GUND-ARM(水星の魔女)

登録日:2022/11/13 Sun 11:44:09
更新日:2025/01/27 Mon 19:26:05
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GUND(ガンド)-ARM(アーム)』とは『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するモビルスーツの1カテゴリー。通称は「ガンダム」で、劇中ではこちらの名前で呼ばれる事が多い。

本項目では元になった医療用身体拡張技術「GUND(ガンド)」及びそれを軍事転用した「GUNDフォーマット」についても記載する。


●目次


【概要】

GUND〜宇宙環境に耐えうる身体を〜

本編から遡ること21年以上前にヴァナディース機関のカルド・ナボ博士が提唱し、同機関にて研究・開発された宇宙への適応を視野に入れた身体拡張技術。
『PROLOGUE』では「宇宙環境で生じる身体機能障害の補助を目的とした医療技術」と説明されている。
太陽系内で散見される鉱物由来の元素・パーメットの「情報を伝達、共有する性質」を利用しており、これを人体に流入させることで高精度の挙動を実現していると思われる。

簡単に言うとサイボーグ化技術であり、『PROLOGUE』の地上波放送版のEDでは従来の義肢や義体のみならず義眼、機械化された脊髄や心臓、骨、血管などが実用化されてきた様子が描写されている。

劇中では以下の人物たちがGUNDを施している。
  • エルノラ・サマヤ/プロスペラ・マーキュリー:右腕
  • カルド・ナボ博士:左目
また、GUNDとは明言されていないが、オルコットも片腕が強化義腕である。

なお、MSと完全に機械で接続され生体CPU化したケースやサイボーグ技術が登場する作品に出てきがちな脳や神経以外のほぼ全身を人工物に置換したケースは現状確認されていない。

GUNDフォーマット〜医療から軍事技術へ〜

GUNDの研究元であるヴァナディース機関を地球圏のMS企業「オックス・アース・コーポレーション」が買収し、研究資金供出の代わりに、GUNDをモビルスーツの操縦系統に用いる軍事転用を行わせたことで開発された技術。

GUNDとの違いは、GUNDは人体の器官や部位を機械化するのだが、GUNDフォーマットはこのシステムが搭載されたモビルスーツ自体を人間の外付け義肢として扱うため、体を機械化していない人間でも扱えるという点である。

GUND-ARM〜呪いのモビルスーツ〜

GUNDフォーマットを搭載したモビルスーツの総称。通称「ガンダム」。
外見上の特徴として機体各部(主に頭部・胸部)に「シェルユニット」と呼ばれる情報処理端末が備わっており、パーメットを介してフィードバックされる人体とモビルスーツ間で情報の処理を処理する。GUND-ARMとして一定の閾値を超えた情報量を処理することによってシェルユニットが赤色に発光する。

シェルユニットの発光現象に伴い、パイロットとモビルスーツは機体を自らの手足の様に操る程の操縦性の高さを獲得する。加えて、GUNDフォーマットを利用した次世代群体遠隔操作兵器システム「GUNDビット(ガンビット)」を搭載していることが特徴。
AIを活用したドローンと比べて速度・精度・数ともに大きく上回っており、強力なスウォーム兵器である。
ただし、これを使用するためには機体のパーメットスコアを上げる必要があるため、人体へ流入する情報量が増加し、パイロットにも相応の負荷が発生する。
機体とのリンクは「PMET(パーメット)スコア」という数値で表現され、以下の段階に分けられる。
スコアの上昇に伴いモビルスーツからパイロットへフィードバックされる情報量が向上するため、より柔軟かつ繊細な操作が可能になる他、ガンビットの操縦や下記のアンチドートの無効化など様々なメリットを発揮できる。
スコア2 シェルユニットが赤く発光。パーメットリンクによるモビルスーツとのダイレクトなリンクにより、
高機動戦闘や高精度射撃などGUND-ARMとしての強大な戦闘能力を獲得できる。
この時点では人体への影響は極僅かだが、それでも一定の負荷は発生する模様。
スコア3 次世代群体遠隔操作兵器システム ガンビット が使用可能。
パイロットへの負荷が大幅に高まり常人では長時間の戦闘は不可能。特殊な調整を受けたパイロットでも過呼吸気味になる。
スコア4 機体性能の大幅向上、アンチドートによるパーメットリンク遮断の無効化。
ただし即死/廃人化リスクが加速度的に高まり、特殊な調整を受けたパイロットでも心臓の痛みや吐き気などの症状が出る。
スコア5 下記のスコア6に到達したガンダムからのオーバーライドの無効化。
スコア6 シェルユニットが青く発光。パイロットへの即死レベルの負荷が発生。
エアリアルとその接続下にあるガンビットはパーメットを使用しているすべての機器を乗っ取ることができる(作中ではオーバーライドなどと称される)。
スコア8 シェルユニットが白く発光し、エアリアルは生身のパイロット無しでの自律稼働が可能になる。
なお理論上は他のガンダムでもスコア8に到達するとオーバーライドを無効化できる模様。
また、このスコアが上がると体内のパーメットが反応し、パイロットの顔にはあざが浮かぶ(エラン・ケレスの場合は腕なども発光)。

ガンビットは本作におけるオールレンジ兵器のポジションであり、スラスターやビーム砲を備えた小型端末「ビットステイヴ」を遠隔操作する他、複数基が合体することで防御用のシールドになる、MS本体やほかの武装と合体することで性能を強化する等多彩な機能を持つ。
或いはガンビットの延長線上として、MS自体をガンビットとして操るという技術も存在する。

