
執事殿は自ら実験に志願した。
人を越え、いっそうラモン様に尽くすために。
その深い忠誠に、私も全霊をもって応えよう。
改宗歴9年3の月ー
大いなる合一は成された!
執事殿は、永き苦痛を耐えたのだ!
そして見よ、その完成された美を!
この完全な命に、私は「U-Ⅲ」の名を捧げる。
「Ⅲ」は最も美しく、完全な数字だ。
改宗歴9年4の月ー
U-Ⅲ、改め「魔犬(ペサンタ)」は、領主の右腕として、ラモン様を支えている。
しかし、腕は2本必要だ。
次は私が忠義を示すときだろう。
※『バイオハザードRE:4』本編、ファイル「探求の書2」
2023/9/21に配信されたDLC『Separate Ways』にて、本編の裏側を描いた
エイダ編で本格登場。
本作では設定が大幅に変更されており、旧作の2体いるヴェルデューゴの内、黒いローブの個体にU-3の一部設定が引き継がれる形で新規クリーチャーとしてリメイクされた。
作中では学匠イシドロが古城に残した「探求の書」と呼ばれるメモで
滲み出る狂気と共に誕生に至るまでの経緯が語られている。
U-Ⅲ/ぺサンタ
「人間と昆虫の完全な融合」をコンセプトにイシドロがプラーガの応用実験で作り出したB.O.W.の一体。
普段は荘厳な紋様の黒いローブに身を包み、ラモンのもう一人の腹心である
赤ローブこと
ヴェルデューゴと共にラモンに付き従っている。
昆虫の様な顔と腕を持った巨漢で、外見上は旧作同様ローブの色が違う事を除けばヴェルデューゴと瓜二つ。
素体となったのは上記の通りサラザール家に仕える執事。
元々はラモンの暴走を止められなかった事を悔いて共に墜ちる道を選ぶ責任感の強い人物だったが、改造直前の手記では一転してプラーガを賛美しており、完全に洗脳されてしまっている模様。
恐らく、宿主の知性を保ったまま支配下に置く上位種のプラーガを体内に宿しているものと思われる。
本編で入手出来る「探求の書」では該当部分が抜け落ちているが、改造手術は相当に難航したらしく、執事は地獄の苦痛に晒され続ける目にあった。
その苦痛から上がる絶叫は、残虐な実験に嬉々として手を染めてきたイシドロでさえ戦慄する程だったという。
このままでは素体の命が持たないと焦ったイシドロは、悩んだ末に人間と昆虫の他にもう一つ生物を足す事で安定化を図る。
当人ですら「非情に暴力的なやり方」と評し、ともすれば失敗のリスクも大きい苦肉の策であったが、結果的には成功。
イシドロの家名である「ウリアルテ」と彼が最も美しく完璧と称する数字から「U-Ⅲ」と名付けられ、その後新たにカタルーニャに伝わる伝説の魔犬「ぺサンタ」の名を与えられた。
作中のテキストでは主に「刺客」「ぺサンタ」と呼称される事が多い。
こうしてぺサンタはラモンの新たな右腕として活動する様になるが、腕は二本必要だと考えたイシドロは自らをヴェルデューゴへと改造。
後にラモンの刺客として本編でレオンと死闘を繰り広げる事になる。
能力
プラーガ製クリーチャー特有の高い耐久力と身体能力を持ち、通常時は鋭い爪と槍状に変化させた右腕を武器とする。
また、基本的に攻撃性剥き出しな
ガナードと異なり、落ち着いた立ち振る舞いや戦況不利と見るや深追いせずに撤退する判断力等、高い知性を持っている事がうかがえる。
最大の特徴は、
嚢胞に包まれた小型のプラーガを発射して相手に寄生させ、寄生先に幻覚を見せる能力を持つ事。
これにより霧を発生させて視界を妨げたり、瞬間移動したかの様にみせかけたり、分身と共に攻撃する等といった戦術を繰り出す。
嚢胞は地雷の様に爆発する事で広範囲にまき散らす上、
かすっただけでも寄生されるので回避は困難を極める。
なお、「探求の書」によるとこの小型プラーガは正確には本体=ぺサンタの分細胞の様なもので、ぺサンタが死ぬと寄生体も死ぬ生命共同体である。
【Separate Ways: Ada's Story】
本編開始より少し前の時間軸でエイダを狙う刺客として登場。
その後も単独行動でエイダを執拗に追跡し、ボスとして何度も戦う事になる。
◆チャプター1:古城入口広間
オープニング直後に戦闘。つまりエイダ編で最初に戦う敵である。
本編のガナード・デスヌカドといい、初っ端から殺意高過ぎではなかろうか
近接攻撃しかしてこないので、柱を盾にしながら距離をとって戦うと良い。
一定のダメージを与えると咆哮と共に幻覚を発動し、多数の分身と共に襲いかかってくる。
これらの分身は銃撃や閃光手榴弾で消せるが、しばらく経つと復活する上に消しても一切ダメージは入らない。
最初のボス故にリソースも火力も乏しい状態で戦わなければいけないため、弾数節約のためにも本体を見つけ出して早々に叩きたい。
ちなみに目が光っているのが本体。
この戦いでエイダは何とか刺客を退けるもプラーガに寄生されてしまい、度々症状に苦しめられる事になる。
◆チャプター2:村中央広場
本編でレオンがチェーンソー男と初めて遭遇した場所。何気に城の外に出ている。
1戦目と比べて本体・分身共にタフになっている上、パリィ不能の掴みやジャンプ斬り等の攻撃パターンが増えている。
常に刺客から距離を取る様に走り回りながら、いつでもダッシュで避けられる様準備しておく事。
ある程度ダメージを与えると動きが止まり、メレー攻撃を仕掛けられる様になる。
◆チャプター4:古城
戦闘無し。
プラーガの症状に苦しむエイダを補足するが、すんでの所で
ルイスが作った寄生遅延薬が効力を発揮した事で難を逃れる。
しかしここでルイスから彼女の任務だった「アンバー」を受け取り損ねた事が後に尾を引く事に...
