ダウンタウンのごっつええ感じ

登録日:2019/05/03 Fri 23:06:30
更新日:2025/03/04 Tue 13:03:57
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『ダウンタウンのごっつええ感じ(英:Gottsu“A”Kanji)』は1991年12月から1997年11月まで、フジテレビ系日曜20時枠で放映されていたバラエティ・お笑い番組。
愛称はごっつ

【概要】

ダウンタウン初の全国ネットに於けるゴールデンタイムでの単独冠番組であり、本番組によってダウンタウンは全国的な知名度を得ることになった。

戦友かつ東のライバルとしていたウッチャンナンチャン・清水ミチコ・野沢直子と共演した深夜番組『夢で逢えたら』を前身としておりスタッフも一部共通しているが、ダウンタウンや彼等自身が選んだ共演者により大阪の笑いが持ち込まれ、独自の魅力を持った番組となった。

また、それまで漫才やフリートークが評価されていたダウンタウンがコントでも才能を大きく発揮し、特に関西ではそれまで見向きもされなかったコントを持ちネタとする芸人が生まれるなど、番組がお笑い界全般に与えた影響も大きい。

後の番組スタイルとは関連性が薄いが、同年1月3日夕方の特番枠『ダウンタウンのごっつええ感じ マジでマジであかんめっちゃ腹痛い』が好評だったことから、5月と7月に火曜ワイドスペシャル枠でタイトルを縮めた本番組のパイロット版がトライアル放送。
これも好評だったことから、めでたくレギュラー放送が開始される運びとなった。

また、松本は96年10月から98年9月まで、ごっつの名を冠した深夜番組『一人ごっつ』シリーズ(『一人ごっつ』→『新・一人ごっつ』→『松ごっつ』)を持っていた。

近年ではネット配信や動画サイトに投稿された『笑ってはいけないシリーズ』を初めとしてダウンタウンの関連動画が海外でも話題となっていることもあり、国内外でも本番組のコントや番組内容に再び注目が集まっている。

なお、番組はDVDこそ発売されているが、その内容ゆえに再放送・配信は行われていない。ちなみに2014年に発売されたDVDは当時のスポンサーCMも入っている*1

【番組内容】

基本的な番組スタイルは時期によって細かく変わっているものの、女性レギュラーが出演していた97年初頭まではコントを主軸にダウンタウンのみ、またはチームによる対決コーナーを配する、という形式だった。

当初は前述の『夢で逢えたら』の雰囲気を引き継いだ小洒落た内容で、OPのトークや音楽コーナーなんかもあったのだが、93年あたりまでに姿を消した。
以降はダウンタウン・レギュラーの個性や可能性を活かした過激な内容のコントが量産されて話題を呼び、95年頃には絶頂期と呼ばれるまでの人気を獲得する。

96年頃にはコントが更にマニアックになっていき、特定の人物をネタにしたコントについては、批判が寄せられた末に打ち切りになった物も。
一方で、芸人やゲストを呼んでの単発企画も多く放映され、後の『リンカーン』にも似たバラエティ色を強めていった。

1997年3月には、番組開始当初からのレギュラーであったYOUと篠原が降板。
番組も男性レギュラーによるロケ企画が中心になる等、新路線を模索する中で唐突に番組内で推され始めた『エキセントリック少年ボゥイ』が歌のシーンしかないシュールさにもかかわらず人気を獲得し、テーマ曲がオリコン5位を記録する等、大きな話題を呼ぶ。

……しかし、次述のプロ野球優勝に絡む特番のすげ替え事件が起きて番組は終了。
当時の野球中継の価値が窺える事件でもある。

【突然の打ち切り】

1996年頃からダウンタウンとスタッフ・関係者の間には溝が出来るようになっていた。
これは番組の企画内容がいじめや差別などを連想させたり、危険なため真似してはいけないような過激なものが多いとして兼ねてから視聴者から抗議や苦情も多く寄せられ、フジテレビと吉本興業はこれを重く受け止め、ダウンタウンに再三番組内容の見直しを勧めていた。
また、浜田は『NHK大河ドラマ』と『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ)という強力すぎる裏番組を相手にしなければならなかった『ごっつ』に元から消極的*2で、番組の後期に入ると「コントをやりたくない」と発言するようになっていた*3ため聞き入れていたが、これに対してコント構成も兼任している松本は聞き入れようとせず、結果として番組内容はますます過激化。
他の出演陣へも負担が大きくかかるようになっていったが、皮肉な事にますます増える批判の声と合わせるように視聴率も上がっていくというジレンマを抱え、フジテレビ内部でも番組の継続をどうするかで議論が度々発生し、打ち切り騒動はその矢先に起こった事になる。

