モース(テイルズ)

登録日:2024/11/25 (Mon) 08:59:42
更新日:2025/05/22 Thu 04:48:25
所要時間:約 13 分で読めます






な、何を言うか!
……私はマルクトの脅威を陛下に……



モースとは、ゲーム『テイルズ オブ ジアビス』の登場人物。
CV:大矢兼臣、森功至(アニメ版)


【概要】

ローレライ教団に属する大詠師の男。一人称は「私」または「わし」
教団内では最高権力者の導師イオンに次ぐ地位を持つ。

イオンが預言(スコア)をあくまで未来の選択肢の一つと考える「改革派」なのに対し、モースは逆に預言を絶対視する「保守派」の筆頭。
両者は基本的に相容れないのだが、ローレライ教団においては保守派が圧倒的に強く、勢力としては改革派を押さえ込んでいる形となる。
そのため導師を厄介視するモースは、理由をつけてイオンが面倒を起こさないように立ち回り、時には軟禁も辞さない*1

こうした実情から、導師を差し置いて事実上トップのように君臨している節が見られる。
それを抜きにしても神託の盾(オラクル)騎士団にとっては上司にあたり、ヴァンオラクル六神将ティアも形式的にはモースの部下にあたる。

ストーリーではキムラスカ王国の国王・インゴベルト六世にマルクト帝国の動向や脅威を徹底的に誇張して吹き込み、戦争を起こさせそうとしており、その障害となるイオンを事前に軟禁。
が、戦争回避を望むイオンがマルクト皇帝ピオニーに協力を仰ぎ、彼の命を受けたマルクト軍のジェイドに救出され、巡り巡ってルークと出会い王都バチカルに参上したことでモースの計画は狂わされていくことになる。























※以下、本編(アクゼリュス以降)のネタバレ※
























私は監視者だ!

人類を守り導く義務があるのだ!


本編におけるヴァンの言葉を借りるならば、オールドラントに蔓延る「預言中毒」の一人であり重度の預言中毒者。


そもそも預言の通りに従って生きる、ということは作中世界大半の人間にとって当たり前の価値観で、イオンのように疑問を抱く人間の方が少数。
妻の預言に「夫との子供をもうける」と書かれていたらその通りにしなくてはならないし、何なら国だって預言に「○○島が崩落して滅びる」と書かれていれば、その通りに攻め込んで最終的に滅ぼすぐらい…と、国政すら預言に詠まれるがままである。
預言におんぶにだっこ状態なオールドラントにおいて、モースは特に預言への執着が凄まじい人間として描かれている。

彼が望んだキムラスカとマルクトの国家間戦争も、始祖ユリアが残した預言にそれらの出来事も書かれており*2、最終的に繫栄が約束されているからそのために実行させたいというのが真意であった。
預言のためなら大勢の人間を見殺しにしても必然の結果だとして心を痛めない。
これは彼のみならず、ローレライ教団全体とも共通する体質である。

加えて、モースは預言成就に手段を選ばない節が強く、倫理観も破綻している。
ナタリア(と導師イオン)を総本山に監禁することで、インゴベルト六世が心変わりしないよう仕組んだり、更には彼ら親子が知らぬ真の血縁関係を暴露して王家をナタリア処刑に傾かせたりといった裏工作を平然とやってのける。
作中重要な存在の「レプリカ」に対しても同じ人間とは全くみなしておらず、
ヴァンと共同でイオンのレプリカを作る時も「一番出来のいいレプリカ」を導師の代用に選ぶと、それ以外は火山の火口から廃棄処分*3
後々従えたレプリカの集団も使い捨ての便利な駒程度にしか見ていない。これは「レプリカ情報さえ残っていれば何度でも同じレプリカが作れる」ということで、どんなに切り捨てようといくらだって替えが利くため。
その最たる所業がレプリカたちを国の軍隊に偽装し、自爆テロを行わせるという外道の極み。