このように機体性能の向上と強力なガンビットを使えるようになる本作のガンダムだが、こと「貴重な兵士を乗せる兵器」として考えると欠陥品もいいところである。
人体への負荷が小さいスコア2の時点では従来のMSを凌駕するほどの性能は発揮できずそこからスコアを上げれば加速度的に死が近づくという問題が免れない。
そして本編の描写から、仮に1回は高スコアに耐えられても次搭乗すれば命の保証はない事が言及されており、ガンダムに乗り続ける限り死は免れない。
更にたちの悪いことに腕利きのパイロットであれば非GUNDフォーマット機やスコアを上げないガンダムで高スコアのガンダムと互角以上に渡り合えるので、兵士の練度を上げて行けばガンダムに乗る必要性がなくなってしまう。
一方でGUNDフォーマットではより直感的、つまり長期的な訓練を要さずともMSを自分の手足のように扱える。
つまるところ「パイロットを完全に(例えば戦災孤児を攫って使い捨てのパイロットに仕立て上げる)消耗品にする兵器」がガンダム運用の最適解ということになってしまう。
そして本作は「兵士を消耗品として扱うAI主導のドローン戦争が起こっていた」「搾取するスペーシアンと搾取されるアーシアンという構図」を持つ世界であり、まさにこの運用をするのにうってつけなのだ。

また「アンチドート」というGUNDフォーマットリンクを切断する装置も存在しており、この装置による干渉で基本的な操縦すら阻害されてしまう。
第12話において、アンチドートが効力を発揮するのはパーメットスコア3までだという事が明かされているが、そもそもスコア3ですら普通のパイロットでは長時間の戦闘を継続できなくなるので十分な制圧能力が本来ならある。
アンチドートの効果範囲内であればガンビットのみならずGUND-ARMの機体そのものの機能まで停止してしまい、ウェンディ・オレントの乗ったガンダム・ルブリス 先行量産モデルは身動きが取れなくなり、あっさりとベギルベウにより撃破されてしまった。
また、エルノラ・サマヤの乗ったガンダム・ルブリスもアンチドートで機体の動きが一時停止し、左腕を切断された。
対策として21年後の本編では基本的な操縦自体はアンチドートの影響下でも可能になっていることがうかがえるが、それでも戦闘能力の大幅低下は否めない。
この点からもガンダムは本作における無敵の兵器ではない。……はずだった
スコアをどれだけ引き上げてもパイロットが絶命しないガンダムが現れるまでは。

ちなみに、人体への負担は世代や人間か強化人士かで違いがあり、『PROLOGUE』ではルブリス先行量産モデルにおいてスコア3を使用したパイロット、ナディムやウェンディは過呼吸気味になっていて、スコア4使用時にナディムは更に過呼吸が加速し死に至った。
本編ではファラクトに搭乗した強化人士エラン・ケレス(4号)はスコア3まで何の変調もなかったがスコア4では過呼吸となっていた。ルブリス・ウルに搭乗していたソフィはスコア4で心臓の痛みと吐き気に襲われた。
歴代のエラン(強化人士)でもスコア3以上の発動を繰り返すとダメージが蓄積するらしく、5号は必要がない時はスコアを上げない方針でいる。

エアリアルは機体自体が特別であり、スレッタ・マーキュリーはエアリアルに乗る限りはあざも浮かばず、特に変化が見られていない。これはエラン・ケレス(4号)も同様で、5話でエアリアルに搭乗しパーメットスコア2を発動した際には、自分のパーメットが反応しないことに驚愕していた。
ベルメリア・ウィンストンによれば、エアリアルのような滑らかな動きをしている機体とパイロット間でのパーメット流入は「通常であればパイロットが即死」するレベルにあったという。
とは言え通常であればアンチドートの影響を受けてガンビットを無力化されており、フォーマット的には同じものである。
パーメットスコア6以上に到達できるのは現時点ではエアリアルのみであり、初めてスコア6に到達した際にはオーバーライドによってアンチドートを無力化し、更に機体のポテンシャルを引き上げたかのような挙動を見せている。
その後もスコア6でオーバーライドを発動させているが、更に上の段階に至った後の19話ではスコア6未満(おそらくはスコア3)でオーバーライドを発動させて有人兵器のコントロールを奪っており、機体自体が進化しているかのような現象がみられる。

ガンダム・キャリバーンは生命倫理を無視して開発されており、人体へのデータストーム流入に伴うフィードバック(要するに心身への負荷)を軽減するフィルターが搭載されていない。
その代わり、低いスコアで高スコアと同量のパーメットを確保・維持でき、パーメットスコア5という6以下のスコアでエアリアルの形成するパーメットスコア6・8のオーバーライドを無視して活動できる。
他のガンダムでも(パイロットの即死は免れないが)スコア8なら同様の状態を維持できることは言及されているが、スコア5まで上げさえすれば他のガンダムでもオーバーライドを回避できるのかは不明。
作中ではルブリス・ウルのシェルユニットが紫色になってオーバーライド下でも活動できている描写はあるが、これがスコア5を指すのかは定かではない(キャリバーンのシェルユニットはスコア5でも赤いまま)

