登録日:2025/05/11 Sun 00:00:21
更新日:2025/05/12 Mon 11:28:20NEW!
所要時間:約 11 分で読めます
プリンセッション・オーケストラとは、日本のオリジナルアニメである。
【概要】
2025年4月6日より、テレビ東京系列にて毎週日曜朝9時より放送開始。連続4クールで放送予定。
原案は金子彰史、製作総指揮は上松範康が担当する。
女の子だけが行き来できる異世界を舞台に、伝説の戦士「プリンセス」と少女達に襲い掛かる謎の怪物達との戦いを描く。
所謂「変身ヒロイン」「魔法少女もの」にジャンル分けされるのだが、昨今そういった作品は過酷な世界観や強烈な個性を持つキャラ、はたまた敵側視点であったりと、王道とは程遠いオリジナリティが追加されることが多いのに対し、本作品は主人公達の何気ない日常や夢や将来に向けて邁進する姿に焦点を当て、人間関係を始めとした雰囲気も基本的に明るい物であるなど、どこか原点回帰とも言えるとも言えるポップな作品となっている。
一方、題名からも分かる通り音楽やダンスを題材としており、本作の変身ヒロイン枠であるプリンセス達が
歌いながら戦うという、上記の金子氏&上松氏が制作に携わった『
戦姫絶唱シンフォギアシリーズ』を彷彿させる戦闘スタイルが本作最大の特徴となっている。
また、戦闘中の歌についてはすでに録音済みの音源を流すのみならず、アフレコにて収録する「歌アフレコ」を導入している点も、シンフォギアシリーズと共通している。
そのため、ネット上においては『
女児向けシンフォギア』等と呼ばれることもあり、放送前より「適合者」たちから注目を浴びていた。
また、
某老舗変身ヒロインシリーズを連想させるタイトルの響き……だけなら、まあよくある語感という程度の話だったのだが、
本作の放映開始時点の作品が奇しくも同じく
歌やダンスをテーマにした作品であり、時間帯もニチアサ同士ゆえ30分違いなだけという状況になっており、企画の発表時点からそれが明らかだったためそうした点でも注目されることになった。
シリーズ構成は、ライトノベル『
這いよれ!ニャル子さん』作者で有名な逢空万太。
逢空氏と金子氏は前述の『シンフォギアGX』ミニアニメ「絶唱しない」Blu-ray4巻の脚本の頃から付き合いがあり、金子氏はXの2025年2月28日に「逢空君とたったふたりで始めた企画です」と語っている。
【あらすじ】
動画投稿サイト・アリスピアチャンネル。
一見何処にでもある普通のSNSサイトだが、実は少女だけが行き来できる異世界・アリスピアと人間界を繋ぐゲートであった。
そんなアリスピアの先住民・アリスピアン達と共に、今日も少女達は男性や大人の目の届かぬところで思い思いの時間を過ごしていた。
本作の主人公・空野みなもも、そんなアリスピアに出入りする1人である。
ある日、幼馴染の陽ノ下なつがアリスピアで路上ライブを開くことになり、それを観に行ったみなもであったが、そこへ突如謎の怪物・ジャマオックが出現し、なつを始め人々に襲い掛かる等ライブ会場を滅茶苦茶にしてしまう。
そんな狼藉にみなもが怒った時、彼女はアリスピアに伝わる伝説の戦士・プリンセスの力に覚醒する。
以後、みなもは自分と同じくプリンセスとなった仲間達と共に、ジャマオックやその親玉であるバンド・スナッチに立ち向かい、アリスピアや少女達の夢を守る戦いに身を投じていくことになるのだった。
【登場人物】
≪プリンセス≫
アリスピアに伝わる伝説の戦士で、現状ジャマオックに対抗し倒すことができる唯一の存在。
後述するミューチカラをエネルギーに戦い、その副作用によって自ずと歌いながら敵と戦う特性がある。
「響け!この胸のミューチカラ!」
CV:葵あずさ、戦闘用楽曲:『イノセント・コール』
本作の主人公。13歳の中学2年生。
