登録日:2025/04/10 Thu 00:02:56
更新日:2025/04/11 Fri 20:19:33
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「かつて神と呼ばれた亀」「後に亀と呼ばれる神」とは
遊戯王OCGのカードである。
概要
かつて神と呼ばれた亀
かつて神と呼ばれた亀
効果モンスター
星1/水属性/水族/攻 0/守1800
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いに攻撃力1800以上のモンスターを特殊召喚できない。
イラスト内では1匹の亀が半壊状態となった神殿の中にて佇んでいるという、寂しげな雰囲気を思わせるものになっている。
効果は場にある限り、お互いの攻撃力1800以上のモンスターの特殊召喚を封じるというシンプルなロック効果になっている。
攻撃力1800以上のモンスターが通常召喚もしくはセットからの反転召喚などでしか出せなくなるため、相手からすると非常に嫌な拘束効果になっている。
攻撃力1800未満のモンスターであれば特殊召喚する事も可能だが、現代の環境においてそれらのモンスターは、後続に控えている大型モンスターを展開する為の通過点としての役割を持つモンスターが大半である為、肝心の後続を抑えられている状態ではその効力を十全に発揮できない可能性が高くなる。
また、1800未満の攻撃力のモンスターを特殊召喚できるという条件は自分側も同じであり、このカードを仕込むことで特殊召喚が縛られることが事前に分かっている関係上、大型モンスターの後続展開を目的としない様な、攻撃力1800以下のモンスターを使って盤面を固めに行くといった動きにもつなげられる。
このカード自身のステータスに注目すると、攻撃力が0であるため、
通常魔法
(1):自分メインフェイズ1開始時に発動できる。
デッキから攻撃力0のモンスター1体を手札に加え、自分のLPを半分にする。
このカードの発動後、次のターンの終了時まで、自分はこの効果で手札に加えたモンスターまたはその同名カードの召喚に成功しない限り、そのモンスター及びその同名カードの効果を発動できない。
上記を使えば手札に持ってくることが可能。
しかもこのカードの召喚制限効果は永続効果である関係上召喚しないと効果を発動できない制約には引っかからないため、手札からの展開手段がある場合、サーチにして来たこのカードに対して無理に召喚権を行使しなくてもいい。
その展開手段についても、
ワン・フォー・ワン
通常魔法
(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。
ウォーターハザード
永続魔法
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
手札からレベル4以下の水属性モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
などの手段(特に前者の場合はデッキからの展開も可能。)があり、展開するのはかなり容易。
また、守備力1800であるため、守備表示で展開することが出来れば戦闘で破壊して突破するといった方法も取りにくくなるなどのメリットも挙げられる。
一方で弱点としては、相手が攻撃力1800未満のモンスターを主戦力とするデッキ、例えば
ユベルや
イビルツインの様なデッキ相手では抑止力として機能しないため、このカードの強みを生かすことが出来ない点がある。
他にもこのカード自身の攻撃力は0であるため、普通に攻撃表示で召喚した場合、高確率で次のターンに戦闘破壊されてしまう。
そのため、実際に使う場合は上記の問題点をカバーしつつ、このカード自身の場持ちをよくさせる形での運用ができる様なデッキ構築が必要になる。
後に亀と呼ばれる神
後に亀と呼ばれる神
効果モンスター
星5/水属性/水族/攻1800/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いに攻撃力1800以下のモンスターを特殊召喚できない。
「かつて神と呼ばれた亀」からおよそ1年後に出たカードで、当該カードの過去の姿を描いたものになっている。
イラストは相変わらず、亀が佇むさまを描いたものになっているが、「かつて神と呼ばれた亀」の中の世界と違い神殿はまだ廃れていない状態になっている。
効果は1800以下の攻撃力を持つモンスターの特殊召喚を封じるという、「かつて神と呼ばれた亀」の規制対象になるモンスターの範囲が正反対になっている。
攻撃力1800のモンスターに関しては、どちらを出されても展開が不可能になるが……。
こちらは打って変わって攻撃力が低いモンスターを展開できなくさせることで、初動を潰しにかかるのが主な使用用途になってくる。
