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山菜

登録日:2024/10/29 Tue 15:21:58
更新日:2026/10/02 Fri 16:47:50
所要時間:約 10 分で読めます





概要

山菜とは、主に山に生える食用になる植物のことを言う。*1

路傍や草地、川辺や海岸など山以外の場所に生える野生の食用植物は厳密には「野草」といわれるが、
現在は山以外の場所(川辺や海辺など)に生える野生の食用植物(例:アッケシソウ、ツルナ、ハマダイコン等)も区別せず「山菜」の範疇に加えられることが多い。ただしマツタケなど野生の食用キノコは「山菜」とはみなされない。*2

野生の植物から食味の改善や栄養価・収量などの増加を目的として長い年月をかけて品種改良して栽培されるようになったものは「野菜」や「果樹」となったが、何らかの原因で栽培化されるまでには至らなかったものが「山菜」と呼ばれる。*3

元々は山村地域に住んでいる人々が山菜の採取を行ってきたが、その年によってとれる山菜の種類や量が異なってくるため、備荒食品程度の経済的意義しか持っていなかった。
しかし、高度成長期以後の生活の向上により嗜好品として注目され、さらには「山菜採り」が一種のレジャーとなった。

また、促成・抑制栽培の普及により様々な種類の野菜が季節をあまり問わず入手できるようになったことで、「旬」を感じることができる山菜が逆に注目を浴びることとなった。

現在は農産物直売所や道の駅で流通するほか、生の栽培品や、複数の山菜(ワラビやゼンマイ、タケノコ(ネマガリダケ)など)を水煮にしたものがスーパーマーケットやデパートなどで年中出回っている。


おいしい食べ方

山菜は鮮度が命。

山から採取してから時間が経つとともに灰汁がまわり、味がかなり落ちてくる。すぐに食べない場合は色や歯ごたえが残る程度に下茹でをして冷蔵庫に保存しておく。
また、ワラビなどアクが強い山菜はわら灰や木灰を振りかけて湯を注ぎ一晩おくと、翌日にはほとんど灰汁が抜けている(完全に抜けているわけではないので食べすぎは厳禁)。
水煮の山菜セットは水けをきってから炊き込みご飯やそば・うどんの具材にする。

山菜というと、どうしても日本料理の食材としての側面が強いが、ピラフやスパゲッティなどの洋食の具材にも向き、ワラビはナムルによく使われる。

大抵の山菜は灰汁が多く含まれているので、よく茹でて灰汁抜きしてからお浸しや和え物、天ぷらや炒め物、煮物にして食べられることが多い。
この場合、加工されたものではなく生の山菜を使うことで独特の香りや風味を出すことができる。

山菜の採取は危険が伴う作業なので、その危険な作業を完遂した後は灰汁抜きして天日で乾燥させ、乾物として保存することもある。

ゼンマイは乾物としてもかなり知名度が高く、韓国料理のビビンパに必ずと言っていいほど乗っているあのくにゃりとした独特な食感の茶色い食材は、干したゼンマイを水で戻したのちナムルにしたものである。
また、冬は植物系の新鮮な食材が不足しやすいので、塩漬けにしたものは冬の貴重な食材であった。しかも塩漬けにすることで毒素が抜けることもあったため、保存や下ごしらえに塩は重宝する調味料であった。

栄養的には野菜よりも栄養価が高いことが多く、ビタミン類やミネラル類、食物繊維などを高度に含んでいる。大抵の山菜は灰汁の強いものが多くクセがあるため大量には食べられないが、灰汁の元になっている物質は抗酸化作用があるポリフェノール類である。

適量を食べれば栽培される野菜類には見られない栄養的機能性が期待されるが、前述のようにアクが強いものも多いため、「体にいいものだから」と山菜だけでお腹を満たすような食べ方をすると、口や胃の粘膜を痛める欠点も考えられる(これは食用キノコにも同じことが言える)。


山菜採りで気を付けること

山菜採りやキノコ狩りは、レジャーの一種として人気を誇り、愛好家に向けて様々な内容の書籍が発行されているほどである。
普通の登山とは異なり、装備もそれほど多くは必要ないことから、趣味の中ではそこそこ安上がりな部類に入る。

しかし、そうしたレジャー活動において、以下の点に留意しなければならない。


一、山岳では遭難・事故に重々気を付けるべし

近年、山菜採りを行っていた者が山岳遭難する事例が毎年報告されている。
また、山菜の中には水の豊富な沢地にはえるものもあるので、うっかり足を滑らせて……ということや、山菜に夢中になるあまりクマ、イノシシ、ヘビ*4、スズメバチ、ヒル、蚊、そして人間*5といった危険な野生生物が近づいてくることにも気づかず……ということも珍しくはない。

日帰りが前提となっているが、あれもこれもと欲をかいて気付けばとっぷり日が暮れ、今来た道を戻ろうとすれば、それがどこだったかを忘れてしまい、そうしている間にもどんどん暗くなっていき……ということだって珍しくはないのだ。

そうした場合に言えることは、

諦めることも時には肝心。

ということである。

目先の欲にとらわれて、大事なものを失ってはいけない。大げさなようだが、どうかこのあたりを頭に入れて山菜採りを楽しんでいただきたい。

また、一人だけで行くのも危ない。できるだけ複数人で連れだって行くのが理想的。過去にはワラビ採り殺人事件のような凄惨な事件も起きている。
家族や友人に事前に行き先を伝えたり、スマホ等の通信機器を持っていくのも忘れずに。


二、無許可での採集は禁物

私有・公有問わず所有者のいない山林は存在しない。あくまでも他人の土地なので、所有者の許可なく山菜を採取する行為は森林窃盗罪にあたる。

また、国立公園などは「自然公園法」の規定によりそこに生えている野生植物の採取が禁止されている場合がある。
要は、他人の畑にずかずか入り込んで野菜を勝手に収穫していく行為と同等なのである。捕まるよ、マジで。
慣例的にある程度の採取であればお目こぼしされていることもあるが、たいていは「山林の所有者の許可がない限り、山菜またはキノコの採取は禁止されている」と覚えておくべきである。

