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電気イスゲーム

登録日:2025/12/02 Tue 20:00:00
更新日:2026/08/07 Fri 09:21:24
所要時間:約 12 分で読めます







12脚のイスに
電流を仕掛け合う
心理戦






電気イスゲーム
ELECTRIC CHAIR GAME







「ゲームにしちゃダメよ!」
「アレで使うやつだから!」


電気イスゲーム」とは、バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』から生まれた戦略型心理戦ゲームである。

◆概要


2人の対戦者が攻撃側と防御側に分かれ、
  • 防御側は攻撃側が座るイスを予測して電流スイッチを仕掛ける
  • 攻撃側は防御側の心理を推理してそれを避ける
…という構図で進行する心理戦を行うゲーム。

このゲームの肝は通電(ビリビリ)という否が応でも避けたい罰が存在するということにある。
いわゆるビンタやケツしばきといったシンプルな暴力に比べ、体に直接流されるビリビリ・高周波は構えて耐え辛く、しかも執行する側の動きがないため受ける側のリアクションが全て、という負担のある罰である。
事実、この企画シリーズのプレゼンターであるバイきんぐの小峠は電流をNG案件に指定しているほど*1

そこで、攻撃側・防御側共にお互いの心理を読み合う事で、なんとしてでも自分の体に通電される事を避けるという、デスゲームじみた緊迫した読み合いが行われこととなる。
特に一度ビリビリを喰らったプレイヤーは如実にその後のビリビリを恐れたり、それまでに用意していた戦略を崩して弱気になってしまう傾向がみられることからも、使用されている電気イスの恐ろしさが分かることだろう*2
また、ビリビリを回避する事により優勝者への賞金がどんどん吊り上がっていくというシステムもある為、危険なギャンブル漫画を日本の法律とテレビのコンプラが許す範囲内でゲーム化したものとも捉えられる。

しかしこの企画、プレイヤー人選によって内容が大きく左右されるという欠点が(この手のゲーム系番組における共通点ではあるが)存在する。
例えば後述するルールの構造を把握できていない場合や、お互いの人間性をよく知らない人同士でやった場合などは見当違いのミスプレイングが多発する塩試合になる可能性も含む。
実はお互いに回避の読みが優秀すぎても電流が当たらず塩試合が発生してしまうのだが…

番組側もそれは把握しているようで、あらかじめ試合カードが決まっている各シーズンの第1試合に関しては、同期、先輩後輩、よく共演する、…といった強い関係性を持つ対戦カードを設定していることがお約束となっている。

◆ルール


まずゲーム前に話し合って先攻・後攻を決定する。先攻を選んだ方が最初のターンで攻撃側。
使用する電気イスは[1]~[12]の番号が振られており、時計板と同じ配置になるよう円形に並べられている。

試合の流れは以下の通り。
  • 防御側はイスのうち、どれか1つの通電スイッチを起動
    • 攻撃側はスイッチの設定中、控室に退席。設定が終わったら防御側の合図で呼び戻される。
  • 攻撃側はどれか1つのイスを選択して着席
  • 着席と決定の意思を確認したら防御側が電流の起動ボタンを押す。
    攻撃側の座っていたイスの通電スイッチが…
    • OFFならばセーフ。
      • イスの数字が攻撃側の持ちポイントに加算される。
      • またそのイスは撤去され、以降選択不可能になる。
    • ONならばドボン。
      • 攻撃側は電流を喰らう。
      • その上、攻撃側の持ち点は全て没収される。

以上の流れが終わったら攻守を交代し、先攻・後攻共に8ラウンド行ったらゲーム終了。
また、セーフを繰り返しイスが残り1つになった場合もゲーム終了。

勝利条件は以下3つのうちどれか1つを満たす事。
  1. 先に40p以上を獲得する
  2. 先に相手に電流を3回喰らわせる
  3. 1,2どちらも満たさずゲーム終了となった時、相手より多くポイントを持っている
なお、シーズンの優勝者は全試合の終了時持ち点合計×1万円が賞金として進呈される。


◆戦略


放送を見ているとどうしてもお互いの人間性の読み合いにフォーカスしがちなこのゲームだが、
一応セオリーとなる考え方、戦略自体はルールから読み解くことができる。

  • 40pts獲得による勝利
これを狙うのは勝利条件の中で一番難しいと考えてよい。

というのも落ち着いて盤面を整理すると、場に存在する点数は[1]~[12]の合計なので78pt
そのうちの約半分量42ptsが [9],[10],[11],[12] という4つの数字に集中しており、この4つの数字のうち最低でも1つを取れない場合40ptの到達は不可能という事になる。

また、40ptという数値は合計得点のちょうど半分39ptを少し上回る為、そもそもこの点数に到達した時点で得点レース的に事実上のコールド勝ちということになるレベルであり、よほど完璧に試合を運ばない限りは実現できないと考えてよい。

  • 電流を3回喰らわせて勝利
一見難しいように見えるが、後半ラウンドに移るにつれ可能性が見えてくる。

セーフを重ねればイスの数が減っていくのもさることながら、最終的に得点決着になる可能性を考えると座れるイスはかなり少なくなり、中盤戦になると実質の候補としては大体4つ前後に絞り込められてしまう場合が多い。

