餓狼伝説SPECIAL

登録日:2015/10/07 Wed 00:55:48
更新日:2025/01/28 Tue 18:49:50
所要時間:約 4 分で読めます





『餓狼伝説スペシャル』は93年にSNKが開発、稼働、発売した格闘ゲーム
『餓狼伝説』シリーズの第3作で、シリーズの集大成として発売された。
基本的なゲームのデザイン、システムは前作『餓狼伝説2』を踏襲しており、プレイヤーキャラクターの増加とシステム周りの調整が施されている。
当時の格闘ゲーム黄金期を代表するタイトル。
『餓狼伝説』シリーズの中でも最も知名度が高く、未だに現役で大会が開催されている程に人気も高い名作。
完成度はと言うと、突き詰めるとバランスは良いとは言えず、
ライン移動による逃げや一部の永久パターンが問題になったり、皇帝波が煎餅で消されたりするが、
それ以上に爽快感を重視した作りが魅力でもある。


【システム】
基本的な操作は前作から継承。
のけぞり中の無敵が無くなり、連続技がゲームに反映される等、ゲームとしての完成度が高くなった。
前作の8名のキャラクターに加えて、4名のボスキャラクターと、初代『餓狼伝説』(以下餓狼1)から復活した3名のキャラクターを加えた総勢15名のプレイヤーキャラクターが使用可能に(超必殺技も全キャラクターに付いた)。
後に『KOF』シリーズにも繋がる、お祭りゲームの元祖としても語られる。


【物語】
元々はお祭り作品の為に特にストーリーが用意されていなかった。
しかし、アニメやゲーメストコミックスの公式化もあってかキャラクターの詳細が更に深く掘り下げられている。
そして、本作で復活したギース・ハワードに人気が集中。
後にギースの復活に関わる作品として文字通りに『餓狼伝説2』と『餓狼伝説3』を繋ぐ作品として位置付けられている。


【登場キャラクター】

テリー・ボガード
イケメン風来坊。
弟よりもリーチのある通常技を持ち、4種の必殺技はどれも優秀だがその中でもクラックシュートとパワーウェイブはテリーの強さの根幹ともいえる程。
とはいえ安易に振ると空振った隙を突かれて手痛い反撃を食らってしまうのでチャンスをうかがいつつ、クラックシュートやバーンナックルで攻め込まないといけない。
初心者向きと思いきや、勝ち進めるには丁寧な立ち回りと相手の出方を観察しなきといけない中級者以上のキャラ。


アンディ・ボガード
斬影拳を筆頭に出始めに無敵ある空破弾、飛翔拳、昇龍弾といった強力な必殺技を兼ね備えている。
弱点は端に追い込まれると技のリーチの短さで切り返しが厳しく、特に十兵衛などのキャラだと端に追い詰められる=死に繋がる程。
とはいえ総合的な強さは上位。

ジョー・東
本作までは上2人に並んで主人公格。
ハリケーンアッパーが見てから飛ばれてもガードは間に合う位の後隙の少なさを誇り、スライディング等の対空技による「飛ばせて落とす」がシンプルながらも凶悪。
キムと並ぶ強キャラの一人だが、攻めがし辛くハリケーンも一部キャラには対抗手段があるので途端に苦しくなる。
ワニ好き。
本作のCPU戦での同キャラ対戦時、
「変なパンツで俺をイメージダウンさせようとしてるのはお前か!」とメッセージが表示され、KOFに先駆けてイロモノ化が徐々に始まる。

不知火舞
格闘ゲームではお馴染みのお色気くノ一。
高火力の龍炎舞、飛び道具対策として有用な花蝶扇とムササビの舞にしゃがみ姿勢が全キャラトップクラスに低いので飛び道具どころか相手の牽制技を避けれて接近戦に持ち込めれる。
気絶耐久値が非常に低く、ジャンプも他キャラと比べて空中判定移行や着地硬直が3F多いと基礎運動能力に弱点を抱えている。
アニメやコミカライズを経て、ヒロイン設定とアンディとの関係が公式化。
本作では乳揺れを披露し、ライン移動で相手が奥側にいた時にはその美尻を拝める事ができる。

■山田十平衛
基礎攻撃力は低いが、煎餅手裏剣とダッシュ二本背負いといった強技を持っており、特に画面端でのコンボや攻めは鬼の伊達ではない破壊力。
稼働時は弱キャラ扱いだったのが今では上位ランクに見直されている。
鬼畜と名高いCPU戦でも特に厳しいと有名。一人プレイでは最初の相手に選ぶのが攻略の第一歩。
本作のエンディングでは後にKOFに参戦する超能力女子高生が登場する。

■チン・シンザン
太極拳使い。
脅威の最速打撃技「破岩激」、放物線にえがいて着弾すると爆発する中距離飛び道具の『氣雷砲』をはじめとして癖のある必殺技を多く持っている。
攻めれる技が乏しく、氣雷砲で相手に圧を与えて攻めたことろを対空技で迎撃するまちキャラ。
実は投げられ判定がトップクラスに後ろなので投げはチンに密着しないと掴めない。
弟子時代は「闘神三兄弟」の一人。
奥さんは美人。

キム・カッファン
正義のテコンドー使い。
ガードしても有利とスピードの早さが強みの超必殺技の『鳳凰脚』を始めとしてリーチの長いCD、牽制や対空などでも頼れる立ち技関係と様々な強技を兼ね備えた本作屈指の強キャラ。
避け攻撃のリーチの短さと弱点もちゃんとあるが。
唯一ジャンプの軌道を変えれる技所持している。
たまにステージの後ろを飛んでいる。