中には、「どうしても自分で収穫する喜びを味わいたい」という読者の方々もいるかもしれない。そうした人々に朗報である。

大手園芸通販やホームセンターで山菜の苗が年中売られている。

「畑で栽培しちまったら『山菜』の意味がねーべや!」と思う方々もいるだろう。しかし、後述するようによく似た有毒植物と間違えて採取してしまうリスクが軽減されるし、何より、食べたいだけ好きな量を取ることができるのだ。
そんな訳で勝手に河川敷をゴルフ場に改造したり農場にしたり畑にしたりする連中が長年に渡り今も後を絶たないと言う。
罰則もあって無いようなものなので「現状、止めるようにお願いする事しか出来ない」のだと言う。
主に高齢者や中国人が主体となって、これらの作物を育てて現在も販売している。
捕まえろよ、マジで。
ミョウガやフキ、オオバギボウシのように、それほど大量の日光を必要とせず、畑の隅っこや日陰に苗を植えればそれ以降は野生化してくれるため、管理もあまり手間がかからないものもある。
あのワサビだって、「畑ワサビ」というものがあり、風味は沢で収穫したものと遜色ないのだ。
近年はシダ植物のワラビやゼンマイも園芸通販で苗が植えられているので、それを購入して植えれば食べたいだけ収穫できる。だからと言ってこの連中のようにヤミ畑で育てろと言っている訳では無いので念のため。


三、中毒のリスクは少しでも減らすべし。

有毒植物の中には、山菜をはじめとする食用植物とよく似て見分けのつかないものが多々ある。
例えば、ニリンソウ*6やトリカブト、セリとドクゼリといったものがその代表例である。

見た目がよく似た有毒植物以外にも、名前から勘違いして採取し、中毒した例が知られている。
例えば、田舎のお土産屋さんに行くと「山ゴボウ」という名前で、ゴボウにそっくりな山菜のお漬物が販売されていることがあるが、これは「モリアザミ」というキク科植物の根がゴボウにそっくりで、かつ山に生えることからこの名前で呼ばれるのである。
一方、標準和名が「ヤマゴボウ」という植物は「ヤマゴボウ科」という独立した科に属し、この属に属する植物はほとんどが有毒である。

現在はわが国在来の「ヤマゴボウ」は数を減らしてあまり見られなくなっているが、明治時代になって我が国に入ってきた「ヨウシュヤマゴボウ」は各地に帰化しており、道端でよく見かける。
とくにこの「ヨウシュヤマゴボウ」は一見するとおいしそうな果実をつけるが、この果実も猛毒で、子供が誤食して命を落とした事例が報告されている。

誤食を避けるためにも、まずは山菜と有毒植物の特徴をよく見極める必要がある。幸い、大抵の山菜を扱っている書物には有毒植物の説明にもページ数が少なからず割かれているため、それらを用いて特徴をよく知っておく必要がある。
少しでも自信が持てない場合は、いっそ端から採取しない方がいい。この場合も、

諦めることも時には肝心。

である。
目先の欲にとらわれて、大事なものを失ってはいけない。
これで2回目だが「家族を喜ばそうと思って取ってきた山菜が実は全部毒草で、一家全員中毒した」というオチがついちゃあ、こんなに悲しいことはない。

また山菜に限った話ではないが、「間違いなくこれは無毒の山菜だ!」と分かっても食べる前にはしっかり洗おう。
少々食欲がなくなる話ではあるが、野外に生えているとどうしても動物のアレやらコレやらが付着している可能性があるためである。*7


四、根絶やし(物理)はアウト。

山菜の中には、現在は絶滅危惧種に指定されている植物もあり、「過剰な採取がもとで、その土地には再びその種の山菜が生えてこなくなった」という実例も珍しくはない。

「群落の中でも食用に適さない大きさのものは採取せず、成長するまで待つ」
「誰かが採取した痕跡がある場所で残りを根こそぎ採取しない」

などのマナーを順守する必要がある。

しかし、山には多くの人が訪れ、相互に監視することが難しいので、こういった事態が今もなお横行している。そういう状況だからこそ、

「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ」
「みんなやっているんだから自分もやっていいよね」

なんて甘い考えは即刻捨てるべきである。


これらを念頭に置いたうえで、楽しく思い出に残る山菜採取をしましょう。


主な山菜

山菜として利用される植物は非常に多く、食用にする部位も若芽、若葉、茎、花、根、果実など様々である。ここでは、日本で山菜として利用されることのある代表的な植物を挙げる。

アカザ

学名:Chenopodium album L.

ヒユ科の一年草。畑や荒れ地などに生える身近な野草で、若い葉には赤紫色を帯びた粉状の毛が見られる。茎が白っぽいものは変種のシロザと呼ばれ、こちらも食用になる。若葉や若芽を摘み、茹でておひたしや和え物、汁物などにする。クセが比較的少なく、かつては野菜の代用として利用されることもあった。

アケビ

学名:Akebia quinata (Thunb.) Decne.

アケビ科のつる性落葉木本。山野の樹木に絡みついて生長し、秋になると紫色の果実をつける。果実は熟すと割れ、果肉が露出する。
果肉は汁気に富んでいて甘く、そのまま食べられる。果皮も食用になり、食材を詰めて丸のまま揚げるほか、食べやすい大きさに切ってから味噌炒めなどにする。春に伸びる若いつるも山菜として利用され、「木の芽」と呼ばれることがある。

アシタバ

学名:Angelica keiskei (Miq.) Koidz.

セリ科の多年草。伊豆諸島などの海岸近くに自生し、葉を摘んでも翌日には新しい葉が伸びるとされるほど生長が早いことから「明日葉」の名が付いた。若葉や茎を摘み、茹でておひたしや和え物にしたり、天ぷら、炒め物などにする。独特の苦味と香りがある。

アズキナ

学名:Smilacina japonica(ユキザサ)/Vicia unijuga(ナンテンハギ)

地方によって異なる植物を指す山菜名で、キジカクシ科の多年草のユキザサやマメ科の多年草のナンテンハギを指す。いずれも若芽や若葉を摘み、茹でておひたしや和え物、汁物などにする。


アッケシソウ

学名:Salicornia perennans Willd.

