登録日:2025/01/27 Wed 17:12:00
更新日:2025/06/07 Sat 23:08:55
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『餓狼伝説3 ―遥かなる闘い―』は、1995年にSNKが製作、稼働、販売した格闘ゲーム。
テリー、会いたかった。
すげえやテリー!
全ての戦いは、たった一人の処女のためにある――
最強は、一人でいい!
餓狼伝説3
HOLD TO THE FINAL VICTORY
【概要】
『餓狼伝説』シリーズ第4弾として発売された作品だが、
前作がお祭り作品だったため
ストーリーは
餓狼伝説2の続きとなっているが、前回から大半のキャラクターが入れ替えとなったことは下記のゲーム性の大転換と共に賛否両論となった。
グラフィックは全て描き直され、システム面も大きく変更された。
システムが全体的に粗削りでゲームとしての評価はあまり高くない反面、グラフィックやBGMなどの演出面は概ね好評。
本作をベースにゲーム性が見直され『リアルバウト』シリーズへと繋がっているため、リアルバウトシリーズのプロトタイプ的作品と言ってもいいのかもしれない。(本作の時点ではSPECIALまでと同じボタン配置)
【物語】
秦の始皇帝が遺したとされる秘伝書を巡ってサウスタウンで戦いが繰り広げられる。
他のシリーズ作品と異なり作中で大会は開催されておらず、サウスタウン中を駆け巡りつつ騒動を追っていくうちに真相に辿り着く流れとなっている。
SPECIALで登場した
ギース・ハワードが正式に復活したのも本作。
【システム】
ABCDボタンに弱パンチ、弱キック、強パンチ、強キックが振り分けられているのは前作からそのまま。
シリーズ独自のシステムであるライン移動は3ラインのスウェーラインとしてリニューアル。
ラインを移動して回り込んだり、別ラインにいる敵を直接殴ったり一瞬だけ別ラインに移動して避け攻撃を出したりと戦略の幅は広がったが、
操作が複雑でまともに使いこなせない人が続出。次回作ではかなり改善されている。
他にも特定のルートで通常技が繋がるコンビネーションアーツ、前ダッシュや小ジャンプなどが初登場。前ダッシュ・小ジャンプはのちに
KOFシリーズでも採用される事になった。
【超必殺技・潜在能力】
超必殺技は体力ゲージが1/4以下で点滅状態の時に使用可能だが、それとは別に本作では『潜在能力』が登場。
ラウンド開始前に特定の入力をした後、キャラ毎に設定された条件を満たしてからコマンドを入力する、1ラウンド1回しか使えないなどかなり使いづらい隠し要素で、本作では超必殺技の強化版のような性能。次回作以降はゲージ消費技になった。
対人戦でトドメに使うと専用の勝利メッセージになる。
なお、当時のゲーム雑誌などでは「1024分の1の確率で超必殺技の代わりに発動する」と書かれていたが、有志による解析の結果「
実際に抽選は行われているが1024個すべてがハズレとして処理されているため絶対に発動しない
」ことが判明している。
【登場キャラクター】
【使用可能】
■
テリー・ボガード
CV:橋本さとし
本作の主人公。
しゃがみ強P→強クラックシュートというお手軽永久で猛威を振るってしまった伝説の狼。
ライジングタックルが取り上げられた。(代わりがパワーダンクだが不評な上にクラックシュートで事足りると更に不評。)
潜在能力はコンビネーションアーツからの派生技、お馴染みとなっていく三連ゲイザー。
■
アンディ・ボガード
CV:
難波圭一
主人公その2。
空中でラインをずらしたり掴み技で奇襲をかけたりと少しだけ忍者っぽくなった。
舞を倒したテリー(及びジョー)に怒りをあらわにする何気に珍しいシーンがある。
兄と同じく潜在能力はコンビネーションアーツからの派生。
中の人は「バトルファイターズ 餓狼伝説2」でも同役を担当していた。
■
ジョー・東
CV:
檜山修之
主人公その3……のはずだったのだが。
ネタキャラとしての要素がかなり強くなってしまったが、ギース戦で特殊演出が発生するため辛うじて主人公扱い。
爆裂拳を忘れた代わりに黄金のカカトをゲット、餓狼1からのスタッフの念願が遂に叶えられた。
潜在能力は相手から一定距離離れている時のみ発動。
スクリューアッパーが前に進むが離れすぎていて当たるわけが無い。
しかも相手の通常飛び道具でも消えるという超絶不遇っぷりであり、まきびしで消えるスクリューアッパーは使用者の涙を誘った。
彼もアンディと同じく中の人が「バトルファイターズ 餓狼伝説2」で同役を担当していた。
■
不知火舞
CV:曽木康代(現:曽木亜古弥)
みんな大好きおっぱい忍者。新コスチュームは賛否両論。
潜在能力は挑発中にC押しっぱなしに限って発動。ボタン配置によっては指がつる。
挑発中=離れている状態なので当たるわけが無い。
