Duel Masters LOST

登録日:2024/08/14 Wed 18:01:19
更新日:2025/04/13 Sun 12:54:24
所要時間:約 6 分で読めます






これは、失った世界を取り戻す物語────。


あなたのせいで世界は滅んだ。



『Duel Masters LOST』とは、TCG「デュエル・マスターズ」のメディアミックスプロジェクト。
現行シリーズの『デュエル・マスターズ WIN』(以下『WIN』) と並行して、同一の主人公で行われる異例のメディアミックスである。


【概要】

ウィン編の1年目終盤に過去最驚の新プロジェクトと称して開始された、新たなメディアミックス作品。
高校1年生の斬札ウィンが登場し、彼の失われた記憶と謎にまつわる物語が繰り広げられる。
松本大先生によると「殺伐とした世界」「クリーチャーの恐ろしさ」といった部分を描写していくようで、実際に対象年齢は12歳以上と設定されている。
そういった方向性からなのか画で表現されるデュエマシーンは山場のみに限定され描写もかなり省略されているため、何が起こっているのかわかりにくい*1
アニメ版に至ってはデュエマ描写はバッサリカットするという方針になったらしく、ジョー編の漫画版のようなカードが出てくること以外は半ばただのスタンドバトルと化す有様であった。
当然苦言を呈すファンも多い一方で、そういった既存のデュエマ像に囚われない作劇は一定の評価も得ている。

大規模なプロジェクトであることが予告されており、第1章として週刊コロコロコミックで「Duel Masters LOST ~追憶の水晶~」が開始。
原作を松本大先生、作画を月刊コロコロで『ニンジャラ』を描き上げた金林洋が担当する。
そして第1章完結後やや間を置いて第2章「Duel Masters LOST ~月下の死神~」が発表され、2024年8月8日に連載が開始した。
更に第3章として「Duel Masters LOST ~忘却の太陽~」が発表されている。

また配信アニメ化が決定しており、制作は姉妹TCGWIXOSSアニメ版でお馴染みJ.C.STAFFが担当する。
2025年3月時点では第1章および第2章がデュエマ公式YouTubeチャンネル「デュエチューブ」やその他配信サービスで配信されている。

なお、各ストーリーと対応する商品は以下の通り。
~追憶の水晶〜:『アビス・レボリューション外伝「邪神と水晶の華」』、「キャラプレミアムデッキ Duel Masters LOST 誓いの水晶」
〜月下の死神〜:『天下夢双!!デュエキングDreaM 2024』『王道篇第4弾悪魔神復活』


【あらすじ】

このデュエルに勝った時、望むものは全てお前のものとなろう…。

だが負けた時、お前は全てを失うのだ…。

全てを!

全く新しい、もう一つの「デュエル・マスターズ」物語が始まる──。
過去の記憶を全て失った「斬札ウィン」は東京で一人暮らしをしている。
平凡な日常を過ごすウィンだが、徐々に世界の崩壊の足音が近づいてくる。
ウィンの隠された過去とは──?
(コロコロオンラインより引用)

【登場人物】

主要人物


オレには過去の記憶がない。

オレってなんなんだろう。

本作の主人公で、『WIN』における彼と異なり高校1年生。
半年より以前の記憶を失っており、現在は都内の何処かのマンションで、アニメでは新宿の木造アパートで一人暮らしをしている。
昼間はどこか冴えない雰囲気だが、根本的な性格やタコさんウィンナーが好きなことは変わっていない様子。
クリスタによれば、かつて世界をかけ決闘(デュエル)したらしい。

第2章のエピローグでは重なり合ったクリスタルカードを通して、下記の謎のデュエリストやかつてのシラハマのヴィジョンを垣間見、ある写真を見つけ……
『WIN』の斬札ウィンとの関係性は作品内では明かされていないが、デュエチューブで読者の質問に答えた松本大先生によると「完全な同一人物」とのこと。
『WIN』の物語が『LOST』にどう繋がるかは今後明かされていくのだろう。

