登録日:2024/01/21 SUN 04:04:30
更新日:2025/04/15 Tue 10:00:02
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目次
【データ】
生誕:2013年4月9日
父:
ディープインパクト
母:ハルーワスウィート
母父:Machiavellian
調教師:友道康夫(栗東)
馬主:佐々木主浩
生産者:ノーザンファーム
香港表記:
強撃
騎手:
福永祐一(5戦2勝)、内田博幸(4戦0勝)、C・デムーロ(2戦0勝)、クリストフ・ルメール(2戦0勝)、J・モレイラ(1戦0勝)、W・ビュイック(1戦0勝)、M・バルザローナ(1戦0勝)
獲得賞金:9億5374万6400円(中央1億8609万円 海外7億6764万円)
通算成績:17戦4勝(国内13戦3勝、海外4戦1勝)
主な勝鞍:16秋華賞 17ドバイターフ
【誕生】
2013年4月9日生まれの青毛の牝馬。
父は無敗でクラシック三冠を達成しG1を7勝した
“衝撃の英雄”ディープインパクト。種牡馬としても大きな成功を収めており、ヴィブロスは第7世代にあたる。
母父のマキャベリアンは名マイラーとして知られ、繁殖でも多くの名馬を輩出した。母系は5代前の母であるBalladeから続く名牝の血統で数多くの名馬が輩出されている。
母は尻尾のない馬として知られたハルーワスウィート。馬の尻尾は走っている際にコーナーリングなどでバランスを取る役割を果たしていると言われており、それを持たいないという小さくないハンデを背負いながらも、競走馬時代は中央で5勝を上げ、その特徴的な見た目から、ファンも少なくなかった。
馬主は「ハマの大魔神」として知られる元プロ野球選手の佐々木主浩氏。佐々木氏もハルーワスウィートの大ファンであり、彼女の産駒を全て佐々木氏が購入、所有している。
名前の由来はギリシャの地名。エーゲ海に位置するナクソス島の村の名前である。レバノンのビブロスを由来として紹介しているサイトもあるが、そちらとは綴りが異なるため誤りである。(ナクソス島のヴィブロスの綴りはそのまま「Vivlos」で、レバノンのビブロスは「Byblos」)
なお、綴りは「vivlos」だが「ヴィ『ブ』ロス」なので、「ヴ」縛りのイメージからも引っ張られないよう注意。
上記したG1馬の2頭と同様骨や腱は頑丈だったが、病気に悩まされる虚弱体質だった。
【戦歴】
2歳~3歳末(2015年・2016年)
2015年10月24日に京都競馬場の2歳新馬戦芝1600mでデビュー。姉が活躍馬だからか1.3倍という圧倒的な人気だったが、直線で戸惑った結果前を差しきれずにクラシックリディア(母はマイルCS勝ち馬ブルーメンブラット)の2着に敗れる。
ちなみにクラシックリディアは牝馬であり、ヴィブロスと合わせて牝馬ワンツーとなった。
2戦目の未勝利戦は11月21日の京都競馬場で鞍上は交代して
M・デムーロ騎手(C・デムーロ騎手の兄)、人気は2.3倍の1番人気
レースがスタートすると新馬戦と同様2番手の位置につけ、逃げ馬を追走して抜き去り直線半ばでは先頭に立つという余裕を見せて1着。
しかし、勝ち上がりを果たしたのもつかの間、レース後に
喉頭蓋エントラップメントを患ってしまう。
この病気は喉頭蓋が腫れ上がることで呼吸がままならず、気道が細くなるため耳障りなどの症状が出る他、当然呼吸にも問題が出る。
シーキングザパールや
グランアレグリアと言った数々の名馬で発症が見られた。
その手術の影響と胃潰瘍にもなってしまったためにチューリップ賞やフラワーカップは両方12着で終わる。
結局春は全休して態勢を立て直すこととなった。
7月に復帰し中京競馬場で行われた条件戦に出走、鞍上は
福永祐一騎手。
4ヶ月振りの出走だったが2着に4馬身つけて圧勝する強さを見せつけた。
続いては秋華賞の前哨戦・紫苑ステークスに参戦する、鞍上は引き続き福永祐一騎手。
第2コーナーまで順調にいくが第3コーナーで騎手が「落ちると思った」と語るほどの不利を受けるも持ち堪えてビッシュの2着。
優先出走権をなんとか獲得した。
そして福永騎手を背に秋華賞に出走。人気は3番人気。
レースでは今まで通り中団の位置をキープ、大外からの豪脚も披露し2着パールコード、3着カイザーバルをまとめて撫で切ってゴールイン。自身のG1初勝利を上げるとともに、姉が牝馬クラシック三冠を全て2着で終えた悔しさを晴らしてみせた。
4歳(2017年)
ドバイターフの出走馬に選出されたため中山記念へ出走。
ネオリアリズムやアンビシャス、リアルスティールの3頭がいたこともあってか4番人気(それ以外にもヌーヴォレコルトやロゴタイプ)。
このレースでは直線でうまく伸びずに5着となる。
そして本番のドバイターフではモレイラ騎手を鞍上に出走。
レース開始時は後方にいたが、徐々に外へと進路を変えた後2着以下を差し切ってゴール。
日本牝馬としては海外5頭目、日本勢は昨年のリアルスティールとの連覇となりまたこの年のドバイデーでは唯一の勝ちとなった。
帰国後は春を全休し、秋への調整を行うこととなった。