ヒユ科の一年草または多年草。海岸や塩湿地など、塩分の多い場所に生える多肉質の植物で、枝分かれした茎は細かな節に分かれている。若い茎や枝を摘み、茹でておひたしや和え物にするほか、炒め物などにも利用される。塩分を含むため、独特の塩味がある。
また、茎の形状がアスパラガスに似ていることから、「シーアスパラガス(Sea asparagus)」という英名もある。

アマドコロ

学名:Polygonatum odoratum (Mill.) Druce

キジカクシ科の多年草。山野の林縁などに生え、地下茎から伸びる茎に白い釣鐘状の花を下向きにつける。若芽や若い茎を摘み、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらなどにもする。根茎も食用・薬用として利用されてきた。
和名は「甘野老」と表記し、根茎の形状が野老(ところ)(オニドコロ)に似ていることや、根茎に甘みがあることにちなむ。

アマナ

学名:Amana edulis (Miq.) Honda

ユリ科の多年草。春になると白い花を咲かせ、地下に小さな鱗茎をつくる。鱗茎や若葉を食用とし、茹でて和え物などにする。名前の通り鱗茎には甘味があり、古くから食用にされてきた。
また、鱗茎の丸い形状から「ムギクワイ(麦慈姑)」という名称でも知られる。

イタドリ

学名:Reynoutria japonica Houtt.

タデ科の多年草。道端や河原、山野などに普通に生え、春には地中から赤紫色を帯びた若い茎を伸ばす。若茎を摘み、皮をむいて生食するほか、茹でて水にさらして酸味や苦味を抜き、和え物や炒め物、煮物などにする。地域によっては塩漬けや砂糖漬けにもする。

イヌビワ

学名:Ficus erecta Thunb.

クワ科の落葉低木。暖地の山野に生え、夏から秋にかけてイチジクに似た果実をつける。紫色に熟した果実は甘く、そのまま食べられるほか、ジャムなどにも加工される。若葉や若い枝を山菜として利用する地域もある。

イワタケ

学名:Umbilicaria esculenta (Miyoshi) Minks

イワタケ科の地衣類。岩壁に張り付くように生育し、黒褐色の表面と灰白色の裏面を持つ。採取したものを水で戻し、茹でたり煮たりして食べる。乾燥保存もでき、古くから山間部で食用にされてきた。植物ではなく地衣類、すなわち菌類であるが、食用キノコという範疇よりは山菜として扱われることが多いので、便宜上ここに記した。

イワタバコ

学名:Conandron ramondioides Siebold et Zucc.

イワタバコ科の多年草。湿った岩壁に張り付き、名前の通りタバコの葉を思わせる大きな葉を広げる。若葉を摘み、茹でておひたしや和え物、煮物などにする。独特の風味があり、地域によっては保存食にも加工される。
現在は準絶滅危惧種に本種を指定している地方もあるため、むやみな採取は控える。

ウコギ

学名:Eleutherococcus sieboldianus (Makino) Koidz.

ウコギ科の落葉低木。枝に鋭い棘を持ち、山野や人家周辺にも生える。春に伸びる若芽を摘み、茹でておひたしや和え物にしたり、菜飯や天ぷらにする。特に本種を使った菜飯「ウコギ飯」は春の季語である。ほろ苦い風味が特徴で、昔から春の山菜として利用されてきた。

ウド(山ウド)

学名:Aralia cordata Thunb.

ウコギ科の多年草。山野に生える大型の草本で、春に地下から太い新芽を伸ばす。若芽や茎を食用とし、皮をむいて酢味噌和えや和え物にするほか、天ぷら、炒め物、煮物などにもする。独特の香りとほろ苦さがあり、栽培品とは異なる野趣のある風味を持つ。栽培品はホワイトアスパラガスのように光を遮る栽培方法(軟白栽培)で栽培するので、全体的に白っぽいのである。

ウバユリ

学名:Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino

ユリ科の多年草。山地の林内などに生え、夏に白い大きな花を咲かせる。地下に大きな鱗茎をつくり、これを食用とする地域がある。鱗茎を茹でたり蒸したりして食べるほか、粉にして利用することもある。

ウワバミソウ(ミズ、ミズナ)

学名:Elatostema umbellatum var. majus Maxim.

イラクサ科の多年草。山地の沢沿いや湿った林内に群生し、みずみずしい茎を伸ばすことから「ミズ」の名でも呼ばれる。若い茎や葉を摘み、茹でておひたしや和え物にするほか、炒め物や煮物にもする。クセが少なく、シャキシャキした食感が特徴。

オオウバユリ

学名:Cardiocrinum cordatum var. glehnii (F.Schmidt) H.Hara

ユリ科の多年草。ウバユリに近縁で、北海道や東北地方などの林内に生える大型の植物。地下に大きな鱗茎をつくり、これを食用とする。鱗茎を煮たり蒸したりするほか、デンプンを採取して利用することもある。
アイヌが「サヨ」と呼んで利用してきたのはこの植物である。

オオバギボウシ(ウルイ)

学名:Hosta sieboldiana (Lodd.) Engl.

キジカクシ科の多年草。山地の湿った場所に生え、春に大きな葉を広げる。若葉や若い葉柄を摘み、茹でておひたしや和え物にするほか、酢味噌和え、煮物などにもする。クセが少なく、シャキシャキした食感が特徴。

オオバタネツケバナ(ていれぎ)

学名:Cardamine scutata Thunb.

アブラナ科の多年草。水辺や湿地などに生え、春から初夏にかけて小さな白い花を咲かせる。若葉や茎を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、薬味として生食することもある。ピリッとした辛味がある。

オカヒジキ(ミルナ、オカミル)

学名:Salsola komarovii Iljin

ヒユ科の一年草。海岸の砂地などに生え、細長く多肉質な葉を密生させる。若い茎や葉を摘み、茹でておひたしや和え物、酢の物にするほか、炒め物にもする。海岸植物らしい歯ごたえと独特の風味がある。

オケラ

学名:Atractylodes ovata (Thunb.) DC.

キク科の多年草。山野の乾いた草地などに生え、秋に白色または淡紅色の花を咲かせる。春の若芽を摘み、茹でておひたしや和え物にしたり、天ぷらにする。若芽には独特の香りがあり、古くから食用にされてきた。昆虫に同名のものがあるが、本種は「朮」と表記し、昆虫の方は「螻蛄」と表記する。

オニグルミ

学名:Juglans ailantifolia Carr.