ここで重要なのは得点をリードしている側は選べる選択肢の幅が広がるという点。
リードされている側は今後の事を考えると高得点を狙わなければならない一方、リードしている側の方は低得点を選ぶことで、下手に電流を喰らうよりもイスの数を減らし相手の通電確率を上げるという圧をかけることができるのである。

このため初動で高得点を取ってリードする事が有利に繋がるゲーム性と考えられ、したがって序盤戦では中央値である6以下のイスへ座りに行く事は悪手であると推測される。

  • 攻撃側と防御側
電流というインパクトが大きい分イスに電流を仕掛ける側が攻撃側と見なされやすい。
しかし実際に行動する事で点数が加算される、したがって今後のゲーム展開を動かす決定権があるのはイスに座る方であるため、こちらが攻撃側なのである。
一方で電流を仕掛けるのは罠を張って妨害する立ち位置であり、相手がイスを選ぶ際に言動で揺さぶって誘導する事こそできるものの、ゲーム構造的には防御側の域を出ない。

このようにゲームルールを整理すると分かるようにイスに座る方が攻撃側、電流を仕掛ける方が防御側であり、やっている事の見た目とゲーム上の性質が正反対であるといえる。

◆用語


  • ブロック/ディフェンス
先ほどの「攻撃側と防御側」の項目を振り返ると、電流を仕掛けることに「相手を通電させる」以外の使い方としてもう1つが思い浮かぶはず。
そう、絶対に取られたくないイスを守るという使い方であり、これを「ブロック」と称する*3
例えば防御側がリードしている状態で高得点を取れるイスが1つしかない状況の時、そこに電流を仕掛けてブロックする。
すると攻撃側が無謀にも高得点を選んでビリビリなら儲けもの、避けて得点が入っても少なくて済むというどっちに転んでもおいしい展開となる。
だが、実質的にはほぼ無条件で相手に手を渡す展開となり、次のターンで自分がビリビリを喰らおうものなら立場は逆転してしまう。
安パイではあるが多用はできない、意外と難しい作戦でもある。

  • サドンデス
両者ともに2発電流を喰らい、どちらから喰らった時点で即座に決着がつく状態を指す。
シーズン0 岡野VS山添戦のナレーションが初出。

  • 寝かし
シーズン1 淳VS小藪戦で淳が生み出した作戦。通常はビリビリ椅子決定後すぐに別室に控えている相手を呼びに行くが、そこをあえて「1分程度待ってほしい」「もうちょっと呼ぶのを待ってほしい」と要望し、何も知らない相手が「悩んでいるのではないか?」と疑心暗鬼に陥らせる心理的作戦。

  • ファイナルサンダー
シーズン0 岡野VS山添戦で生まれたフレーズ。ビリビリ起動ボタンのタイミングは攻撃側の自由だが、この掛け声を元に「もう椅子を変えない」という最終決定の意志とみなす。ネタ元は「ファイナルアンサー」。
派生として今田VS東野戦では「ファイナル今ちゃん」「ファイナルひがしのり」が。語呂が悪い…。森田VS山添戦では「ファイナル債務者」「ファイナル債権者」が生まれた。
カズレーザー「それもう破産するヤツだろ」
また、シーズン1・決勝では略して「FS」と称されたが、そもそも「サンダー」の英語の綴りは「Thunder」なので正しくは「FT」となることに決勝戦参加者のどっちも敗退した解説メンバーも気付いていなかった。

◆放送リスト


電気イスゲーム(シーズン0)

2024年6月12日、19日の2週連続で放送された第1回大会。
ただしこの後に行われたトーナメントが放送上「シーズン1」とされたため、こちらを便宜上シーズン0とする。

予選→決勝の2戦を勝ち抜いた者が優勝。
なお、試合に参加していない間は観戦・解説ゲストとして戦いを見守る。

  • 予選第1試合: 岡野陽一 vs 山添寛(相席スタート) / 6月12日 #381 放送
  • 予選第2試合: 小宮浩信(三四郎) vs みなみかわ / 6月19日 #382 放送
  • 決勝戦 / 6月19日 #382 放送



電気イスゲームトーナメント Season1

2024年11月6日から2025年4月30日まで、年をまたぎつつも不定期に放送。
対戦カードが多いのもさることながら、12月は「名探偵津田」第3弾、1月は「クロちゃんリアル人生すごろく」、2月は「ひょうろくとケンケンの冬休み」など、大型企画が挟まれた事によりかなり完結が遅くなってしまった。

予選→準決勝→決勝の3戦を勝ち抜いた者が優勝となる。
なお、予選・準決勝は同ブロックの対戦していない参加者が、決勝は敗退した参加者が山添と共に観戦・解説ゲストとして別室で戦いを見守る。

前回スタジオパネラーで興味を示した千原ジュニア、劇団ひとりが参戦しただけでなく、妙に人選が豪華な面子に。
このためキャスティングが発表された初回では「こっち(スタジオパネラー)より豪華やん!」というツッコミが入った。