イオンの導師守護役を務めるアニスも、両親が騙されて背負った借金の肩代わりと引き換えにイオンの監視役を、後にルーク一行のスパイをモースから強制された立場であった。
ストーリー本編での行動からプレイヤーによっては反感を買われがちなアニスだが、大本に関してはだいたいモースが悪い。*4
でも借金自体はモースが仕組んだわけではなく、十中八九アニスの両親が悪い*5
年端もいかない少女の弱みを握り、借金を理由に給料も殆ど取り上げ、絶対逆らえない使える手駒に仕立て上げている構図だけ見ても、本当にコイツこそが邪悪な人間だということがよくわかる。
モースも本来この件をアニスに告発されたら大いに不利を被る筈なのだが、それ自体困難の環境を考えれば実際には難しい所である。
両親は教会でただ働きさせられており、ローレライ教団の手が届く場所に置かれている=もしアニスが逆らったらいつでも手を出せる状態なので、仮にしたくても出来なかっただろうと思われる。本編で実際に人質として利用されている(後述)ので尚更。

ヴァンと六神将のメンバー殆どは各々の過去から預言を憎む、あるいはそんなヴァンに同調しているので、自分らの思想と相反するモースには誰一人として忠誠を誓っていない*6
とは言え、最初から反発心を剥き出しにするわけにもいかないため、ヴァンは忠実な監視者として振る舞うことで信頼を得ており、モースも彼の秘める野望には気付けなかった。
後にヴァンが教団を離反した時も、神託の盾騎士団の多くが彼についていった辺りに人望というか求心力の無さが透けて見える*7


そんなモースのタチが悪い点は、汚い手段を含めた全ての行動原理が「世界の繫栄と存続のため」に繋がっていること。
聖職者系ヴィランの「実は裏で私腹を肥やしている」「世界中の人間を洗脳したい」などといったステレオタイプな下心とは元より、前者に近い私利私欲とも無縁に等しい。
本気で、心の底から、預言が人を救うと信じている。それがモースという人間の在り方である。
ディストが助けに来なかったら逮捕されていた、味方が自分だけのマジで詰む5秒前な状況でも自分の思想を曲げず、むしろ預言を無視するルークたちを愚か者と罵倒するなど肝も据わっている方*8
例え自我が崩壊する程の酷い目に遭おうとも、最期まで預言に執着し続ける執念深さはまさに妄執と紙一重。

繁栄のために戦争を企む時点で、控え目に言ってもかなりまともじゃないのだが、それはあくまでも作品の外にある我々の神視点から見ているが故である。
先程も言ったようにこの世界は預言通り生きることが当たり前であり、美徳としても捉えられている*9
なのでこれを踏まえると、預言通り戦争を起こし(て繁栄に導き)たいモースの行動は決して悪とは言い切れない。
モース視点だとルーク一行はむしろ「預言を無視し続け、あまつさえ両国の権力者を誑かして預言信仰を揺らがせ、世界を繁栄から遠ざけようとするイカれた連中」という風に映っていることは想像に難くなく、彼から見て預言脱却を訴えるルーク一行こそがトチ狂った罪人なのだ。

そして皮肉なことに「世界を守りたい、人類を救いたい」という想いのみはルークと共通している。
第七譜石にオールドラントの滅亡オチが記されていることを知っても、預言だからといって思考停止で受け入れることはせず「レプリカ如きに詠ませたワシが悪かった」と、正確に詠み直せば正しい預言=滅亡以外の未来が得られると信じていた様子。
つまり世界の滅亡なんてものは断じて望んじゃいない。「母星滅亡オチの手順だけ丁寧に書き残す奴が普通いるか?」という、まあご尤もな推測ありきのものではあるが。
近く戦争が起きる時代に生まれたことがある意味彼の不幸であり、預言を最重視するあまり汚い手段の数々でヘイトを買った上、自分こそ正義だと信じて罪を認めなかった姿勢が後々の破滅に繋がっていった。
ルークも「もっと昔の時代の大詠師なら、立派な聖職者として名を残していたのかもしれない」と、彼が自身らと違うやり方で人類を救おうとしていたことは認めており*10
モースの最期を目の当たりにした後の日記では「俺たちがやろうとしていることも、モースのように間違ってるのかもしれない」と胸の内に湧いた恐怖を書き綴るほどだった。