作中で提示されたGUNDフォーマットの欠点を解消する唯一の手段は、パーメット空間に生体情報が存在する人物がその負荷を引き受ける(肩代わりする)事のみ。*1
本編にてそれを行えたのはスレッタ(と一時的にエアリアルに搭乗したプロスペラ)のみであり、エアリアルの開発者であるプロスペラですらもこれ以外の方法ではデータストーム負荷を軽減するGUNDフォーマットを用意できなかった。

【劇中での発史】

問題点の露呈

非生物機構で動く18mもの巨体を人間とリンクさせるのは無理があり、データストームによるパーメットに乗った情報の大量流入によって搭乗者の身体へ深刻なダメージを及ぼすという重大な問題が開発初期から発生しており、開発の過程で幾多の廃人や死者が生み出されてきた。

その問題点によって世論からGUND-ARMの開発を非難する声が大きくなり、モビルスーツ開発評議会はオックス・アース・コーポレーションに対しGUNDフォーマットの健全性を証明するよう要請した。

禁忌の技術として

ヴァナディース機関が健全性証明のための実証テストを繰り返す中、評議会に属するスペーシアンの重鎮達は秘密裏にオックス・アースの切り捨てを画策した*2
一方でデリング・レンブランと彼に指揮されたドミニコス隊が評議会の意向を無視し、秘密裏に作戦を展開。オックス・アースではなくGUND-ARM開発が行われていたヴァナディース機関のフロント「フォールクヴァング」が襲撃され、職員が虐殺された。
デリングは虐殺と並行して、モビルスーツ開発の監査組織として「カテドラル」を設立し、代表となったデリングは就任演説でGUND-ARMを「呪い」と批判し、

「兵器は純粋な人殺しの道具であるべきであって使用者の命まで危険にさらす兵器はあってはならない」

と訴えた。

その後開発者は「魔女」の烙印を押されることになった。
オックス・アースも間もなく切り捨てという生易しいレベルではなくこの世から消されることになり、すでに開発されていたガンダムは全て破棄され、開発技術も途絶え、21年の時が流れた。

「魔女」と「ガンダム」の再来

オックス・アース社とヴァナディース機関、GUND-ARM技術が歴史よりその姿を消してから時が経ち、デリングが総裁を務める巨大企業複合体「ベネリットグループ」が運営するアスティカシア高等専門学園に突如GUND-ARMを思わせる特徴を持つ機体・エアリアルが現れ、学園最強のMSパイロット、グエル・ジェタークが操る専用にカスタマイズしたディランザを瞬殺したことで事態は大きく動き出す。

エアリアルの開発元であるシン・セー開発公社の開発責任者・プロスペラ・マーキュリーは審問会では疑惑をかわすだけでなく、過酷なパーメット採掘事業を支援するための新型ドローン技術の実証機としてエアリアルを売り込み、グループの幹部達も興味を示す。
しかしシン・セー開発公社が拠点とする水星はその過酷な環境下と過疎化が進んだ現状*3からとても新型のモビルスーツを建造できるほどの資金や技術があるとも考えにくいことから、ベネリットグループ御三家の一つであるグラスレー社は水星という辺境でこれほどの機体が開発された経緯を探ろうとする。

その一方でプロスペラはエアリアルのパイロットで実の娘であるスレッタ・マーキュリーを復讐の道具に利用しようとしていた。ヴァナディース機関の生き残りであるベルメリアが在籍しているベネリットグループ御三家の一つであるペイル社は以前より独自にGUND-ARM技術を搭載した新型機体ファラクトを開発、パイロットにはGUNDフォーマットの副作用に耐えられるよう人体改造を施した「強化人士」を生み出すなどエアリアルの登場を契機に各勢力が不穏な動きを見せ始める。

再び医療分野へ

前述の通りGUND-ARMは禁忌の機体として封印されることになった。
そしてGUND-ARMが禁忌とされたのは少なくとも表向きには「使用者の命を危険に晒すから」であった。だがガンダム・エアリアルは搭乗者のスレッタ・マーキュリーが複数回の搭乗、及びガンビットの多用にも関わらず全くパイロットの肉体に影響が起きない。
そこに目を付けたミオリネ・レンブランは、GUND-ARMの医療分野への転用を目的とした株式会社ガンダムを設立。
人殺しの兵器ではなく、乗っても安全なエアリアルを基にしたGUND-ARMを使った人工四肢などの開発に活路を見出そうとする。

医療技術であるGUND自体は禁忌とされてはいないが、研究元であるヴァナディース機関が壊滅してしまったためGUNDの研究開発自体が長らく停滞し、現に地球寮の面々はGUNDの名前を聞いて聞き馴染みのない反応をしていた
ヴァナディース機関の生き残りであるベルメリア・ウィンストンは元々GUNDを医療として活用することを望んでいたらしく、開発部門を買収されたペイル社からの協力者という立場ではあるがミオリネ達の思想に賛同し全面的に協力している。

蘇る「ガンダム」

プラント・クエタで発生したテロ事件では、出所不明ながら紛れもなく「ガンダム」がアーシアンのテロ組織によって運用されベネリットグループに激震が走ることになる。
グループ関係者の思惑によってこの件自体は事故として処理するかん口令が敷かれたが、続くアスティカシア学園で勃発したガンダムによるテロ事件では(オープンキャンパスの真っ最中だった事もあり)テロの事実を隠しきれなくなる。
更にはプラント・クエタのテロまで報道されてしまい、アーシアンとスペーシアンの対立が一層深刻化する結果となった。

