コーディ・ローデス

登録日:2024/12/26 (土) 10:44:53
更新日:2024/12/31 Tue 18:29:08
所要時間:約 8 分で読めます




「Wrestling Has More Than One」

「Royal Family」

◆コーディ・ローデス(Cody Rhodes)はアメリカ、ノースカロライナ州シャーロット出身で、父親に”アメリカン・ドリーム”の愛称で知られる往年の名レスラーダスティ・ローデス、異母兄に同じくレスラーにしてWWE屈指の変態ギミックで有名なゴールダストことダスティン・ローデスを持つプロレスラーである。

プロフィール
リングネーム:コーディ・ローデス
本名:コーディ・ギャレット・ラネルズ・ローデス
ニックネーム:アメリカン・ナイトメア、プリンス・オブ・ダークマター、ダッシング
身長:188cm
体重:100kg
誕生日:1985年6月30日

【来歴】
デビュー前は2006年8月にWWEとディベロップメント契約を結び、育成団体であるOVWに入団、翌年2月にはOVWヘビー級王座を獲得するなど早くも頭角を表す。
2007年の7月に同年WWE殿堂入りした父ダスティに紹介されデビュー、12月にはハードコア・ホーリーとのタッグで世界タッグ王座を獲得するが、翌年6月のナイト・オブ・チャンピオンズでホーリーを裏切りヒールターン、対戦相手だったテッド・デビアスjrにホーリーをフォールさせ、変則的ながら世界タッグ王座を2度獲得する。
その後はデビアスjrと共にタッグ王座戦線で活躍した後、2009年にはランディ・オートンの誘いに応じ2世・3世レスラーからなるユニット”レガシー”を結成、復活したD-GenerationXと抗争した。
しかしD-Xとの抗争に敗れると、オートンとの関係が悪化し抗争に発展、2010年のレッスルマニア26にはデビアスjrも巻き込んだトリプルスレット戦となるも、オートンのパントキックを喰らい敗北、”レガシー”は完全解散となった。

“レガシー”解散後にスマックダウンにドラフトされると、ディーヴァによる最もハンサムな男投票でジョン・シナを退け1位となった事をきっかけに、ナルシストキャラの”ダッシング”コーディ・ローデスに変貌する。
ダッシング変貌後はドリュー・マッキンタイアとタッグ王座を獲得したり、鼻の骨折をきっかけにレイ・ミステリオと抗争したり、インターコンチネンタル王座を獲得した際にベルトのデザインをクラシックモデルに戻したり、ダサいフェイスマスクや紙袋を被ったりと活躍した。

2013年、WWEのCOOに就任したトリプルHのやり方を批判したことをきっかけにベビーターン。兄ゴールダストやダスティをも巻き込んでトリプルHや傘下のユニット”ザ・シールド”と抗争、当時負けなしのシールドが保持していたタッグ王座を奪取するという大金星を見せた。
が、翌年のロイヤルランブルでニュー・エイジ・アウトローズに王座を奪われて以降は関係が冷え込んでしまい、6月のペイバックでタッグ解消、翌日のRAWで新たなタッグパートナーを探すと宣言する。


かくして翌週、コーディは現れた。
現れたのだが………

そこに現れたのは

  • 黄色に塗ったくった上に黒色で星のマークを描いた顔
  • 同じく星のマークが描かれた全身コスチューム
  • 眼前で並べるとやっぱり黒の星が浮かび上がる模様が描かれた黄色のグローブ

といった具合にどっからどう見ても兄ゴールダストをパクったようにしか見えないギミック”スターダスト”に変貌したコーディだった。
こんなキワモノギミックながらタッグ王座を奪取するなどそこそこ活躍するも、自身の活動に限界を感じたのか2016年5月に契約解除を求め、受理された事で退団した。


