登録日:2011/04/30 Sat 09:47:35
更新日:2025/03/16 Sun 01:21:37
所要時間:約 5 分で読めるのじゃ!
アルバート・W・ワイリー(Dr.ワイリー)とは、『
ロックマン』シリーズに登場する天才科学者じゃ。
名前の由来は英語で
狡猾を意味するWilyから。
W概要
本家ロックマンのナンバリングタイトルでは必ず
ラスボスとなる。
ロックマンに敗れると「すまんかった!」と
土下座して許しを請うのはもはやシリーズお約束。
ジャンピング土下座という画期的土下座方法も彼の発案である。
数多くの戦闘ロボットを生み出すだけでなく、短期間で大規模な要塞を建造したり独力で
軌道エレベータを造ったりと、どこぞの
ばいきん男に匹敵する創造力と科学力に加えて巧みな変装技術も持つトンデモじじい。だがほぼ毎回金欠。
彼が作る要塞や戦闘メカには必ずドクロをあしらっている。正体を隠している状態では、代わりに変装対象のシンボルを要塞にあしらう。
外伝ではあるがタイムマシンを作ったこともある。
ライト博士とは大学時代からのライバルであり親友だったが、ロボット工学では彼に一度も勝てたことがない
永遠のNo.2。
子どもの頃から
恐竜が好きで、ロボットのデザインにも度々取り入れている。趣味は卓球。
実はワイリー自身は乗り物に弱く、毎回乗り物酔いしてるにもかかわらず、頑張って乗っている。眉毛を上に動かす癖がある。
ちなみに有賀先生の漫画版では細身で、ナンバーズを愛する素敵オヤジ。ドクロ柄のネクタイがオシャレ。
若かりし日の姿も描かれており、当然まだハゲていないのに加え、
がっしりとした顎に鷲鼻が特徴的な眼光の鋭い猛禽類のような雰囲気の青年で、
黙っていれば結構な男前である(内面はたぶん現在とそう変わっていない)。
W経歴
ライト博士のもとから逃げ出して行き倒れた
ブルースを捕獲・研究し、高性能ロボットの製作技術を盗むついでにブルースを太陽光発電から原子力発電に改造する。
その後カットマンたち
ライトナンバーズにも
魔改造を施し、ロックマンとの長い戦いの歴史が始まる。
ロックマン2以降
『
ロックマン2』からは自作のロボット達でロックマンに挑むようになるが、毎回なにかと詰めが甘く、
資金不足もあってワイリーナンバーズやワイリーメカの中には代替部品やしょうもない欠陥をもつ機体も少なくない。
配線ミスで変形不可になったり出力設定を間違えたり…気づいた時点で直せよ。
遠い未来でも彼によく似た人物が登場したりラスボスに最強のボディを提供したりするが、それも不完全に終わっている。
ロックマンの設計図を盗み出して、それを基に自ら発明した新エネルギー『フォルテニウム』を使った最強のロボット・フォルテを作製するが、
そんなフォルテでもロックマン打倒には至らなかった。
タイムマシンで未来の自分と共謀して未来のロックマンの捕獲にも成功したこともあり、
さらにそのロックマンを改造した『クイント』を現代のロックマンと戦わせるなど、なかなかいい性格の持ち主でもある。
この時幾度となくロックマンの改造に失敗したようで、WS版『ロックマン&フォルテ』にはクイントの失敗作が登場する。
なお、この一件でロックマンの逆鱗に触れたのか、オーバーキルレベルの攻撃を喰らって大気圏に突入してカプセルが大爆発したが何事もなかったかのように次回作に登場した
他にもブルースの偽物作ってロックマンを誘き出したら、本物もやってきた事に驚いたり、
バレッバレの変装してワイリーの黒幕は自分だとか変な事言い始めたりとツッコミどころ満載の計画を立てる事も。
その一方でDr.コサックの娘カリンカを人質に取り自分の代わりに世界征服を行わせたり、
ライトの偽物と廃棄される予定のライトナンバーズを利用してライトに無実の罪を着せることで警察に逮捕させ、自分は正義の味方のフリをして民衆から資金援助を募るという悪の所業らしいことを行うこともある。
ロックマン10では、宇宙から飛来した隕石からロボットに感染する新ウィルス『ロボットエンザ』を
偶然発見。
それを新たな野望に利用したが、同時に危機感も感じていたようで、ロボットエンザのワクチンも発明している。
ファンの間では、実はこれこそが後の時代のΣウィルスのもとではないかとも言われている。
後にロックマンに敗れたワイリーはインフルエンザに掛かっていたことで警察ではなく病院送りに。
その後、借りは作らんとばかりにロボットエンザのワクチンを自身の病室に沢山置いて脱走した。
なんか憎めない爺さんである。
ちなみに初めから自分の意志でロックマンに挑んだ作品は1・2・7・8・11・ワールド1~4・メガワールドなど。