目立つことが苦手で押しにも弱いどこか頼りない雰囲気の持ち主だが、頑張る人が大好きで、夢や目標に向かって努力する人のことを応援したくなるという心優しい性格の持ち主。
また、そんな頑張りや努力を踏みにじろうとする事態には頑固とした姿勢で立ち向かい、自分のすべきことにも常に真摯に取り組む等、内には確かな勇敢さやひた向きさを備えた芯の強い一面もある。
彼女自身は特筆するようなスペックは持っていないことに加えて、まだプリンセスとしての経験も浅いこともあって戦闘能力はまだまだ発展途上だが、その性格上ここぞという時は底力を発揮する爆発力もあり、当初は軽んじていたベスからも一目置かれるようになる。
リップル=細波の名の通り、必殺技は大量の水を水流として敵に発射する「リップル・シャイニーストリーム」。
「熱情のリズム、聞かせてあげる!」
CV:藤本侑里、戦闘用楽曲:「OVER THE BLAZE」
13歳の中学2年生。みなもやながせとは同じ学校の生徒である。
テレビ出演も何度もしている有名な振付師の父と世界的に活躍するオペラ歌手の母を持ち、彼女自身も若くしてアリスピア中で有名なアイドル的存在というサラブレッド。
情熱的な歌とパフォーマンスで大勢を魅了しており、その影響力たるやなつ曰く、「彼女に何かあればアリスピア中の損失」らしい。
また、物語開始以前からプリンセスとして覚醒し、ジャマオックと戦ってきたみなもにとっては先輩的存在でもある。
既に名声と実力を手にした彼女だが、決してそれを自慢したり鼻にかけることはなく、周りへの感謝を忘れず自身の素質に関しても「人よりスタートが早かっただけ」と謙虚な姿勢を貫ており、それ故に悩む誰かの背中を押すこともできるしっかり者。
プリンセスになったばかりでろくに戦えないみなものことも守ったり、ナビーユと共に自分達の状況を説明する等、面倒見のいい部分もある当時に、当初先輩や雲の上の存在として自分に接していたみなもにもさん付けや敬語を辞めさせて改めて対等な立場で居ようとしたりと、普段の凛々しい雰囲気に反した親しみやすさも持っている。
既にプリンセスとして相応の経験を積んでいる為、ポーン程度のジャマオックなら難なく倒せる実力者である。
ジール=熱の名の通り、必殺技は空から燃え上がる紫の火を上げて敵を焼却する「ジール・ライジングヴォルケーノ」。
プリンセスとしての姿は当初アイベールで素顔を隠していたが、みなもに正体を明かして以降は外されるようになった。
「あたしのキラキラ、皆に届け!」
CV:橘杏咲、戦闘用楽曲:「激光 It's ME!」
12歳の中学1年生。みなもとかがりの後輩。
まだアリスピアに来たばかりの新人ユーザーながらメキメキと注目度を伸ばしている新進気鋭の超新星。
ボーイッシュかつ竹を割ったような明朗快活な性格だが、その場のノリと勢いに任せた言動が多く、周囲から突っ込まれることも多い。
大抵のことは卒なくこなせる天才肌だが、本人は寧ろろくな努力も無しに何でもできてしまう自分をおかしいと感じており、みなも達と出会った当初はそんな自分の才覚を「偽物」と称する卑屈さがあり、そのせいで一度ドランに目を付けられて襲われ、そんな中で戦うプリンセス達を「本物」と称していた。
そして、そんなプリンセス達が今度はドランと戦い苦戦する中、覚醒の兆候が見えるも卑屈さのせいで一度は「自分には無理」と拒否してしまうが、ジールから「偽物も本物も関係なく自分を認めてくれるファンがいる」と背中を押されたことで真に戦う覚悟を決め、プリンセスとなった。
英語はあまり得意ではないらしく、「shooting star」を「shuuting star」と書き間違える一幕もあった。
みなもやかがりのことは「パイセン」と呼んでいる。
プリンセスとしては一番新参だが、持ち前の天才肌によって既に幹部格であるドランと全く引けを取らない初陣を飾る等、ポテンシャルはトップクラス。
ミーティア=流星の名の通り、必殺技は地面に落とした隕石の破片を更に敵に向けて一斉発射する「ミーティア・アステロイドシャワー」。
