ドゥリーヨダナ(Fate)

登録日:2024/09/06 Fri 16:32:20
更新日:2025/04/07 Mon 09:16:15
所要時間:約 12 分で読めます





我が名はドゥリーヨダナ!
ドリタラーシュトラの息子にして百王子の長兄
すなわち、わし様こそが正統なるクル族の王である!


……ん、なんでバーサーカーなんだ?

最強にして最優の戦士でもあるわし様

普通はセイバーとかだろう?



Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント。クラスはバーサーカー

ILLUST:pako
CV.藤沼建人

身長:190cm
体重:90kg
出典:マハーバーラタ
地域:インド
属性:秩序・悪
性別:男性

◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A+ B D B A B

◆スキル
○クラス別スキル
狂化 E-

〇保有スキル
人悪のカリスマ B-
彼の持つ人間味に溢れたカリスマを示すスキル。
彼はすぐに人を嫉み、羨み、そして憎む小心者ではあったが、同時に見捨てられない魅力を具えていた。
様々な悪行や褒められない行為の結果として大戦争の引き金を引いたにもかかわらず、カウラヴァ側の旗頭として大戦争を戦ったということは、彼についていく者もそれだけいたということである。
もし彼が単なる小悪党であったとしたらそれほどの人間はついてこなかっただろう。
クルの王族として、一定の魅力、評価される人間性を持っていたと考えられる。
とはいえ合わない者にはまったく合わない。

棍棒術 A
現在は説明がなく詳細は不明。
ビーマも同名同ランクのスキルを所持しており、
ビーマはバスター、ドゥリーヨダナはアーツと色が異なっている。

凶兆の申し子 EX
彼が生まれたとき、様々な不吉な現象が起こったとされる。一族に災いを呼ぶとして、識者は王にその子を棄てることを勧めたが、王は受け入れなかった。
結果として彼は一族に滅びをもたらす大戦争を引き起こすことになる。
また、彼は悪魔カリの化身であるとも語られている。

宝具
一より生まれし百王子(ジャイ・カウラヴァ)
ランク:A 種別:対軍宝具
レンジ:1~50 最大捕捉:100人


お膳立ては整った!

此処に在るは我等が勝利。百の王子が集いて地を駆け吠える。蹂躙せよ! 我が最強の軍団よ!

フッフッフ……来たか! これが最強にして最カッコイイわし様の姿! 我が軍の前に敵はなぁーし!

一より生まれし百王子(ジャイ・カウラヴァ)』!!


ジャイ・カウラヴァ。
「カウラヴァの勝利」「カウラヴァ万歳」を意味する。
ドリタラーシュトラとガーンダーリーの子たち、カウラヴァの長兄として、一つの肉塊より生まれた百王子たちを一斉に召喚する宝具。
同じ肉塊より生まれたものである以上、霊的には弟たちはドゥリーヨダナと同一存在であるとも言える。
その繋がりを利用して強引に喚び出される、武装した王子たちで構成された一軍。
その中にはドゥフシャーサナやヴィカルナなど名が知られている者もいるが、征服王の軍勢のように一人一人が全て名だたる英雄というわけではない。それでも彼らは古き時代、神話の大戦争を戦った者たちであり、五王子やドゥリーヨダナと同じように武芸を学んだ戦士。血の繋がりによる高い連携力を見せることで、たいていの相手はその数で押し切れる。

なお、程度の差はあれ、百王子たちの性格はだいたいドゥリーヨダナと似たようなもの。
つまりは基本的にロクデナシ集団である。(FGOプロフィールより引用)

またゲーム内のレア演出ではカルナアシュヴァッターマンが百王子に紛れて共に攻撃することがある。


真名:ドゥリーヨダナ

奏章Ⅰ『虚数羅針内界ペーパームーン』にて実装されたストーリー限定星4サーヴァント。
名前自体は以前から時たま出ており、古くはFate/EXTRA CCCにまで遡る。

インドの叙事詩『マハーバーラタ』における主要登場人物の一人。アルジュナ・ビーマたち五王子と対立した百王子の長兄である。

その誕生は「一つの肉塊を分けて100個の壺に入れたところ、そこから100人の男子が生まれた」というなかなかに強烈なものであり、本人は「ドラマティックな誕生」と評していた。

アルジュナ・ビーマとは従兄弟の間柄ではあるが仲はそれはもうとにかく非常に悪い。
人生のほぼ全てでパーンダヴァ五王子への嫌がらせ反目をしたと言っても過言ではなく、
FGO内で取り上げられた有名なエピソードだけでも