◆本編での軌跡



戦争さえ無事に発生すれば預言は果たされる

ユリアシティの連中は崩落ごときで何を怯えているのだ


作中大きな転換点となるアクゼリュス崩落を口実に、インゴベルト六世を懐柔して遂にキムラスカ・マルクト両国の戦争を勃発させる。
しかも「敬虔な信者からの悲痛な懺悔」という名目でナタリアが本当の王女ではないこと、本当の両親と引き裂かれた恨みからアクゼリュス崩落に加担した(これは大ウソ)ことを父親である彼に告発しており、その証拠となる本物のナタリアの遺骨も提出して味方につけていた*11

この話は陛下にもお伝えした。
しっかとした証拠の品も添えてな

バチカルに行けば、陛下はそなたを国を謀る大罪人としてお裁きになられましょう!

だが紆余曲折の末、ナタリアは王女としての使命を全うするべく決意を固め、ルークたちと共にインゴベルト六世と対話。
国王の前でモースは尚も彼女を偽者扱いするが、イオンから「血統だけにこだわる愚か者」と痛烈に批判された上、元々精神的に迷いのあったインゴベルト六世がナタリアの説得に心動かされ、休戦に応じたため全てがご破算に。
ダアトへ引き上げざるを得なくなる。

その後、ヴァンが監視者の役割を放棄し、六神将や神託の盾騎士団の半数と共に行方をくらませる事件が発生。
当面は戦争を企てるどころではなくなってしまい、騎士団の再編成を余儀なくされる。
ルーク一行が外殻大地の降下に必要なセフィロトを求めて現れた時もご機嫌斜め真っ最中であり、ご丁寧に行き方と侵入者避けの仕掛けを教えると「せいぜい気張って探せよ」と嫌味ったらしく吐き捨てて去った。*12

以後はしばし出番が無く、ヴァンや六神将(アッシュ、ディスト以外)の死亡、そして外殻大地の降下後は大詠師職を追われ、査問会のために勾留中の身となっていた。
そんな中、グランコクマから脱獄したディストがモースの護送船を強襲、彼を保護する。
実は生きていた他の六神将*13とも結託し、大量のレプリカたちを従えるとキムラスカ軍に偽装したレプリカ集団の自爆テロを仕掛け、キムラスカとマルクトの関係悪化(による戦争勃発)を目論んだ。

更に六神将から唆され、アニスの両親を人質に取って彼女にイオンを拉致させると、ザレッホ火山で第七譜石の惑星預言(プラネットスコア)の詠み直しを強制する*14
これは大量の第七音素(セブンスフォニム)を消費する行為で、それが少ないレプリカのイオンには到底耐えられるものではない。駆けつけたルークたちの懸念通り、イオンは第七音素の乖離とともに消滅してしまう*15

ところが、犠牲を出してまで詠み直した内容はマルクトが戦争に敗北後、死病が蔓延してキムラスカにも拡大する……つまりオールドラントの滅亡を意味するものだった。
仮にも上司であったイオンの死よりも、自身が望む内容を惑星預言から得られなかったことにぼやくだけのモース。
預言のせいで数々の親しい人たちを、そして目の前でも喪ってきたルークの怒りを買い、両者は激しく言い争う。


預言預言預言!
馬鹿の一つ覚えみたいに!
そんなものがなんだって言うんだ!

馬鹿を言うな!
人類が存続するためには預言が必要なのだ!

そんなものがなくたって人は生きていける!

預言の通りに生きれば繁栄が約束されているのだ!
それを無視する必要があるのか!


