松本しげのぶ

登録日:2013/08/12 Mon 13:43:12
更新日:2025/06/04 Wed 11:23:13
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松本(まつもと)しげのぶは、日本の漫画家である。
愛称は「松本大先生」。好物は鳥の唐揚げ

【経歴】

1973年2月15日 和歌山県で生まれる。
水木しげる氏の大ファン*1であり幼少期から絵を描くことが好きで、ギエピーの作者である穴久保幸作氏の元でチーフアシスタントとして修行した。

1990年『登校一番!!』で小学館新人コミック大賞児童部門佳作を受賞。同年『す~ぱ~ぷよぷよ』でコロコロコミックでデビュー。
尚、元アシスタントのコーヘー氏によると、愛称の「松本大先生」はこの頃から名乗っていた模様。
ド新人の頃に自分から大先生って名乗る時点でかなり豪胆な気がする

デビュー当初は読み切りや読者コーナーの挿絵を担当しており、まだマイナーな方だった。
1997年初の連載作品『おどろき!ももの木笑店街』開始。


そして1999年代表作である『デュエル・マスターズ』連載開始。
連載当初はMagic the Gatheringを題材にした漫画で、この辺りからアクション漫画を描くようになった。

2002年に松本先生の一言とコロコロ編集部、及びタカラトミーの意向により
新たなTCG『デュエル・マスターズ』が誕生。
黎明期からクリーチャーのイラスト原案、パッケージイラストや宣伝ポスターの作成、カードゲームの制作に携わるようになり、一気にメジャーになった。
2018年から別コロにアニメ・ゲゲゲの鬼太郎のタイアップ漫画を連載していた。
2024年からは原作・ネームのみの形で更に多くの漫画を掛け持ちしている。
仕事量が更に増えた事でファンからは心配されている

一男一女の父でもあり、育児サイト「はぐすて」で長男を主役とした育児漫画を描いた事もある。

【作風】

絵柄はデフォルメ調でかなり質素なタッチであるが、ハードでシリアスなアクションを多く手掛ける。
また尊敬する水木先生の影響もあり、人間キャラクターよりも人外キャラクター(マスコットキャラ、ケモノ、クリーチャー等)を描くことが多い。
そのクリーチャー造形に関してはかなりハイレベル。DMEX-15の大先生レアではそのセンスを如何なく発揮している。


キャラクターデザインは良くも悪くも奇抜。「普通ではない」の一言に尽きる。
熱血主人公やその親友である眼鏡キャラといった王道的な物だけでなく、
小学生女子なのに巨乳で人知を超えた怪力を持つ
生後一年も満たない赤子なのに顔が濃くハードボイルドなダンディ
“バケツを被った貧相な外見の国務総監”等、
人によっては変人かと思うような読者の斜め上にぶっ飛んだキャラクターが多い。
他にも厨二病偽善者の特徴をそのまま絵に表したようなキャラも多い。
その奇抜なキャラデザは元々ギャグ漫画家であった名残を残しているとも言えるだろう。

また題材と掲載誌にカモフラージュされている側面があるが作風や展開自体はかなりハード且つ陰鬱で、肉体的にはもちろん精神的な意味でも「これ掲載誌間違えてません?」と突っ込まれるようなハートフルボッコな描写はしょっちゅう。
寧ろ深読みが出来る大人になってから読んだ方が味わい深く感じるだろう。白凰の沿革なんて下手な青年誌でも中々見れない程度には凄絶。

【デュエル・マスターズ原作者として】

デュエル・マスターズのコミカライズ担当と思っている人が過去は多かったのだが、実際は前述の通り黎明期からカード製作などゲーム全般の制作に携わっている。
そもそも「シールドを全てブレイクし相手に直接攻撃したプレイヤーが勝利する」という根本的な基礎ルール自体が氏の提言を切っ掛けに生まれた物である
他にも看板種族アーマード・ドラゴンの「鎧をまとった」というデザインコンセプトも氏が生み出したもの。
今日まで続き多くのプレイヤーに愛される『デュエル・マスターズ』というゲームは、正に氏が生み出したと言っても決して過言ではなく、氏が居なければ決してこのカードゲームは産まれることはなかっただろう。
氏の愛称である『大先生』はあくまでも自称ではあるが、それに決して負けることがない相応しい功績であるのがよく分かる話である。
そのため、コミカライズ担当というのは全くもって適切な表現ではなく、デュエル・マスターズにおいての大先生は「デュエル・マスターズというカードゲームのそのものの原作者の一人」であり、どちらかというと遊戯王の原作者の高橋和希氏に近いポジションにあたる。

より正確にデュエマの権利者の立ち位置を説明すると、
  • 「カードゲーム『商品』としてのデュエル・マスターズ」の原作・権利元はタカラトミーとWotCが担当。
  • 「『コロコロ漫画デュエル・マスターズ』及びそれを元にした『メディアミックス作品デュエル・マスターズ』」の原作者及び権利元であるのが大先生。
とこの三者がそれぞれ『デュエル・マスターズ』の原作者であり権利を分割して所有している。

そしてこの三者『タカラトミー』『大先生』『WotC』が合同で作り上げた一つのカードゲームが我々のよく知るTCG『デュエル・マスターズ』である。
その為デュエル・マスターズというカードゲームはこの三者の誰が欠けても成り立たないのだ。