その後はEVOLVEやPWG、TNA、新日本プロレス、ROHといった他の大手団体やインディ団体を渡り歩く*1。特に新日本&ROHには比較的長期間参戦、東京ドームでのシングルマッチや、複数回のIWGP戦も組まれており、ROH世界王座やNWA世界王座を獲得している。また、ケニー・オメガ率いる”The Elite”にも参加した他、後の愛称であるアメリカン・ナイトメアも新日本参戦時から名乗り始める。微妙に格が高い状態で参戦しちゃったせいか、G1やNJCに出しにくかったのは秘密。

2019年1月、”The Elite”のチームメイトであるケニー、ヤング・バックスと共に新団体であるAEWの立ち上げを宣言、同時に副社長に就任する。
選手としては元WWEの重鎮であるクリス・ジェリコとAEW世界王座を巡って抗争したり、MJFやダービー・アリンといった次世代の選手の壁を担ったりと精力的に活躍していたが、2021年ごろから、ベビーフェイスでありながらなぜか観客からブーイングされる場面が増えていく。
これが原因かは定かではないが、コーディは2022年1月のPPVビーチブレイクでサミー・ゲバラにTNT王座を奪われたのを最後にAEWに姿を現さなくなり、情報筋は「コーディは契約の不合意によりAEWから退団した」と発表した。









時を同じくしてWWE。
1年で最大のPPVであるレッスルマニアの開催が迫る中、自身の置かれた状況についてヤキモキしているスーパースターがいた。
クソダサファッション番長”マンデーナイト・メサイア”ことセス・ロリンズである。
レッスルマニア38でローマン・レインズvsブロック・レスナーによるユニバーサル王座とWWE王座の2冠戦、アティチュード期のトップスターであるストーン・コールド・スティーブ・オースチンの約19年ぶりのリング復帰など次々とビッグマッチが決まる中、ロリンズは現役のトップスターであるはずの自身の試合がいつまでも決まらない事に不満を募らせていたのである。
レジェンド選手であるエッジとの対戦権を掛けた試合でAJスタイルズに敗れ、更に出場の機会を失いかけていたロリンズは、何と本社ビルのビンス・マクマホンのオフィスに凸し、自身の試合ブッキングを直談判するという暴挙に出る。
そこで「貴様に相応しい対戦相手を用意する」とビンスから約束を取り付けられたセスは狂喜乱舞、観客達は対戦相手が誰なのか予想を巡らせる事に。
因みにビンスは終始セスに引き気味だった。セスお前色々とすげぇよ。


そして迎えたレッスルマニア38当日。
ロリンズがリングで待ち構える中、会場は暗転。
観客の期待が最高潮まで高まる中・・・・・・




「Wrestling Has More Than One」



「Royal Family」




入場曲『Kingdom』のイントロ。
星条旗に髑髏がモチーフの入場タイタトロン。
そして星条旗モチーフのコスチュームで会場に現れたコーディ・ローデス。

そう、コーディはROH&新日本時代、そしてAEW時代からギミックも入場曲も一切変えることなく、WWEに舞い戻ってきたのである。
迎えたロリンズとの試合はついうっかりスターダスト時代のムーブをやっちゃったりしつつもきっちり勝利し復帰戦を飾った。
その後もバックラッシュ、ヘル・イン・ア・セルとセス相手に連勝を重ねるものの、HIAC開催直前に大胸筋断裂の大怪我を負い、早くも長期欠場に入ってしまう。

翌年のロイヤルランブルにてコーディは復帰、ランブル戦の大トリとして登場し見事優勝を果たすと、ローマン・レインズが保持する統一WWEユニバーサル王座への挑戦が決定する。
サミ・ゼインのブラッドラインからの離反と旧友ケビン・オーエンズとの和解を見守りつつ迎えたレッスルマニア39だったが、レインズの子分たちの妨害により敗北。

その後はブロック・レスナーや”ジャッジメント・デイ”あと半ば通り魔と化しつつあった中邑真輔と抗争しつつ改めてレインズとの対戦に望み、2024年のロイヤルランブルではハルク・ホーガンショーン・マイケルズ、オースチンに次ぐ歴代4人目となる連覇を達成した。

