NARUTO‐ナルト‐外伝 ~渦の中のつむじ風~

登録日:2024/01/25 Thu 00:00:00
更新日:2025/01/04 Sat 15:09:23
所要時間:約 5 分で読めます






確かに私たちは渦の中かもしれませんが

自ら登ろうとすれば"愛"を見つけられるはずです

そうすればきっと────



NARUTO‐ナルト‐外伝 ~渦の中のつむじ風~』とは、漫画NARUTO‐ナルト‐』の外伝作品。
週刊少年ジャンプの創刊55周年記念号に読み切りとして掲載された。


◆概要

アニメ『NARUTO‐ナルト‐』の放送20周年を記念して行われたキャラクター人気投票「NARUTOP99」にて、栄えある1位に輝いた波風ミナトを題材にした読切漫画。
数ある空白のエピソードの中でも特に待ち望まれてきた螺旋丸の開発秘話について取り上げており、火影になる前の若きミナトが師匠や最愛の人との繋がりによって「螺旋丸」を完成させるまでの物語を描いている。

本作を描いたのは原作者の岸本斉史先生。
ここ数年は『サムライ8 八丸伝』や『BORUTO‐ボルト‐』で原案に徹していたため、本格的な漫画作品の執筆は『NARUTO‐ナルト‐外伝 ~満ちた月が照らす道~』以来7年3カ月ぶりとなった。
漫画力はそんなブランクを感じさせず健在であり、当時の作風のまま原作の細かいネタも拾いつつ意外な新事実で驚かせてくれたりと、往年のファンでも楽しめる内容となっている。
…分かるようで分からないようで分かるような独特の台詞回しも健在。ナルトしかりサム8しかりこれが岸影様の味なのだ…


◆あらすじ

第三次忍界大戦の最中、自来也率いる小隊は岩隠れの人柱力が放つ尾獣玉を前に撤退を余儀なくされた。
尾獣の脅威を思い知ったミナトはある目的のため、新術の開発を決心する。

そのミナトの思い人にして九尾の人柱力であるクシナは、人柱力として縛られる不自由さに堪えながらミナトと会える事を楽しみにする日々を過ごしていた。
だが、ミナトとのちょっとしたすれ違いから生じた心の隙を九尾に唆され、人柱力の掟を破ってしまい…


◆登場人物

うずまきナルトの父にして後の四代目火影となる男。
当時は自来也が率いる小隊に所属しており、戦場で尾獣の力を目の当たりにした事を切っ掛けに新術の開発を始めた。
壊滅的なネーミングセンスはこの頃からのものだったようで、新術についても完成当初は笑撃的なダサ長ネーミングが付けられていた。
ここからとある人物の提案を経て、我々がよく知る「あの術名」として改めて名付けられる事になる。

ちなみに飛雷神の術はこの時点で会得済み。
本作では冒頭でのみ使用している。

うずまきナルトの母にして九尾の人柱力を担っていたうずまき一族の女性。
人柱力の情報自体が秘匿事項だったのでナルトのような迫害に遭う事はなかったものの、九尾の封印を強固にするために半径100メートルほどの結界内でしか生活できず、おまけに暗部の見張りが常に二人張り付いているという非常に不自由な生活を強いられている。
そんな日々の中でミナトは唯一の希望であり、自分が知る封印術の稽古を付ける事が日課だったのだが…

また、本作ではなんと尾獣化した姿が描かれた。
うずまき一族の縛りの力もこの頃には開花しており、九尾に抗う際などに使用している。

九本の尾を持つ最強の尾獣。
後に幾度もの激突を経てナルトの良き相棒となるが、それも遥か未来の話。
本作ではまだ憎しみに囚われている頃のツンデレのデの字もない邪悪その物であり、クシナの心に付け込んで四象封印を解こうと画策する。
人間のことは激しく憎悪している一方で実力を認める一面もあり、自身の封印解除を阻むミナトを「初代柱間以来の忍」と高く評価した。

なお、尾獣化したクシナの尾をよく見てみると後のペイン襲来時と同じ七本目まで発現した姿が確認でき、相当危機的な状況だった事がうかがえる。

ミナトの上官を務める「木ノ葉の三忍」の一人。
本作ではミナトの新術開発に根気強く付き合い、つむじとチャクラに関するアドバイスを送る面倒見の良さを見せている。
分割式のアイスバーを分け合おうとした事が新術完成の意外なヒントとなり…

  • うずまきミト
初代火影・千手柱間の妻にして、クシナの先代にあたる九尾の人柱力。
本作では既に故人であり、クシナの回想の中で登場する。

人柱力として生きるために必要な愛についてクシナに教え、うずまき一族の盛衰を通して生き残りの自分達が為せる事を説いている。
その教えは今でもクシナの心に強く残っており、彼女を奮い立たせている。

また、原作ではあまり描かれなかった柱間への強い愛をうかがわせる一面も。

  • デカイ
  • 黒髪の男(仮称)
ミナトと同じ自来也班に所属する二人。
実は原作でも登場しているキャラ達…なのだが、肝心の出番はというとヒルゼンの走馬灯で若きミナト・自来也と共に一コマ映るだけの非常に地味なものであり、コアなファンくらいしか知らない相当マイナーなキャラだった。
本作では青年期の姿で登場し、自来也班の一員として幾らか掘り下げられている。

色黒の坊主だった少年はデカイという名前だったらしく、ベージュがかった白髪とデb…ガッシリとした体格の青年に成長した。名が体を表すネーミングや身体的特徴からして雲隠れの里出身だった模様。
もう一人の髪を結っている少年は冷静沈着なイケメンに成長した。名前については本作でも分からずじまいだったが、どことなくサスケに似た顔付きや髪と瞳の色からして読者にはうちは一族ではないかと推測されている。

班員同士の仲は良好で、短い描写の中でもミナトと親し気な様子が描かれている。

  • 老紫
  • ハン
それぞれ四尾と五尾の人柱力。
物語の冒頭で登場し、岩隠れの里が抱える人柱力として自来也班の四人に立ちはだかった。
両名とも人柱変化をかなりの精度で扱えていて、尾獣の上半身だけチャクラ体で出現させて尾獣玉を放つという離れ業を披露した。
この時の尾獣玉の強大さはミナトの心に強く刻まれ、新術の開発に踏み切らせている。

ちなみに、原作でも螺旋丸が尾獣の尾獣玉を参考にして考案されたと語られており、本作でその参考元とは四尾と五尾である事が明らかとなった。


他にも台詞こそないが、少年期のカカシガイアスマと紅、そして後の神那毘橋の英雄がチラッと登場している。


◆余談

  • 本作はジャンプ創刊55周年を記念した2号連続の巨大読切としての側面もあり、前週にはこち亀の読切が連載した。

  • 2024年1月現在では単行本化していないが、少年ジャンプ+にて該当回のバックナンバーを購入すれば閲覧可能である。



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最終更新:2025年01月04日 15:09