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更新日:2025/01/10 Fri 17:26:38
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凱旋門賞(仏:Prix de l'Arc de Triomphe)とは、毎年フランスで開催される競馬のGⅠ競走である。
長年にわたり日本競馬最大の悲願と称され続けている、名実ともに世界最高峰のレースである。
基本データ
創設年 1920年
開催国 フランス
開催日 10月第1日曜日
競馬場 パリロンシャン競馬場
距 離 芝2400m
条 件 サラブレッド系3歳以上(せん馬は不可)
賞 金 2,857,000ユーロ(約4.5億円)円安すぎる
概要
歴史は古く、その成立は今から100年以上もさかのぼる。第一次世界大戦終戦直後のフランスにおいて、国内だけでなく国外からも一流馬を集める場として創設された。
施行距離は古くより競馬界で重要とされてきた2400mを採用しており、これは戦時中を除き一度も変わっていない。また、年齢による斤量差が大きいことでも知られており、3歳馬は56.5kg、4歳以上の古馬は59.5kg(牝馬はそれぞれ1.5kg減)となっている。
度重なる賞金の増額、それに伴う歴史的名馬の参戦・優勝によって凱旋門賞の名声は次第に高まり、ヨーロッパで競走の格付け制度が成立してからというもの常にグループⅠ(GⅠ)に位置づけられている。
今では国際競馬統括機関連盟が毎年公表している「世界のトップ100GⅠレース」において、2013~2022年の10年の間に6度首位を獲得するなど、国際的にも最上位の競走であると常に評価されている。
2400mというスタンダードな施行距離や10月頭という開催時期、そして何よりその格の高さから、凱旋門賞はその年の中長距離王者決定戦としての意味合いが大きく、ヨーロッパを中心に世界中から猛者どもが参戦する。
その規模の大きさから、競馬界のみならず一つのスポーツイベントとしても非常に知名度が高く、当日は毎年多くの人々が競馬場に集まる。まさしく世界一の名にふさわしいレースだといえよう。
ただ近年は、空前の中距離ブームや超高額賞金レースの増加により権威の低下が指摘されているのも事実……。
なお、本レースに挑む前の「前哨戦」として、
同距離同競馬場の
「ニエル賞」「フォワ賞」「ヴェルメイユ賞」等が存在しており、
馬に余裕がある時にはまずそちらで肩慣らしをするのが定番となっている。
ニエル賞は
3歳馬限定、フォワ賞は
4歳以上の馬、ヴェルメイユ賞は
3歳以上牝馬が出走可能。また、ヴェルメイユ賞は
フランス牝馬三冠の最終戦も兼ねている。
ちなみに凱旋門賞が開催される10月第1日曜日とその前日の週末の2日間は「凱旋門賞ウィークエンド」と称して、凱旋門賞も含め8つのGⅠ競走を含む計13の重賞競走が集中開催されている。
- ショードネイ賞
- カドラン賞
- マルセルブサック賞
- ジャン・リュック・ラガルデール賞
- オペラ賞
- フォレ賞
格付けはショードネイ賞がGⅡ、それ以外はGⅠで、ショードネイ賞とカドラン賞は土曜日に、それ以外は日曜日に開催される。
ショードネイ賞は3歳馬限定。3000mという長距離戦で、勝ち馬には
ラッサール、
サガロ、
タージェオンといった後の欧州の名ステイヤーが名を連ねている。勝ち馬で日本で縁深い馬だと
リヴリア(
ナリタタイシンの父)だろうか。
カドラン賞は4歳以上の馬が出走可能。
芝4000m戦というショードネイ賞以上の距離を誇る超長距離重賞で、こちらも欧州のステイヤーたちが集う長距離の一戦。
マルセルブサック賞はその名の通り、世界の競馬史に残る偉人にしてオーナーブリーダーの栄枯盛衰を体現した馬産家・実業家の
マルセル・ブサックに由来する競走。フランスでは唯一の
2歳牝馬限定GⅠで、勝ち馬には
「鉄の女」トリプティクの他、フランス三冠牝馬でもある
アレフランスや、
ザルカヴァ、
ファウンドといった
後の凱旋門賞馬も名を連ねる。
ジャン・リュック・ラガルデール賞はこの種の競走ではフランス最古の歴史を持つフランス2歳王者決定戦。
勝ち馬にはブラッシンググルームやロックオブジブラルタルの他、凱旋門賞馬ソットサスも輩出した名種牡馬シユーニも名を連ねている。
オペラ賞は2000mの牝馬限定中距離戦で、距離不安や実力不足で凱旋門賞を回避した馬たちが集う
「牝馬の凱旋門賞」。
優秀な古馬牝馬の確保を目的として行われる競走で、アイルランドオークス馬
ペトルーシュカや日本にも
遠征したシャラナヤ、
ディープインパクトのラストクロップの一頭にして
英愛ダービー馬オーギュストロダンの母となった
ロードデンドロンが勝ち馬に名を連ねる。
最後に紹介するフォレ賞は1400mの短距離戦。
勝ち馬には
ブリーダーズカップ・マイル3連覇など2000年代後半に欧州マイル路線の女王として君臨した女傑
ゴルディコヴァの他、遡ると後の凱旋門馬ダンシングブレーヴや、日本で
シリウスシンボリや初代三冠牝馬
メジロラモーヌを輩出したモガミの父・
リファール、そして日本競馬史に残る大種牡馬
ノーザンテーストが名を連ねている。
開催地:パリロンシャン競馬場
世界的に高い評価を受け続け、世界中のホースマンの
夢となっている凱旋門賞。
しかし、開催されるパリロンシャン競馬場は、
(少なくとも日本人の目線からすると)かなり特異なコースとなっている。
コース全体としては、最初に長い登り直線が設置されたのち、3コーナーからは600mで10mダウンという驚異の勾配が待ち構える。中央競馬で最も勾配の厳しい中山競馬場ですら5.3mであることから、日本馬にとっていかに不慣れなものかがわかる。
