ゆうえんち(バキシリーズ)

登録日:2025/01/04 Sat 08:36:46
更新日:2025/04/27 Sun 10:48:10
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時代は流れ、昭和の終わりから平成にかけて

遊戯場と呼ばれたその闘いの場は

ゆうえんち

そう呼ばれるようになった

ゆうえんちとはバキシリーズの外伝、「ゆうえんち-バキ外伝 -」に登場する裏格闘技場である。

目次

【概要】

蘭陵王という謎の存在が主催する何でもありの格闘場。
格闘家達にとって聖地とも言える地下格闘場と違い、武器の使用は勿論殺しすらOKな血生臭さであり、
解放と狂気と暴力が渦巻く御伽の国と評されている。

主人公の葛城無門は師匠の仇である柳龍光を追ってそこで戦う事となった。


【歴史】

前述したように最初は遊戯場という名だったが、時代が流れるにつれ、ゆうえんちという呼称が裏の社会で定着した。
ルールも時代によって変わっていき、最初は一日一試合だったのがやがて一対一の試合を何回かに渡って行う事や、小規模のトーナメント戦を初期は行っていたのだが、
現代では遊園地などのテーマパークや建設途中の商業施設を借り切って、そこに無数の監視カメラを設置した中で、一晩の多人数バトルロイヤルを行うというのが定着した。

設立は明治20年、行き場を失った武術家達の為に蘭陵王が直々に戦いの場を提供して始まった。
そこだけで言えば地下格闘場と同じかもしれないが、
金が欲しい秘伝技を人前で見せたくない*1自分の技で人を殺してみたい、という出場者しかいないので危険度が段違い
敗者は3割がその場で、2割が数日後に死ぬ程の大怪我を負い、4割は回復不能の怪我をする。無事ですむのは1割だけ。
勝者ですらも無事ですむのは5割だけで、1割が死に至る怪我を負い、4割は回復不能の怪我をする。*2

地下格闘場の主催者である徳川光成はゆうえんちの存在を知っているが、
お気に入りの闘技者である松本大山がゆうえんちに参加して死亡した事もあり、そのドロドロした内実を激しく嫌っている。お前もやらかしてんだろってのは禁句

【特徴】

◆賞金

地下格闘技場との大きな違いであり、初期の勝者には何もしなくても1、2年は生きてゆけるだけの金が与えられていた。
だが数年もしない内に金が目当てなだけの低レベルの者を排除するため出場者に金を用意させるようになっている
現在では出場者には入園料500万円を用意させて、出場者同士にその金を奪い合わせるルールになっている。*3
ゆうえんちの終了に蘭陵王が勝者の前に現れる事もあり、主催者兼凄腕の武術家である彼に勝ったら、2億円が払われる事となっている。

◆参加方法

開催時期や場所が不定期かつ、ゆうえんちの存在を広く知られるようにもしていないので、新規の出場者がゆうえんちに参加するにはヤクザやマフィアなどの裏社会のツテや、前出場者からの推薦が必要である。
そして低レベルの者を排除するために、前述したように大金の用意や、自分の力量を示すため蘭陵王の配下のものとの力試しなどが要る。


◆ルール

基本的な戦いの流れとして、多人数バトルロイヤルであり多人数で組んで一人を襲うといった事も許されており、
  1. 遠隔で開く棺の中に入れられて施設の中に放置*4
  2. 棺が施設の中に全部置かれ、蓋が開いて試合開始の放送が流れたら、金を奪い合う戦いの始まり
  3. ゆうえんち開催の終了間際に施設のスピーカーからの放送で終了を告げる*5
死ぬぐらいの大怪我を負っても本人がまだ戦う気があるなら戦闘続行するのは自由だが
倒されて持ち歩いている金を奪われたら、その時点で余力を残していても失格扱いになり敗退者となる。

出場者には開始前にX線検査と金属探知機により凶器の持ち込みの防止や、施設内では凶器になる物を回収*6するのだが、ベルトや眼鏡など服装として携帯する物は没収される事はなく、巧妙に隠して持ち込めたらその武器の使用はOK。*7
スタッフのチェックミスによる回収を忘れた武器を偶然みつけて使用はOK。
施設内で回収が出来ない物や普遍的に置いてある物を武器に使うのはOK。*8
相手の家族情報を喋って動揺を誘う事も許されるなど禁じ手が一切無しの完全に何でもあり。

審判は当然のように居ないので、相手の死亡による決着が多い。

◆待遇

負傷者は息のかかった病院に一応は連れていってもらえるのだが、通常の3倍の金がかかる。保険が効かないから。
死亡者には医者の死亡診断書をでっちあげて合法的に葬ったり、それもできない場合なら処理班が死体を誰にも見付からない場所に葬ったりする。