そしてそれを抑えるべく、非武装のエアリアルを帯同してアーシアンのデモ隊をけん制しつつ彼らと交渉に挑むミオリネ。
だがプロスペラ・マーキュリーの計略によって戦闘が勃発してしまい、その混乱に乗じて地下の施設に侵入するプロスペラとエアリアル。
彼女達の前には21年前に滅ぼされたはずのオックス・アース社によって大量生産された「ガンダム・ルブリス量産試作モデル」が並んでいた。
彼らは宇宙議会連合の、ベネリットGを疎む上層部によって密かに再建されており、使い捨てのパイロットとガンダムをとある人物の手引きでアーシアンのテログループに送り出していたのだ。
密かに武装を持ち込んでいたエアリアルによってルブリス量産試作モデルは全て破壊されるが、その後の戦闘で「ガンダム(エアリアル)によってアーシアンが制圧される」様が大々的に報じられることに……

GUND-ARM一覧

劇中では『PROLOGUE』も含めて以下の機体が登場しているが、ルブリス以前にも複数機建造されていることが仄めかされている。
ちなみに本作のガンダムはガンヴォルヴァとガンドノード以外は、23年4月時点では全て「ガンダム・○○」表記。

XGF-02 ガンダム・ルブリス

「ママ、ママ!ろうそくみたいで綺麗だね。」

『PROLOGUE』においてフォールクヴァングで開発されていた機体。
上記の通りテスト機であり、GUND-ARM一号機ではない。
エルノラをテストパイロットとして起動テストが進められていたものの、レイヤー33のコールバックをクリア出来ずに停滞していた。しかし、レイヤー33のコールバックをクリアし、レイヤー34となったエリクトによって起動に成功。
カルド博士はこのルブリスに関しては、量産試作モデルと異なり、ただの兵器としてではなく、宇宙で生きていくための新たな肉体、人類の可能性を開くGUNDの未来と言っていた。

銃口から巨大なビームブレイドを発振可能な速射型ビーム砲「レシーバーガン」、バックパック左右に装備されたビームサーベル2基、7基のビットステイヴに分離可能な盾「コンポガンビットシールド」を装備。
起動直後にビットステイヴによる攻撃で3機のハイングラを一瞬で撃墜したが、この時点ではスコア4以上は発現していなかったのかベギルベウのアンチドートには対抗できなかった。
戦闘で左腕を失いエルノラとエリクトを乗せて離脱し、後にエアリアルに改造された事がプロスペラの口から語られている。
エリクトとは細胞レベルでパーメット粒子が同調しているらしいが、これがエリクトという存在の特異性なのかルブリスという機体の特異性なのか、或いはその相乗効果なのかは明かされていない。
エアリアルになった後の話ではあるが「宇宙で生きていくための新たな肉体」という意味では確かにカルド博士の語る未来を体現しうるものではあった。

XGF-01 ガンダム・ルブリス 量産試作モデル

「ハッピバースデートゥユー…」

ルブリスの量産試作機
量産試作機とは言うがGUNDフォーマットの軍事的有用性を手早く喧伝したいオックス・アース社が上記のルブリスを元に無理矢理開発・量産した製品である。
なのでカルド博士を始めとするヴァナディース機関側としては本意ではなく、オックス・アース社からの出向社員であるナディムでさえぼやくほどであった。
PROLOGUEの時点で既に複数機が存在しており、フォールクヴァングに2機配備されていた他、ニュース映像には(実物かは断定できないが)3機確認できる。

上のルブリスとは機体色や頭部ブレードアンテナの有無、シールドではなく爆弾型ガンビットを格納した大型ランチャーを装備しているなどの違いがあるが、
カルド博士の言や実際のルブリスの経緯を考えると、単にガワがルブリスなだけでGUNDフォーマットのコンポーネントにも特筆すべきものはない様子。
従ってデータストームの危険性は一切改善されてない。パイロットの命を奪う危険性を孕んだ欠陥品である。
フォールクヴァング襲撃事件においてハイングラに対して圧倒的な性能差を見せつけるものの、ベギルベウのアンチドートの前には全くの無力であり2機共大破。

この量産試作モデルはヴァナディース事変以前は複数機生産、販売されていたらしく、言うなれば本作における「量産型ガンダム」に当たる位置付けとなっている。
勿論GUNDフォーマットが禁忌となってからは表立っては運用されなくなったようだが、オックス・アース社がとあるルートで復活してからは密かに再生産が進められており、その内の二機が後述のルブリス・ウル及びルブリス・ソーンである。
見た目は当時と変わらないが21年の歳月を経てどのような変更が加わっているかは、稼働前に全機がエアリアルに吹き飛ばされてしまったこともあって明らかではない。
コア部分の研究開発を行っていたヴァナディース機関を喪ってしまっていることから、根本的な部分では大きな改良が出来なかった事が示唆はされている。

XVX-016 ガンダム・エアリアル

「私とエアリアルは、あんなのに負けません!!」
「あんなのだとぉ!?」

主人公機。
スレッタの母、プロスペラが水星で秘密裏に開発し、スレッタが水星から学園に持ち込んだモビルスーツ。
学園には「エアリアル」で登録しているが、後にガンダムだとバレてしまいそれを逆手に取って「株式会社ガンダム」の顔となった。
エアリアルとスレッタが珍妙なダンスを踊るPVはかなりの再生数があるらしく、地球でも知られるぐらいには知名度が高まった模様。