そしてその勾配を抜けた先に、ロンシャン名物"偽りの直線(False Straight)"が待ち受ける。下り坂の先にある直線のため、終盤だと勘違いした馬がスパートをかけてしまい、結果本来の最終直線で垂れてしまうことに由来する。
最近ではフォルスストレートなど知っていて当然といえるほど悪名知名度が上昇したため、ここで大きなミスをする例は少なくなっているが、それでも厄介であることに変わりはないだろう。
それを抜けた先は533mの長い最終直線があり、ようやくゴールとなる。
このように、コース概観としてもかなり面倒な構造が待ち受ける競馬場だが、実際に日本馬を苦しめる最大の要因となっているのはコースを覆う洋芝であろう。
元々あった自然の土壌に、糸くずのような地下茎が密集して形成されるその芝は、日本のそれとは一線を画しているといえる。
ロンシャンの芝そのものが日本のそれと異なるのは述べたとおりだが、その真の恐ろしさは重馬場の異常なまでの重さにある。
まず、土壌から入れ替えている日本の芝コースと異なり、ロンシャンは天然の土壌を利用しているため、極めて水捌けが悪いこと。
京都や東京のような日本のコースでは、前日に雨が降ってもすぐに良馬場に復帰する場合が多いが、ロンシャンではぐずぐずの馬場のまま。その様子はもはや「田んぼ」呼ばわりされるほど。
また、レース中まで雨が降ろうものならさらに異質な馬場と化す。
排水されず溜まった水が芝の土をふやかし、
どろどろの不良馬場になってしまうのだ。日本ですら重馬場は適正を問われると言われるが、
この状態の馬場に適応するのは日本馬にとって極めて困難と言わざるを得ないだろう。
実際、同一コースのフォワ賞を良馬場で勝利した
ディープボンドも、重馬場の凱旋門賞では2回とも惨敗に終わっている。
ただ、
良馬場だったらいいのかと言われたら決してそういうわけでもなく、過去に日本馬が好走した回は重馬場だったことの方が多かったりもする。
エルコンドルパサーが
2着に入った年は
ロンシャン基準の不良という
地獄みたいな馬場だったし、
ナカヤマフェスタは重馬場の年に
2着に入り、翌年の良馬場の年には11着と大敗している。
重馬場より良馬場の方が日本馬向きであることに間違いはないが、
それだけではなく確かな実力も要求されるのが凱旋門賞だといえる。
その芝の異質性に伴い、凱旋門賞に挑む上では
その洋芝に対応できる特有のパワーがどうしても必要で、
スピードは二の次になりがちである。
実際に、凱旋門賞(ロンシャン)のコースレコードは2011年
デインドリームの2:24:49と非常に遅い。
これがどれほど遅いかというと、
同じ芝2400mで行われる日本ダービーにおいて、2018~2022年の5回全ての勝ちタイムがこれを上回っているほどである。
3歳馬限定戦のダービーでこれなのだから、日本と比べいかに異質かがわかるだろう。
日本と凱旋門賞
日本競馬界において、凱旋門賞というレースは
まさしく夢そのものである。書籍やインタビューなどでは
"芝競走の頂点"として扱われ、常に
憧れの存在として言及されてきた。
チャンピオンSやキングジョージなどといった横文字の国際的競走と違い、名前がクールだし語感の良い四字熟語な点も、日本での知名度が高く親しみやすい要因なのかもしれない……?
悲願成就を目指し、
各時代における日本のトップホース計32頭(2024年時点)が遠征をおこなったが、
一着を獲った例は未だ無い。
ヨーロッパや
アメリカ、香港、中東などで数多くの一流レースを制し、今や国際的にも日本馬のレベルは疑いようのない位置にはあるものの、
この凱旋門賞だけは依然として高い壁であり続けている。
ここまで日本馬が苦戦している理由として真っ先に挙げられるのが、
パリロンシャン競馬場との相性の悪さである。
前述したとおり、ロンシャンには日本に全く存在・経験しないような構造や馬場があり、
日本の競馬とは「別ゲー」と言っても過言ではない。
なお日本馬が凱旋門賞を長年勝てていないのと同様に、
凱旋門賞に勝利し、同じくクラシックディスタンスの日本の国際招待レースであるジャパンカップにも勝利した馬もまた存在しない。もっとも凱旋門賞馬はそのまま引退して繁殖入りする傾向が強く、そもそも欧州競馬においてジャパンカップを狙う意義があまりないという側面もある。
二者の大きな差は、元トップジョッキーの一人
福永祐一をして
「求められるものが違う」と言わしめるほど。
凱旋門賞に送り出せるくらい「日本で強い馬」は、適性の差によって「ロンシャンでは別に全然強くない馬」になってしまう確率が高い。
逆にロンシャン向きの馬が日本で生まれていたとして、その適性は国内では活かしにくいから頭角を現すに至らず、まず凱旋門賞まで辿り着くのが難しい。そんなジレンマがあるのだ。
日本の馬は当然国内で戦うことを第一として配合・育成されるわけで、凱旋門賞と「両取り」することの難しさは、間違いなく存在するだろう。
ただその一方で、日本馬の負けを馬場適性のせいだけにするのは言い訳に過ぎないとする厳しい意見や、(馬はともかく)人の方はロンシャンの舞台が異質であることなど解り切っているはずで、欧州馬との絶対的な能力差から目を背けるべきではないという指摘も存在する。
これはあくまで、「結局は能力差の問題なのではないか?」という「仮定」の上での話である。確かに、近年においては国際的なレーティングで日本馬が上位に名を連ねることは珍しくないし、そもそも馬の能力差など明確に測りようがないふんわりとした概念に過ぎない。
しかし、凱旋門賞と同距離同競馬場で行われる前哨戦フォワ賞やニエル賞では日本馬の一着例がいくつかあり、これを根拠に適性はあるものの本番特有の周囲のレベルアップについていけていないのではないか、という分析をしているファンやホースマンも一定数いるということである。