本作の衣装なら某スマブラにも出られたかもしれない。
なお、元々は登場しない予定で、本来はキムの弟子である「アリス」という少女が出る予定だった。
本作の舞のBGMがガロスペまでの曲やRBシリーズとは全然違うのはこれが原因。
■ギース・ハワード
CV:コング桑田
完全復活を遂げたサウスタウンの支配者。ボスキャラと見せかけて実質の今作のもう一人の主人公。
初代で落下直前に疾風拳のような技を出して一命を取り留めた。
潜在能力はコンビネーションアーツからの派生。赤くて大きなレイジングストーム。
続編のリアルバウトからは潜在版の大きさがデフォとなり猛威を奮ったのは次の話。
今回の真空投げがアホみたいに吸い込むというか、相手を掴みに行ってるレベル。
ダブル烈風拳が1発目で相殺されても2発目が飛ぶ仕様になったのも本作からで飛び道具の撃ち合いで異常に強い。(ラスボスにも競り勝てるレベル)
彼のステージはボガード兄弟とジョーが相手の時だけ炎に包まれてBGMが変わる特殊演出がある。
今回のギースに…はこの特殊演出時にしか聞けない。
■ボブ・ウィルソン
CV:森川智之
パオパオカフェ2号店の店長を務めるカポエラ使い。
初代に出たリチャードの隠し玉。
通常技のリーチが長く高性能。
潜在能力はダッシュ中に発動。中段技なので当たると強いが前後が隙だらけ。
因みにスト6でテリーがエレナに勝利した際の台詞で名前は出ないもののボブに言及する旨が見られる。
■フランコ・バッシュ
CV:B.J.Love
ジュウニアアアアアアアアァァァァァ!!!
山崎に子供を誘拐されたため仕方なく従っているキックボクサー。
この頃はまだシリアスなキャラだった。
潜在能力はコンビネーションアーツの派生だがクリーンヒットするキャラが限定されている。
そのため媒体によっては「フランコには潜在能力が存在しない」なんて書かれたりした。
ちなみに中の人は海外の方なのでエンディングのセリフや対戦モードでの勝利台詞は英語で喋っている。
■
ブルー・マリー
CV:生駒治美
みんな大好きおっぱいエージェント。ちょっと見た目が18号ッぽい。……というか、元ネタだったのだが怒られたのか次回から髪型が変更された。
軌道がそっくりな必殺技の打撃版と投げ技版がある。
なぜか潜在能力がいつでも発動可能という優遇っぷり。ネオジオCD版では起き上がった直後しか出せなくなったが。
後のゲーメストのコミカライズで祖父がギースの師匠という因縁を付けられた。
■ホンフゥ
CV:森川智之
山崎を追ってサウスタウンに来たクンフー使いの刑事。どう見てもウッチャン。ヌンチャク使い。
振り返られることは殆どないがキム・カッファンとはライバル…らしい。
訛りのひどさを表現するために博多弁で喋るっちゃ。(恐らくは武田鉄矢の『刑事物語』が元ネタ。)
潜在能力は相手から離れていて残りタイムが奇数の時だけ発動可能という、全キャラ中屈指の癖の強さ。
離れている時点でバレバレなので当たるわけが無い。
■望月 双角(もちづき そうかく)
CV:石井康嗣
不知火と敵対する望月流の坊さん。胡散臭さはシリーズ全体で見ても屈指。
一部の技で鬼神を呼び出して攻撃する。
潜在能力は攻撃を受けてのけぞり中に発動可能。体力少ないときに攻撃を食らう必要があるため超リスキー。
■山崎 竜二(やまざき りゅうじ)
CV:石井康嗣
闇のブローカーをやっている本作の中ボス。
道中で4戦目終了時に1度戦い、11戦目での2回目で決着。
この頃はまだ大人しかった。
KOFだとオロチ一族扱いされているけど餓狼シリーズでは普通の人間。
潜在能力はバックステップで着地した瞬間に発動可能。離れていr(略
■秦 崇秀(じん ちょんしゅう)
声:山口勝平
秦兄弟の弟の方。表向きのラスボス。
先祖の霊に体を乗っ取られており、サウスタウンにある秘伝書を手に入れようとしている。
潜在能力は相手から一定距離離れた場所のみ発動可能。
技の攻撃判定が先端にしかないうえに発動可能な距離がほぼ根元部分のみで、ぶっちゃけ相手の協力が無いとまず当たらない。
フランコと共に「潜在能力が存在しない」と書かれたキャラ。
■秦 崇雷(じん ちょんれい)
声:山口勝平
秦兄弟の兄の方。本作の真のラスボス。
弟同様に先祖の霊に体を乗っ取られている。なぜかメッセージがひらがなとかカタカナばかりで漢字が無い。
弟の完全上位互換で、弟の超必殺技を必殺技として使えるほか飛び道具の連射がえげつない。
ちなみにプロフィールの身長169cmとドット絵の見た目が明らかに合致しておらずネタにされる。
【移植作品】
ネオジオ版、ネオジオCD版こそ発売されたものの評価が今一つだったためか、唯一単体で移植されたのは
セガサターン版のみ。他はコレクション版やアケアカNEOGEOなどネオジオ版をまるまる収録したものばかりとなっている。