前述の通り他のGUND-ARMと違いガンビットを使いながらもデータストームが発生せずパイロットにも肉体的負担が一切生じない極めて特殊な機体であり、エラン・ケレスが他の「ガンダム」同様の方法でリンクを試みた際はパーメットスコアが上昇した(それまで非発光だったシェルユニットが反応、赤く輝いている)にもかかわらず、本来生じるはずだったデータストームもそれに伴う「脳に手を突っ込まれるようなざらついた感覚」も発生せず、彼の体内に流入したパーメット粒子も何ら反応を示さなかった。
プロスぺラもこの技術は容易に他の医療機器には転用できないと発言している。
だが中身はまごう事なきガンダムであり、シャディクチームとの決闘にて前代未聞の「パーメットスコア6」に到達していた事が明かされている。

XVX-016RN ガンダム・エアリアル(改修型)

「ミオリネさんの誕生日が来るまで、私もエアリアルも負けません!!」

シャディクチームとの決闘で中破したエアリアルをシン・セー社が引取り、大規模改修した機体。
従来のエアリアルに比べエッジの効いたデザインとなり、(過去作の)ガンダム然とした外見になっている。
基本性能や武装は改修前と同じだが、改修前は追加装備だったフライトユニットが標準装備となった他、新型のビームライフルにはエスカッシャン(ガンビット)をドッキングして超高出力のガンビット・ライフルにする機能が付加されている。

前述の通りエアリアルはガンダム・ルブリスの改修機なので、言うなればルブリス改改でもある。
そのルブリスとの同調を見せていたエリクト・サマヤとの驚愕の関係は14話にて明かされることに。

そしてグエルとの「最後の決闘」にて遂にパーメットスコア8へと到達。
これ以降はプロスペラとエアリアルのコミュニケーションが成立するようになっている(小説「ゆりかごの星」では、エアリアルの声はスレッタには届くがプロスペラには届かないという描写がある)
パーメットスコア8ではエアリアルはパイロットを乗せずとも自力で動くことができ、クワイエット・ゼロを巡る攻防ではスレッタが駆るキャリバーンと激戦を繰り広げた。つまり主人公機にしてラスボス機体となった稀有なガンダムである。

FP/A-77 ガンダム・ファラクト

「ガンダムに勝てるのは、ガンダムだけだ。」

エラン・ケレスが搭乗するMS。エアリアル同様に登録名称は「ファラクト」。
ブラストブースターとGUNDフォーマットを用いた慣性制御によって大幅に飛行性能が向上しているが、データストームの欠点を抱えた従来のGUNDフォーマットを採用している。
ペイル社はその対策として「人間側を強化してデータストームの負荷に耐えさせる」強化人士というシステムを用意しているが、実際は強化人士であっても(彼らが実験として無用な負荷を与えられている可能性はあるが)長期的な運用には全く適さない。
冒頭の通りスコアを上げなければ概ね普通のMSと同じように戦闘できるが、スコアを上げたガンダムタイプとは性能差が否めない。
作中ではエラン・ケレスという名と顔と声を与えられた強化人士4号と強化人士5号が搭乗している他、特殊なGUNDフォーマットではないので別のガンダムパイロットであるノレア・デュノクでも操縦ができる(作中では少し動かしただけ)。

武装は前腕装甲内に収納されたビームサーベル2基、脚部に内蔵されたビーム砲ユニット「ビークフット」2門、そして肩部に格納された後退用のバックブースター内部にはスタン効果に特化したビームを発射するガンビット「コラキ」多数が搭載されている。
強化人士4号が搭乗した際には長大なロングバレルビームライフル「ビームアルケビュース」を装備しており、5号が搭乗した際は連結して威力を向上させられる二丁一対のビームライフル「ビームカリヴァ」を新たな主兵装としている。

こちらはエアリアルとの決闘後にガンダムである事をCEOが自らバラした*4が、エアリアル同様『表向きには』パイロットに負担が生じないガンダムであり、株式会社ガンダム設立の根拠の1つになっている。
これは勿論表向きの話であり実際はパイロットの命を落とすガンダムである。その為シャディクチームとの決闘の際には新たな強化人士が間に合わなかった事もあり、表向きには「修理と調整が間に合わなかったから」という理由から貸与を拒否された。
また、強化人士であってもスコア5以上では事実上戦闘できない(パイロットが持たない)ため、そもそもスコア4より上のパーメットスコアには耐えられない設計である。
それでも劇中においてはシュバルゼッテなどと並んで最新かつ新規設計の「ガンダム」ということにはなるが。

EDM-GA-01 ガンダム・ルブリス・ウル

「ガンダムは暴力マシーンだって教えてあげる!!」

地球のテロ組織「フォルドの夜明け」に提供されたGUND-ARM。
パイロットは同組織に派遣されているソフィ・プロネ。
フォールクヴァング襲撃事件よりも前にオックス・アース社が製造したルブリス量産試作モデルの1機をベースに大規模な改修を施して発展させたものである……とされていた。
基本コンポーネント以外は全て取り替えたらしく、原型機とはまるで異なるデザインになっている。角ばったデザインが特徴的であり、過去作のガンダムも彷彿とさせる見た目。
前述の通り真相は当時のではなく最新の(オックス製)ルブリスをベースにした機体である。見た目がまるで異なるのは、一目でオックス・アース社の機体だとバレないようにするためだろうか。

