エルカノ(ACVI)

登録日:2024/01/03 Wed 01:19:01
更新日:2024/12/10 Tue 15:45:20
所要時間:約 12 分で読めます




「エルカノ(ELCANO)」とはスペイン系の人名であるが、本項目ではゲームARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」に登場する架空の企業「エルカノ」を解説する。


以下、作中のストーリーについてのネタバレも含みますのでこれから当該作品をプレーしようと考えている方、ネタバレを回避したい方は閲覧しないことを推奨します。


◎目次


◎概要

正式名称は「ELCANO FOUNDRY」、直訳すると「エルカノ鋳造」。
開発惑星「ルビコン3」で活動する企業であり、社名に反し鍛造*1を専門とする製鉄業から発展したACパーツ開発・製造メーカー。同社の製品は鍛造のみで造るには向かない複雑なデザインのものが多く、技術の高さが見て取れる。
そのエルカノの製品を使用しているのは主にルビコン解放戦線のACパイロットたちであり、オールマインドが提供するシミュレータで「ルビコニアンAC」にパーツが採用されている点などからもBAWSと同様ルビコンの土着企業の一つと考えられ、BAWSRaDとはそれぞれACパーツ開発における協力関係を築いているほか、一部の星外企業ともコンタクトし協力を取り付けるなど強かさを感じさせる立ち回りを見せている。


◎製品

作中で販売されるACパーツはいずれも軽量のもの。
また生産数が少ないのか、あるいは鍛造加工に手間がかかるのか一様に高価である。

▽ACパーツ

★FIRMEZAシリーズ

軽量2脚型ACフレーム。得意の鍛造を活かして頑強な骨格を採用しているのか、軽量級としては各部の積載に余裕があり機体構成の自由度が高い。
翻って防御面はかなり脆く、APは重量相応のうえ装甲も耐弾防御以外ペラペラで、特にEN防御は最下位を争うレベル。フラットウェルもよくまあこんな機体でヴェスパーの番号付きに挑んだものである
ショップでの解禁が早いのも特徴だがやたら高価なので、すぐに使おうと思ったら金策は必須。
*2
軽量機体全てに言える事ではあるが、仮にこのシリーズ一式で戦いたいと考えるなら当たらなければどうという事はないを常に徹する必要があり、頑張って揃えたとしても駆け出しの621がおいそれと運用できる代物ではない。


▷EL-TH-10 FIRMEZA
頭部パーツ。アンモナイトなどの巻貝を彷彿とさせる独特なシルエット。全頭部中でもトップクラスに長いスキャン持続時間と、同重量帯では低めのEN負荷が特徴。
スキャン距離は短めなので、ミッションでの探索よりは対AC戦に向く。
▷EL-TC-10 FIRMEZA
コアパーツ。とても軽く、高めのブースタ効率補正を持つ。ジェネレータ出力補正も平均程度は確保されているため機体が組みやすい。
注意点としてジェネレータ供給補正がワースト2位であり、ENの供給再開までが長くなるためジェネレータの供給性能や立ち回りでカバーする必要がある。
コア拡張機能使用後の冷却中を観察すると、ちょっと不安になるくらい腰部のフレームが細い。
頭部パーツのカメラに合わせたのか、これを組むとどんな機体も何故か胸を張っているような姿勢になる
▷EL-TA-10 FIRMEZA
腕部パーツ。平均以上の腕部積載と反動制御、そこそこの近接武器適性・射撃武器適性を兼ね備える汎用性の高い軽量腕部。
格闘にはBASHO、反動制御ではLAMMERGEIERという競合があるので、軽量腕としては高めの腕部積載上限を活かしたいところ。
▷EL-TL-10 FIRMEZA
脚部パーツ。全脚部中最軽量でありながら軽量2脚の中では積載が多く、機動力を維持しながら重量武器の運用が可能。移動の多いミッションで火力を維持したい時にも有効。
最軽量らしいことに装甲値がかなり低く、APも重量にしてはマシという程度なのでとにかく脆いのが難点。