預言が無くても生きていける、預言こそが人類に必要だとする互いの主張は平行線に終わり、戦争に執着するモースはレプリカたちに足止めさせて火山より撤退。
この一件が切っ掛けで、一行にはイオンの命を奪った仇と恨まれることになる。
一連の言い争いはイオンが大切な味方としてすっかり定着した頃の悲劇、その直後に挟まれるため、人の命を奪っておいて石頭な言い分を並べ立てるモースはなかなかの神経逆撫でポイント。
これまでの言動やイオンの死に加担した事実からアニスにヘイトが向かいがちなイベントだが、そもそも拉致やスパイを命じたのは弱みを握り、両親も人質に取ったモースであり、もっと言えば預言をエサにモースを焚きつけた(少なくともアリエッタを除く)六神将が元凶。非があるのは一人だけにあらずという点を忘れてはいけない*16

バチカルで逃走中の所をルーク一行から追い詰められると、ちょうど迎えに現れたディストに導師の力、即ち第七音素の投与を要求する。
本来は新たな拠点のエルドラントで厳かに行う予定だったようだが、一行を世界のあるべき姿を見失っている愚か者と断じ、新たな力を見せつけたいというモースの意向からその場で第七音素を注ぎ込まれた。
しかし、モースは突然変異を引き起こして異形化。
丸々と肥え太った肉体に短い脚、悪魔のような紫色の肌に翼を何枚も生やした姿はもはや魔物のそれであり、しかも首が痙攣したようにビクビク曲がって怖い。
さすがに本人も己の姿に困惑したが「導師の力にふさわしい姿になろうとしている」とディストに言い包められ、戦いは避けて逃走を優先した。

エルドラントの浮上後は、オールドラント中に自分の声を届ける世界放送を実行。
新生ローレライ教団の導師を名乗ると、世界の災いは各国が預言を無視したせいだと一方的に決めつけ、謝罪と降伏を要求。
もし飲まないならと武力行使をちらつかせて脅迫するのだが……。


聞け!
預言を忘れし愚かな人類よ

我が名は新生ローレライ教団の導師モースである。
ひゃは、ひゃははははっ!

~中略~

我々新生ローレライ教団は中央大海にかつてのホド島――
栄光の大地エルドラントを建造した

ここを中心に、今一度世界を預言通りに進めるのだ。
ひゃははははっ!

そして我々は、預言をないがしろにするキムラスカ・マルクト両国に対し、
謝罪と降伏を要求する

これが……う、う、受け入れられぬ場合は、ひゃは……げふっ
武力行使も……やむを得ない……!

いずれ改めで新生ローレライ教団がら使者を送る。
両国の誠意ある返答を期待する

ぞ、ぞじで両国民たちよ。
そなたらの王が預言を否定しだ時には、反旗を翻すのだ!

正義わユリアの預言ど共にある!
ひゃはははははっ!


……素養のない第七音素を無理に取り込んだ副作用で、エルドラント浮上時点からモースの意識は拒絶反応による精神汚染が進行していた。
人間の頃には無かった異様な高笑いをたびたび上げるのもこれが原因。
尤も、六神将は新生ローレライ教団の分かりやすい指導者にモースを担ぎ上げただけなので、彼ら的にはモースがどうなろうと知った事じゃなかった*17*18
もっと言うと彼らが真に仕えるヴァンの最終目的は、人類のレプリカ置き換えによる預言からの解放。つまりは皆殺しであり、典型的な預言依存者のモースの不平不満など初めから想定の内である。

また、この頃には使役したレプリカ集団のことはとうに見捨てていた。
本来は彼らが集合してからエルドラントが浮上する手筈であったが、実際は概要で述べた通り、いくらでも替えが利くことから置き去りにして浮上を決行。
モースが迎えに来るという約束をあてにレプリカたちが集まったレムの塔でも、ディスト曰くエルドラントの主砲でまとめて消し飛ばされる運命だったという。

アブソーブゲートでは地殻から復活したヴァンを迎え*19、彼が手土産に持ち帰った第七譜石を予備のレプリカイオン(後のフローリアン)に詠ませた。
が、火山の惑星預言と同様にこちらも世界が滅亡することしか書かれておらず、絶望的な預言を認められないモースはレプリカに八つ当たりしようとする。
そこにルークが割って入り、彼が所有していたローレライの宝珠に反応したのか更に精神汚染が加速。


どうじだごどが?
いじぎが……もうろうど……

すこあを……すこあを……ひゃーっはっはっはっ……や……めろ……!
ぐおっ、がふっ!?