クルミ科の落葉高木。山地の川沿いや林内などに生え、秋に硬い殻を持つ果実をつける。熟した種子を食用とし、そのまま食べるほか、菓子や和え物、味噌などに利用する。栽培されるペルシャグルミに比べて殻が厚く、割るのに手間がかかる。

オランダガラシ(クレソン)

学名:Nasturtium officinale W.T.Aiton

アブラナ科の多年草。清流や湧水などの水辺に群生し、独特の辛味と香りを持つ。若葉や茎を生食するほか、サラダ、和え物、炒め物、スープなどに利用する。日本では外来植物だが、食用野草としても広く知られている。

カシュウイモ

学名:Dioscorea bulbifera L.

ヤマノイモ科のつる性多年草。葉の付け根にむかごのような大きな球芽をつける。地下の芋や球芽を食用とし、煮物や炒め物などにする。

カタクリ

学名:Erythronium japonicum Decne.

ユリ科の多年草。春の早い時期に紫紅色の花を咲かせ、花が終わると地上部は早く枯れる。若葉や花を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらにもする。地下の鱗茎からはかつてデンプンを採取し、片栗粉の名の由来となった。

キイチゴ類

学名:Rubus spp.

バラ科キイチゴ属の植物の総称。山野には様々な種類が生え、春から夏にかけて赤や橙色、黒色などの果実をつける。熟した果実はそのまま食べられるほか、ジャムや果実酒などに加工される。代表的なものとしてエビガライチゴ、カジイチゴ、クサイチゴ、ニガイチゴ、モミジイチゴなどがある。

エビガライチゴ

学名:Rubus phoenicolasius Maxim.

キイチゴ類の一種。茎や萼に赤紫色の毛や腺毛が密生するのが特徴。夏に赤く熟した果実をつけ、甘酸っぱく、そのまま食べるほかジャムなどに利用できる。

カジイチゴ

学名:Rubus trifidus Thunb.

キイチゴ類の一種。暖地の海岸近くなどに生える落葉低木で、葉は掌状に深く切れ込む。春から初夏に橙色の果実をつけ、そのまま食べるほかジャムなどに加工する。

クサイチゴ

学名:Rubus hirsutus Thunb.

キイチゴ類の一種。山野の林縁などに生える低木で、春に白い花を咲かせる。初夏に赤く熟す果実は甘く、そのまま食べられるほか、ジャムなどにも利用される。

ニガイチゴ

学名:Rubus microphyllus L.f.

キイチゴ類の一種。山野の明るい場所に生え、初夏に赤い果実をつける。果実は甘いが、種子を噛むと苦味を感じることからこの名がある。

モミジイチゴ

学名:Rubus palmatus var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze

キイチゴ類の一種。葉がモミジのように深く切れ込むのが特徴。初夏に橙色の果実をつけ、甘く香りもよいため、生食のほかジャムなどにも利用される。

キキョウ

学名:Platycodon grandiflorus (Jacq.) A.DC.

キキョウ科の多年草。夏に青紫色の花を咲かせることで知られ、太い根を持つ。若芽を食用にするほか、根も食用となる。根はそのままでは苦味やえぐ味が強いため、皮をむいて茹で、水にさらすなどしてから和え物やナムルなどにする。
韓国でも「トラジ」という名前で根を野菜として用いる。

ギシギシ

学名:Rumex japonicus Houtt.

タデ科の多年草。道端や河川敷などに普通に生え、長い葉を根元から広げる。若葉を摘み、茹でて水にさらして酸味や苦味を抜き、おひたしや和え物、炒め物などにする。

ギョウジャニンニク(アイヌネギ)

学名:Allium victorialis subsp. platyphyllum (Hultén) R.L.McNeal

ヒガンバナ科の多年草。北海道や本州北部などの山地に生え、ニンニクに似た強い香りを持つ。若葉や茎を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、炒め物、醤油漬け、餃子などにも利用する。

クサソテツ(コゴミ)

学名:Matteuccia struthiopteris (L.) Tod.

イワデンダ科の多年草。春に地下から渦巻き状に巻いた若芽を伸ばす。この若芽を摘んだものが「コゴミ」で、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらや炒め物にもする。ワラビやゼンマイと異なり、比較的アクが少ない。

グミ類

学名:Elaeagnus spp.

グミ科グミ属の植物の総称。山野や海岸などに生える種類があり、初夏から秋にかけて赤く熟した果実をつける。熟した果実はそのまま食べるほか、ジャムや果実酒などにも利用される。代表的なものとしてアキグミ、ダイオウグミ、ナツグミ、ビックリグミなどがある。

アキグミ

学名:Elaeagnus umbellata Thunb.

グミ類の一種。山野の林縁などに生える落葉低木で、秋に赤い果実を多数つける。果実はやや渋味や酸味があるが、熟すと甘味が増し、生食やジャムなどに利用される。

ダイオウグミ

学名:Elaeagnus multiflora var. hortensis (Maxim.) Servett.

グミ類の一種。ナツグミに近い種類で、大きな果実をつける。熟した果実は甘酸っぱく、そのまま食べるほか、ジャムなどにも利用される。

ナツグミ

学名:Elaeagnus multiflora Thunb.

グミ類の一種。山野に生える落葉低木で、春に花を咲かせ、初夏に赤い果実をつける。果実は甘酸っぱく、そのまま食べられる。

ビックリグミ

学名:Elaeagnus multiflora var. gigantea Araki

グミ類の一種。ナツグミの変種とされ、大型の果実をつける。熟した果実は甘酸っぱく、生食や加工用に利用される。

コオニタビラコ(ホトケノザ)

学名:Lapsana apogonoides Maxim.

キク科の一年草または越年草。春の七草の一つで、田畑や道端などに生える。若葉や若い茎を摘み、茹でて七草粥に入れるほか、おひたしや和え物などにもする。現在一般に「ホトケノザ」と呼ばれるシソ科の植物とは別種である。

コケモモ

学名:Vaccinium vitis-idaea L.