ガンダム・ファラクト同様にデータストームの欠点を抱えた従来のGUNDフォーマットを採用している。
ビットステイヴは搭載されていないが、メイン武装のビームガトリングガンの範囲攻撃をGUNDフォーマットによって直感的に行うことができる。
また、背中のフェーズドアレイキャノンはスコア3にてガンビットの制御を行う機能が解放される(後述)。劇中の運用から、ガンビット制御がメインの武装であるようだ。

EDM-GA-02 ガンダム・ルブリス・ソーン

「スペーシアンは皆死ねぇ!!」

地球のテロ組織「フォルドの夜明け」に提供されたGUND-ARM。
パイロットはソフィと同じく同組織に派遣されているノレア・デュノク。
ルブリス・ウル同様に基本コンポーネント以外は全部新造されているらしく、最早別物に等しい外見。

こちらも従来のGUNDフォーマットを採用しており、フェーズドアレイキャノンの直感的な運用を可能としている。
スコア3で解禁される機能も同様。

EDM-GB ガンヴォルヴァ

「今度はあたしもガンビット連れてきたよ!!」

ルブリス・ウルとルブリス・ソーンのGUNDフォーマットによって遠隔操作する、GUNDフォーマットを組み込み無人MSとして運用する「ガンビット」。
所謂ガンダムXに登場するGビットのような代物である。プラモデルHGガンヴォルヴァの組み立て説明書によるとコクピットブロックを取っ払っているので、GUNDフォーマットを取り外して有人MSとして運用する事は出来ないとの事。
セカンドシーズン放送開始直後から「新製品(仮)」の仮称でプラモ化の広告が出されていたのだが、14話放送直後に公式サイトにも名前が公開された。
基本性能は非常に高く、ソフィの操縦で学園のバトルロイヤルに乱入した際は実戦仕様の兵器を使用し、学園を阿鼻叫喚の渦へと叩き込んだ。
だが彼女が操縦に慣れていなかったのか、はたまた負荷が強過ぎて全力でぶん回せなかったのか、ルブリス・ソーンと2機がかりでファラクト1機(しかもパーメットスコア2)に苦もなくあしらわれ撃破されたり、無抵抗のディランザを仕留めるのに手間取った挙句に遥か格下の、しかもイップスに陥っていたチュチュのデミトレーナーに1撃貰って退散させられるなど、いまいちパッとしなかった。
武装もパイロットへの負荷を少しでも軽減するためか、ビームサーベルに散弾型のビームライフルの「ビームカービン」、シールドとオーソドックスな物しかなく、ビームカービンに至っては実戦出力でもディランザの重装甲には大した効き目がなかった*5散弾ではなぁ。
何にしても視聴者からは「実質的に的が大きいビットと同じ」という意見もちらほら。

二度目の学園でのテロではノレアが自暴自棄になっていたことや、対抗できる機体が中盤までケナンジのベギルペンデ1機しかおらずフリーになっていたこともあって大暴れし、学園に甚大どころではない壊滅的被害を齎す。
また、ある人物が起動させた際にはそれまでの印象を大きく覆す人間的な挙動を見せており、これもまたパイロット次第であることをうかがわせるものになった。

ガンドノード同様、機体名に「ガンダム」の名は冠されていないが、GUNDフォーマットを搭載している事から、この機体も本作における立派な「ガンダム」である。作中でもこの機体を目撃したケナンジが「ガンダム!?」と驚くシーンがある。
基本的にはこの機体もオックス社のガンダム・ルブリス量産試作モデルが元であり、早い話がルブリスからコックピットブロックを引っこ抜いてGUNDフォーマットの受信に特化したものである。
「ルブリス・ウルやソーンにガンビットを運用させるための機体」という設定から、ヴァナディース機関を喪ったオックス社だけではガンビットの小型化ができず、仕方なくモビルスーツ型ガンビットとしてロールアウトした可能性が示唆されている。

XGF-E3 ガンドノード

「遂に実現するのね、エリーが幸せに暮らせる世界が…!!」

プロスペラたちシン・セー公社が秘密裏に製造していた、エアリアル用のMS型無人兵器の「ガンビット」。
連合議会の最新鋭機であるカラゴールすら圧倒する程の極めて高い戦闘能力を誇るのだが、最大の特徴はクワイエット・ゼロ発動のための、データストーム・ネットワークの中継役である事である。
エアリアルのオーバーライドには効果範囲が狭いという弱点があったのだが、無数に展開されたガンドノードにデータストーム・ネットワークを中継させる事で、かなりの広範囲においてのオーバーライドが可能となっている。
21話ではクワイエット・ゼロの制圧検挙の為に出撃した大量のカラゴールを一瞬で全機オーバーライドし、動けなくなった所をビームライフルによる一斉射撃で情け容赦なく一網打尽にしてしまった。
なおこれらは全てエアリアルが制御している。

また、この機体自体がガンビットのようなものなので、ガンビット同様にビームを防御する機能も備わっている。
数が非常に多いので艦隊の一斉砲撃すらも(それでも数機喪失しているが)阻止可能。
ガンダムシリーズにおけるMAのような*6形状の追加武装オプションも備えているが、ビーム防御を行う際には邪魔になるからなのかパージしてエアリアルの元に駆け付けている。

X-EX01 ガンダム・キャリバーン

「止めに来たんだよ!二人を!!」

エアリアルを失ったスレッタが宇宙議会連合に託された新主人公機。
21年前のヴァナディース事変の際に議会連合が密かに接収した機体で、「化け物の名を与えられたガンダム」だとされている。