攻撃力1800は現在の環境だと心許ない感じがあるが、単純な攻撃力要員のモンスターのデッキ内での採用率は現状下がりつつあるため、大型モンスター展開の為の布石を制限されている状態では意外と倒しにくい。
ただし、このカード自身はレベル5の上級モンスターであり、単純に手札に加えた時にそのままポンと出すことが出来ないという問題点を抱えており、初動を止める為の効果を持っているが、アドバンス召喚によるタイムラグが肝心の初動を抑える上での障害になり得るという本末転倒気味な状態になっている。
また、当然だがこちらの場合は攻撃力1800より上の打点のモンスターの展開は自由にできる関係上、戦闘破壊のリスクは「かつて神と呼ばれた亀」よりも高い。
幸い水属性・レベル5という事で、
フィールド魔法
このカード名はルール上「海」として扱う。
(1):フィールドの水属性モンスターの攻撃力・守備力は200アップする。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、お互いの手札・フィールドの水属性モンスターのレベルは1つ下がる。
このカードでレベルを下げるとリリースなしで召喚が可能になり、なおかつ攻撃力が僅かながら上昇することで戦闘破壊のリスクを低減させられる。
さらに、このカードのレベルが5である点から、
K9-66a号ヨクル
効果モンスター
星5/闇属性/水族/攻2000/守1900
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手の手札が2枚以上の場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):手札のこのカードと手札のレベル5モンスター1体を相手に見せて発動できる。
その2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは光属性XモンスターのX召喚の素材にはできない。
(3):自分メインフェイズに発動できる。
デッキから水族以外の「K9」モンスター1体を手札に加える。
このカードを使用すると、手札からリリース等を介さずに一挙に出すことができ、相手の初動に対する牽制としての役割をこなしやすくなる。
併用した場合……
この様に、召喚できる範囲が正反対になっている「かつて神と呼ばれた亀」「後に亀と呼ばれる神」だが、一方を出した後に、もう一方を召喚することで、1800以上/1800以下両方の範囲の召喚制限を課すことができる。
実現方法としては例えば
「ワン・フォー・ワン」で「かつて神と呼ばれた亀」を守備表示で特殊召喚する。
→「伝説の都 アトランティス」を発動し、「後に亀と呼ばれる神」を召喚する。
といった形での実行が出来る。
ただし一方の効果が適用されている時、他方はステータスの関係から特殊召喚が封じられるため、2体目の展開は召喚によって出す必要がある。
勿論ただ特殊召喚を封じたいのであれば、
効果モンスター
星4/地属性/岩石族/攻1200/守1300
(1):このカードがリバースした場合に発動する。
フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにモンスターを特殊召喚できない。
は1体で全ての特殊召喚を封じることができる。
その他にも属性による縛りになるが、
結界像などでも似たような芸当は可能になっている。
しかも「豪雨の結界像」は「かつて神と呼ばれた亀」と同じ水属性下級モンスターな上にロックとして強度が高いので、「かつて神と呼ばれた亀」より優先されやすい。
ただし「豪雨の結界像」に「かつて神と呼ばれた亀」を合わせるのは弱点となる「沼地のドロゴン」「
海亀怪獣ガメシエル」「クシャトリラ・オーガ」辺りを封じれるので割とアリ。
この2枚の亀を併用した場合の特徴としては、「かつて神と呼ばれた亀」を守備表示、「後に亀と呼ばれる神」を攻撃表示で出せば、フォッシル・ダイナ パキケファロや結界像よりも戦闘での突破が困難になるという点が挙げられる。
また、封印している特殊召喚の範囲が2枚のカードで成り立っているという事は、効果無効や除去によって特殊召喚を完全に解禁する為には2体分のモンスターの除去をする為のリソースが必要になるということにもつながり、結果として相手へのリソース消費の強要に繋げられる可能性もある。
まあどちらにせよこちらも出すのに2体分のリソースを使っているし、どっちか1体除去されたり
効果を無効にされるだけで大幅にロックが弱まるのだが。
また、最大の特徴として「
攻撃力?のモンスターは両方揃っていたとしてもお互いに展開できる」というものがある。
現在の環境でも「
召命の神弓-アポロウーサ」などは比較的デッキに入りやすいカードであり、これらの展開は2体が場にいても問題なくデッキに組み込めるため、特殊召喚の封じに加えてモンスターの効果無効による相手の行動の阻害なども行う事が出来る。