ツツジ科の常緑小低木。高山や寒冷地の林内などに生え、秋に赤い果実をつける。果実は酸味が強く、そのまま食べるほか、ジャムや果実酒などに加工される。

コシアブラ

学名:Acanthopanax sciadophylloides (Franch. & Sav.) H.Ohashi

ウコギ科の落葉高木。山地に生え、春に伸びる新芽が山菜として利用される。若芽を摘み、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらにもする。独特の香りとほろ苦さがあり、「山菜の女王」と呼ばれることもある。

ザクロ

学名:Punica granatum L.

ミソハギ科の落葉低木。庭木や果樹として栽培されるほか、地域によっては野生化している。秋に熟して割れてきた果実の赤い果肉を食べる。

サルトリイバラ(サンキライ)

学名:Smilax china L.

サルトリイバラ科のつる性落葉木本。枝に鋭い棘を持ち、山野の林縁などに生える。春の若芽を食用とするほか、葉を柏餅のような餅菓子を包むのに利用する地域もある。果実は秋に赤く熟す。

サルナシ(コクワ)

学名:Actinidia arguta (Siebold & Zucc.) Planch. ex Miq.

マタタビ科のつる性落葉木本。山野の樹木に絡みつき、秋に小型のキウイフルーツに似た果実をつける。熟した果実は甘酸っぱく、そのまま食べるほか、果実酒やジャムなどにも利用される。

サンショウ

学名:Zanthoxylum piperitum (L.) DC.

ミカン科の落葉低木。枝に棘を持ち、若葉、花、果実、種子など様々な部位が食用・香辛料として利用される。春の若葉は「木の芽」として木の芽和えなどに用い、未熟な果実はちりめん山椒などにする。独特の香りと辛味が特徴。

シオデ(山アスパラ)

学名:Smilax riparia A.DC.

サルトリイバラ科のつる性多年草。山野に生え、春に伸びる若芽を食用とする。若芽はアスパラガスに似た食感があり、茹でておひたしや和え物にするほか、炒め物や天ぷらにもする。

シバグリ

学名:Castanea crenata Siebold & Zucc.

ブナ科の落葉高木。日本の山野に自生するクリで、栽培品種のクリに比べて果実は小さいが、甘味や風味が強いものも多い。秋に熟した果実を拾い、茹でたり焼いたりして食べるほか、栗ご飯などに利用する。

シャク(ヤマニンジン)

学名:Anthriscus sylvestris (L.) Hoffm.

セリ科の多年草。山野や林縁などに生え、春に白い小花を多数咲かせる。若芽や若葉を摘み、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらや汁物にも利用する。セリ科らしい特有の香りを持ち、草姿はニンジンによく似ている。

シュンラン(ホクロ)


学名:Cymbidium goeringii (Rchb.f.) Rchb.f.
ラン科の多年草。山野の林内に生え、春に淡黄緑色の花を咲かせる。花を食用とし、酢に漬けたり、塩漬けにしたりして利用するほか、茶にすることもある。地域によっては若芽も食用にする。

ジュンサイ(ヌナワ)

学名:Brasenia schreberi J.F.Gmel.

ハゴロモモ科の多年草。池や沼などの水中に生え、若い葉や芽は透明な粘液に覆われている。若芽を摘み、酢の物や吸い物、鍋物などに利用する。つるりとした独特の食感が特徴。

スイバ(スカンポ)

学名:Rumex acetosa L.

タデ科の多年草。道端や草地などに普通に生え、葉にはシュウ酸による酸味がある。若葉や茎を食用とし、茹でて酸味を和らげ、おひたしや和え物、炒め物などにする。地域によっては生食することもある。

スベリヒユ(タコクサ)

学名:Portulaca oleracea L.

スベリヒユ科の一年草。畑や道端などに生える多肉質の植物で、夏に地面を這うように茎を伸ばす。若い茎や葉を茹でておひたしや和え物、酢の物にするほか、炒め物や汁物にも利用する。ぬめりと酸味が特徴。
近縁種のオオスベリヒユは全体的に大型で、こちらも食用になり、古くは野菜として栽培されていたこともあった。明治中期の彩色植物図譜『有用植物図説』には食用になる野菜として記載されている。

セリ

学名:Oenanthe javanica (Blume) DC.

セリ科の多年草。水田や湿地、沢沿いなどの水辺に群生し、春先に伸びる若い茎葉を食用とする。七草粥の具の一つとしても知られ、鍋物、おひたし、和え物、汁物などに利用する。独特の香りがある。

ゼンマイ

学名:Osmunda japonica Thunb.

ゼンマイ科の多年草。春に綿毛に包まれた渦巻き状の若芽を伸ばし、これを摘んで食用とする。アクが強いため、茹でてから乾燥させたり、水にさらしたりしてアク抜きを行う。煮物や和え物などに利用される。

ダイモンジソウ

学名:Saxifraga fortunei var. alpina (Matsum.) Engler

ユキノシタ科の多年草。山地の湿った岩場などに生え、秋に「大」の字に似た白い花を咲かせる。若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらなどにも利用する。

タカノツメ(イモノキ)

学名:Evodiopanax innovans (Siebold & Zucc.) Nakai

ウコギ科の落葉高木。春に伸びる新芽を山菜として利用する。若芽を摘み、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらにもする。ほろ苦さと独特の香りが特徴。なお、トウガラシの品種である「鷹の爪」とは別物である。

たけのこ

たけのこは、イネ科タケ亜科の植物が春先に地中から伸ばす若い茎。種類によって形や味、旬が異なり、日本では様々なタケが食用にされている。代表的なものにはチシマザサ、ハチク、マダケ、カンザンチク、モウソウチクなどがある。採取したたけのこは茹でてアクを抜き、煮物、炊き込みご飯、天ぷら、和え物などにする。

チシマザサ(ネマガリダケ)

学名:Sasa kurilensis (Rupr.) Makino & Shibata

ササ類の一種。北海道や東北地方などに生え、細く柔らかな若竹が山菜として利用される。皮をむいて茹でたり焼いたりして食べるほか、味噌汁や煮物にもする。

ハチク

学名:Phyllostachys nigra var. henonis (Bean) Stapf ex Rendle

タケ類の一種。初夏に伸びる若い竹を食用とし、たけのことして利用する。モウソウチクに比べて細身で、アクが比較的少ないとされる。煮物や炊き込みご飯などにする。

マダケ(ニガダケ)

学名:Phyllostachys bambusoides Siebold & Zucc.