実際、日本のトップトレーナーの一人
矢作芳人調教師は、自身の管理馬からステイフーリッシュを挑戦させた2022年の凱旋門賞直後に
「単に力負けだと思います。日本馬全部がね。[……](馬場のことは)分かっていたことなので、それを言い訳にはしたくないですね」と、ある意味達観したコメントを残している。
さらに、同じく
ドウデュースの鞍上を務めたレジェンド
武豊もレース後の回顧にて、
「雨は平等に降るし、馬場が悪いのもみんなが同じ条件。言い訳にしたくない。」と潔く言い切っている。
また、他の海外遠征以上に日本と異なる条件でのレースを強いられるため、凱旋門賞の後にその反動で日本に戻ってきた馬が調子を崩してしまう可能性も決して無視できない。
これらの事例が本当に凱旋門賞の反動なのか、単に衰えや故障が偶然重なったかは定かではないが、日本の馬が挑戦を躊躇う実例には十分なりうるだろう。
こういった実情から、近年では
日本馬の無闇な凱旋門賞挑戦に懐疑的な声も増え始めており、
夢という名の呪いに過ぎないと切り捨てる者もいる。
酷い場合だと凱旋門賞そのものを必要以上にこき下ろす酸っぱい葡萄にしか見えない意見も。
一方、
ファンを熱くさせてくれる果敢な日本馬たちを腐すことは許されないという声もあり、賛否両論である。
このリンク貼りたいだけ
人それぞれ意見があるのは当然。
だが少なくとも、熟考の末凱旋門賞挑戦を決定した日本馬に対しては温かい応援を送ってあげるべきではなかろうか。「日の丸を背負って凱旋門をこじ開ける」という遥かなる夢を叶えるのは、もしかしてもしかするとその馬かもしれないのだから……。
なお日本のフィクション作品でも凱旋門賞挑戦は度々描かれており、『風のシルフィード』『
たいようのマキバオーW』では実質的な最終決戦、『たいよう~』の前日譚『
みどりのマキバオー』では主役馬の
ライバルが挑んだレースとして大きく扱われた。
勇敢に挑んだ戦士たち
日本馬初の凱旋門賞参戦は今から50年以上も前のことである。老雄スピードシンボリが夏から秋の遠征という形で参戦し、敗れはしたものの新たな道を切り開いた。
なお、帰国後その年の有馬記念に出て勝利しており、当時の遠征環境を考慮すると恐るべきことと言える。
当時、新興ながら数々の重賞を制覇して地位を固めつつあったメジロ軍団の天皇賞馬。結果は19頭立ての18着と、世界の壁がどれほど高いのかを示す結果となった。
シンボリ軍団二頭目の挑戦は前年のダービー馬。色々あって長期遠征して2年目で出走という現代でも見ないような異例のスケジュールだったが、特筆すべき結果は残せなかった。
この年の凱旋門賞は非常にレベルが高く、その中で勝利を収めたのが後述する
ダンシングブレーヴであった。
4度目の挑戦となったエルコンドルパサーは春からの欧州遠征で入念に準備を重ねた結果、この凱旋門賞で勝ち馬のモンジューから半馬身差の2着という快挙を達成。日本競馬界に希望をもたらし、年度代表馬にも選定された。
菊花賞、有馬記念、天皇賞春という長距離GⅠレースを総なめにした稀代のステイヤーが参戦したが、後に発覚する屈腱炎の影響もあり結果は13着であった。
ジャパンカップ、宝塚記念を勝利した老戦士が参戦したが、輸送機のトラブルに巻き込まれ、レースのわずか2日前に現地に到着するという過酷な状況での調整が必要になった。そのため、レースでもテンションが高くなってしまい17着に終わった。
無敗三冠を達成した国民的ヒーローが満を持して参戦。大きな期待が寄せられたが、いつもの末脚が刺さらず3着入線となった。さらに、帰国後体内から禁止薬物が検出され、凱旋門賞史上初の失格処分を受けてしまうという後味の悪い結果となった。
二冠及び天皇賞春秋連覇を達成していたメイショウ軍団随一の実力派が参戦したが、歴史的名牝ザルカヴァが生涯無敗を貫き通した裏で10着と敗れた。
4歳に突然覚醒し宝塚記念を圧勝した
阿寒湖野郎由来の気性難ホースと当年の皐月賞馬が参戦。史上初の複数頭での参戦となった。
結果、なんとナカヤマフェスタは勝ち馬ワークフォースからアタマ差2着と大健闘。日本のファンを大いに沸かせ、夢と希望をもたらした。
また、ヴィクトワールピサは着外に敗れてしまったが、翌年日本馬初のドバイワールドカップ制覇を達成し、震災に打ちひしがれる人々を勇気づけた。
前年の2着馬と当年の天皇賞馬が参戦したが、どちらもドイツのシンデレラ
デインドリームが刻んだ超レコードの前に2桁着順に敗れた。
- オルフェーヴル/クリストフ・スミヨン/2着
- アヴェンティーノ/アントニー・クラストゥス/17着
激情の
三冠馬およびその帯同馬が参戦。史上二回目の三冠馬挑戦に大きな期待が寄せられ、実際ほぼ理想通りの競馬ができたものの、最後の最後に
反逆謎の失速が発生し大穴ソレミアの2着に敗れた。
前年のリベンジを果たしたい三冠馬とユタカ復活の契機となったダービー馬が参戦。勝ち馬トレヴからは離されたものの、共に掲示板に入る大健闘を見せた。
2年連続の2着となったオルフェーヴルは現地でも高く評価され、後に多少皮肉交じりだが「Almost Arc Winner (ほぼ凱旋門賞馬)」と評された。
史上初となる日本馬3頭の挑戦、しかもゴールドシップ以外の2頭はいずれも母系でかつての凱旋門賞馬トニービンの血を引くという状況だったが、揃って末脚を発揮できず悔しい結果に終わった。
白いアイツはハナから気が乗っておらず、出走前に欽ちゃん走りを披露するなどファンサに余念がなく「フランス観光」などとネタにされたが
当年のダービー馬が参戦。前哨戦のニエル賞に勝利していたため期待されたが、本番では直線で伸びきることができず敗北。
以降マカヒキは長い長いトンネルに入るが、まさかこの後6年間も現役を続けるなんて誰が予想しただろうか。