■ビッグ・ベア
かつてはライデンと呼ばれていたヒールレスラーだが、本作ではマスクを取って参戦。
判定の強い通常技、他キャラより広い間合いの投げ技と投げキャラ特有の性能を誇っており、必殺技は無敵時間や詰めれる距離等とどれも優秀。
ただし弱攻撃にコンボがない、発生が遅いのでせっかくの判定の強さも潰されがちと苦手部分が目立っており飛び道具やスライディング持ちの相手には苦戦を強いられてしまう。
元上司(ギース)は嫌いな模様。
本作を最後に「ビッグベア」名義の参戦はしていない。

■ダック・キング
復活のダンスの帝王。
最速の移動速度、必殺技や通常技もモーションや発生の早さといったいいのがそろっているので攻めに特化している。
ただし通常技はリーチが無く、必殺技も突進と対空なので相手に詰めなければ何も出来ずにやられてしまう。特に飛び道具持ちはきつい。
超必殺技に魅せられたプレイヤーは多いが例によってコマンド入力難易度が高い。

■タン・フー・ルー
リーチの短さ、気絶値が最低値という弱点をかかえるが通常技はどれも優秀で一度でも相手の懐に入ればペースをもっていける。
コンボ火力が高く、相手の隙から怒涛のラッシュでの逆転性能の高さもこのキャラの魅力。
アニメを経て重要キャラクターに。
巨大化は「気」のイメージ化である。

ビリー・カーン
三闘士一人。
棒術による牽制と固めが強く、相手のペースを握らずに怒涛の攻めができる。
気絶値は低く、対空手段が苦手なので相手に反撃を与えない攻めや間合い管理を活かして的確に処理をする立ち回りが要求される玄人向け。
ギースの復活に伴い、彼との主従関係が強化。
ギースの命令でクラウザーをスパイしていたとの設定に変更された。
そのたかホークからは勘付かれて「裏切者」と唾棄されている。

■アクセル・ホーク
三闘士の一人。
通常移動が遅く、突進攻撃も短めと接近のチャンスが難しいが遠Bや優秀な対空技下Cなどと光るものがある。
飛び道具がリニューアルされ、餓狼1に登場していたマイケル・マックスのトルネードアッパーが追加。何故か声ごと追加されているが気にしてはいけない。
本作を最後にクラウザーから離反して、マイケルをトレーナーに迎えて現役復帰を目指している。

■ローレンス・ブラッド
三闘士の一人。
技全体に隙が大きく牽制のつもりが手痛い反撃をもらうなどと慎重な立ち回りを要求される。
生命線ともいえるバックファイナルキックなどと性能のいい技があるがジョーやビリーといった天敵がいたりと使いこなすには相当な練習と立ち回りを要求される上級者キャラ。
ホークとは互いに実力を認め合っているようだが、一方でクラウザーの忠誠心はそこまで高くない。アニメでは逆に忠誠心が高く、右腕ポジションとしてつとめている。
超必殺技が出し難い事で有名でプロフィールに囁かれたホ○疑惑が公式イラストで加速。

ギース・ハワード
二大ラスボスの一人。
キャラクター、必殺技、ステージ演出、神BGMに恵まれ、お祭り作品としての枠を越えて正式に復活。
ネオジオの拡大縮小演出により次々と開いていく襖と星条旗の幟にゲームファンが震えた。
キャラ性能は地を這う飛び道具烈風拳、発生1Fの当て身投げに通常技も判定強く相手の突進技に勝ちやすい立ちAなどがある。
ギースは攻めるよりも防御が強いのか逆転しにくい。

ヴォルフガング・クラウザー
二大ラスボスの一人。
通常プレイでは彼がラスボスなのだが、↑と↓に挟まれた弊害からか影が薄い。
ジャンプが高いので空中からの攻めが苦手だがD投げのダメージが高く、判定と発生が優秀なサイドキックなどを持っている。
技の関係上、十兵衛が相当きついが上位キャラのジョーやビリーに対抗しやすいと上位キャラキラー。
ギースの影響からか当て身投げが中段のみになったり、皇帝波が普通の飛び道具と相殺されたりと不憫。


【ゲスト】

リョウ・サカザキ
龍虎の拳』の主人公。
クラウザー戦までを無敗(1ラウンドも落とさずに)勝ち抜く事で挑戦して来る。
圧倒的な破壊力の必殺技とガード不能+超威力の龍虎乱舞がプレイヤーを襲う。
家庭用ネオジオでも対戦専用ながら使用可能で、移植作品では一人プレイでも使用可能と、プレイヤーへの配慮が見られる。



【移植作品】

ネオジオ、SFC、X68000、GG、PCエンジン(アーケードカード)、メガCD、FM TOWNS、等に移植。
やはり当時の子供達が触れる機会が多かったのはSFC版だが、グラフィックはかなり本家に近いレベルになったものの、それだけに不満も多いらしい。
現在はPS2のアーカイブス版やXbox360Wiiのダウンロードなど、オリジナルをプレイ出来る環境は多くなった。


【余談】

※ギースら復活組のBGMは餓狼1でのテーマ曲のアレンジ。
聞いても解原が解りやすい「ギースにしょうゆ」は“みんなで決める格闘ゲームBGMランキング”でも一位に選ばれたりしている。


※前述の様に現在でも大会が開かれており、当時の「ゲーメスト」等で決定された対戦ダイヤグラムの常識は日々更新中である。




「この程度の追記・修正で俺は満足せんぞ…」


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最終更新:2025年01月28日 18:49