ただしこれは相手も同じなので相手が条件に合うモンスターを持っている場合の対処については常に考えておく必要がある。
……と、この様に打点や特殊召喚の封印範囲で住み分けが出来ているため、興味がある人はこの2体を主軸にしたデッキを組んでみるのも面白いかもしれない。
イラストについて
「かつて神と呼ばれた亀」がいる廃墟についてだが、
忘却の海底神殿
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、このカードのカード名は「海」として扱う。
1ターンに1度、自分フィールド上のレベル4以下の魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択してゲームから除外できる。
自分のエンドフェイズ時、この効果で除外したモンスターを特殊召喚する。
このカードではないかとされている。
実際、効果の相性としては「かつて神と呼ばれた亀」自身を除外し、エンドフェイズに帰還させる効果を用いることで、一時的に特殊召喚のロックを解除することができ、その間にモンスターを展開、そしてエンドフェイズに対象モンスターが帰還することで再度ロックがなされて、相手は特殊召喚が出来ない状態が続くという、かなり相性のいいカードになっている。
一方で「後に亀と呼ばれる神」の方はレベルが5であり、このカードの除外条件には当てはまっていない。更にエンドフェイズの帰還効果が自身の効果で阻害されてしまう危険もはらんでいる。
これは海底神殿がまだ忘却されておらず、荒れ果てていない状態である事を暗に示しているのかもしれない。
時代と共に人が減り、神殿は海へと沈み、信仰も過去に置き去りにされていく中で、人々から崇め奉られていた神も、今ではただ亀と呼ばれるようになってしまっている。
そんな無常な世界を見て何を感じているのだろうか?
その答えは神のみ……否、亀のみぞ知る所である。
余談
- 一見すると背景が違っているだけのカードに見えるが、神殿に佇む亀だが、よく見ると「後に亀と呼ばれる神」では台座に座っていたのが、「かつて神と呼ばれた亀」では折れて倒れた柱の上に移動しており、背景箇所以外にも差分がある状態になっている。
- このカード達は英語版における名前が特徴的なカードであることでも有名であり、「かつて神と呼ばれた亀」は「Testudo erat Numen」、「後に亀と呼ばれる神」は「Numen erat Testudo」と言うラテン語の名前になっており、どちらも英語版でありながらカード名に英語が一切使われていない。しかも一方のカード名はもう一方のカード名の単語順をそっくりそのまま入れ替えた物になっている。
追記・修正は、かつて「神」と呼ばれたwiki篭り、もしくは後にwiki篭りと呼ばれる「神」がよろしくお願い致します。
- 亀…亀のゲーム屋…武藤双六…つまりじーちゃんは元神だった!? -- 名無しさん (2025-04-10 01:34:35)
- 英名が特徴的なんだよね ラテン語だっけ -- 名無しさん (2025-04-10 01:59:22)
- ↑日本語表記/英語表記(遊戯王OCG) -- 名無しさん (2025-04-10 06:15:28)
- 草創期からそうだけど遊戯王は何故か亀(○○タートル、タートル○○)が好き。これらはその集大成的なものを感じて好き -- 名無しさん (2025-04-10 08:31:05)
- 最後の「神のみ……否、亀のみぞ知る」で不覚にも笑ってしまった。 -- 名無しさん (2025-04-10 09:38:47)
- 両方展開を一度にデッキから引っ張り出す手段なくて片側だけでもアポロウーサOKって穴バカデカ過ぎんだろ・・・そりゃ結界像のが使われますわ -- 名無しさん (2025-04-10 17:10:38)
- だいぶシナジーが良いからアトランティスの神(亀)だと思ってた。ちなみにアトランティスで使った場合無慈悲にもサイバードラゴンに粉砕される模様 -- 名無しさん (2025-04-10 18:07:37)
- なんか解説の最後のほうが不自然に切れてるんだけど荒らされてる?文字隠れてるわけでもないしどうなってるんだろうか -- 名無しさん (2025-04-10 19:24:03)
- ↑の者です。 解説が切れてるんじゃなくてカード解説を織り交ぜてるだけだった。読解力がなくて申し訳ないです。 -- 名無しさん (2025-04-10 19:25:30)
- まあでも、やけに文と文の隙間が空いてて気になるのはわかる -- 名無しさん (2025-04-10 20:43:47)
- カード画像見た。切ない -- 名無しさん (2025-04-11 00:43:36)
最終更新:2025年04月11日 20:19