サトノ軍団初のGⅠホースとその帯同馬が参戦。馬主の里見氏の夢を叶えるべく挑むが、後に紹介する超名牝エネイブルの15,16着。
元より高齢のノブレスはともかくダイヤモンドは同期のマカヒキ同様、遠征以前の輝きを失ってしまう結果となる。
京都記念を勝利していたクリンチャーが参戦したが、地力の差をひっくり返すことはできず、エネイブル2連覇の陰で17着に敗れた。
- キセキ/クリストフ・スミヨン/7着
- ブラストワンピース/川田将雅/11着
- フィエールマン/クリストフ・ルメール/12着
5年ぶりの日本馬3頭体制での参戦。それぞれが菊花賞、有馬記念、天皇賞春を制している日本屈指のステイヤーだったが、それでも世界の壁に届くことはなかった。
秋華賞制覇後
イギリスにわたり、日本生産馬初のイギリスGⅠ制覇を達成した国際派の名牝が参戦。
世界一の中距離レースの一つチャンピオンSでも3着に好走した実力者だったが、本番では加速が足りず8着と敗れた。
正直実力に対してかなり過小評価されている一頭な気がする
- クロノジェネシス/オイシン・マーフィー/7着
- ディープボンド/ミカエル・バルザローナ/14着
記念すべき第100回となる凱旋門賞。
牝馬初のグランプリ三連覇を果たした稀代の女傑と、前哨戦のフォワ賞でオルフェーヴル以来の勝利を収めた愛されホースが参戦。
しかし、レース当日はあいにくの雨天。極悪馬場と化した芝の上でディープボンドは満足に力を発揮できず、果敢に二番手につけていたクロノジェネシスも最終直線で力尽きる。
各国の強豪を押し退けて栄冠を掴んだのはなんと13番人気、
声に出して読みたい馬名をもつドイツの英雄
トルカータータッソだった。
史上初となる日本馬4頭、しかも競馬界のエースステイヤー、武豊6度目のダービー馬、海外経験豊富な2頭というタレント揃いでの参戦となった。
数の多さもあり「誰かが勝ってくれるはず……!」と大きな期待が寄せられたが、前年に引き続き日本馬にとって凶兆となる雨天に見舞われ、結果は全員2桁着順という非常に厳しいものとなった。
レース後、力なくトボトボと帰路を進む他の3頭を颯爽と横切るステイフーリッシュが、敗戦に打ちひしがれたファンの数少ない癒しになったとかなんとか。
本年の勝利馬は、
イギリス出身でGⅠを5連勝していた芦毛の女傑アルピニスタ。
5歳牝馬の凱旋門賞勝利は1936・1937年連覇のコリーダ以来2頭目である。
折しも同年9月にはエリザベス2世が崩御されており、亡き女王陛下に凱旋門賞勝利を捧げるかたちとなった。
その後はジャパンカップにも参戦する意向を見せ、来日の準備も進めていたものの、11月上旬に故障を患ったため断念、そのまま引退且つ繁殖入り。
4歳以前はパッとしない成績だったものの、この年5歳になってから突然力をつけ、世界最強馬
イクイノックスを追い詰める程にまで至った新進気鋭の牝馬が参戦。
ルメール騎手の好騎乗も相まり、結果は4着と久々に掲示板入りする大健闘をしてみせ、ファン間ではだいぶ厭戦気分も出てきた凱旋門賞挑戦に再び一筋の光を見せることとなった。
掲示板入りは2013年の
オルフェーヴル・キズナ以来10年ぶりであり、牝馬としてはハープスターを超え史上最高の着順となった。
やはりステゴの血しか信用できない
本年の勝利馬は、デビュー以来
無敗で仏ダービー含む5連勝を達成していた末脚の鬼エースインパクト。
ちなみにディープとは何の関係もない。
道中はスルーセブンシーズと同じく後方で待機していたものの、最後の直線凄まじい末脚を発揮し、実力の差をまざまざと見せつけた。
無敗での凱旋門賞制覇は史上10頭目の快挙であり、リボーやラムタラ、ザルカヴァといった歴史的優駿の仲間入りを果たす結果となった。またその功績が認められ、欧州年度代表馬にも選出されることに。
次走に関しては様々な噂がたっていたが、結局6戦6勝というパーフェクトな戦績を手土産に引退。今後は種牡馬としての活躍が期待される。
2020年の凱旋門賞馬であるソットサスを全兄に持ち、これまで多くの海外G1を制してきた『世界のYAHAGI』こと矢作芳人調教師が管理する良血馬が参戦。
日本では日本ダービー3着と好成績を残し、前哨戦となる愛チャンピオンSではオーギュストロダンを始めとする欧州の強豪相手に3着に食い込んだりと欧州適性の高さを見せていたため期待されていたが、本番では最後の直線で持ち前の末脚を見せる事ができずに二桁着順の惨敗に終わった。
…が、凱旋門賞の出走の後は寧ろ調子が良くなったらしく、フランス帰りのジャパンカップでは日本総大将ドウデュースにクビ差で2着に迫るという大健闘を見せた
シンエンペラーの今後の成長に期待したい。
また本レースには、ドイツGⅠ馬アルリファーがレジェンド武豊騎手を鞍上に挑戦したが、同じく直線で伸びず11着に終わった。
本年の勝利馬はイギリスの牝馬ブルーストッキング
2023年までは中々勝ちきれないレースが続いたものの、2024年にミドルトンフィリーズS(G2)を制すると続くプリティーポリーSを制して初G1勝利。欧州最高格のレースKGVI&QESで2着に好走した後、前哨戦G1ヴェルメイユ賞も制して見事に凱旋門賞の栄誉に輝いた。
鞍上のロッセ・ライアン騎手は24歳ながら英リーディングで二位につける期待の新星であり、本勝利をうけて「世界の頂点にいるような気分だ」とコメントしている。
その他、1997年には武豊・
サクラローレルのコンビによる凱旋門賞挑戦が予定されていたが、その前に挑戦したフォワ賞で引退に至る程の重傷を負った事から断念している。
偉大な勝ち馬
何十年もの間世界一のレースとして君臨し続けている凱旋門賞には、過去に多くの歴史的名馬が参戦・優勝してきた。むしろ、そういった強豪の参戦こそが、凱旋門賞の名声を高めたというべきかもしれない。