・ビーマに毒を仕込み挙句川へ流して殺害を目論む
・五王子の家に火を点けようとする
イカサマギャンブルで五王子の国、領土、財宝全てを奪う
・転落人生となった五王子をからかいに行ったらガンダルヴァを怒らせて捕らえられた上に五王子に助けられる

とまぁ聞いてるだけで頭が痛くなってくるエピソードだらけの問題児である。
本人は納得していないがバーサーカーと定められるのも無理はないであろう。

結局五王子たちを最後まで受け入れることはなく、
一族全体を巻き込んだクルクシェートラの大戦争を引き起こすことになった。

そして因果が廻ったというべきか最後はビーマとの一騎打ちに敗れ、アシュヴァッターマンに後を託して死亡した。

人物

一人称は「わし様」。
紫色の髪と顎鬚、筋肉質な体躯を持つ中年の男。
インドの伝統的な舞踏衣装を纏っており、気位の高さと本人のオシャレ好きな一面が垣間見える。
バーサーカークラスではあるが狂化ランクはE-と最低ランクであり、ステータス面での恩恵は無い代わりに普通に意志疎通が可能。
性格に問題こそあれど喋るバーサーカーにありがちな何か致命的なズレなどもない。

出自に由来する自尊心と欲の塊の様な人物。
マスターに対しても開口一番「自分は未来の王であるため、扱いに気をつけろ」と釘を刺し、
戦闘においてもあまり自分で動きたがらない様な発言もする。
そのくせ凄まじく強欲かつ自身の欲望に正直であり、自分が欲しいと思ったものはそれがなんであれ、例え他人のものであっても手に入れようとする。
そのためなら手段を選ばず、上記の逸話の如く卑怯な手を悪びれる事なく平気で使う。
これは「どんな汚い手でも負けるよりはいい」「強い事は卑怯」という彼なりの持論と恐らくパーンダヴァへの嫉妬心によるもの。

一方で宿敵が絡まなかったり、自分を王族として立ててくれる者がいる状況では面倒見が良い一面を持つ。
特に生前の盟友であるカルナとアシュヴァッターマンからは強く信頼されており、
ドゥリーヨダナ自身も気を許して冗談を叩く場面も見られる。
マスターに対しても絆を深めると「わし様はわし様の味方には決してケチらない」と語っており、味方と認めた者に対しては度量の深い人物である事が分かる。
本編でも彼の振る舞いを見た主人公が「基本はろくでなしの悪人だが、決してそれだけではない」と評しており、ただの悪人ではない事を認めている。
頭の回転もかなり早く、自分や身内の儲けの為なら策略や交渉もお手の物。
要するにかなり身内に甘いし、下の立場に対しても調子こいて威張るものの直々に庇護する。
カーストを絶対視するインド的価値観でそれは「悪」かもしれないが、型破りな彼は一切気にせず自分の価値観で振る舞う。だからこそ嫌いな人は嫌うが、好きな人は彼についていく。
打算的で欲深く小心な性格ではあるが、それでいて人を惹きつける不思議なカリスマ性の持ち主。
スキル「人悪のカリスマ」の説明が、彼という人物を簡潔に物語っている。

なお、そうした汚い一面を抜きにしても、敵のクリシュナも認めるほどの棍棒術の達人であり、戦闘能力も非常に強い。
剛力無双として知られるビーマも苦戦を強いられており、本来反則である臍から下を打つことでようやく勝利した。


ゲームでの性能

いそうで実はいなかった、星4の全体Arts宝具持ちバーサーカー。
性能面はクリティカル強化に秀でており、スターを管理して火力を稼いでいくタイプ。

スキル1は全体の攻撃力とクリティカルを強化しつつ、ランダムな味方一人にスター集中を付与するもの。
誰に集中がつくかは運次第という点がネックではあるが、パーティ全体に最高20%の火力強化バフが二種類も乗るのは魅力的。
そこにスキル2でのArts強化とさらなるクリティカル強化(どちらも最高30%と高めのバフ)を乗せてさらなる攻撃面の強化を狙える。
そして味方一人にスター集中+毎ターンのスターとNP増加を付与するスキル3も組み合わせ、強力なクリティカルアタッカーを作るのが主な仕事。
自分にバフを集中させて火力を上げてもいいし、味方を補助してもいい。中々器用なマルチロールファイターである。