しかし、翌週のスマックダウンにて、コーディはロイヤルランブルで勝ち取ったレインズへの王座挑戦権を、WWEの取締役に就任したばかりのザ・ロックに譲り渡してしまう。
詳細はロックの項目に譲るが、これまでのコーディの努力の成果をロックが掠め取ったも同然な展開に納得のいかない観客はXで「#WeWantCody」を展開。
その声援に応えるかのように、コーディは開催前の記者会見で改めてレインズへの挑戦を表明、JDとの抗争を経て友情を築いたセス・ロリンズと共に、一転してレインズ率いる”ブラッドライン”に合流したロックとの対決も決意する。

迎えたレッスルマニア40のDay1。
コーディはセスとのタッグでレインズ・ロック組と対戦、試合終盤にロリンズと引き離されたコーディはレインズのスピアー、ロックのロックボトム、ピープルズ・エルボーのフルコースを喰らい、ピンフォールされてしまう。

そしてDay2の統一WWEユニバーサル王座戦。
前日の敗北によりレインズ側に絶対有利な”ブラッドライン・ルール”にて試合が行われる中、案の定ロックを始めとするブラッドライン勢が試合に介入してくる。
しかし、コーディがレッスルマニア39で一度目の敗北を味わって以来歩んできた1年は、決して無駄ではなかった。
ブラッドラインから寝返り共にJDからタッグ王座を奪取したジェイ・ウーソが、執行人ことソロ・シコアに打ちのめされたままだったジョン・シナが、そして36年ものキャリアの中で度々アノアイ・ファミリーに煮湯を飲まされてきたジ・アンダーテイカーが、ブラッドラインを撃退したのである。
そして、思い出にしてトラウマである”ザ・シールド”*2の入場曲とコスチュームで登場するというセスの捨て身の囮によって隙を晒したレインズに、コーディはクロス・ローズ3連発を喰らわせ、レインズをフォール。



1!



2!!



3!!!





7万2千人が押しかけたリンカーン・フィナンシャル・フィールドに、リングアナウンサー・サマンサ・アーヴィンの声が響き渡る。




「Here is the Winner・・・・!

・・・And New!Undisputed WWE Universal Champion!

The American Nightmare!

Cody

Rhodes!!!!」


遂にコーディ・ローデスは成し遂げた。

1316日、王座戦でピンフォールされることの無かったローマン・レインズをフォールし、新たな統一WWEユニバーサル王者に輝いたのである。

かくして、アメリカン・ナイトメアは、正真正銘の”アメリカン・ドリーム”を掴み取った。

その”ドリーム”の先にどんな未来が待ち受けているか、念願の世界王者となったコーディ・ローデスが歩む道をこれからも追い続けたい。


【得意技】
☆クロス・ローズ
リバースDDTの体勢から体を180度錐揉み回転した勢いで相手の後頭部をマットに叩きつけるローリング・カッター。
スペルはCross Rhodes。
ダッシング時代から愛用する絶対的フィニッシャーで、ここぞという場面では3回連続で放つ。

☆アメリカン・ナイトメア
仰向け状態の相手の股の間に左足で踏み込み、その足を軸に相手の両足をクロスさせ、そのまま横回転して相手をうつ伏せにし、クロスさせた外側の足を自らの右足で押すことで両足を極める変型足4の字固め。
WWE退団後に編み出したサブミッションである。

◎DIN'S FIRE
前傾姿勢の相手の両腕を後ろ向きで捕らえてリバース・ゴリー・スペシャルの体勢で相手を背負う様に担ぎ上げ、そのまま自身は尻餅をついて上下逆さまになった相手を頭上から叩き落とす変形リバース・ゴリー・スペシャル・ボム。
技名のモチーフはゼルダの伝説シリーズに登場する炎の魔法で、ゼルダファンを公言するコーディならではのネーミング。ケニー・オメガみたいなネーミングセンスとか言わない。