◆チャプター5:採掘場跡〜大空洞
決着戦。エイダの機転によって頭上に鉄橋を落とされるもこれを跳ねのけ、ローブが破れた事で遂に正体を現す。
その姿は顔と手の形状こそヴェルデューゴと同じだが、如何にも昆虫らしい外殻を纏ったあちらと異なり、元々不完全だった融合である事を示す様に人類と爬虫類がいびつに混ざり合った生物的な体を持つ。
ずんぐりした下半身は恐竜の様な二本足で支えられ、尻尾部分からはぺサンタ本体と同等の大きさを誇るムカデの様な寄生体(?)が生えている。
あの巨大な寄生体をローブにどうやって隠していたのかは謎
細部こそ異なるもののシルエットはオリジナルのU-3にかなり近く、名前を知らない多くの旧作プレイヤーはここで黒ローブの正体が「アレ」である事に気づいた事だろう。
マップは旧作の後半戦と似た岩場だが、鉄格子扉のギミックは無い完全真っ向勝負。
これまでと打って変わって尾の寄生体を主武器にパワフルに動き回る様になり、左腕の触手や地中からの奇襲等の旧作を思わせる攻撃も使う。
更に寄生体の口から嚢胞地雷をマシンガンの様に連射する新技を使用し、これが極めて厄介。
単純に遠距離攻撃というだけでも脅威だが、例え避けても地面にしばらく残って触れるか一定時間経つと爆発するため、闇雲に走り回ると暴発してダメージを食らいやすい。
狭いマップ、モーションの速さ、遠近両方に対応した攻撃パターンと苦戦ポイントが多く、中々の強敵と化している。
体力自体はそこまで高いわけではないが、元々「ヴェルデューゴ」を目指した個体であったためか
攻撃に対する耐性が非常に高い。明確な弱点もないためライフルによる特効すら無力化する。
適度に距離を取りながら各種銃で攻撃していくセオリーはこれまで同様。
連射攻撃はマップ中央端の岩陰に隠れて回避出来る他、使用前に構えをとるのでその間に寄生体に集中砲火すれば止められる。
特に火矢と手榴弾が有効だが、閃光手榴弾は後述の理由から最低1個は温存しておきたい。
寄生体をによる攻撃はパリィ不可な代わりに直前に表示されるコマンドボタンで回避可能。
時々幻覚発動時と同じ咆哮を挙げる事があるが、実際には何もしてこないので逆に攻撃するチャンスとなる。
ブラストクロスボウが非常に有効であり、本体に直撃させるとぺサンタは怯んで後ろに下がる。
また動き出してから攻撃を直撃させるとまた後ろに下がる。つまり火薬矢を前もって沢山クラフトしておく事で
ぺサンタに何もさせる事なくストレート撃破が可能なのである。
ブラストクロスボウは初期だと癖があるので威力と装填速度を1段階だけでも上げておきたい。
実はそれだけでかなり安定するのだ。なお火薬矢はここに来るまでに固定で入手出来る箇所もいくつかあるため、それを覚えておくのも良い。
体力を削り切ると力尽きてその場で倒れ、執事時代につけていた髪飾り(売却可能)を落とす。
これにて決着...かと思いきや、なんと尾の寄生体がエイダに襲い掛かり、2戦目に突入する。いい加減にしろ
・ぺサンタ(第2形態)
ぺサンタに寄生していたプラーガが単独でクリーチャー化したもの。エイダ曰く「個性的な姿」。
長い体をくねらせて這いまわる姿はまんま巨大なムカデだが、よく見ると尾に近い部分にぺサンタの死体がくっついたままになっている。
戦闘BGMが旧作のU-3戦のアレンジなのは、このプラーガこそが主という暗示だろうか。
地雷弾攻撃は第2形態でも健在だが、今回は盾に出来るものが無い代わりにマップが広がっているので幾分か避けやすくはなっている。
弱点は腹と尾の光っている部分で、時折地中から直立する様に這い出て来るのでその時が攻撃のチャンス。
また、天井を移動している時に弱点を攻撃するとその場で落ちてきて隙が生まれる。
ある程度ダメージを与えるとナイフによる特殊攻撃で大ダメージを与えられるので必ず狙うべし。
しばらく経つとノビスタドールの群れを召喚してくるが、紙耐久とはいえぺサンタを相手にしながら1対1体倒すのは面倒なので出来れば閃光手榴弾でまとめて処理してしまいたい。
最期は寄生体も敗れ、しばらくのたうち回った末に沈黙。
エイダに寄生していた「分身」も本体が死亡した事で体外に排出され、魔犬との追走劇はようやく終わりを迎えた。
しかし一息ついたのも束の間、エイダがぺサンタと戦っている間にルイスが
クラウザーに致命傷を負わされ、預けていた「アンバー」も奪われてしまった事を知る。
長い夜はまだ終わらない...。