所有デッキは当初は1つだけだったが、クリスタとのデュエルでいつの間にか【黒緑アビス】にすり替わっており、それを使用*2。「アビスラッシュ」と「革命チェンジ」を用いて手札、墓地、マナを自在に操り、あらゆる状況に対処する。2章では現実で《邪幽ジャガイスト》が規制されてしまったためか連載当時の環境仕様【黒単アビス】に改造した様子。


詳しくは個別項目を参照。

ウィンよ、そろそろはじめようではないか。

『WIN』と同じく《アビスベル=ジャシン帝》本人。
ウィンと異なりかつての出来事についての記憶を有しているようだが、現状はゾーンの内部でしか活動できない。
ウィンへの接し方こそフランクだが、アニメの邪神くんにあたる形態が無いため一貫して不気味かつシリアスな雰囲気。
デュエルでは各カードの姿を使い分けられるようで、第1章では愛馬スベルニルに騎乗し《アビスベル=覇統=ジャシン帝》として顕現した一方、第2章では《アビスベル=ジャシン帝》として召喚されている。

第1章にてゾーン内部でウィンと再会を果たしたためか、第2章ではウィンの影から会話できるようになっており、「デュエル」中もゾーン内外問わず実体化できるようになった様子。
そして、黒い死神に襲撃され窮地に陥ったウィンに契約を持ち掛けて合体。右腕が異形化し、爪によってビルを軽々と引き裂く尋常ではない戦闘能力をもたらした。

  • 香取ニイカ
    • CV:菱川花菜
闇の王に逆らう者は、こうなるのよ。

ぐしゃーって。

ウィンの同級生の快活な少女で、有名インフルエンサーとしての顔も持ち、現実でもTikTokのアカウントを開設している*3
名字はアニメのクレジットより判明。
デュエマには興味がなかったようだが、1話でのウィンと宮井のデュエマに触発されデッキを組んでおり、デッキケースまでデコっている。ブック=ラギルップを気に入る変わったセンスの持ち主。

時折ウィンを「闇の王」と称する不気味な口ぶりを見せる、何故かスマホカバーが『WIN』編のウィンの友達兼ペットの源さんデザインと謎多き姿も見せるが……

苗字の由来は「香取」は「カトリ」=「火鳥」と読める事や髪留めのデザインがデフォルメされた鳥な事から恐らくファイアー・バード、名前も《コッコ・ルピア》の「コストは1以下にならない。」というテキストから「2以下」→「ニイカ」と推測されている。
エンディングテーマのジャケットにはニイカと背景に《コッコ・ルピア》と《チャラ・ルピア》が描かれている事からその2体がモチーフなのかもしれない。
決して正ヒロインじゃないから負けヒロインと言う事で「二位以下」とかではないはず
寧ろ職業柄や興味のある物事に首を突っ込みやすい為、酷い目に遭う回数もトップクラスであるもののヒロインしてる
ファイヤー・バードはアビスと仲が悪いドラゴンのパートナー種族であることに加え、これまでのデュエマメディアのメインヒロインが「普通の女子」でなかった試しから「ウィンが記憶を失った元凶ではないか」「下記の『???』と関わりがあるのでは」「味方のふりをしているだけでいずれウィンを裏切るのでは」ともう既に疑われている。

???

  • 謎のデュエリスト
荒廃した都市と瑞々しい植物が共存する領域で、斬札ウィンと思しき人物と対峙したデュエリスト。
顔の半分が焼け爛れており、三眼に牙、片方が欠けた角という異様な容姿を持つ。

~追憶の水晶~

私とウィン様は……。
ケッコンを約束した間柄ですのよ。

ウィンの前に現れた謎の少女。
ウィンの名前や好物をなぜか知っており、自身をウィンの婚約者であると主張する。
彼にこそ友好的だが、それ以外の存在に対しては基本的に無関心で冷淡。

クリスタよ。彼はジャシンに支配されてる。
お前が解放してあげなきゃ。

クリスタが従う謎のクリーチャー。
クリスタからは「冥府の王」と呼ばれており、ジャシンとも面識があるらしい。
デュエルでは《クリス=タブラ=ラーサ》として顕現し、特殊なガスによって敵を同士討ちさせる能力と、「クリスターナル・(カッパー)」による不死性を持つ。