宝具は全体攻撃に加えて確率でのArts・Buster・Quick耐性ダウンで、運が良ければ3種のデバフが相手に重なる。
宝具で倒しきれなくてもデバフを残し、クリティカル面を強化した仲間たちでトドメを刺しに行くという想定の性能と思わしい。

そして察しの良い人ならピンと来ただろうが、彼は先述したように「全体Arts宝具持ちバーサーカー」なのである。
要するにフォーリナー以外に高ダメージを出せるバーサーカーであり、NP回収率の高いArts属性の宝具で、その宝具がもれなく全体攻撃なのだ。
……そう、「有能なわし様」と自称するのは伊達ではなく、彼はもれなくキャストリアシステム対応の周回性能に優れたバーサーカーなのである。
Artsサポーターでバフを盛れば宝具のNP回収性能は高くなり、1Waveをまとめて掃除しつつNPを満タンになるまで稼いで次Waveで再び宝具発動、そしてまた次のWaveでも宝具発動…という風に、イベントや育成用クエを簡単に周回できるポテンシャルの持ち主。

今まで実装された全体Arts宝具のバーサーカーは、ピックアップか特殊な確定ガチャじゃないと出ない上に、基本的に夏にしか復刻しない限定中の限定星5キャラたる水着の武蔵ちゃん&水着の伊吹童子のみという、かなりキャラが限られた状況であった。
そんな中で、意気揚々やってきたわし様は「進めれば進めるほど闇鍋化していくストーリー召喚のみ」とはいえ恒常で引くチャンスがあるキャラかつ、場合によっては彼のピックアップガチャも来る。しかも星4なので星5に比べたら(比較的ではあるが)引きやすい。
そういう意味では、色んな意味で待望されていたポジションのキャラなのである。

ただし、普段の劣悪なNP効率が明確な弱点。クリティカル関連のバフが多いが、その分基本カード性能が低めに設定されており、素殴りのNP回収性能はかなり低い。
フレーバー程度の要素かつ彼自身はArts型なのだが、最低クラスの狂化故にBuster補正が薄いのもネックとなっており、バフ無しの素殴りが弱いという要素に繋がる。
宝具連射で突破できない場面(いわゆる変則周回系の敵配置など)に陥ると、コンボの様に繋がり続けたNP大量獲得も止まってしまう。耐久に関わるスキルもないので、攻勢が弱まるとバーサーカーの打たれ弱さからあっけなく倒される可能性も高い。
調子に乗っている間は大暴れできるが、それを挫かれると途端にグダグダになる」という、ある意味でわし様らしい性能と言える。



劇中での活躍


※一部に奏章Ⅰ『虚数羅針内界ペーパームーン』のネタバレが含まれています。ご注意ください。



ペーパームーンにて行われた聖杯戦争のうちのバーサーカーのサーヴァント。
マスターはアーユスというAIのマスターであった。
キャスター陣営に攻め込まれ劣勢であったところで主人公&シオン&カーマと遭遇。
未知の存在であると判断したドゥリーヨダナはとりあえず味方扱いすることで敵に牽制を図った。

真名は明かしていなかったが
「王族」「カルナの名前を出した」「魔の気配」というヒントを元にドゥリーヨダナであると看破される。まさかの即バレであり、魔性であることは風評被害であると納得していないものの有名税として受け取っていた。*1

聖杯への願いは「すべて」。*2
何もかもが欲しいらしくその中でも一番欲しいものはあるようだが「そんなものに意味はない」と話さず切り捨てていた。

最終的にランサー陣営と相打ちになり敗退。*3
主人公に「世界を救うことで自分の代わりにすべてを手に入れてしまえ」と本人なりの激励で消滅した。


人間関係

  • アーユス
ペーパームーン聖杯戦争におけるマスター。
元はAIに外部の人格データをつけた存在のため名前もなくドゥリーヨダナが名付けた。
ある女性(ドゥリーヨダナ曰く妻)を探すべく様々な女性にコナをかけていたドゥリーヨダナだが
己がマスターは見た目が幼すぎると最初から対象外であった。
聖杯への願いは家族

心の友その1。
生前王族の前で武芸を披露する催しが行われた際、そこに乱入してきたカルナと出会う。
本来カルナは身分の違いにより戦うことは認められていなかったがドゥリーヨダナはその決定に異議を唱えるとともに、身分が違うなら自分がカルナを王にしよう、と一国の王の座を与えた。
これによりカルナとドゥリーヨダナは家族にも等しい親密な関係となり、大戦争でもカルナは百王子側について戦うこととなった。
カルデアでも仲が良いようでよく共にいる描写が見られる。