生物と思えない狂った挙動で何処かへ飛び去ってしまい*20、やはりと言うべきかヴァンと生き残りの六神将には全く気に留められることもなかった。
ヴァンが蘇った以上、モースはとうに利用価値の無い不要物として切り捨てられたのである。
尚、この場面ではヴァンも宝珠を持つルークの腕を掴んだ途端、己の体内に封じ込めていたローレライが宝珠に呼応して暴れ出し絶体絶命に陥るが、全身全霊を込めて辛うじてローレライを抑え込む事に成功した。

その後は行方も知れなかったが、ラジエイトゲートにて突如ルーク一行を襲撃。


すこあを……!ひゃははははっ!?
すこあをまもるために……!
おまえたちぃ……!


精神汚染も限界に達し、おそらく自分が何をしているのかも理解できない、理性が薄れた状態のまま預言への妄執に囚われていた。


ひゃはーっはっはっ。ぐぉっ!?
私はこの監視者として……世界をはんえいに……ひゃはっ!?


散々彼に利用され、しかも大切なイオンが殺されたアニスをしてそれでも「可哀想」と言わしめるほどの、身も心も壊れ果てた見るに堪えない姿。
いたたまれなくなったのかティアも正気に返るよう呼びかけるが、もはや言葉が届くこともなく、彼らを世界滅亡に導く裏切り者扱いして襲いかかる。

だが、世界のために一行も放っておくわけにはいかず、戦闘の末にモースは力及ばず敗北。


す……こあ……が……
ユリア……よ……!

世界を繁栄にぃ――!?


預言にすがり続けた男の末路は、体がドロドロに液状化して溶けるという惨たらしいものであった。
一行は思う所がありつつ、モースのやり方が間違っていたことを証明するため、自分たちの未来を掴むためにもエルドラントで待ち構えるヴァンとの最終決戦に臨んでいく。


【ボスとして】

直接対決する機会はラジエイトゲートの「ギガントモース」としてのみ。

高位の様々な譜術をひたすら連発する、ストーリー終盤のボスにしてはシンプルな戦法。詠唱中のクネクネ踊りがキモい。
単体での出現となり余計なお供もおらず、譜術の頻度の高さから隙も多い。
終盤まで辿り着いたプレイヤーなら装備とレベル上げをしっかりしている筈なので、おそらく苦戦する要素は少ないと思われる。
ただし、緑色のブレス攻撃を食らうと多数の状態異常をかけられてしまう。腹を膨らませたら要注意。


【余談】

  • 異形化したモースの声は反響する加工された声に変質しており、見た目の不気味さを一層引き立てている。
    • ただ、ボスとして戦う時は加工ミスなのかボイスが反響しておらず、狂っていることを除けば人間体のモースそのままになっているので違和感がある。



預言の通りに追記・修正すれば繁栄が約束されているのだ!
それを無視する必要があるのか!