タケ類の一種。日本各地で栽培・利用され、若竹はたけのことして食用にする。アクがあるため下茹でしてから煮物や炒め物、炊き込みご飯などに利用する。

カンザンチク(ダイミョウタケノコ)

学名:Semiarundinaria kagamiana (Mitford ex Makino) Umez.

タケ類の一種。九州などで食用にされるたけのこで、地域によって「大名タケノコ」などと呼ばれる。柔らかく、焼き物や煮物などに利用される。

モウソウチク

学名:Phyllostachys edulis (Carrière) J.Houz.

中国原産の大型のタケで、日本では広く栽培されている。春に伸びるたけのこは大型で、食用として最もよく知られている種類の一つ。茹でてアクを抜き、煮物、炊き込みご飯、天ぷらなどに利用する。

タラノキ

学名:Aralia elata (Miq.) Seem.
ウコギ科の落葉低木または小高木。幹や枝に鋭い棘を持ち、春に伸びる新芽が「タラの芽」として有名。若芽を摘み、天ぷらにするほか、茹でておひたしや和え物にする。ほろ苦い風味と独特の香りがある。

タンポポ

学名:Taraxacum spp.

キク科タンポポ属の総称。道端や草地など身近な場所に生え、春に黄色い頭花を咲かせる。若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物、炒め物などにするほか、根を利用してタンポポ茶にすることもある。日本には在来種のほか外来種も多い。

つくし

学名:Equisetum arvense L.

トクサ科の多年草。春にスギナの地下茎から胞子をつくるための茎を伸ばし、これが「つくし」である。頭部の胞子穂を取り除き、袴を取ってから茹で、佃煮や卵とじ、炒め物などにする。スギナの栄養茎とは別の姿だが、同じ植物の一部である。

ツリガネニンジン(トトキ)

学名:Adenophora triphylla var. japonica (Regel) H.Hara

キキョウ科の多年草。山野の草地などに生え、夏から秋に釣鐘形の淡紫色の花を咲かせる。春の若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらにもする。独特の香りと歯ごたえがある。

ツルナ

学名:Tetragonia tetragonioides (Pall.) Kuntze

ハマミズナ科の多年草。海岸の砂地などに生え、肉厚の葉を広げる。若葉や茎を摘み、茹でておひたしや和え物、汁物などにするほか、炒め物にも利用する。

ツルニンジン(ジイソブ)

学名:Codonopsis lanceolata (Siebold & Zucc.) Trautv.

キキョウ科のつる性多年草。山野に生え、夏から秋に釣鐘形の花を咲かせる。若芽や根を食用とし、若芽は茹でて和え物やおひたしにするほか、根は焼いたり煮たりして食べる。

ツワブキ

学名:Farfugium japonicum (L.) Kitam.

キク科の常緑多年草。海岸近くの林や岩場などに生え、大きな艶のある葉を広げる。若い葉柄を食用とし、皮をむいて茹で、水にさらしてから煮物や炒め物、佃煮などにする。独特の香りと歯ごたえがある。

トリアシショウマ

学名:Astilbe odontophylla Miq.

ユキノシタ科の多年草。山地の林内などに生え、春に伸びる若芽が山菜として利用される。若芽を茹でておひたしや和え物にするほか、煮物や天ぷらにもする。若芽の形が鳥の足に似ることからこの名がある。

ナルコユリ

学名:Polygonatum falcatum A.Gray

キジカクシ科の多年草。山野の林内などに生え、春に若い茎を伸ばす。若芽や若い茎を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、煮物や天ぷらにもする。

ニリンソウ

学名:Anemone flaccida F.Schmidt

キンポウゲ科の多年草。春に白い花を咲かせ、一本の茎から二輪の花を咲かせることが多い。若葉や若芽を食用とし、茹でておひたしや和え物にする。ただし、近縁の毒草・トリカブトと間違えやすく、生食も危険であるため、十分に加熱して利用する。

ニワトコ

学名:Sambucus racemosa subsp. sieboldiana (Miq.) H.Hara

ガマズミ科の落葉低木。山野や林縁などに生え、春に新芽を伸ばし、初夏に白い花を咲かせる。若芽を茹でておひたしや和え物などにするほか、花や果実も利用される。ただし、生の若芽や果実を大量に食べると体調を崩すことがあるため注意が必要。

ノカンゾウ

学名:Hemerocallis fulva var. longituba (Miq.) Ohwi

ワスレグサ科の多年草。野原や土手などに生え、夏に橙赤色の花を咲かせる。春の若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物、酢味噌和えなどにする。花や蕾を食用にすることもある。
近縁種としてはほかに、後述するヤブカンゾウや、中国野菜の「金針菜」として知られる「ホンカンゾウ」、晩夏から秋にかけて花を咲かせる「アキノワスレグサ」が知られており、いずれも若い芽や蕾、花を食用にすることができる。

ノコンギク

学名:Aster microcephalus var. ovatus (Franch. & Sav.) Soejima & Mot.Ito

キク科の多年草。山野や道端に生え、秋に淡紫色の花を咲かせる。春の若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物などにする。キク科植物特有の香りがある。

ノビル

学名:Allium macrostemon Bunge

ヒガンバナ科の多年草。野原や土手などに生え、ネギやニンニクに似た香りを持つ。葉や地下の鱗茎、むかご状の球芽などを食用とし、味噌をつけて生食するほか、酢味噌和え、炒め物、天ぷらなどにする。

ノブキ

学名:Adenocaulon himalaicum Edgew.

キク科の多年草。山地の林内や沢沿いなど、湿った場所に生える。春の若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物、煮物などにする。葉柄には独特の香りがある。

バアソブ

学名:Codonopsis ussuriensis (Rupr. & Maxim.) Hemsl.

キキョウ科のつる性多年草。ツルニンジンに似ているが、花の内側に紫褐色の斑点が多い。若芽や根を食用とし、茹でて和え物にしたり、根を煮物などに利用する。

ハナイカダ

学名:Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr.