WDr.ライトとの因縁
彼が上記のような悪行に手を染めるようになったのは、ライトに対するほぼ一方的な逆恨みや妬み等の個人的感情…からではない。
前述のようにロボット工学におけるワイリーというのは、ライトには一歩及ばずいつも2番目。しかし彼にとってそんな事はどうでも良い事だった。
さらにその独自性が強いだけでなく、彼とライトの理論は周囲の頭の固い教授達には決して理解されなかった。
決定的となったのがダブルギアシステムの一件である。
ロボットに心を持たせることで人間との共存を主張するライトに対し、ワイリーは圧倒的なパワーとスピードで力を示すことによって初めて人間とロボットは対等になれると主張。
そのためのダブルギアシステムの開発を提案するが、ロボットへ過大な負担が掛かってしまうという欠点を顧みなかったワイリーの考えにライトは拒絶反応を示した。
結果、彼の研究は凍結されることになってしまった。
そうしているうちに、彼は自分を認めない世の中を恨み、ロボットのみに愛を注ぐようになっていった。
彼の基本的な行動理念は「ロボットのため」とされている。
ロックマン9では、人間の都合で設けた期限によって廃棄されるはずの工業用ロボットたちを救おうと改造した(例によって魔改造であるが)。
…と言えば聞こえは良いものの、実際は彼等に破壊活動をさせてその責任をライトに押し付けている。
自身は正義に目覚めたと偽って世界中から「暴走するライトのロボット達に対抗する為のロボットを造る」と称して金をせしめるという悪質極まりない詐欺行為を働いている。
更にエンディングでは、詐欺映像制作に利用したライト博士を模したロボットを使い捨ての道具にしてロックマンを騙す卑劣さも見せており、
それ以前の作品での行動を省みても、ワイリーはロボット達を自分の欲望を満たす為の道具扱いしかしていないとしか思えないのも事実である。
Wワイリーが手がけたロボット達
【自作のロボット】
【彼がちょっかいを出したもの】
- ブルース
- 未来のロックマン(クイント)
- 一部のライトナンバーズ(1・9の8ボス)
- 4・6・11の8ボス
【ワイリー製と思われるもの】
- ゼロ
- ロボット破壊プログラム
- サーゲス
- アイゾック
W余談
『
ロックマンX』シリーズには彼を彷彿とさせるキャラクターが何度か登場する。
X2のサーゲスはエックスを「ライトの忘れ形見」と呼び、散り際には「また敗れるのか」と口にしている。
X4でもドクターらしき人物がシルエットで登場。
X6のアイゾックはエックスがハイマックスを倒すと憤慨、ゼロがハイマックスを倒すと歓喜する。
「ゼロの事は自分が一番知っている」、「ゼロこそが最強」などゼロに相当入れ込んでいる様子(X5でも存在が示唆されているどころか、シグマのパトロンとして事件に関与している節が見受けられる)。
ゼロに対して「また会おう」と言い残して退場したため、今後の続編が出るとすればアイゾック(もしくは彼の魂を持つもの)の再登場が期待されている。
その後長らく初代の系譜にあたる作品では姿が確認されていなかったが、Xよりも遥かな未来に当たるロックマンZXAでは初代ロックマンに登場する三大博士と同じ名前を持つ『三賢人』(世界で一番エライ人)の一人『
マスター・アルバート』が登場している。彼がスペアボディに移し替えたワイリー本人なのか、はたまた
エグゼのリーガルのような自分の子孫なのかについては定かではない。
また、こんなエピソードがある。
その昔、カプコンがロックマンの敵キャラを募集していた頃、募集期間の締切を過ぎた後に一通の応募手紙が届いた。
しばらく経ち、その手紙の送り主に一通の手紙が届く。
「あいにくじゃが、今はロックマンを倒すロボットは募集していないんじゃ 次の機会にまた送ってくれ ワイリー」
実は子供の夢を崩さない、いいじいさんである。
スーパーアドベンチャーロックマンというゲームでは、ワイリーの「自分のロボットに対する愛情」がきちんと描かれている。
池原氏のマンガでは「ロボットがどんなに壊れようと知った事か」と暴言を吐いていたが、
元々公式ではニコニコしながらロボットを作っているイラストも有り、きちんと愛情を持っているのである。
世界そのものを滅ぼす事は望んでおらず、「悪人だが憎めない」という側面が強調されている。 100年後にしでかす事はこの際気にしてはいけない。
『ギガミックス』最終話ではコミカルなキャラとして描かれているが、時系列的には後となる『メガミックス』9編ではシリアスな面が強調されている。