当時はルブリス以外にも様々な「ガンダム」の方向性が模索されたのだが、この機体は「GUND-ARMとしての性能」を極限まで追求したものとなっている。
ルブリスやこれを基にした本編のほぼ全てのガンダムはデータストームのフィルターが搭載されていて「一定のパーメットスコア内であれば人体への負荷を最小限に運用できる」方針であったのに対し、
キャリバーンはデータストームのフィルターがなく、パイロットの生命をガン無視してGUND-ARMとしての性能を限界まで発揮させるという真逆の方針が採られている。
このため、低いスコアでルブリスを源流とする他のガンダムより高いスコアと同量のパーメットを生成・維持できるのだが当然パイロットにかかる負荷も尋常では無く高い。
そんな具合で生命倫理を無視した「化け物」であるキャリバーンはルブリス(おそらくはXGF-02であり後のエアリアル)とのコンペに敗れ、開発記録そのものが抹消され試作機も封印措置が行われている。
PROLOGUEでも運用されることはなく、議会連合に接収された後も表に出ることはなかった。
GUND-ARMとしてのコンセプトをとことんまで追求した結果が人命ガン無視の化け物ということで、本作でも最も業の深い呪われた機体と言っていいかもしれない。
一方で機体自体は白を基調とした非常にヒロイックな外見となっている。

作中ではクワイエット・ゼロのオーバーライドを無力化しつつ、それを守るガンドノードやエアリアルと交戦できる唯一の選択肢として議会連合の査察官が封印を解く。
彼はスレッタが「データストームの影響を受けないパイロット」と見込んでそれを持ってきたが実際は異なっており、
極めて高いデータストーム耐性を持つスレッタですらスコア3を起動するだけで激しく苦しむぐらいにはモロに負荷がかかっていた。
一方でパーメットスコア5でエアリアルのパーメットスコア6・8によるオーバーライドを無効化できることは上記の事実を物語っている。
最終話では更に上のステージに進むことになり、その際はシェルユニットが虹色に発光していた。これはルブリスとは制御系が違うが故の現象だという。

武装はビームサーベルとバルカン、そして「魔女の箒」を連想させるスラスター付きの大型ビームライフル『バリアブルロッドライフル』。
ビームライフルを構えながら戦場を駆ける姿はまさに『箒に乗った魔女』といったところ。誰が呼んだか「彗星(すいせい)の魔女」。また世代によってはスラスター付きのライフルと言う事で セガの名作シューティングゲーム や、名前が似ている赤射の人を思い出した人も。
コンセプトとしては、一撃離脱の強襲型の射撃機体という設計であり、接近戦に追い込まれると防戦になりがちになる難点もある。
もっともスレッタの高い格闘戦技術から追加ユニット装備の(ビームサーベルを6本振り回してきた)ガンドノード相手には全く問題なく立ち回れており、対峙した相手がヤバすぎただけとも言えなくもない。


名前の由来は複数考察されており、
  • 本作のモチーフになったと推測されるシェイクスピアの「テンペスト」に登場する怪物「キャリバン(Caliban)」
  • アーサー王伝説に登場する選定の剣「カリバーン(Caliburne)」
など。ちなみにキャリバーンのスペル(GUNDAM CALIBARN)はどちらとも異なる。

MDX-0003 ガンダム・シュバルゼッテ

「まだその女に囚われているのか……兄さん!!」

ジェターク社が開発したガンダムタイプの機体。
元はダリルバルデの後継機として開発された次世代コンセプトモデルなのだが、肝心の操縦システムの開発に難航し凍結されていた。
そこにプロスペラが提供したGUNDフォーマットを密かに組み込んで開発が続けられており、劇中終盤に完成を見る。*7

本機もガンビットを搭載しており、刀身状の4機と鍔型の2機をビームブレイドの鞘のように集結させた多目的攻防プラットフォーム『ガーディアン』を形成している。
エアリアルを参考にしただけあって高い拡張性、応用性を持ち、基本的なオールレンジ攻撃形態の「ガーディアン・ドロウ」はもちろん、集結形態の「ガーディアン・シース」では拡散型と収束型のビームの撃ち分けや、鍔型のビットによる電磁バリアの展開が可能。加えて機体にガンビットを背部スラスターのように接続した「ガーディアン・マリオネット」という形態となることも可能であり、ビットへの電力等の供給を行いつつ機動力の強化や拡散型ビームによる攻撃を行う。
トドメに腕の部分にはリボルバー型の爆撃式の実弾を隠し持っているなど、まさに多角的な攻撃を放てる全身武器庫みたいなガンダムである。

ここまでの説明で分かると思うが、この機体は一対一を想定した大剣による接近戦型ではなく、広範囲殲滅、制圧を目的にしたガチガチの遠距離型ガンダムである。
つまり初見で大剣による接近戦特化の機体と思い込み、距離を取るとその時点で終わりである。
というか言うまでも無いが大剣による接近戦も成せるし、腕に仕込まれた実弾、ガンビットという装備から、この機体が苦手とする死角や距離というものが存在しない。
欠点を挙げるならダリルバルデ以上に複雑な兵装システムであるが故に、直感的な操縦が行えるGUNDフォーマットを前提とした機体になってしまった事だろう。そりゃ操縦システムの開発に難儀するわけだ。

本編では父の死の真相を知り、更にペトラが重傷を負った事でミオリネに憎悪の念を抱いたラウダが搭乗し、ディランザに乗り込んだグエルと対峙。
この機体を事前に知っていたグエル相手に反撃する機会*8も与えず、一方的にディランザを大破させるという圧倒的性能を見せつけた。