◎コーディ・カッター
自らセカンドロープに飛び、走り込んできた相手の首に飛びついて放つ変形ジャンピング式ダイヤモンドカッター。
強敵を相手取った試合ではセカンドロープからトップロープにジャンプして放つ型も使用する。

◎ディザスター・キック
セカンドロープを上ってから体を半回転させキックする技。
試合の流れを変える際に使用する。
当初は当初はビューティフル・ディザスターと呼んでいた。

◎バイオニック・エルボー
父ダスティの代名詞である正面から相手の額、或いは脳天を狙って繰り出されるエルボー・スタンプ。
右ジャブを数発打ち込み、糸巻きのように腕をくるくる回すのが定番ムーブ。

◎ペディグリー
ダブルアーム・スープレックスの状態からやや後方にジャンプして膝で着地し、自分の股に挟んで固定している相手の顔面を叩きつけるダブルアーム・フェイスバスター。
言わずと知れたトリプルHの絶対的フィニッシャーだが、セス・ロリンズと揃って繋ぎ技として使用する。

◎ダイヤモンドダスト
コーナー上でリバースDDTの体制で相手を捕らえた状態から、自らが前方回転して放つ変形スタナー。
スターダスト時代に使用していたフィニッシャー。

◎ヘッドバッド
ダッシング時代に鼻を骨折し、硬いフェイスマスクを着用していた際に多用していた。
すごく痛そう。

【余談】
  • 奥さんのブランディ・ローデスは、WWEでリングアナウンサー、TNAやROHでレスラーとして活躍していた経歴がある。
  • ものすごくファンサに積極的なことで有名で、ハウスショーでは子供の観客と一緒にリングでポーズを取ったり、100は軽く越えているであろう大量のグッズに全て直筆でサインを入れたりといった動画が度々上がっている。
  • 2022年のHIACでは周囲から出場の取り止めを進言されたものの、本人の意思により半ば強行出場した事から、少なからず存在していた復帰時のVIP扱いに対する疑念の声を払拭できたという。
  • レッスルマニア40でレインズに勝利した際、トリプルHから腕時計をプレゼントされているが、これはコーディが高校を卒業した際、演劇学校に進学する息子の学費を工面する為に父ダスティが質に入れたものと同じモデルである。
  • 2024年に5年ぶりに開催された日本公演に参戦した際には、ダスティがアントニオ猪木と対戦していた際に着用していたガウンを譲り受けている。
  • コーディが2022年にWWEに戻って以降、WWE所属経験のあるアンドラーデやショーン・スピアーズ(タイ・デリンジャー)、純AEW出身のジェイド・カーギルやイーサン・ペイジといった元AEW所属レスラーが、少数ながらWWEに移籍している。
  • NWA世界王座とWWE王座の獲得経験を持つレスラーとしては、バディ・ロジャースリック・フレアー、AJスタイルズに続き4人目となる。
  • 得意技の名前に採用していたり、トライフォースを埋め込んだブーツを着けて試合をしたこともあったりと、知る人ぞ知るゼルダの伝説シリーズのガチファン。シリーズ作品では時のオカリナを最高の作品として度々熱く語っている。
    • ストンコのポッドキャスト番組に出演した際にもオカリナ愛を語っていたが、何とストンコが「ブレスオブザワイルドこそ最高だ」とコーディに反論するという場面が。コーディのみならず、ストンコも隠れゼル伝ファンであった事に驚愕したファンも多いに違いない。

追記・修正はNightmareをDreamに変えてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • プロレス
  • プロレスラー
  • アメリカンドリーム
  • WWE
  • AEW
  • 新日本プロレス
  • 2世
  • スターダスト
  • アメリカンナイトメア
最終更新:2024年12月31日 18:29

*1 なお、コーティ・ローデスのリングネームをWWEが商標登録していたため、Codyという名前で参戦していた

*2 ザ・シールド解散の原因は、当時抗争していたオーソリティにロリンズが裏切ったこと