ちなみに、ギガミックスでは若い頃の2人が共同製作したロボが登場しているが、
元ネタは2のボスコンテスト用の公式イラストに描かれた、ワイリーが笑顔で作っている黄色いロボである。
『
ロックマンエグゼシリーズ』の世界について、エグゼ5や劇場版では若い頃の
彼と光正が登場しており、
そのデザインは後に『ロックマンギガミックス』のワイリーとライト博士の若い頃の姿としても使用された。ワイリーは非常にイケメン。
有賀先生は、青野武氏とはCD『ロックマン10 イメージサウンドトラック』の収録現場(
飯塚昭三さんと青野さんによるドラマ風トラックの収録)で会っており、青野さんが亡くなられた際はその時の思い出を語っていた。
ワイリーマシン戦では、コックピットの破損によりワイリーが露出することでワイリーに直接ダメージを与えるような構図になるが、なぜか毎回
無傷。
更には高所から落下しても、鉄くずの塊や鉄骨に押しつぶされたりしても、果ては宇宙空間でミサイルに撃墜され地球に落下し大爆発に巻き込まれたとしても
次回作ではピンピンしているなど生命力も異常。
そして11では
自分自身にスピードギアを使用しているかのように見えたが、これは一体…?
科学者の生命力が異常なのはお約束なのかもしれない
追記・修正してくれ!(土下座)
- ↑17 有賀版のワイリーはロボットの尊厳を守るか、なるほど。その見方もそうかもしれない… -- 名無しさん (2019-12-17 19:59:03)
- 幾度となく世界征服を目論み世界中を震撼させた男の生み出した最後の息子が遠い未来で世界を救った英雄になったという皮肉……いや、むしろワイリー的にはこれはこれでアリなのかな? -- 名無しさん (2020-01-14 15:46:01)
- ↑最強、英雄になった結果だけなら誇らしいんじゃないかな、確実に親バカな所あるだろうし -- 名無しさん (2020-07-24 12:06:59)
- 加えて結果だけ見れば地球がロボット(正確にはデコイという人造人間)の楽園になっているので -- 名無しさん (2020-09-02 18:49:53)
- 9、10、11と見ると9のワイリーだけ不自然に見えてしまう -- 名無しさん (2020-10-26 22:50:51)
- 有賀版ワイリーはなんやかんやでワイリーロボット達に情は見せてるからか、ワイリーナンバーズ達も忠誠心が強い連中が多かった(フォルテは除く) -- 名無しさん (2021-01-02 16:08:52)
- 最後の最高傑作がやがて世界を救うヒーローになる、って辺りで漸くワイリーの若い頃からのロマンが実ったんやなって -- 名無しさん (2021-06-20 00:05:50)
- TEAM SHACHI×ロックマンのコラボ内で既にプログラムデータになっていた事が描写されていた。 他者に理解されなくなったのはワイリーだけでなくライト博士や恐らくはコサック博士も同様だったようだ(小説版Xではワイリー、ライト、コサック達三博士の死後Dr.ケインがエックスの発見とレプリロイドを世に出すまでに相当な年月が経過している)。 -- 名無しさん (2021-07-18 12:48:21)
- コラボでプログラムデータになったは良いが、ワイリー本人は世界制服レベルに止めておくつもりだったにも関わらず、プログラムデータのワイリーは手段を選ばなさ過ぎる点が見受けられる…ワイリーの詰めが甘かったのか、それとも別の外的要因があったのか? -- 名無しさん (2021-07-18 13:00:27)
- 概要の「2人の計画」とか思い当たる描写がないんだけど、原作とメガミックスとをごっちゃにしてる節ない? -- 名無しさん (2021-07-30 22:22:33)
- 1:ライト製のロボットを洗脳→2:カットマンやエレキマンのデータを元に自前の戦闘ロボットを開発→3:ライトと共同開発したロボットを暴れさせる→4:コサックを脅してロボットを開発させる→5:資金難の中ロボットをやりくり。あとブルースの偽物を用意してロックマンとの同士討ちを画策→6:やっぱりライトのロボットはダメだ!(バレバレの洗脳で)世界各地から集めた優秀なロボットを洗脳→7:ついに逮捕…されたけどこんな事もあろうかとロボット用意しておきました→8:宇宙から落ちて来た謎エネルギーをロボットに組み込む→9:ロボットの稼働期限法を利用してロボットを焚きつける→10:宇宙から落ちて来た謎ウィルスからロボットエンザ発見→11:昔ライトと開発したシステムを民間ロボットに組み込んで暴れさせる シリーズが進むごとに前回の反省を活かしてる風なのが何とも言えない -- 名無しさん (2021-07-30 22:30:12)