ハナイカダ科の落葉低木。葉の中央に花や果実がつくという特徴的な姿をしている。春の若葉や若芽を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらなどにも利用する。黒く熟した果実も甘みがあって食べることもできる。

ハハコグサ

学名:Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb.

キク科の一年草または越年草。春の七草の一つで、道端や畑などに生える。若葉や若芽を食用とし、七草粥に入れるほか、草餅などにも利用される。全体に白い綿毛が多い。
よく似た野草のチチコグサとは、植物体全体の毛の有無で判断する誰がハゲやねん。

ハマダイコン

学名:Raphanus sativus var. raphanistroides (Makino) Makino

アブラナ科の多年草。海岸の砂地などに生え、ダイコンが野生化したものと考えられている。若葉や花、根などを食用とし、茹でて和え物にしたり、根を大根おろしとして利用する。野生のため根は硬く辛味が強いものが多い。
島根県では本種を栽培化し、根の可食部分が幾分か増えた「出雲おろち大根」が新たな特産品として注目されている。

ハマボウフウ

学名:Glehnia littoralis F.Schmidt ex Miq.

セリ科の多年草。海岸の砂地に生え、白い小花を多数つける。若葉や若い茎を食用とし、刺身のつまや薬味として生食するほか、和え物などにも利用する。セリ科の植物らしく、香りが強い。
かつては野菜として栽培されたこともあり、「ヤオヤボウフウ(八百屋防風)」とも呼ばれた。
名前が似ている「ボウフウ」はセリ科の薬草で、かつては野生品が各地に生息していたが、現在はほとんど絶滅し、植物園で標本的に栽培される。

ハリギリ(針桐)

学名:Kalopanax septemlobus (Thunb.) Koidz.

ウコギ科の落葉高木。幹や枝に鋭い棘があり、葉は大きく掌状に切れ込む。春の若芽を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらにもする。タラノキに似たほろ苦い風味がある。

ハルジオン

学名:Erigeron philadelphicus L.

キク科の多年草。道端や空き地などに普通に生え、春に白色や淡紅色の花を咲かせる。若葉や若芽を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらなどにも利用される。

ハンゴンソウ

学名:Senecio cannabifolius Less.

キク科の多年草。山地の草原や林縁などに生え、夏から秋に黄色い花を咲かせる。若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物などにする。地域によっては保存食として塩漬けなどにも加工する。

フキ/フキノトウ

学名:Petasites japonicus (Siebold & Zucc.) Maxim.

キク科の多年草。春先に地下茎から先に花茎を伸ばし、これが「フキノトウ」と呼ばれる。花茎や若葉を食用とし、フキノトウは天ぷらやふき味噌、茹でて和え物などにする。
葉柄は「フキ」として煮物や佃煮(伽羅蕗)などに利用する。独特の香りと苦味が特徴。

ボタンボウフウ(長命草)

学名:Peucedanum japonicum Thunb.

セリ科の多年草。海岸の岩場や砂地などに生える。若葉や茎を食用とし、天ぷらや和え物、炒め物などにするほか、青汁などにも加工される。独特の香りと苦味がある。
沖縄県では野菜として栽培もされる。

ホトケノザ(シソ科)

学名:Lamium amplexicaule L.

シソ科の一年草。道端や畑などに普通に生え、春に紫色の唇形花を咲かせる。若葉や若芽を食用とする地域もあるが、春の七草の「ホトケノザ」は本種ではなく、キク科のコオニタビラコを指す。

マコモ

学名:Zizania latifolia (Griseb.) Turcz. ex Stapf

イネ科の多年草。水辺や湿地に群生し、太く伸びた葉を広げる。黒穂菌が寄生してタケノコ状に太った若い茎の根元、いわゆる「マコモタケ」を食用とし、炒め物や煮物、天ぷらなどにする。
中国や台湾、東南アジアでは野菜として栽培される。
北米では頴果がコメの代わりに食用にされ、「ワイルドライス」の名前でお粥にしたり、コメに混ぜて炊いたりする。

マタタビ

学名:Actinidia polygama (Siebold & Zucc.) Planch. ex Maxim.

マタタビ科のつる性落葉木本。山地に生え、夏に葉の一部が白くなる特徴がある。若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、塩漬けなどにも加工する。果実も食用になる。

マメガキ

学名:Diospyros lotus L.

カキノキ科の落葉高木。山地などに生え、秋に小型の果実をつける。熟した果実は甘く、生食する。栽培される柿のように熟して果皮がオレンジ色に変わった段階ではまだ渋みが強いので、追熟が進んで黒褐色になったいわゆる「ブドウ柿」と呼ばれるものが最も食用に適した熟し具合である。未熟な果実から柿渋を採取することもある。

ミツバ

学名:Cryptotaenia japonica Hassk.

セリ科の多年草。山地の林内や湿った草地などに生え、三つに分かれた葉を持つ。若葉や茎を食用とし、吸い物、茶碗蒸し、和え物、鍋物などに利用する。香りがよく、薬味としても使われる。野菜として栽培もされる。

ミヤマイラクサ(アイコ)

学名:Laportea cuspidata (Wedd.) Friis

イラクサ科の多年草。山地の林内などに生え、茎や葉に刺毛を持つ。若芽や若葉を摘み、茹でてからおひたしや和え物、煮物などにする。加熱することで刺毛の刺激がなくなり、独特の食感を楽しめる。

ミョウガ

学名:Zingiber mioga (Thunb.) Roscoe

ショウガ科の多年草。地下茎から花茎を伸ばし、夏から秋にかけて地表に花蕾を出す。花蕾は「ミョウガ」として薬味や酢漬け、天ぷらなどに利用する。野菜として栽培もされる。

ムベ

学名:Stauntonia hexaphylla (Thunb.) Decne.

アケビ科のつる性常緑木本。暖地の山野に生え、秋に紫色の果実をつける。果肉は甘く、そのまま食べられるほか、果皮も食用とする地域がある。若芽や若葉を山菜として利用することもある。
アケビに似ているが、果皮色が赤紫色で、熟しても果皮が割れない点で区別する。

モミジガサ(シドケ)

学名:Parasenecio delphiniifolius (Siebold & Zucc.) H.Koyama

キク科の多年草。山地の林内などに生え、春に葉を巻いた若芽を伸ばす。この若芽が山菜として利用され、「シドケ」とも呼ばれる。茹でておひたしや和え物にするほか、天ぷらや炒め物などにもする。独特の香りとほろ苦さが特徴。

モリアザミ

学名:Cirsium dipsacolepis (Maxim.) Matsum.