ゾーンに侵入したウィンの前に現れた深淵の龍。俯瞰で見るとウィンに襲い掛かるどころか救っている。
デュエルではウィンが召喚したことに呼応して再び飛来し、闇のマナを捕食してウィンに従った。

  • 宮井
    • CV:佐藤元
ウィンと夜間につるんでいる友人の一人。
小学生の頃からプレイしていて関東2位になったこともある強豪だが、ファミレスでのウィンとのデュエマには敗北してしまった。
アニメ版では【青黒緑CRYMAXジャオウガ】*4でウィンと対戦するも敗北……したもののウィンのデッキが一枚足りない事に気づきジャッジキル扱いでウィンにファミレス代を奢らせる事に成功した。

第2章では「RED PLAIN」の会員であることが判明。成り行きでウィンたちを店内に招き入れることになり、帰宅後は「DEMON LORD」のURLをウィンに送ったが、その後黒い死神の襲撃を受けてしまう。
表向きはショップでの集団自殺とされたが、実際には心臓をくり抜かれた状態で生きているという不可解な状態。

アニメ版5話ではニイカに好意を持つ描写を見せていたが、こちらでも心臓を抜き取られ駐車場に倒れ込むという損な役回りであった。
体内には血液に紛れてクリーチャー、《ラマト・カーン》が流れていたが…?

  • 黒田
    • CV:長谷徳人
ウィン達と夜間につるんでいる友達の一人。
宮井と違い、デュエマは昔やってた程度の認識。

  • ゴリラ
一話にてウィンに突っかかって来た、いかにも体育系な不良、命名はニイカ。
《天頂と停滞と水晶の決断》のカード*5を拾ったばかりにゾーンに迷い込み、取り巻き共々《うごめく者ボーン・グール》に捕食されてしまう。
ただそれだけの出番なのだが、取り巻きの男が言った「光ってる、それは多分レアカードだ。」「売ればカネになるぜ。」という発言が一時期ミーム的な人気を見せた。
アニメだと本当にすさまじくレアかつ売ればカネになるカードばかりになった
下記の「DEMON LORD」にて2億円で売られている本物のゴリラとは無関係。

~月下の死神~

漆黒の髪に月光のごとき白肌、鮮血のごとき瞳を持つ謎の人物で、その瞳を見ると魂を奪われると語られている。
その正体はやはり黒城凶死郎で、クリスタルカードを探し様々な人物を襲撃。
悪魔神バロムとの契約を交わしており、その能力によって右腕を異形化させて大鎌を振るい戦闘を行う。
クリスタルカードを持つウィンの前に現れ*6、ジャシンと契約したウィンすらも異形化した右腕を斬り飛ばして無力化したが、興が醒めたと語り心臓もクリスタルカードも奪わずに去っていった。
今作ではかつて『FE外伝』で描かれたスペインで仲間達を失った過去にクローズアップされている。

しかし、『WIN』は勝舞~ジョー編とは別の世界観であり、ウィンにとっての彼はフィクションの中の存在のはずである。
一体何が起きているのだろうか……?

言わずと知れた凶死郎の代名詞的クリーチャー。
1話時点での出番はパトカーを襲った場面のみ*7

  • 魔令嬢バロメアレディ
凶死郎に付き従うクリーチャーの一体。

  • 葉山メグル
    • CV:白井悠介
会員制のカードショップ「RED PLAIN」の店長の青年。ニイカ曰く「好みのタイプではないがイケメン」。
ワユミとは付き合っているようで、ショップ内で堂々とイチャついている。
ショップの客共々、ウィンが持つクリスタルカードに強い関心を示したが、その日の夜に黒い死神の襲撃を受けてしまう。
彼自身は無事だったものの錯乱状態になってしまった。