- 後年には「ライトとワイリーのロボット観の違いや苦悩って凄い深くて本格ヒューマノイドものにも通じるよね」みたいな扱いになってるけど、それらが有賀版以降の後付けなのかFC時代初期の頃からただのチンケな世界征服系の悪役ではなく深いバックボーンが考えられていたのか気になる -- 名無しさん (2021-09-03 15:38:26)
- お馴染みジャンピング土下座だが実は初期のシリーズしかやってないっぽい。4あたりから逃げる→土下座やカプセルから放り出されて少し唖然とした後土下座というのが多い。11では公式にジャンピング土下座を披露してファンも満足…かな? -- 名無しさん (2021-12-22 21:29:21)
- 尽きない資金とチャレンジ精神 -- 名無しさん (2022-03-24 04:54:13)
- 資金はIT株、詐欺、ハッキングによる電子マネーの違法手段で得ているんじゃないかと思う。 -- 名無しさん (2022-06-06 20:32:34)
- ロックマンさんで(今のところは)ライト博士引退後はおとなしく過ごしてるっぽいのがすげえ不穏。ロックマンXの話踏まえると穏やかな老後過ごしてたロボット大好き爺さんに、ロボット破壊プログラム組ませたりこれまでと主張を180度変えさせちゃう何かが起こりそうなんよね -- 名無しさん (2022-06-13 11:55:03)
- さすがに公式設定とギガミックスの設定をごちゃまぜにして二人の計画とか書いてしまうのは無茶苦茶すぎない? -- 名無しさん (2022-06-13 20:21:12)
- ありが先生の漫画について記述するのは良いけどさすがにゲームと漫画で分けてほしい。もしくはありがひとしロックマンで記事を建ててそっちに書くとか -- 名無しさん (2022-06-24 16:05:50)
- 二人の計画などの独自解釈と思われる部分を削って、有賀版とは別物というニュアンスに書き換えました -- 名無しさん (2022-08-05 15:25:45)
- ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2022-08-05 15:44:13)
- ログ化しました -- (名無しさん) 2022-11-04 16:16:27
- 違反コメントを削除 -- (名無しさん) 2022-11-11 12:04:55
- 数百年後のX時代でも、ライト博士もワイリーも(自我を移したカプセルやロボを用意したり)存在してるんだよね。そのさらに数百年後のゼロ時代では作中に出てこなかったけど、実はまだどっかに居たんじゃなかろうか?って思う -- (名無しさん) 2022-11-13 19:12:13
- 憎めない悪役っぽいとこもあるけど、改造・洗脳・ウイルスばら撒きとやってる事はかなりエグいよね -- (名無しさん) 2024-04-17 16:33:58
- ↑コミカルな雰囲気に反してやってることはれっきとしたテロだからなあ。描かれてないだけかもしれないが後ろ盾なしの単独によるテロリストってのは凄いところだが。 -- (名無しさん) 2024-12-18 16:20:51
- 今更だけど容姿のモデルはお茶の水博士なんだろうか?髪型がそっくり。まあ思想はライト博士に髪型が酷似した天馬博士に近いが -- (名無しさん) 2025-02-21 22:14:10
- ↑天馬博士と -- (名無しさん) 2025-03-16 02:14:39
- (↑続き)お茶の水博士の要素をシャッフルして組みなおしたのがライトとワイリーって感じかな。ライトが「主人公の製作者」「髪型」が天馬博士で「性格および思想」「体型」がお茶の水博士、ワイリーはその逆 -- (名無しさん) 2025-03-16 02:18:59
- 11でライトにダブルギアを否定される前から何度も自身の研究に難色を示してたっぽいし、それで鬱憤が溜まって暴走を始めたみたいなんだよね。初めから2人で協力してればよかったけど、さすがに若い2人しかもお互いライバル視してたから視野が狭くなってたんだろうな -- (名無しさん) 2025-03-30 16:51:39
- ロックマンUSAだと子供のころから理解されなくてライトと共同開発してたブルースが命令聞かない原因をワイリー担当の箇所だと言われて爆発した設定だったな -- (名無しさん) 2025-03-30 17:08:17
最終更新:2025年03月16日 01:21