本項では、そのような勝ち馬の中でも、今なお語り継がれるような伝説的名馬について紹介していきたいと思う。怪物が多すぎて選定がむずすぎたのは内緒
リボー(1955年、1956年)
調教国:イタリア
生涯戦績:16戦16勝(生涯無敗)
主な勝ち鞍(凱旋門賞以外):ジョッキークラブ大賞、KGⅥ&QES
歴代最強の競走馬とは。それは、競馬ファンなら一度は考えるであろう永遠の論題である。
もちろんこの問いに対する決まった答えなど存在しないわけだが、その候補を挙げろと言われた時に間違いなくピックアップされるのが、伊国の誇るスーパースターリボーであろう。変な名前とか言ってはいけない。
「魔術師」の異名をとった天才馬産家
フェデリコ・テシオが
手塩にかけて生み出したリボーは、
デビュー戦から連戦連勝。
国内で7戦7勝の成績を収め、
もうイタリアに敵はいないとばかりにフランスへ遠征を行った。
ただ当時(今も?)、
イタリア競馬のレベルはイギリスやフランスには遠く及ばないという評価が一般的であり、初の遠征となった
1955年凱旋門賞では
3番人気にとどまった。
しかし、この後競馬史に名を残すことになる優駿にとって周囲の評判など関係なかった。本番では2着に3馬身差をつける圧勝劇を披露し、ヨーロッパ中を驚かせた。
その後、母国イタリア最大のレースジョッキークラブ大賞を15馬身差で勝利したり、欧州最高格のレースであるKGⅥ&QESをレース史上最大着差の5馬身差で勝利したりと、蹂躙の限りを尽くした。
そして、ラストランとして連覇のかかる1956年凱旋門賞に出走。当たり前のように一番人気におされたリボーは、「発射台から射出されたミサイルのごとき」走りを披露し、今なお凱旋門史上最大着差タイとなる6馬身差での勝利を収めた。
なお、この6馬身差というのはあくまで公式発表で、実際映像で見ると約8.5馬身差ではないかという説もある。もしその場合、この記録はぶっちぎりで単独最大着差ということになる。リボーさんマジぱねぇ……!
結果、生涯無敗、凱旋門賞連覇、ほぼ全戦で圧勝と、どこにも文句のつけようのないパーフェクトな成績を残し引退。その走りぶりはサラブレッドの理想形そのものだと称えられ、リボーは今なお究極の存在として語り継がれている。
シーバード(1965年)
調教国:フランス
生涯戦績:8戦7勝
主な勝ち鞍(凱旋門賞以外):英ダービー
日本には、
わずか四度の戦いで神話になったと評される競走馬が存在するが、それに倣えばシーバードは、
わずか二度の戦いで神そのものになった馬とでも言うべきなのかもしれない。
由緒正しき
英ダービー、
凱旋門賞にて、
今も語り継がれる程の神がかり的なパフォーマンスを披露し、
20世紀トップの評価を与えられたフランス史上最高の英雄、それがシーバードである。
1965年の英ダービーは、シーバードという馬が世紀の名馬であることを全世界に証明するだけの舞台にすぎなかった。
道中中団で追走したのち、最後の直線で合図と共に恐ろしい末脚を披露。並ぶ間もなくぬかすと、最後は騎手が手綱を緩めるほどの余裕を見せ優勝。つけた着差は2馬身だったが、まともに追っていれば10馬身差もありえただろうと評された圧倒的勝利であった。
そして同年の凱旋門賞、シーバードをうち負かすべく今でも史上最高と目されるメンバーが集まった。
仏ダービー含む5連勝中だったリライアンス、米国最優秀3歳馬トムロルフ、ソ連三冠馬アニリンなどの強豪が一堂に会し、虎視眈々と玉座に狙いを定めていた。
ところが、この舞台でシーバードは凄まじいにも程がある走りを見せることとなる。
最後の直線先頭にたつと、舐めプかの如く斜行しながらなぜか更に加速。2着馬リライアンスに6馬身差というさっきもみた史上最大タイの着差をつけ優勝した。
結果、そのパフォーマンスには
当たり前だがとにかく最高に近い評価が与えられた。
フランス馬に関わらず
イギリス年度代表馬に選定され、タイムフォーム・レーティングの値は何と
145。
当時史上最高値なのはもちろん、
20世紀の間これに並んだものは現れず、その更新は空前絶後の伝説マイラー
フランケルの登場を待たなければならなかった。
まさに公式で認められている20世紀最強馬シーバード。直訳すると単なるウミドリだが、其の実ガルーダやフェニックスの類いだったのかもしれない。
調教国:
イギリス
生涯戦績:
10戦8勝
主な勝ち鞍(凱旋門賞以外):
2000ギニー、エクリプスS、KGVI&QES
本馬の紹介をはじめる前に、ご存知ない諸兄はぜひ1986年凱旋門賞の映像をご覧あれ。カテゴリは多分「衝撃映像」
……おわかりいただけただろうか。おそらく初めて見た人は何が起こったか分からなかったかもしれない。
最後の直線、先頭で熾烈なたたき合いがされていると思ったら、一頭の馬が突然意味不明な末脚を繰り出して優勝をかっさらっていったのだから。
合成か早送りか勘違いするようなとんでもない末脚を見せつけたこの馬こそ、歴史上最高追い込み馬の呼び声高い「踊る勇者」ダンシングブレーヴである。
先に説明したように、凱旋門賞が行われるロンシャンの舞台は
末脚に賭ける戦法そのものが否定されるような地獄の洋芝馬場である。そのため、
追い込み馬はそもそも脚質を変えなくては勝利はほど遠いとされてきた。
ディープインパクトや
ハープスターといった稀代の末脚自慢さえ、その実力を完全に発揮できなかったという事実もこの定説の後押しとなっている。
しかし、異次元の脚の勇者はそんな定説を真っ向から叩き潰すことに成功した。
道中後方に位置し、最後は大外に回らざるをえない不利をうけたものの、そこから1ハロン10秒8の豪脚を披露。レコード更新のおまけつきで優勝し、競馬場は大きな歓声に包まれた。