≪アリスピアン≫
アリスピアで生まれ育った住民で、姿は千差万別だが総じて手乗りサイズのぬいぐるみのような姿をしている。早い話が女児向けアニメでは最早定番の妖精枠である。
可愛らしい見た目に反して知能と社会性は人間以上であり、アリスピアで何かイベントをするには、彼らから許可をもらう必要がある。
少女達と違って、人間界に行くことはできないらしい。
CV:
下野紘
青いウサギのような見た目のアリスピアン。
プリンセスのサポート役であり、物語開始前からかがりと行動を共にしていた。
ジャマオックの出現を感知できる他、耳を通じて少女のミューチカラの有無を調べられる。
モデルは不思議の国のアリスの兎とナビゲーターであろうか。
現状はしっかり味方側のキャラではあるが、ジャマオックやバンドスナッチのことを聞かれた際には、どこか不自然にはぐらかしているかのような態度を取っており、一部視聴者から怪しまれている。
CV:
新井里美
デフォルメされたグリフォンのような見た目のアリスピアン。
プリンセスのことは一切知らない一般アリスピアンで、主に少女達のお手伝いを受け持つことが多い。
≪バンド・スナッチ≫
今作の敵勢力。
男性でありながらアリスピアに出入りできる謎の集団で、ジャマオックをけしかけては少女達からミューチカラを奪い、アリスピアを荒らしまわっているが、その存在は以前から戦ってきたかがりやナビーユですら今まで知らなかった。
目的は「食事」らしいが、その正体や真の行動原理は謎に包まれている。
名前の由来は『鏡の国のアリス』に登場する怪物「バンダースナッチ」+全体のモチーフである「バンド」だろう。
個人の名前はロックバンドの立ち位置や楽器で、全員がその楽器を使ってジャマオックを召喚・使役する。
なお彼らの正体は元アリスピアンではないかと考察する視聴者もいる。瞳や髪形がアリスピアンに似てなくもない、アリスピアに行くことができ反対に本拠地とアリスピアを除けば現実世界に現れることがないなど。
CV:榎木淳弥
褐色肌に薄紫の長髪、眼鏡が特徴の青年幹部。
冷静沈着ながらも柔軟性もある知性派で、当初はプリンセス達のこともさして危険視していなかったが、急成長を続けるリップルの姿に危機感を覚えている。
名前の由来はベース。
CV:千葉翔也
青緑の短髪が特徴の少年幹部。
外見年齢に違わず生意気盛りかつ好戦的で、自分の欲求や衝動を優先して動く為度々ベスから咎められているが当人はまるで聞いておらず、逆にそんなベスに対して何かとちょっかいを掛けたり毒づくことが多い。
プリンセスには挑発的な態度を取るが、ジャマオックが倒されると地団駄を踏んで悔しがる子供っぽい一面もある。
名前の由来はギター。
CV:武内駿輔
青い髪と筋肉質な体が特徴の若い男性型幹部。
粗野かつ飄々としたな言動と雰囲気の持ち主で、吸い取るミューチカラには多少の曇りがある物を好む。
集団の中でも武闘派に当たり、戦闘では恵まれた体格と筋肉から繰り出す容赦のない格闘技と地面を殴って放つ光線が得意技で、ジャマオックとのタッグでリップルとジールを圧倒する実力を誇る。
名前の由来はドラム。
因みに中の人は違う作品で同じ名前の主人公を演じたことがあったりする。
CV:
小林千晃
赤い髪とケモミミみたいな髪型が特徴の青年幹部で、バンド・スナッチのリーダー。
現時点では未登場。
名前の由来はボーカリストとカリスマ。
≪その他周辺人物≫
CV:藍村光
みなもの幼馴染でクラスメイト。彼女からのあだ名は「なっち」。
みなもとは正反対の明るく活発な性格で、お互い持ちつ持たれつの関係。
いつかはかがりのようなトップアイドルになることを夢見て日々歌やダンスの練習に励んでいる。
ながせとは似た物同士馬が合っている。
英語の勉強は苦手な模様。
実は、先程の3人同様イメージカラーが定義されている。これが示すものとは…?