キク科の多年草。山地の草原などに生え、根が太くなる。根を食用とし、ゴボウに似た風味があって漬物などに加工されることから、山菜としては「ヤマゴボウ」と呼ばれることがある。ただし、名前が似ているヤマゴボウ科の植物、例えばヤマゴボウやヨウシュヤマゴボウ、マルミノヤマゴボウはいずれも有毒なので、混同しないよう注意が必要。

ヤチブキ

学名:Caltha palustris var. nipponica H.Hara

キンポウゲ科の多年草。湿地や水辺などに生え、春に黄色い花を咲かせる。若葉や若芽を食用とする地域があるが、生食は避け、十分に加熱して利用する。

ヤブカンゾウ

学名:Hemerocallis fulva var. kwanso (Regel) Ohwi

ワスレグサ科の多年草。野原や土手などに生え、夏に橙赤色の八重咲きの花を咲かせる。春の若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物、酢味噌和えなどにする。花や蕾も食用にすることがある。

ヤマグワ

学名:Morus australis Poir.

クワ科の落葉高木。山野に自生し、夏に黒紫色の果実をつける。熟した果実は甘く、そのまま食べるほか、ジャムや果実酒などに利用する。若葉も食用となり、茹でて和え物などにする地域がある。

ヤマドリゼンマイ

学名:Osmundastrum cinnamomeum var. asiaticum (Fernald) Tagawa

ゼンマイ科の多年草。湿った林内や湿地などに生え、春に渦巻き状の若芽を伸ばす。若芽を摘み、アク抜きをしてから乾燥保存し、煮物や和え物などに利用する。

ヤマノイモ(自然薯)

学名:Dioscorea japonica Thunb.

ヤマノイモ科のつる性多年草。山野に生え、地中に細長い芋をつくる。地下の芋を掘り出し、すりおろしてとろろにするほか、焼き物や揚げ物にも利用する。葉腋にはむかごをつけ、これも炒ったりコメに炊き込んだりして食用になる。

ヤマブキショウマ

学名:Aruncus dioicus var. kamtschaticus (Maxim.) H.Hara

バラ科の多年草。山地の林縁などに生え、春に若芽を伸ばす。若芽を茹でておひたしや和え物、煮物などにするほか、天ぷらにも利用する。

ユキノシタ

学名:Saxifraga stolonifera Meerb.

ユキノシタ科の多年草。湿った岩場や石垣などに生え、白い斑の入った葉を広げる。若葉を食用とし、天ぷらにするほか、茹でておひたしや和え物などにもする。

ユリワサビ

学名:Eutrema tenue (Miq.) Makino

アブラナ科の多年草。山地の沢沿いなどの湿った場所に生え、春に白い小花を咲かせる。葉や茎、根を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、すりおろして薬味にすることもある。ワサビに似た辛味を持つ。

ヨブスマソウ(ホンナ)

学名:Parasenecio hastatus subsp. tanakae (Franch. & Sav.) H.Koyama

キク科の多年草。山地の湿った場所に生え、春に若芽を伸ばす。若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、煮物や炒め物などにもする。地域によっては「ボウナ」などの名でも呼ばれる。

ヨメナ

学名:Aster yomena (Kitam.) Honda

キク科の多年草。田畑の畦や河川敷などに生え、秋に淡紫色の花を咲かせる。春の若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物にするほか、ヨメナ飯などにも利用する。独特の香りがある。

百合根

学名:Lilium spp.

ユリ科ユリ属の球根を食用とするもの。オニユリ(L.lancifolium)、コオニユリ(L.leichtlinii var. maximowiczii)、ヤマユリ(L.auratum)、カノコユリ(L.speciosum)などが利用され、地下の鱗茎を食用とする。蒸し物、煮物、茶碗蒸し、和え物などに利用され、ほくほくした食感とほのかな甘味が特徴。

リュウノウギク

学名:Chrysanthemum makinoi Matsum.

キク科の多年草。山地の岩場や草地などに生え、秋に白色の花を咲かせる。春の若芽や若葉を食用とし、茹でておひたしや和え物などにする。キクの仲間らしい香りがある。

リョウブ

学名:Clethra barbinervis Siebold & Zucc.

リョウブ科の落葉高木。山地に生え、春に伸びる若芽を山菜として利用する。若芽を茹でておひたしや和え物にするほか、炊き込みご飯などにも利用する。独特の香りとほろ苦さがある。

ワサビ

学名:Eutrema japonicum (Miq.) Koidz.

アブラナ科の多年草。清流や沢沿いなどの水辺に生え、根茎に強い辛味を持つ。根茎をすりおろして刺身や寿司などの薬味にするほか、葉や茎、花も醤油漬けやおひたしなどに利用する。

ワラビ

学名:Pteridium japonicum (Nakai) Nakai

コバノイシカグマ科の多年草。春に地中から巻いた若芽を伸ばし、これを山菜として利用する。アクが強いため、木灰や重曹などを使ってアク抜きをしてから、煮物やおひたし、和え物などにする。乾燥保存にも適している。


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最終更新:2026年10月02日 16:47

*1 木本・草本(樹木になるものか草か)の区別は考慮されない

*2 なお食用になる地衣類(菌類と藻類が共生した生物)のイワタケは山菜とみなされる

*3 あくまでもこの定義は暫定的なもので、わが国でのフキやジュンサイなどの栽培や、中国でのナズナの野菜としての栽培、東南アジアでのアカザの栽培化などの例もある

*4 毒の有無はこの際関係ない。噛まれたところから細菌が入る危険性もあるからだ

*5 実際に山菜採りに行った際に殺人事件に巻き込まれた例がある。詳しくは『長岡京ワラビ採り殺人事件』で検索。ただし凄惨な内容が含まれているため閲覧注意。

*6 ただし、こちらも生では有毒

*7 前述の灰汁抜きをすればほぼ大丈夫だと思われるが、念のため灰汁抜き前にも水洗いすると万全である