心の友その2。バラモン最強の戦士。
様々な血を血で塗り替える戦争の末ドゥリーヨダナが卑怯な手で殺されたことを契機に彼は怒りの化身となった。
戦士としての誓約を破り夜襲を決行し、数千人を皆殺しにした。
アシュヴァッターマン本人はそのことについて色々と思い悩むことがあるようだが、
ドゥリーヨダナは「わし様は煩くは言わん」と許容するスタンスのようである。
2024年の夏イベントではドゥリーヨダナが買い上げたドバイの別荘で共に過ごしていた。

マイルームボイスにて言及。「一瞬見ただけで相性がいいと分かった」とのこと。
お茶に誘ったが逃げられてしまった。
因みにラクシュミーに中にいる女神アラクシュミーは悪魔の化身カリの妻であると言われている。
やっぱり魔じゃないですかやだー。

わし様的に弟オーラをビンビン感じる二人。
「最高の兄として弟に崇められ奉られたい欲」があるドゥリーヨダナはこの二人を弟にしようと誘っていた。
姉上命の信勝はきっぱりとNGであったがパリスは「兄さんとは違ったタイプで面白い」と面白がっていた。
弟になると太っ腹なわし様からのお小遣い特典がある。

ガネーシャ神を紹介されたもののあまりのぐーたらさにマスターのジョークと勘違い。
「お前はもーちょっと冗談のセンスを磨いた方が良いな笑」

怖い。
パーンダヴァかつ、親友の仇なので当然嫌い。
だがそれ以上にアルジュナという存在に恐怖を抱いており、会うどころか名前を聞くだけで顔色を悪くする。

因縁の相手。彼から言わせれば宿敵。乱暴者。幼い頃からデカいし力は強いしで最悪。*4
致命的に馬が合わず、宿命的に相容れない。カルナとアルジュナがお互いを敵視するように、彼らも不倶戴天の天敵同士。


余談

2024年夏イベント開始時、ドゥリーヨダナ含むマハーバーラタ関連サーヴァントの担当イラストレーターであるpako氏は、こんな事を口にした。


BBドバイの格好したドゥリーヨダナを描きたい


BBドバイ、それはイベントに登場したBBちゃんの別衣装で、露出度の高いドレスを纏ったセクシーな服装をしている。

そんなセクシーな服をわし様に着せたいと、わし様をデザインしたイラストレーター自身が言ったのだ。

あまりに唐突、あまりに意味不明な怪文書に界隈はざわついた。どのくらいざわついたかというとEXTRA出身鯖のデザイナーでおなじみなワダアルコ氏や、オベロンをデザインした羽海野チカ氏が大いに困惑するツイートを残すほどに。

そして一日もせずX(旧:Twitter)やPixivBBドバイのセクシーな服を纏うセクシーなわし様のファンアートやコスプレ写真が乱れ飛ぶ魔境と化した。
何がアレかというと「ドゥリーヨダナそのものは筋骨隆々でエスニック系の褐色イケメン」であるが故に、あのドレスを着せてもなんか割と似合うのである。余計にタチが悪い。



担当声優の藤沼健人氏の「口から出任せなろくでなしの兄ちゃん」という演技がかなりハマったキャラだが、氏は『シカゴ・ファイア』の名脇役、および同作スピンオフの『シカゴP.D.』では主人公を務める苛烈な悪徳刑事ハンクの吹き替えもしている。
また、『ジョン・ウイック』シリーズ二作目『ジョン・ウィック:チャプター2』ではスタイリッシュに武器を見繕うコンチネンタルのソムリエも担当していたりする。
リンボ「ンンン…ゴツくて正確なヤツが欲しいですな」わし様「ならわし様おすすめのAR-15とかどうだ?」



追記・修正は、わし様に気に入られてからお願いします。

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最終更新:2025年04月07日 09:16

*1 魔性に関してはゲームステータスにもしっかり反映されており風評被害でもなんでもなく真実である

*2 マイルームで聞ける内容とは異なる

*3 ランサーと共に最後まで残ったサーヴァントではあるがドゥリーヨダナはマスターも同時に消滅してしまったため

*4 現在は身長1cm差違いで大差ない