ちなみに、驚異の末脚を披露したのはこの凱旋門賞だけではなく、以前に出走した英ダービーやエクリプスSでも同様であった。滅茶苦茶な豪脚を見せたのに負けたダービーでは騎手が大バッシングを受けてしまったが……。
現役引退後も
"勇者"の威光は健在だった。マリー病という難病に罹患するという不運に見舞われ日本に売却されるものの、
病ゆえに種付け数を制限せざるを得ない状況でありながら種牡馬として大成功。
テイエムオーシャンや
キングヘイローといったGⅠ馬を輩出したことで日本での知名度もグンと上昇することになった。
また、イギリスでも売却後に産駒からG1ホースが輩出されたこともあり、事後諸葛亮達が国の英雄の安易な売却を大いに批判したらしい。
病の進行が進みわずか16歳での早逝となったダンシングブレーヴ。激しい痛みに耐えながら仁王立ちでこの世を去ったその姿は、まさしく伝説の勇者そのものであったといえよう。
パントレセレブル(1997年)
調教国:フランス
生涯戦績:7戦5勝
主な勝ち鞍(凱旋門賞以外):ジョッケクルブ賞(仏ダービー)、パリ大賞
連覇や無敗が無いからか、フランスでしか走っていないからか、日本メディアの作りで謎に3冠扱いの英ダービー・KGⅥ&QESに勝ってないからか、日本では地味なところがあるが最強馬候補の1頭。少なくとも、90年代欧州最強馬を問われた時にはその筆頭候補となりえるだろう。
さて、本記事でも上述の通り日本馬が勝てないのは馬場の差とタイムを見て言われることがあるが、本馬は同年のジャパンカップ(もちろん良馬場)の1秒以上も早く走破した馬である。
仏ダービー、パリ大賞と3歳中長距離で活躍した後、凱旋門賞に照準を合わせて夏を休養。たたき台のニエル賞こそ2着だが、凱旋門賞ではあの日欧米を回ってGⅠを6勝した
勃起王ピルサドスキーに
5馬身差の圧勝。
そのタイム
2分24秒6は同年のジャパンカップでその本馬に圧倒されたピルサドスキーが
エアグルーヴを押さえて優勝した時の2分25秒8を1秒以上上回る当時の日本の馬場にまったく劣らないタイムである! この勝利で
139のロンジン・レーティングを得た。
その後、
フランケル旋風のノリに押されて昔の名馬が高すぎるんじゃないかと137ポンドに引き下げられたが、今もなお
フランケル・
フライトライン・
ダンシングブレーヴに次ぐ
4位・凱旋門賞馬としては2位の評価を得ている。
また、生涯その鞍上を務めた世界的名手オリビエ・ペリエは後に本馬について、「非常に賢い馬であり、彼に跨ってるときは最高級のワインを飲んでるような気分だった。」とオサレすぎてあまりピンとこないが最上級クラスの評価を与えている。
種牡馬として日本や凱旋門賞に関連する馬としては、
ディープインパクトが参戦した凱旋門賞2着の
プライドなどを輩出している。
トレヴ(2013年、2014年)
調教国:フランス
生涯戦績:13戦9勝
主な勝ち鞍(凱旋門賞以外):ヴェルメイユ賞、サンクルー大賞
実に36年ぶり、
牝馬としては何と77年ぶりに凱旋門賞の舞台で連覇を果たした、
ザルカヴァと並ぶ
近代フランス最高の名牝。
憧れの凱旋門の舞台で三冠馬
オルフェーヴルをはじめとする
日本馬5頭の夢を砕ききったジャパニーズキラーとしての側面もある恐ろしい女傑である。
そんな女傑の生まれた頃の評価は、
今では全く信じられないほど非常に低いものであった。血統があまりパッとしたものではなく、馬体も小柄であったせいか、何と
セリで買い手がつかない事態に!
やむなく生産した牧場が
馬主となりデビューを迎える。
ところが、実際に走ると
とんでもない才能の持ち主であることが判明。
フランスオークスをコースレコードで制覇し、
4戦無敗の成績をひっさげ凱旋門賞に赴いた。
欧州のライバルに加え、前年僅差の
2着に敗れたものの
実力は天下一品の三冠馬
オルフェーヴル、レジェンドの新たな相棒にして
前哨戦ニエル賞で欧州勢を下したキズナといった日本勢が立ちふさがったが、本番では
重馬場とは思えない目覚ましい末脚を披露。
5馬身差という驚異的パフォーマンスを見せ優勝した。
この勝利には国際的にも非常に高い評価が与えられ、当年の世界ランキングでは牝馬の身ながら首位を獲得、世界の頂点に君臨した。馬主は売らなくて幸運だったが、逆にあの時セリで買わなかったことを後悔したホースマンは何十人いただろうか
ところが、何と翌年トレヴの成績は斜陽気味になる。初戦でよもやの敗北を喫し無敗記録が途絶えると、あの神がかった末脚の面影が失われ、あれよあれよと三連敗。一勝もできないまま凱旋門賞へ挑戦することとなった。
「トレヴは終わった」「せめて前年のうちに引退させておけば」そんな声がささやかれるほどになってしまったトレヴは、7番人気と大きく人気を落とすこととなった。
せめてその勇姿を見届けようと、ロンシャンには多くの人が集まった。ある者は諦め、ある者は祈り、ある者は信じて。
そして本番。トレヴは
騎手の一世一代の賭けもあり、
馬群を割いて見事優勝。
世界の競馬史に残るともいわれるような奇跡の復活を果たし、場内は歓声に包まれた。
その後、明らかに調子を取り戻したトレヴは翌年連戦連勝。ラストランの凱旋門賞では伸びが足りず3連覇とはならなかったものの、13戦9勝という立派な成績を残して引退となった。
怪物じみた圧倒的ポテンシャルと、人々を惹きつけるドラマ性。一見相反する両者を内包したトレヴは、間違いなくフランスの誇りだったといえるだろう。
エネイブル(2017年、2018年)
調教国:イギリス
生涯戦績:19戦15勝
主な勝ち鞍(凱旋門賞以外):BCターフ、エクリプスS、KGⅥ&QES(3勝)
欧州競馬の二大巨頭ともいえる凱旋門賞、KGⅥ&QES双方の連覇(後者は歴史上初の3勝!!)を達成し、さらにはアメリカ遠征までも成功させたイギリス史上最強牝馬の一頭。