その後は府中牝馬Sに出走、7ヶ月振りだったが1番人気となる。
このレースはスローペースとなり逃げ馬であり勝ち馬にクロコスミアを捉えきれずに2着。
続くエリザベス女王杯でも1番人気となりレースも途中までは順調だったが折り合いを欠いて5着。
ドバイターフ勝利が評価されて最優秀4歳牝馬に選出される。そのほかにも、エリザベス女王杯は3歳馬モズカッチャンだったことやVM覇者アドマイヤリードがクイーンS6着・府中牝馬Sではクロコスミアとヴィブロスの3着になったのが理由と思われる。
5歳・6歳(2018・2019年)
昨年と同様に中山記念から始動するも8着。
ドバイターフにはディアドラやリアルスティール、ネオリアリズムやクロコスミアと共に参戦、後方から一気に駆け抜けるもベンバトルに敗北し2着。
帰国後は宝塚記念に出走、直線で距離を伸ばそうとするも
サトノダイヤモンドやワーザー、ミッキーロケットに抜き返されて4着。
秋の天皇賞ではレイデオロやスワーヴリチャードがいたこと、衰えを懸念されたことなどから8番人気という初の低人気。
レースではキセキがペースを作る形で進み、3番手の位置におり直線では内ぞいに行くも8着に終わる。
香港マイルをラストレースに選択して出走、マイルは久々だということも懸念されたがビューティージェネレーションの2着
この健闘故か引退は撤回されドバイターフを本当のラストレースに変更。
ディアドラやアーモンドアイと共に出走してアーモンドアイの2着(ディアドラは4着であり、日本馬全頭馬券内にはならなかった)。
同日には兄のシュヴァルグラン(とシュヴァルと同父のスワーヴリチャード)もドバイシーマを出走し2着となっている。
2019年4月に登録を抹消し引退。
戦績は[4-6-0-7]…兄や姉と同様2着が多かったが海外遠征では連対を外していない海外巧者でもあった。
友道調教師は「海外が好きなのかドバイだと落ち着いています、ドバイには感謝していますし、次はヴィブロスの子でドバイに来たい」と発言している。
【引退後】
引退後は繁殖入り。
初子は
ロードカナロア産駒(ヴィンセドリス)、2番子はモーリス産駒(シヴァース)、3番子はロードカナロア産駒(クラヴァンス)、4番子はドレフォン産駒(アンバーウェイヴス)、5番子はエピファネイア産駒。
初子から3番子まではいずれも友道厩舎所属で佐々木氏が馬主。
ヴィンセドリスは3歳で勝ち上がれなかったが地方に転籍せず格上挑戦で勝利、その後1勝クラスを勝利しているがその後は足踏みが続いている。
シヴァースは新馬戦後世代限定重賞に挑むがアーリントンC以降は条件戦を勝ち進み2025年4月に4歳で産駒初のOP入り、久々の重賞挑戦でG3『しらさぎS』の出走を予定している。
クラヴァンスは2歳新馬戦からデビューし新馬戦・未勝利戦共に上位人気に推されているが着外が続くなど結果が出せていない。
【創作作品での登場】
最初は
最強のライバルを持っていた姉ヴィルシーナに倣ってオークス馬シンハライトをライバルにしようとするも、相手が故障離脱したため失敗し、むくれていた所で姉に自身の誤りを指摘され秋華賞を勝利。
続くドバイ戦は同時期高松宮記念に参戦していたセイウンコウセイとその父アドマイヤムーン(ドバイターフの前身ドバイデューティフリー制覇馬)の視点から描かれ、テレビに映る自らの偉業でセイウンコウセイを後押しする事に。
また2017年秋華賞編でも「学園のOG」として後輩達の活躍を目撃し、最終回1話前のドバイ編では
兄から旅先告白をかまされた後輩アーモンドアイと会話していた。
三姉妹の末っ子で甘え上手の小悪魔系妹。旅行で行ったドバイに魅了され、その地でセレブな生活を夢見る。
先んじてシュヴァルグランが登場していた後、アニメ第3期にてヴィルシーナとともに初登場した。
【余談】
ヴィブロスヴィブロス
ネット掲示板で話題になると見られる表記。
これは
2018年の宝塚記念の実況が放ったものだが唐突に言ったためにネタにされることとなった。
「
うちから応戦する4番ミッキーロケット!サトノダイヤモンド!ミッキーロケット!サトノダイヤモンド!ミッキーロケット!ヴィブロスヴィブロス!そして外から13番香港のワーザー伸びてきた!香港のワーザー伸びてきた!ミッキーロケット頑張っている!ミッキーロケット頑張っている!外からワーザー!外からワーザー!ミッキーロケット!ワーザー!ミッキーロケット!ワーザー!ミッキーロケット!ワーザー!ゴールイン!振り切ったか4番ミッキーロケット!ミッキーロケット振り切ったか!」
ミッキーロケットと
サトノダイヤモンドを繰り返した上でのヴィブロスヴィブロスはどうやら人々の耳に残ったようだ。
また、この時のミッキーロケット鞍上和田竜二騎手は
テイエムオペラオー以来のGⅠ勝利だったこともあり「覇王召喚の呪文」と言われる事も確かに呪文っぽいけどさ。
追記・修正はドバイに憧れている方がお願いします。
- 16世代の最多獲得賞金馬でもある。胃潰瘍で春はやられていたけどこの世代じゃ丈夫な方なんだね -- 名無しさん (2024-02-14 12:58:24)
最終更新:2025年04月15日 10:00