  • 別室観戦・解説ゲスト: 山添寛(相席スタート)
  • 予選第1試合: 田村淳(ロンドンブーツ1号2号) vs 小籔千豊 / 2024年11月6日 #398 放送
  • 予選第2試合: 劇団ひとり vs 岡野陽一 / 2024年11月20日 #400 放送
  • 予選第3試合: 千原ジュニア(千原兄弟) vs 藤本敏史(FUJIWARA) / 2025年2月5日 #406 放送
  • 予選第4試合: 今田耕司 vs 東野幸治 / 2025年3月12日 #410 放送
  • 準決勝第1試合 / 2025年3月19日 #411 放送
  • 準決勝第2試合 / 2025年4月16日 #414 放送
  • 決勝戦 / 2025年4月30日 #416 放送




電気イスゲーム 2025

2025年11月26日に第1回戦が放送。第2回戦以降は2025と銘打ったくせに年をまたぎ2026年の放送予定。
予選→決勝の2戦を勝ち抜いた者が優勝となる。
しかし、第1回戦の最中にまさかのトラブルが発生し…!?

  • 別室観戦・解説ゲスト: 岡野陽一小籔千豊【第1試合のみ】、千原ジュニア(千原兄弟)【第2試合のみ】
  • 予選第1試合: 1の世界の劇団ひとり vs 名探偵津田篤宏(ダイアン) / 2025年11月26日 #442 放送
  • 予選第2試合: 森田哲矢(さらば青春の光) vs 山添寛(相席スタート) / 2026年1月7日 #444 放送



◆実際に遊ぶには


とりあえず中が見えない容器と、攻撃側が仕掛けた証になるものがあれば簡単にゲームシステム自体は再現可能。
オンライン・オフライン共にハードルは低いため、Youtuberの企画動画のネタとして利用される事も多い。

例えば数字を書いた封筒を12枚用意し、攻撃側は防御側が目隠しをしている間にコインを1枚入れ、防御側は封筒を1つ開けて中にコインが入っていなければセーフ……みたいな感じであれば手軽に遊べる。

また近年ではGoogleスプレッドシートのようなリアルタイムでの共同編集が可能なサービスを利用し、背景色と同じ色の文字を使って文字隠しをすることでもオンライン上でバーチャルに再現可能である。

なお通電に関しては「罰ゲーム」の「問題点と注意点」の項を参照されたし。
番組では合意した人間が賞金とは別にギャラを貰ってゲームに参加しているし、使う電流も専門家による監修を受け安全性が確認できた機材を使用している。
合意と安全性の2点を満たさないような事は絶対にしないように。


◆余談


タイトルロゴの元ネタはアメリカのヒップホップ系レーベル「Death Row Records」のロゴマークが元ネタ。恐らくは演出家である藤井健太郎の趣味。


水曜日のダウンタウンでも電流を使った説は多く、
  • 1分に1回電流が流れる「電流ドミノ」
  • お見送り芸人しんいちの女好きを利用して何度も電流に誘導するドッキリ
  • ウド鈴木が「ごめんなさい」を言うたびに天野くんに電流が流れるドッキリ
……などなどある意味電流のプロフェッショナルな番組だからこそできた企画といえる。
なおスタッフは異なれど同局の帯番組「ラヴィット!」でもビリビリイスが多用されており、なんだかんだでTBSが電流を多用するテレビ局になりつつある。
ちなみにラヴィット!ではビリビリ椅子という呼称がされていて、出演者が「電気椅子」と発言すると川島が必ず「電気椅子ではないです。ビリビリ椅子です」と訂正している。一方でこちらははっきり電気椅子と呼称している。


2026年1月7日放送のエンディングにて、プレミアムバンダイとバンプレストのプライズから電気イスゲームを再現した玩具の発売が発表された。
プレバン発売の方は受注生産販売で、ミニチュアフィギュアで再現された12個のイス型ボタンと通電ボタンによる実際にゲームを行うことが可能なセット。プライズ版の方はイス1脚を縮小再現したおもちゃとなる。
なお、どちらもマジで通電する仕様である。


2026年3月11日に放送された「WBC開幕記念“どっかに大谷SP”」では、あの大谷翔平選手が奥様の真美子夫人と「電気イスゲーム」を見ていた事を雑誌のインタビューで話していた記事が紹介された。
小籔「あんなゲスい男たちのビリビリで笑ろてた」


追記・修正は相手に電流を流せた方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ビリッと/

最終更新:2026年08月07日 09:21

*1 なおNGにするほどのキッカケとなったのは、同番組の2017年5月31に放送された「1分おきに電流が流される環境下でドミノ倒しをさせられる」というロケだったりする。

*2 参加したプレイヤーやTBSの他番組で電流を喰らった者のコメントによると「マックス設定」「一番強い奴」レベルの電流らしい。

*3 ナレーションでは「ディフェンス」と称したときもある。

*4 カジノで良く行われるトランプゲーム「バカラ」がだいたい勝率1/2である事からの例え。