活躍が比較的近年なおかげか日本での知名度も非常に高く、英国のみならず全世界からその動向が注目されたスーパースターホースである。
紛れもなく2010年代末期の凱旋門賞を象徴する馬であったと言えよう。
デビュー3戦目から古今東西最高の騎手と名高い名手
ランフランコ・デットーリとコンビを組むと、
破竹の勢いで連戦連勝。
2年強もの間一度も敗北を喫さず全レースで勝ち続け、
凱旋門連覇を含む11連勝(うちGⅠ9勝)を達成した。
もし日本にいたら平成末覇王とでも呼ばれていたかもしれない
また、凱旋門賞連覇達成の後、陣営は何とアメリカ遠征を決断。わずか1か月弱しか空きのないBCターフへの参戦を表明する。
一歩誤れば酷使にもなりかねない状況だったが、世界一の女王にそんな不安は通用しなかった。同じく歴史的名牝の一頭マジカルとの真っ向勝負を制し、見事優勝。
同一年の凱旋門賞、BCターフ制覇は歴史上初の出来事だった。そもそも「凱旋門賞と同一年に別のGⅠに連続出走して優勝」という出来事自体、30年近く達成例のない快挙で、エネイブルがいかに規格外の存在だったかを物語っているといえる。
やっぱり地獄のロンシャンを走ると皆調子が狂わされるのかもしれない。
ところで、
エネイブルと活躍が同時期であったことで知られる世界的名牝が2頭存在する。
一頭は
GⅠ25勝&33連勝という
ゲームでもありえないような大記録を残したオーストラリアのUMA
ウィンクス、そしてもう一頭こそが
芝2400mの世界記録更新、日本GⅠ9勝という歴史的偉業を成し遂げた
三冠牝馬アーモンドアイである。
結局互いに一度も対戦が叶わなかった最強の3頭だったが、
その世紀の対決を一度この目で見てみたかったファンは少なくないはずだ。
前人未踏の数々の記録を樹立し、その走りで世界中を虜にした女帝エネイブル。その名の通り、不可能を「可能にする」ワンダーホースであった。
追記・修正は、いつの日か日本馬が凱旋門賞制覇を成し遂げることを祈りながらお願いします。
- ルパン三世の「ベネチア超特急」という話では、ルパン自身が騎手になって凱旋門賞に出る話がある(おまけに銭形もルパンを追うために騎手として出場する) -- 名無しさん (2023-08-19 18:54:09)
- エッフェル塔の置物、なかったら凱旋門の置物でもいい、は秀逸だったな -- 名無しさん (2023-08-19 19:34:21)
- お疲れ様です「夢という名の呪い」で「うん?」と来た後「このリンク貼りたいだけ」と「これがやりたかっただけネタ」と「ぶっちゃけ記事書いた人が狙ったネタだけど、元ネタ知ってる人はピンと来るしそうでなくともきちんと文章の流れの要からはそうズレてはいない」体裁を整えてぶっちゃけてくノリは個人的には好きです -- 名無しさん (2023-08-19 20:14:51)
- みどりのマキバオーとたいようのマキバオーの時代と作風の違いが表れまくってるのがコース形態の解説とカスケードの敗北とダイナスティ(と挑戦者たち)の勝利を描いてる凱旋門賞だと思う -- 名無しさん (2023-08-19 22:12:30)
- 名誉あるタイトルで勝った馬は紛れもない強者ってのは納得だけど、所謂名勝負がたくさん生まれたかって言われると違う気もする -- 名無しさん (2023-08-19 22:15:00)
- 存在しないリンクを作ってしまったすいません。連続更新しようとすると機械的な操作とアットウィキが判断したため~で規制になるんで次に編集する方修正お願いします -- 名無しさん (2023-08-19 22:49:10)
- ほんとに惜しかったのもあるから余計にもどかしい -- 名無しさん (2023-08-19 23:05:03)
- 「単に力負け」とは言うが、凱旋門賞勝利馬でジャパンカップに勝利した馬もまた一頭もいないというのはせめて併記すべきだろう。凱旋門賞の覇者がどんな馬場でも最強なら両取りしてる馬がいてもおかしくないわけで -- 名無しさん (2023-08-20 00:53:35)
- ↑記事作者です。矢作師は決して適性の差を否定している訳ではなく(むしろ大いに認めたうえで)、適正差「だけ」にこだわり勝ち馬と日本馬との実力差を認めようとしない態度を否定しているのだと思います。ある意味我々日本の競馬ファンへの諫言というか、言い訳せず真っ向から本気で勝利を目指している矢作師らしいコメントだと感じ掲載しました。 -- まさてる (2023-08-20 01:47:37)
- 基本的にはぶっつけ本番か前哨戦のフォワ賞も挟むかのほぼ二択しか無いからなあ 2400m勝利の実績が有って、洋芝慣れの為に欧州で長期滞在させるってシリウスシンボリやエルコンドルパサーの手段は陣営側の負担が大きくて中々取れない -- 名無しさん (2023-08-20 02:27:01)
- 日本だと西洋芝の競馬場は北海道の札幌競馬場と函館競馬場だけなんで普通に考えてこの二つの競馬場で好成績を挙げてる馬が凱旋門賞の適正が高いと考えられる。あといっそジャパンカップを現在の東京競馬場から札幌競馬場か函館競馬場に移して開催日も前倒しして凱旋門賞のステップレースにジャパンカップを使えるようにするのはどうだろう?海外の一流馬がジャパンカップをスキップして海外の馬が一頭も出走しないとか現状ジャパンカップは本来の役割を果たせていないし早急な改革が必須。 -- 名無しさん (2023-08-20 04:28:05)
- ↑前年度の凱旋門賞馬がジャパンカップに参加してくれたら優勝賞金とは別に出走料として一億円払うとかもアリだと思う -- 名無しさん (2023-08-20 04:34:21)