死人怪我人は当たり前に出るし、その後のアフターケアもおざなりという感じだが出場者からの不満は見られていない。
自由意志による参加で誰からも強制されていない事や、
前述したように参加資格を定めて、終わった後でグダグダ文句抜かすような雑魚の足切りを済ませている事や、
蘭陵王という個人が開催することにより、派閥など政治的な問題が絡んでこないからだろう。


◆観客

主催者である蘭陵王と、現代では見張り役*9黄海王のみ。
施設内の監視カメラにより録画はされているのだが、悪趣味な金持ちが見て楽しむ物というよりも、
主人公である葛城無門に見せた時のように参加試験に近い時の方が多いようだ。*10


【所属人物】

◆主催者

  • 蘭陵王
謎の仮面の男であり、現代では4代目か5代目と推測されていた人物。
国家予算を数える時に使用するケタを自由にできる超金持ちであり、自身も相当な力量の武術家。
本編では主人公と死闘を繰り広げた。



◆出場者

  • 萩尾玄春
出場理由:戦いたいから
漫画版オリキャラ、萩尾流古武術師範の壮年の男。
明治20年の頃、辻斬り退治後にまだゆうえんちが遊技場と呼ばれていた頃に、蘭陵王に招かれて出場。
左腕が捻じ曲がる怪我を負いつつも相手を死に至らしめ、
無事であった者達も再び、遊戯場に戻ってくる。生命をかけて闘ったその味が忘れられないのだとのナレーションと共に、鬼の笑みを浮かべる凄絶な姿を見せていた。

  • 久我重明
出場理由:不明
萩尾流を修めていて、師匠からゆうえんちの事を聞いており、また出場者の一人でもある。
漫画版では多人数から襲われたが、施設内のパラソルを棒術に使い無傷で出場者を倒していく姿を見せていた。

  • 柳龍光
出場理由:戦いたいから
開催される度に定期的に参加している模様。
非合法取引をしようとするその辺のヤクザを血祭りにあげて強奪するなど、無茶な方法で金を用立てしている。
武器の使用は可能だが、中に持ち込む事は出来ないルールのために身につけた物などで即席の武器を作ったりして戦っている。
松本大山を死に追いやり、その敵討ちのためにやってきた葛城無門と戦う事となる。

  • 松本大山
出場理由:金のため
主人公の師匠。娘の病気の治療費のために参加した。
地下闘技場でも高名な闘士であり、徳川光成に金を頼めば理由すら言わずとも1000万でも2000万でも用意してもらえる立場であったのだが、
自分の矜持のためにゆうえんちにまでやってきた。*11
出場者を無傷で倒していったのだが、最後の締めに柳龍光と対戦するが一瞬の隙を作られて敗北、死に至る怪我を負った。

  • 葛城無門
出場理由:柳龍光と戦いたいから
本編の主人公。師匠の敵討ちのために出場。
度重なる連戦に消耗していくが、敵との対戦で得た技を使いピンチを脱していく。
柳龍光を倒した後も蘭陵王と戦い、闘争を日常とする者たちが潜る引き返せない一線、獅子の門を越えていくこととなる。

  • ゴブリン春日
出場理由:金のため
本名は岩合文太郎という、極東プロレス社長のプロレスラー。ゴブリン春日というリングネームはマウント斗羽が名付け親。
ヤクザと金銭のトラブルが起こった際に、配下のプロレスラー達を久我重明に病院送りにされてロクに興行もできないようにされ会社を潰される。
借金の2000万円返済*12のためにゆうえんちに出場。
抓んだ人間の肉を簡単にもぎ取る凄まじい握力を有しており、ゾンビと呼ばれたほどのプロレスラー故のタフさもある。またジャイアントスイングを軽々と決めるなど怪力の持ち主。
葛城無門との対戦で倒されるが、金は奪われなかったので気絶から復帰後に他の出場者を倒していき、何の因果か蘭陵王との対決をする事となる。

  • 鬼神(おにがみ)郡平
出場理由:戦いたいから
神心会から独立した空手家・多久磨法丸が設立した団体、多久磨塾で鍛錬していた男。
現在は極道の用心棒をしており、表向きは病気の母親のための治療費として出場したのだが、本心は素手で人を殺す事を経験したい為。漫画版ではさらなる戦いを求めて傭兵として戦場で戦った事もある。
ローキックでコンクリートを割り岩を砕く程の実力者だが、龍金剛との戦いではローを撃ちこんだ足が逆に圧し折れるという実力差を見せつけられた。