「RED PLAIN」で最強のデュエリストで、「ファイヤーパンチ」の異名を持つ【赤単我我我】使い*8
何とは言わないがデカい、ギブスを付けていても何となく胸の大きさがわかる程。
本編では久々の来店らしく、なぜか右腕を負傷している。
宮井に勝ったウィンに興味を持ちデュエマを行うが、最後のシールドの《邪侵入》から《邪魂龍 ジャビビルブラッド》を出され、その後逆転負けを喫した。

刑事だった父を黒い死神に奪われており、父の手記を基に独自に調査を進めている。


【用語】

  • ゾーン
夜の現実世界に出現する境界線の向こう側にある、もう1つの世界。
理由は不明だが荒廃していて野生のクリーチャーが闊歩しており、クリーチャーたちはゾーンの中でしか活動できない様子。
パワー2000バニラの《うごめく者ボーン・グール》でも容易に人間を捕食できるため、侵入するのは非常に危険。

凶死郎と話をしていた老人によると浸食が進んでいるらしく、境界線の向こうに行った者は死亡、脱出に成功できても精神を砕かれ廃人となる。
また、夜になるとクリーチャーの動きが活発になるとのこと。

  • デュエル・マスターズ
現実世界においてはごく普通にプレイされているが、ゾーン内やクリーチャーの力による決闘(デュエル)は、シールドは命を守る盾となり、召喚してマナを授けたクリーチャーはゾーン内での凶暴さが嘘のように従順となる。そして敗北は死を意味する。
自分が従えるクリーチャーが攻撃してきた場合にはシールドが機能しないという、ややこしいカードテキストのような抜け道がある。
アビスのカードに関しては、『WIN』本編同様ウィンしか所有していない代物の様子。

  • クリスタルカード
クリスタが複数枚存在するうちの1枚を所持していて、ウィンに託された透明のカード。
集めることで「リージョン」を指し示す機能を持つらしいが、それ以外は謎に包まれている。
「複数枚集めると何かが起こる」「透明」と言った点から、元ネタはオーパーツの一つ「水晶髑髏」だろうか。

  • DEMON LORD
金さえ出せば何でも買えるという闇サイト
ラインナップは偽造パスポート、殺人依頼といったいかにもなものから、人体の売買にこの世の物ではない物品、どう仕入れてきたのか聞きたくなるゴリラと様々。
中でもクリスタルカードは150億という凄まじい価格で買取募集が出されており、その上でさらに価格が上がり続けている。
クリスタルカードへの反応を見る限り、「RED PLAIN」の客は皆このサイトについて知っている模様。



これは、失った記事を取り戻す物語────。

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最終更新:2025年04月13日 12:54

*1 明らかなミスもあり、ウィンとメグルとのデュエマで《サーイ=サイクル》が登場しているが、強制効果のシールド回収を行っておらず、ブロッカーを持たないのに《ムルク・カンキン》のアタックをブロックしてあまつさえパワーが下回っているのに相打ちになるという描写が見られた。一応《サーイ=サイクル》を《ディッシュ=ウィッシュ》に入れ替えれば自然な流れになる。

*2 アニメでは最初から黒緑アビスのデッキを持っていた

*3 連載開始前のコロコロの特集によるとティックトッカーとの事なので、ピッタリなチョイスといえる

*4 余談だが現実で非常に高価な《CRYMAXジャオウガ》の20thB版シークレットのみならずダイヤモンドビクトリーレア仕様の《飛翔龍5000VT》までもが投入されており、話題になった。因みにデッキ内のレアリティが統一されていない描写もあるがこちらは“バージョン分け”という現実で競技指向の強いプレイヤーが行うテクニックが元になっていると思われる。

*5 アニメでは既にDM24-EX1が発売されていたためか宮井が落としたデッキに変更。

*6 DEMON LORDに出品されていたクリスタルカードの出品者がウィンの名義になっていた為

*7 アニメ版ではパトカーがゾーンに入ってしまっており、《メテオ・ドラゴン》が投げつけて来た為仕方がなく破壊したように描写されている

*8 アニメではデュエマ描写がバッサリカットされてしまったのでわかりにくいが、確認できるカードの内容から推測するに【4cボルメテウスコントロール】に変更されている様子。