CV:
逢田梨香子
ながせの大ファンである中学1年生。
その入れ込みっぷりは凄まじく、彼女のことを様付けし、ライブが始まる数時間前から場所取りをしている程。
CV:
日野聡
みなもとりくの父親。
さりげなく気を利かせて娘をサポートする気配りのできる父親で、本職はアナウンサー。
CV:
若井友希
みなもの弟で彼女からのあだ名は「りっくん」。
年齢相応にやんちゃで、姉がゲームで弱いのを良いことに対戦をせがむ抜け目ない一面もあるが、姉弟仲は良好な模様。
【用語】
今作の舞台である異世界。
高校生までの女性のみがSNSサイト・アリスピアチャンネルから出入りできる。
全体的な様相は「不思議の国」と言うべきファンシー且つポップな物で、パステル調の淡い色使いが特徴。
先住民のアリスピアンの高い知能もあって、見た目に反して技術水準は人間界と同等以上であり、ライブ用の機材など現代的な設備も数多く備えられている。
表向きの動画投稿サイトとしてアップされている動画も、全てアリスピアンが撮影・編集したものである。
人間界よりも時間の流れが速く、ここでの数時間は人間界での数十分ほどにしかならない。
アリスピアに充満するエネルギーにして、プリンセスの力の源。
少女達の明るい感情や前向きな気持ちによって生み出されており、アリスピアン達の好物でもある。
プリンセスになった者はこの力が極限まで高まり、その影響によって歌いながら戦うという独自のスタイルを取る。
一方、このミューチカラをジャマオックに全て奪い取られてしまうと、その人物は外部からの刺激に一切反応しない仮死状態に陥ってしまい、元に戻すにはジャマオックを倒して取り戻す以外に方法がない。
一度奪われたミューチカラは完全には戻らず、戻らなかった分は後述する強化用の歌のカケラになるが、そもそも本人の気持ちさえあれば無尽蔵に湧くので問題はないらしい。
プリンセスの変身アイテム。
強い思いに呼応したミューチカラが結晶化することで歌のカケラという宝石状のアイテムに変化し、更に変身時にはジュエルベルという鈴のような形に変形。
それを奏でることでプリンセスへ変身する。
元の持ち主に戻らなかったミューチカラから生まれる強化用の歌のカケラもあり、これを発動することで様々な追加効果を発揮する。
バンド・スナッチが使役する怪物。
彼らの命令に則り少女からミューチカラを奪うべく襲い掛かる。
最初はポーンと呼ばれる幼体であり、戦いに慣れてさえいれば難なく撃破できる戦闘員程度の力しかないが、ミューチカラを吸い込むことでナイトという成体へ変貌し、プリセンスと同等程度の戦闘能力を得る。
名前は『鏡の国のアリス』に登場する怪物「ジャバウォック」の捩りだろう。
【メイン楽曲】
歌唱:オルケリア(プリンセス・リップル&プリンセス・ジール&プリンセス・ミーティア)、作詞・作曲:上松範康(Elements Garden)、編曲:菊田大介(Elements Garden)
タイトルで金子節が隠しきれてないッ!
正統派と言えば正統派バトルヒロインではあるものの、節々で女児アニメらしからぬエレガ節全開なメロディも。
歌唱:オルケリア、作詞:Spirit Garden、作曲・編曲:菊田大介(Elements Garden)
こっちは本当に女児アニメらしからぬ激しくも重苦しい曲調。要はシンフォギアのED(歌:高垣彩陽)の雰囲気である。
映像も雨の中で佇む3人の姿から始まるのが印象的。
追記・修正は、アリスピアでお願いします。
- プリンセッションオーケストラの記事建乙ありがとうございます! -- 名無しさん (2025-05-11 00:10:51)
- ジールの白羽取ったッ!?がSASUKE語すぎて笑う -- 名無しさん (2025-05-11 00:11:48)
- アリスピアの設定とか主人公が青色だったりと最近のプリキュアに対して好戦的よね -- 名無しさん (2025-05-11 00:28:25)
- 第5話サブタイトル「流星、闇を切り裂いて」はいくらなんでもさすがに笑った。『スーパーロボット大戦シリーズ』きっての人気曲「流星、夜を切り裂いて」そのまんま過ぎるんよ -- 名無しさん (2025-05-11 07:37:03)
- ミッドフォーム難民には興奮モノな変身シーンが良かった。これを境にプリキュアシリーズも来年から衣装が先に変身する変身シーンにしてくれませんか -- 名無しさん (2025-05-11 08:23:24)
- ちなみに土曜日夜中にも女性向け狙いの金子のおっさんと上松のおっさんのツガイウィングによるアニメのクラシックスターズがやってたりする。その為日曜は深夜から朝までツガイウィングたっぷりである。 -- 名無しさん (2025-05-11 12:33:23)
- きちんと戦うべき理由を固めてから戦うのが好印象 -- 名無しさん (2025-05-11 12:45:26)
- 記念すべき第一話が主人公が変身したところで終わりというのも共通している -- 名無しさん (2025-05-11 18:34:46)
- 二次創作に関してはウマ娘並に厳しい措置を取っているが、ある意味必要だとも思う… -- 名無しさん (2025-05-11 22:57:16)
最終更新:2025年05月12日 11:28