グエルは作中でも最上位クラスのパイロット技能がある上にこれまでに幾度かガンダムとの交戦経験があり、しかもディランザでファラクトと戦ったことすらある。
一方ラウダは仮にも学園内では上位に位置するパイロットとはいえ初めてのガンダムで、当然データストームの負担にも不慣れ、さらにメンタルが不安定で操縦の繊細さにも欠けている状態だった。
つまりこのラウダにとって非常に不利な条件を一方的に覆す程の性能がシュバルゼッテにはあるのである。
ダリルバルデもそうだったが、グエルとエアリアルの決闘後、即座にこのシュバルゼッテを企画、開発したヴィムが如何にMSに関しては『だけ』は優れているか良く分かるガンダムと言えるだろう…。

XGF-01[II3]ガンダム・ルブリス・ジウ

「先生にッ 手を出すな!!!」

月刊ガンダムエースで連載の公式外伝漫画「ヴァナディースハート」に登場する、主人公キユウ・ラボットが搭乗する主役機。
バイザーに覆われた特徴的なマスクはシェルユニットとなっており、スコアの上昇に伴い発光する。
ヴァナディース機関によって開発されウルとソーン同様「ルブリス」の名を冠しているが、兵器としての開発が進められた他のルブリスタイプと異なり、人体拡張技術の研究のために建造された。そのため本体には武装類が一切搭載されていない。

しかしながらヴァナディース事変後の地球において所属不明の機体としての戦闘行動が確認されており、
右腕に装着された大型複合武装の、別のMSから流用した巨大アーム型ガンビット「虎の手」を操って敵部隊を殲滅した模様。
プレミアムバンダイ限定で、HGのプラモデルが販売された。

AVP-03 ガンダム・ルブリス・アノクタ

「もうすぐ行けるんだ!!キラキラの!!お花畑に...っ!!」

ジウと同じくヴァナディースハートに登場する、ガンダムタイプの地球製モビルスーツ。
孤児院に偽装したガンダムパイロット育成施設「ロッキンホース」所属の少女ヨシカ・ハイギアが搭乗する。
ルブリスと共通したフレームを持つが、地上での行動を考慮した脚部ホバーユニットの増設や、バックパックに装備された2門のビームガン、刀状ガンビット「ナルカミ」による二刀流など独自の武装構成となっている。
ナルカミはガンビットとしてのオールレンジ運用に加え、マニュピレーターに装備されたミスト発生器からの霧によってナルカミとの間で放電現象を発生させ、敵モビルスーツに対して電撃攻撃を行うことが可能となっている。


【余談】

gandar(ガンド)は北欧神話などにおいて「魔術」や「呪い」を意味する*9
学問的には「杖」「狼」が語源となっており、獣の姿をした精霊を召喚・使役する術とされている。
近年の創作界隈では「呪い」関連の伝承で人を指さすことで相手の体調を崩すとされ、本作においても一部の武装の使用の際に対象を指さす描写が存在する。

これらを本作のガンダムに当てはめると、さしずめ術者(パイロット)がモビルスーツという(へいき)を使役するための(システム)というところか。

ちなみに本用語、及び『GUND』+『ARM』で『ガンダム』となるのは、ガンダム・エアリアルのデザイナーであるJNTHED氏の発案によるものである。

「体の一部が白く発光する」と言う点では過去にも行っている存在がおり、その存在はデータ空間で活動する存在であった。その作品の世界観・設定を考えるとアド・ステラ世界の技術が利用されている可能性がある。
ちなみにその存在は負荷が原因で一度消滅しかけたが、発光部位は頭髪…つまり脳に近い部位と情報処理と言う点では負担が大きくなりそうな部位であった。



追記・修正はガンダムを秘密裏に独自開発してからお願いします。


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最終更新:2025年01月27日 19:26

*1 作中の描写から、肩代わりした側の人物は特に影響を受けていない

*2 そもそもオックス社自体がアーシアンの企業であったことも一因であろう

*3 太陽系で最も太陽に近い影響で、直射日光を浴びれば血液が沸騰し、逆に日陰ではマイナス100度を超える極寒で、太陽の重力の影響で周回軌道に基地を留めるのも一苦労な上に、荷電粒子で電子機器の誤作動が絶えない過酷極まり無い環境にあり、居住者がいることすら忘れられる程の辺境とさる。なおかつ主産業として行われていたパーメットなどの資源採掘も月でもパーメットが採取出来るようにると一時の賑わいを失い急激に過疎化が進行している

*4 それと決闘したエアリアルもガンダムだと断定することで、両者共倒れを狙うように見せるという筋書きであった模様

*5 途中で撃つのをやめてビームサーベルを抜いているので、サーベルの方はある程度強力なものかもしれない

*6 本作にはモビルアーマーやそれに属する概念の機体が一切登場しない、歴代でもかなり珍しい作品である

*7 ヴィムの独断に近い形で開発されていたらしく、彼以外の主要人物にはガンダムどころか本機を作っていること自体知らされていなかった

*8 ただし状況が状況故にグエル自体はラウダを攻撃する気はさほどなかったが

*9 著名作品だと『指輪物語』のGandalf(ガンダルフ)も「精霊(gand+alf)」という意味。ただしトールキンの造語ではなくは北欧神話の人物由来。