ちなみにこのような販促作品を連載している方としてはぶっちぎりで長く関わっており、シリーズこそ変われど20年以上一人の人物が関わっているというのは極めて異例な事態であり、氏のカードゲームに対する貢献度合いが分かると思われる。
その分大変な苦労をされているらしく、ゲームデザインの会議などで飛び回った上で数十ページを休む間もなく数日で仕上げなければならないなどはザラであったらしい。
ちなみに本作には月刊誌の販促漫画という都合上過去の描写と矛盾したりする描写がどうしても出てくる上、MTGから題材が変更されたことは悪く言われがちだが、その大半はそもそもとして編集部や販促ゆえの無茶振りが相当に入っているので先生の責任とは言い難い*2

自身がラフデザインを手がけたカードも500枚以上にわたる。
それらの大半は公にされてないが、明かされている中では《終焉の禁断 ドルマゲドンX》、《零龍》、各種キングマスターカード、ジョーカーズの大半が該当する。
基本的に各キャラクターが使用するメインクリーチャーを担当しているとの事。
このあたりの裏話はコロコロオンラインの各種インタビューでも語られている。
そしてこれらをあまり公にしてこなかった関係でデュエマのプレイヤーから根本のルールやらデザインに関わったことに対して知名度があまりなかったせいで悲しいことが起きたことを『VS』10巻のおまけ漫画で語られていたりする。
手伝いに来た青年から「そんな下手な絵でデザインに関与してる訳がない」と信じて貰えず、原画を見せてようやく納得してもらったものの深く傷ついたとのこと。


「おはスタ」内で放送されたドラマ『デュエル・マスターズソウル』では本人役で出演。
同番組の看板キャラクター・番長(演:松風雅也)が原典主人公・切札勝舞そっくりの少年竜牙(りゅうが)(せめる)(演:山田健太)と共に何者かに誘拐された作者を助けるため、14人の強豪デュエリストとデュエルを展開していき勝ち進んで行くというストーリーだった。
彼らデュエリストを演じるのが当時おはスタを見ていたキッズなら誰もが知る人たちばかりというのも見どころの一つ。

【主な作品】

【カード化】

さて、そんな松本大先生だが、三人の制作スタッフの一人としてカード化され、DMX-12ブラック・ボックス・パックに収録された。

松本大先生 P 火文明 (3)
クリーチャー:ヒューマノイド 2000
自分のH.C(ヒーロー・カード)を持つクリーチャーの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。

ヒーローズ・カードを持つクリーチャーのコストを1下げる能力を持つ。
これによりヒーローズ・カードが通常版のほぼ完全上位互換になった。
大型クリーチャーに使うとコッコ・ルピアの劣化版になるので、小型クリーチャーに使って大量展開を狙うのがベター。


因みにフレーバーテキストは何故か福祉活動家のヘレン・ケラーの名言
「もしも、この世が喜びばかりなら、人は決して勇気と忍耐を学ばないでしょう」である。
松本大先生の座右の銘という説が有力だが詳細は不明。


アニメ「ビクトリーV」でも登場。
切札勝太VS亜部真理亜のトッキュー8で、《爆竜 GENJI・XX》を出すための火のマナが無く困惑していた時に勝太がドローしたのがこのカード。



勝太「何だぁー!?このカード!?」

真理亜「うわぁ~その変なカード何~!?何故か凄まじいプレッシャーを感じるわ~

勝太「でもなんか、乱暴に扱っちゃダメな気がするぜ


と言いながら丁寧にマナゾーンに置き、GENJIを召喚したのであった。




さらに「ペリッ!!スペシャルだらけのミステリーパック」で《松本大大大先生》の名で再びカード化。


松本大大大先生 P 火文明 (4)
クリーチャー:ヒューマノイド 3000
自分の、イラストレーター名がShigenobu Matsumotoのクリーチャーの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは0以下にならない。

自身がイラストを手掛けたクリーチャーの召喚コストを下げる。
登場時には碌な使い道が無かったが、2021年6月にデュエルマスターズの名シーンをカード化した記念パック「20周年超感謝メモリアルパック 魂の章 名場面BEST」が発売。
当然漫画の切り抜きがカードイラストで用いられている(つまりこのカードのコスト軽減対象になる)他、轟く侵略 レッドゾーンなど実用性のあるカードも多数収録されている為、ある程度強力なデッキが組めるようになった。

尚フレーバーテキストは《松本大先生》と全く同じ。



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最終更新:2025年06月04日 11:23

*1 この縁かは分からないが、デュエマのカードには水木先生が描いた「バックベアード」「閻魔大王」が存在する。

*2 特に白凰のMtg戦が無かったことは今なお色々と言われがちだが、なんなら先生当人も販促作品が変わるのはともかくこの勝負まではMtgでやりたかったので一番抵抗されている。当然ながらその懇願は聞き入れられず販促変更が強行された。また、ルールミスやカードミスに関する話も、先生の場合試作品などを使ったりしている話や上述の通りそもそも構成を練る時間が殆んど取れないことも多かったため全責任を被せるのは筋違いとしかいいようがない