- こうしてみるとマジで勝てるレースで負けた2012年が大戦犯すぎる… -- 名無しさん (2023-08-20 12:01:14)
- ↑2ジャパンカップには既に報奨金制度で特定の海外G1(凱旋門賞も含む)で勝った馬には出走すると300万ドル渡す事になってる -- 名無しさん (2023-08-21 09:16:42)
- 白井最強「サドラーズウェルズの系統やな」 -- 名無しさん (2023-08-21 14:49:32)
- ↑3 オルフェ「照れるわ」 -- 名無しさん (2023-08-21 15:23:41)
- ↑6わざわざ凱旋門に合わせてジャパンカップを移すとか日本競馬が欧州に負けてるって認めるような物だから論外でしょ、ジャパンカップに次ぐ国際招待競争を作るならともかく -- 名無しさん (2023-08-21 18:11:23)
- ↑あくまでも日本の馬が凱旋門賞に勝つ為にはどうすれば良いかという思考実験だから。あと現状日本競馬が欧州に負けているのはその通りだと思うし。そもそも世界に通用する強い馬を作る為、世界の一流馬を日本に呼び日本の馬と競わせるのがジャパンカップの目的なのに海外の馬が0とかそれこそ開催する意味有るのかってレベルだろう -- 名無しさん (2023-08-21 19:09:58)
- リンクのみならずこの項目の全体の雰囲気に合わせた修正ありがとうございます!>パントレセルブル追加した人 -- 名無しさん (2023-08-21 21:20:02)
- 矢作調教師の言葉についての受け取り方については完全にこっちの想像でしかなくない?上のコメントみたいな意味だったとしても項目内の内容じゃ伝わらない気する。 -- 名無しさん (2023-08-22 11:50:07)
- ↑おっしゃる通り、矢作氏の発言の解釈は完全に私自身の勝手な想像であるため、『項目の内容じゃ伝わらない』のではなくそんなものが伝わるようではよろしくないと思います。項目では中立性担保のため、馬場適性重視の視点から福永氏の発言を、実力差重視の視点から矢作氏の発言を引用しましたが、(私自身どちらかというと後者寄りのため)もしかしたら中立性を欠いた表現となっていたかもしれません。その点に関しては申し訳ございません。 -- まさてる (2023-08-22 20:36:58)
- 日本産馬が勝つにはマルシュロレーヌみたいな芝もある程度走れるダート馬じゃないと駄目な気がする。 -- 名無しさん (2023-08-24 01:30:39)
- なんか日本の馬に偏った記事だね -- 名無しさん (2023-08-25 19:00:52)
- ↑6ジャパンCに参戦していないのは結局は欧州馬に日本の馬場は合わないという理由だからだろ。何の理由で日本競馬が欧州に負けていると言っているのか説明してくれや。 -- 名無しさん (2023-08-28 10:52:16)
- ↑21 というか凱旋門賞馬の扱いに「みどりのマキバオー」と「たいようのマキバオー」の違いが出てると思う。『みどり』では絶対的な王者の称号だったけど『たいよう』では「競馬界の頂点の賞」ではあるけど「絶対的な頂点」ではないんだよね。 -- 名無しさん (2023-08-30 21:39:34)
- スルーセブンシーズ単勝一本勝負いきます がんばれ! -- まさてる (2023-10-01 22:09:31)
- うわあああ4着! -- 名無しさん (2023-10-01 23:38:35)
- 結局エースインパクトも引退か…イクイノとの対決見たかったな -- 名無しさん (2023-10-13 10:20:22)
- トレヴの脳焼き力相当だなこれ -- 名無しさん (2023-10-13 10:52:28)
- モンジューはここに記されてもいいような気がするな… -- 名無しさん (2024-06-09 07:53:20)
- 欧州勢はこれまでに何度もジャパンカップ勝ってきてるけど日本勢が凱旋門を勝ったことはこれまでに一度もない。こうなっている以上「わざわざ凱旋門行く必要ない」というのはただの酸っぱい葡萄でしかない。 -- 名無しさん (2024-06-18 18:28:56)
- さて、今年はどうなる? -- 名無しさん (2024-09-01 09:47:31)
- 今年はかなりチャンスなんじゃねえの? -- 名無しさん (2024-09-28 13:24:32)
- ルックドゥヴェガもソジーも強いけど、シンエンペラー頑張って欲しい!ちょい気になるのはマルキーズドセヴィニエかな -- 名無しさん (2024-10-04 11:38:20)
- ブルーストッキング強い!レベルスロマンスを下した実力は伊達じゃないなあ -- 名無しさん (2024-10-06 23:50:56)
- まだ凱旋門賞の壁は高いな… あと、1頭肺出血からの予後不良に… -- 名無しさん (2024-10-07 01:19:24)
- ポジションも良くて馬の状態もよくて血統も良くてこれだと、完全に力負けかな... 矢作先生の言葉通り馬場だけを言い訳にはできないし、やっぱり海外馬は強いよ。ただこれで終わりじゃないし、ずっと応援していくしかないな。 -- 名無しさん (2024-10-07 02:39:23)
- 分からない…血統でもダメなら何が必要なんだ? -- 名無しさん (2024-10-07 09:54:16)
- 結局向こうで調教してないとダメなんだろうか -- 名無しさん (2024-10-07 13:21:34)
- そう考えると去年のスルーセブンシーズは掲示板に入れただけでも大健闘だった。 -- 名無しさん (2024-10-07 15:38:30)
最終更新:2025年01月10日 17:26