特にCD版は「山崎&秦兄弟使用コマンドを使っているとコピーガードが突如発動してセーブデータが吹っ飛んでしばらく使えなくなる」「ラウンド開始時の「Go!」の後に一瞬ブラックアウトするなど結構酷い物体と化している。
【漫画版】
コミックボンボンにて、1と2に続いて漫画化されている。
ボンボン餓狼お約束のブッ飛んだ独自設定が相変わらず多めでツッコミ所満載となっているが、テリーの足元はプロレスシューズから原作通りのスニーカーに変更されている。
とりあえず、マリー以外の新キャラの扱いが総じて酷く、ボブと双角は生きてはいるが倒されてフェードアウト、ホンフゥはおそらく死亡、フランコは山崎共々崖から落下して生死不明となってしまっている。
唯一テリー達の仲間として加わったマリーも技名を「
バーチャルアロー」と誤表記されている。
崇秀にその直後「こらー!!」と殴られているが、技名の間違いに怒ってるとネタにされている。
なお、1でギースの遺体を明確に描写してしまったため、本作では「秘伝書に宿る悪霊の天龍の力で復活した」というトンデモ設定となっているが、天龍に見捨てられ死体に戻ったためRBには繋がらないと思われる。
ラスボスはまさかの天龍に肉体を奪われた不知火舞であり、秦兄弟は天龍の側近の悪霊達に肉体を奪われて利用されてる子供達となっている。そのため、本来のラスボスの崇雷の影は薄い。
その悪霊であるが、女子供の身体に限界を感じて3体でテリーの肉体を奪おうとするも、謎の気合いで弾き出され、秦兄弟に憑依していた2体はアンディの飛翔拳とジョーのスクリューアッパー、天龍もテリーのパワーダンクで消し飛ばされた。
なお、1と2でレギュラーだったダック・キングは冒頭でギースに襲われて瀕死の重体となり、本作ではそのまま退場となった。そのため、本作の驚き役はアンディが担っている。
ついでに、1の時にビリー・カーンに殺されたと思われていたリチャード・マイヤが市民に庇われて生き延びて母国に帰国したという事実もボブの口から語られている。
本作においてボンボン餓狼は完全完結となっており、SNK原作の作品のコミックボンボン掲載はこれが最後となった。
数奇の宿命に導かれ、追記・修正は再びこの町へ ————伝説は終わらない。
- 時は1995年──ゲーセンは核の炎に包まれた・・・ビシックラックシュービシックラックシューパワゲイザー -- 名無しさん (2025-01-27 18:28:43)
- ↑そのせいで対戦格闘ゲームとしては評価が終わったらしいね。(又聞き) -- 名無しさん (2025-01-27 19:21:48)
- ↑2 格闘ゲー業界はいつも世紀末じゃん -- 名無しさん (2025-01-27 19:29:09)
- グラフィックとか雰囲気はマジで最高だった。ただ操作系統が一新されたうえに難しすぎたので敬遠されてたかな -- 名無しさん (2025-01-27 20:28:20)
- 一人で遊ぶ分には面白いんだけど対戦がどんどん盛り上がってる時期にでたのが運の尽きだった -- 名無しさん (2025-01-27 21:31:06)
- 何気にネオジオで初めてちゃんとした声優さんをガッツリ起用した作品だよね、それ以前だと真サムの十兵衛に小林清志くらいしかない -- 名無しさん (2025-01-27 22:41:03)
- フランコのパンチをテリーが避けているポスターが印象的だった。それを元ネタにしてメストに投稿された、フランコのパンチがテリーに命中してフランコがめっちゃ嬉しそうな顔しているいるイラストも印象的だった -- 名無しさん (2025-01-28 09:28:01)
- この時のブルーマリーが言い訳不可避なほどに18号だった。この時からか。俺が狂わされたのは。 -- 名無しさん (2025-01-28 09:50:28)
- リアルバウトではここでテリーがギースに敗れ、ギースが秘伝書を揃えたことが明かされている(ビリーに焼き捨てるよう言い渡したが) -- 名無しさん (2025-01-28 14:23:43)
- ↑正史が実質的なバッドエンド… -- 名無しさん (2025-01-28 15:05:16)
- おい、いくらスローかかったりしてクオリティ低かったとは言えセガサターンに移植されてるのを無視するな -- 名無しさん (2025-01-30 16:36:52)
- ↑そういやサターン版あったな。ソフト持ってたのに完全に忘れてたw 追加しときました -- 名無しさん (2025-01-31 10:11:32)
- 公式の餓狼伝説ストーリー紹介トレーラーで餓狼3がなかったことにされてる…(RBでギース復活扱い) -- 名無しさん (2025-04-20 12:58:55)
- ↑だが3初出の設定が最新作でとんでもない意味を持っていたという... -- 名無しさん (2025-04-23 19:47:47)
最終更新:2025年06月07日 23:08