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最終更新:2025年05月22日 04:48

*1 上司に対してどう見ても謀反そのものだが、イオンもイオンで複雑な立場ゆえに強く出られないこともありモースの横柄を許してしまう形となっている。

*2 アクゼリュス崩落のように人の死が関わる預言は秘預言(クローズドスコア)と呼ばれており、人々に不安をもたらさないよう詠師職以上の人間だけが閲覧を許されている。

*3 なお廃棄時に偶然生き残ったレプリカの一人をちゃっかり拾い上げており、これもイオン(レプリカ)の予備以上の意味を持たなかった

*4 尤も、プレイヤーから問題視されている態度や言動・ある人物の人格形成の一端・ある人物の末路などはアニス本人の素の性格や責任であるのだが。

*5 この両親がかなりの問題人物で、旅行詐欺にあっても「その人もお金に困っていたからやむなく詐欺行為をしていたのだろう」と詐欺師を擁護するぐらい常軌を逸したお人好し。そのせいで大きな借金を抱えてしまい、アニスが金にがめつくて玉の輿を狙いたがる最大の原因となっている。しかも、娘が導師守護役に取り立てられた後も現在進行形でまた金を騙し取られており(これも当然モースとは無関係)、娘の苦労も理解しない始末……こんな二人を切り捨てなかったのは、それでもアニスが両親を愛していたからである。

*6 ディストに至ってはヴァンへの忠誠すら薄く、亡き恩師復活という野望を優先して周囲を利用していた。

*7 神託の盾騎士団はローレライ教団にとっての最大戦力であり、それが大量に離反するだけでも現実的に考えて十分な異常事態。

*8 この時は後述の所業から特別憎まれていたので、下手したらその場で斬り殺されても文句を言える立場ではなかった。

*9 アクゼリュス崩落が詠まれた秘預言について、ルークが「何故それを止めようとしなかったんだ」とユリアシティ市長テオドーロ詰ったところ、「ルーク。外殻大地の住人の言葉とは思えませんね」と即答されている。

*10 モースの問題は石頭な態度と手段を選ばなすぎる所にあるため、本編よりマシになっても「善人」とまで言える人間になるかどうかに関しては疑問符がつくが、少なくともレプリカ技術が生まれる前の、なおかつ戦争が自身の生きているうちに起きない時代であれば、本編よりもまだマシな人間になった可能性は高い。そもそもここまで悪質になる必要もないので。

*11 本物のナタリアは死産であり、預言では現在のナタリア……即ちメリルが王女になることが詠まれていたため、メリルの祖母にあたる乳母がすり替える形でインゴベルト六世の子となった。

*12 なお、セフィロトへの道のりではアニスが目に見えて不審な行動を取り始め、プレイヤー視点でもモースとの繋がりが匂い始めてくる。

*13 当然ながらアッシュを除く。むしろアッシュはローレライの鍵を巡って彼らと敵対していた。

*14 なお元導師守護役のアリエッタは惑星預言の詠み直しに賛同したわけではなく、直前まで知らされていなかった。イオンを死なせたくないため土壇場でリグレットの邪魔をし、ルーク一行を助けた。

*15 だがこれはイオンの思惑通りでもあり、惑星預言の内容をルークに選択肢の一つとして示し、更に乖離を利用してティアの体を蝕む汚染された第七音素も貰い受け、除去するためであった。この方法は自身の命と引き換えも同然で、安易に提案できるものとは違う。だからこの状況を好都合と捉え、自己犠牲も厭わぬイオンはモースが命じるままに惑星預言を詠み上げたのである。

*16 なお、当のイオンは前述した自身の思惑や意図もあってか、自分を拉致したアニスには恨み言の一つも言わなかったどころか、逆に今まで尽くしてくれたことへの感謝を遺しながら逝った。それがアニスにとってせめてもの救いと言える。

*17 精神汚染の様子を見たリグレットはローレライ制御中のヴァンもこうなってしまう可能性を懸念したが、シンクからは(ヴァンは第七音素を扱う素養があるため)ここまでの事にはならないと否定された。

*18 黒獅子のラルゴは、唯一預言に執着するモースを憐れんだが、それだけ。

*19 この期に及んで命令違反を水に流してやるとか言っており、まだヴァンを自分の部下扱いしていた模様。またはこれも精神汚染の影響なのか……。

*20 なお狂った挙動とは言ったが、具体的にはいわゆる「ゲッダン」を思い浮かべてもらうと凄くわかりやすい。ただ単に滅茶苦茶な高速回転をしているだけ。