  • 神野仁
出場理由:柳龍光と戦いたいから
かつて柳龍光が学んでいた空道に入っていた男。現在はヤクザの用心棒をしている。
ヤクザからの依頼で、自分の親父を再起不能*13にした柳龍光と戦うために出場。
人より情報伝達速度が10%早いという特異体質であり、メラニン樹脂でコーティングするなどして鋭い刃物に変えた爪など柳龍光の対策を立てて戦ったが心理戦などで上をいかれて敗北。
左手は骨がムキ出しになり、頬骨が陥没し前歯が全て折られる程の大怪我をしている所を葛城無門に発見される。

出場理由:主催者の気分
殺処分されかけていたライオンを秘密裡に引き取って出場させた。
ちなみにこのライオンはグラップラー刃牙にも出ており、葛城無門と愚地克己の親を回想で殺したサーカス団のライオンである。

  • 神奈村狂太
出場理由:兄の死の真相を知るため
ハーバード大学を主席卒業した頭脳明晰かつ、古武術を修めた凄腕の武術家。数学教師をしている、
破綻者であったとは言え、素手でライオンを調教できる強さの兄が死んだ理由を知るために蘭陵王に直談判し出場。
兄を殺したライオンを苦もなく気絶させて*14、今度は実行者と疑わしき本命の葛城無門との戦いをする。

  • 羽鳥薫
出場理由:不明
忍者の青年。アクロバティックな動きを得意としており、忍者のように心理戦も得意とする。
布の上を走って移動するように見せかけて一瞬の動揺を誘うなど、トリッキーな攻撃を行う。
動いている観覧車の上に乗って葛城無門と対戦するのだが、動きの面で一歩上をいかれて敗北。
気絶から覚めた後は葛城無門と神奈村狂太の戦いを見学した後に、神奈村狂太と一緒にゆうえんちから去っていった。

  • 龍金剛
出場理由:不明
グラップラー刃牙でも登場した大関。かつて力剛山と赤坂のナイトクラブ「ラテンウォーター」で死闘を行い重傷を負わせた程の実力者で、この本編では顔色一つ変えずに戦う底知れぬ不気味さを見せる男。
連戦で消耗していた葛城無門の前に現れてピンチに陥れたが、愚地独歩の助けにより難を逃れる事となる。
鮮烈なる激突の末に敗北したが、愚地独歩の勧めで今度は地下闘技場に招待される事となった。

出場理由:葛城無門のため
義息子である克己の兄の葛城無門がゆうえんちに出場する事を知り、
柳龍光との戦いに集中できるように他の出場者に狙われた際には代わりに戦うなど、手厚い手助けをした頼りになるハゲ。
漫画版では入場料の500万円が用意できなくて苦しむ葛城無門に、親戚のプレゼントとして名前も明かさずに人知れず、500万円を用意して渡すなどの描写も入っている。

  • ジャン・ロドリックス
出場理由:金のため
身長2m3cm・体重123.5kgの恵まれた体格の元ヘビー級ボクサー。
ある日酒場の喧嘩で人を殺してしまい、出所後マフィア主催のピットファイトクラブに転向。
そこでゆうえんちの存在を知り、金を稼ぐために参加。
賞金500万円を獲得するも、その後出会った神奈村狂太と戦いKOされる。

  • マルス・リード
出場理由:不明
前回最高額の4000万円を獲得した実力者だったが、今大会で忍者のような男に敗れ死亡。




時代は流れ、追記の終わりから修正にかけて

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最終更新:2025年04月27日 10:48

*1 見た者が技の対策を立てるのを防ぐため

*2 漫画版だと死人の割合が変わっていたりする

*3 原作だと大金をそのまま持った状態で戦闘だが、結構嵩張るのにどこに持ってるんだというツッコミ回避のためか、漫画版では試合後に換金できるコインに変更されている

*4 置く場所は主催者の気分で決められるので、開いたらいきなり戦いが始まるように隣り合った所に置かれる事もある

*5 どのような状況であっても戦闘は止められる事となる

*6 包丁鉄パイプなど

*7 戦いが始まったら、石でベルトを研いで即席のとする事など

*8 机や椅子などの配置物、もしくは石や枝といった自然物など

*9 おそらく最低限のルールすら守れない奴への制裁要員。また負傷者などの運搬の指揮を執る。

*10 柳龍光は松本大山に心理戦で隙を作ったが、それを見せられて「ずるい」「卑怯」という甘ったれた言葉を言ったら失格だった

*11 参加資格の500万円だけは借りた

*12 ついでに自分の分の金を稼ぐため

*13 しかしこれは恨みに思ってはなく、むしろ本人は自分の父親は不器用だった生き方しかできなかった事を軽蔑していた模様

*14 この程度の強さで兄を殺す事はできないと気付いた