★ALBAシリーズ

エルカノがBAWSの資金援助のもと、ファーロン・ダイナミクスの技術供与やシュナイダーACの技術解析などを経て開発した最新型のACフレーム。*3
FIRMEZAに引き続き軽量級のフレームだが若干の重量増加と引き換えにAPや装甲など防御面がバランスよく底上げされており、取り込んだ技術を活かして新たな機体にまとめ上げたエルカノの底力がうかがえる。
シナリオ終盤でイベント入手になるため金策は必要ないが、ショップで売るとFIRMEZA以上の高価格であることが分かる。*4
デザインを担当したのはガンダムシリーズなどでメカニックデザインを務める柳瀬敬之氏。
氏はかつてフロムソフトウェアに在籍していた時期もあり、ACのデザインを担当するのはAC2AA以来実に20年ぶりとなる。
▷EL-PH-00 ALBA
ファーロン・ダイナミクスの技術供与で完成した頭部パーツ。
スキャン持続時間は短いながらも長めのスキャン距離を持つ。
特筆すべきはその場違いなまでのイケメンフェイス。これを装備すれば中量~軽量機が魔法のようにカッコよくなる。
▷EL-PC-00 ALBA
シュナイダーの技術を解析して生み出されたコアパーツ。内部補正が優秀で、上位のブースタ効率補正とジェネレータ供給補正を持ちジェネレータ出力補正も十分なレベルを確保しているためとても扱いやすい。
防御もバランスが良く大きな穴は無いものの、あくまで耐久性は軽量機の域なので過信は禁物。
▷EL-PA-00 ALBA
腕部パーツ。極めて軽く、射撃適性に優れる。反動制御と近接武器適性は低いため、近接射撃戦向け。なので、実はパイロットの戦闘スタイルとあまり噛み合ってない
頭部と同じくファーロン・ダイナミクスの技術供与を受けたとされるが、方向性はシュナイダーのNACHTREIHER/46Eに近い。
▷EL-PL-00 ALBA
脚部パーツ。FIRMEZAに次ぐ軽さを誇る上、他の軽量脚よりも耐久性と安定性が高い。
水平跳躍性能が重量脚と大差ないレベルなせいで地上QBで速度が出せず、実質空戦向け。なので、実はパイロットの戦闘スタイルとあまり噛み合ってない(2回目)
ただ、他脚部パーツも並べて総合的に見ると空戦性能も特段高くなかったりするという扱いの難しい脚部。

★その他のACフレーム

▷EL-TL-11 FORTALEZA
タンク型脚部パーツ。競技用車椅子から着想を得て開発されたらしく、見た目も前後に短くそれらしいデザインのためプレイヤーからの通称は「車椅子」。
特徴はなんと言ってもタンクの常識を覆すスピードで、軽量2脚すらもぶっちぎれる地上走行性能を持ちながらタンクなので構え不要という反則じみた特性を持ち、弱体化されるまで通常プレイから対戦まで猛威を振るっていた。
本作のタンクの特性として上下方向への機動性は無いに等しく、軽量型のこれも例外ではないが、有り余る地上機動力で圧倒できてしまう側面が少なからずある。
しかしパーツ全体が底上げされる中、度重なる弱体化で耐久面に大幅なお仕置きを食らい、APと姿勢安定は中量2脚、装甲は軽量2脚並*5
積載上限も元から中量2脚クラスなので他パーツで硬くする余裕もなく、またタンクは内蔵ブースターのQBリロード保証重量の仕様上、QB性能はどうしても悪くなる*6
そして強みの速度も重量の影響を強く受けるよう調整されて実質的に幾分か低下しており、特性そのものは健在ながらも対戦では玄人好みの域に入るようになった。
余談ながらフレーバーテキストには「両足を失ってなお戦場に焦がれた兵士たちに歓迎された」とあり、ACの操縦がどのようなものなのかについて考える手がかりと見る向きもある。

★AC用武器

鍛造の技術を活かしてか、弾頭に鉄杭を使用した火器を開発している。
これらの武器が命中した場所をフォトモード等で観察すると鉄杭が残っており、敵機も例外ではなく短時間だがしっかり突き刺さる。当たりどころによっては明らかにパイロットキルしてる
仲の良いBAWSのために得意の鍛造技術で格闘武器を作ってやれとはよく言われる
▷EL-PW-00 VIENTO
ニードルガンというカテゴリだが、性能・仕様としてはハンドガンの1種と見て差し支えない。
射程が短いが速射性・衝撃力が高く、反動も小さめなので敵をスタッガー状態に追い込む能力が極めて高い。
特にストーリー中盤から後半に出てくる盾持ちLCなど、正面からの攻撃に強い敵に対しては盾をほぼ無視して衝撃力を叩き込めるので、揃えておくと対処が非常に楽になる。
その他の実弾武器と比べ発射された弾頭が非常に視認しづらいのもあって、対人では気が付いたらスタッガーに追い込まれていたというケースも少なくなく、これとレーザースライサーやパイルバンカー等の強力な近接武器との組み合わせは対人シーンで環境アセンの一角となった。
欠点として、セミオートな上に連射力のせいで指がものすごーく疲れる。軽めの反動もハイペースで連射すれば結局は精度低下に繋がるので注意。
また弾数もやや心許ないので乱射では無く一発一発を必中させる心構えで運用すべし。
あまりに猛威を振るったためか、Ver1.06にて衝撃関係とリロード時間にナーフを喰らった。特にリロード時間の悪化の影響が大きくこれ単品でスタッガーを取りに行くのは難しくなったものの、2丁持ちは未だに脅威であり他にも肩武器と組み合わせて衝撃値稼ぎや、軽量機による一撃離脱戦法等以前と比べより有効活用する為のアセンブリ構築や戦い方に左右される通な武器になったと言えるかもしれない。

▷EL-PW-01 TRUENO
ニードルミサイル。作中唯一となる「実弾属性のミサイル」であり、追尾性を持った鉄杭を高速射出する。
ミサイルと言いつつ構えが生じるなど、実際の使用感はキャノン系武器に近い。ただしミサイルなのでFCSのミサイルロック補正の影響を受ける点には注意が必要。
過去作で例えるなら4シリーズのスナイパーキャノンやVシリーズのハイスピードミサイルに近い立場。
直撃補正が215と非常に高く、スタッガー中の敵に叩き込んだ際の威力はキャノン系武器に迫る。それでいて背部兵装としては軽量なのが強みで、謂わば「軽量キャノン」という立ち位置。
アップデートで誘導性能が弱体化されており、やや当てにくくなったが変わりに弾道がより真っ直ぐなものになり威力は据え置き。依然として強武器と言える性能は維持している。
最大のネックは解禁タイミングがストーリーの3周目なため入手が非常に遅いことか。

★主な使用者

BAWSのBASHOフレーム同様、武器は兎も角ルビコン解放戦線のメンバーしか使用している者はほぼ居ない。

ミドル・フラットウェル
アリーナランク13/C、ルビコン解放戦線のNo.2にして実質的指導者。FIRMEZAシリーズ一式を使用。
しかし武装面では右肩のハンガーに懸架している軽量バズーカ以外はバーストライフルにバーストマシンガン、初期ミサこと4連装ミサイルといずれも牽制や削りを目的として決め手に欠ける物ばかりであり、そのバズーカも2脚である為発砲時には硬直が発生してしまうと、本フレームの強みがあまり活かせていない。
コアの拡張装備もチーム戦や護衛戦向けのパルスプロテクションであり、全体的に他者との連携に重点を置いているアセンブリとなっている。

リング・フレディ
アリーナランク21/D、ルビコン解放戦線の主要メンバーの一人。上半身はFIRMEZAシリーズで脚部はFORTALEZAを使用。
両手にファーロン製のハンドミサイル、両肩にはメリニットの2連グレという火力特化のアセンブリ。タンクとしては装甲が極めて脆いが、それを補うようにコアの拡張装備にパルスアーマーを仕込んでいる為に粘り強い。
本作におけるアリーナのランク詐欺の一角で、ミサイル特化のFCSが齎すロック速度で矢継ぎ早に両手のミサイルを撒き散らしながら曲がりなりにもタンク足という利点を最大限に活かし、高速で移動しながら最大で4発ものグレネードを叩き込もうとしてくる。
ミサイルでスタッガーを取られた所にグレネードの一斉射撃を浴びるとガチタンだろうが半壊に追い込まれるのは必至。大量のミサイルを如何に捌けるかが彼に勝つ鍵となる。

+ ネタバレ注意!
▷ラスティ
ストーリー終盤、ALBAシリーズフルフレーム機「スティールヘイズ・オルトゥス」を駆り、621と対峙または共闘をする事になる。
詳細は関連項目ヘ。

◎作中での活躍

作中ではエルカノにまつわるミッションなどはなく、ACパーツのフレーバーテキストとアーカイブで触れられるのみ。ミッションで若干絡みがあったBAWS以上に影が薄い。


◎余談

  • 項目冒頭で述べた通り「エルカノ」はスペイン系の人名であり、製品名もスペイン語であることからスペイン系企業と推測されている。ただし「FAUNDRY(鋳造所)」のほうは英語だったりする

  • アップデートによるシュナイダー製試作フレーム「LAMMERGEIER」の追加およびそのフレーバーテキストの内容から「エルカノが軽量機にこだわってるのはシュナイダー出身のフラットウェルの指示かもしれない」とか言われ始めている。


追記・修正は、車椅子で走りながらバズーカをぶっ放しつつお願いします。

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最終更新:2024年12月10日 15:45

*1 鋳造は金属を溶かして型に流し整形する方式、鍛造は金属を叩いて加工する方式。

*2 ゲーム的にはもっと高価なパーツはいくつもあるが、いずれも試作パーツやカスタム品、または技研の遺産といったものばかりで、入手についてもイベント入手であったりミッション中に拾得する隠しパーツなので、ショップに並ぶパーツの中ではFIRMEZAシリーズがトップクラスに高価である。

*3 ただし、3周目以降のインテグレーション・プログラムの展開からチャプター3開始時点で機体データが存在していたらしく、設計そのものはかなり早く終えていたようである。一方でファーロンが技術供与に同意したのはチャプター4終盤であり、「これであの新型は完成する」と確かに言われているため、ロールアウトするまでに何らかの変更を加えられているのかもしれない

*4 ANALYSISで本フレームを採用した機体を見たエアは「量産される機体ではなさそう」と推測している

*5 弱体化前は軒並み重量2脚に迫るほどだった

*6 それを避けようとすると軽量2脚以下の積載量になる

*7 BAWS、シュナイダー、ファーロンと関係を維持しており、技研の遺産にもアクセス可能。RaDは壊滅状態と思われるが…