一方、収録現場でもこの問題以前よりスタッフの怠慢による不手際が目立つようになっていたとのことで、1997年にはいきなり対決コーナーでスタッフが安全確認を怠ったことに激怒した松本が収録をボイコットする事件が発生。
浜田も場を収めるべく松本の怒りを代弁して鉄扉を蹴って負傷*4と、スタッフ間とのトラブルが度々が発生していた。

そして1997年9月28日に事件が発生する。

ヤクルトスワローズの優勝に絡み、全くの相談も無しに特番枠の放送を優勝を決める(か否かの)試合にすげ替えられたことに松本が激怒。
+ 松ちゃんが激怒した経緯
9月28日の回は当時、番組が推していた人気キャラクター『エキセントリック少年ボゥイ』のCDが当初の放送日の3日前に発売されており、そのイベントの模様などCDに絡んだ、言わば「販促」特番だった。松本曰く「この日に放送しないと意味がない」というのが激怒した理由である。ちなみにこの「販促」特番は翌週10月5日に予定していた別の特番を差し替えた上でちゃんと放送されており、その次に放送予定だった「お母様もぜひお子様にオススメしてあげてくださいスペシャル」もF1中継に伴う休止を挟んで10月19日に放送された。
これを機に、松本がフジの番組全てをボイコットすると宣言したことに絡み、手打ちとして『ごっつ』の終了が提案されたことにより、11月に番組の唐突な打ち切りが決定。
この件については松本の独断と噂されていたものの、番組終了から約一年後に放送されたNHK BS2の番組でのインタビューにて、相方の浜田雅功はちゃんと自分にも相談があり、コンビで終了を決めたことを明かしている。
ただし、他のレギュラーには決定の連絡すらも無かったようで、東野は番組の打ち切りをスポーツ新聞を見て知ったと浜田の番組にゲスト出演した際に語っている。

尤も、番組は松本の提案で「時代に即した内容へのリニューアル」を検討していた最中の出来事で、構成作家の高須光聖はディレクターの小松純也との対談で「ビジョンが見えない」と否定的な見解を示していた中でこのような動きになったため「この番組はこうなる運命やった」と半ば安堵のような感覚があったことも明かしている。

この事件に絡み、松本が『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』などフジの全番組を降板するとの報道もあったが「フジ自体に恨みはない」として、他の番組に変動は無くフジとダウンタウンの関係も続いている。
また、浜田は前述のインタビューの際に松本一人が槍玉に挙げられたことについてメディアへの不信感と怒りがあるとも語っており、ダウンタウンの絆の深さを窺わせる。

こうした経緯もあってか、既に和解していたとはいえ90年代を代表するお笑い番組の一つでもあるに関わらず、フジのバラエティー番組全史の様なまとめからは不自然に外されるといった扱いをうけていた。
松本の行為に際しては「プロ野球に対する侮辱である」として批判する声もあったものの、仕事に対する真摯な姿勢を評価する声が野球関係者からも挙がった。
また、古田敦也を初めとしたヤクルトの選手とは後に共演した際にこの時のことをネタにする等の余裕を見せており友好的な関係であることを見せている。

その後、2001年に『ものごっつええ感じ』として、新たな出演陣を加えた特番が放送された。

更に打ち切りから24年後となる2021年には、ヤクルトの日本シリーズ進出が決まるクライマックスシリーズの中継に伴い、急遽松本の冠番組である『人志松本の酒のツマミになる話』の休止が決まり、奇しくも本件を想起させるということでネット上がザワつく事態に。
尤も当時と違って事前からフジのHP上に放送休止の旨が明記されていたほか、「酒のツマミ」のプロデューサーも自身のtwitterで「事前に松本さんに連絡しております」と発表したこともありすぐに収束している。


【出演者】

レギュラー

看板なので当然のように特番からの出演。
全国区のレギュラーで気合いが入っていたのか、当初は他のレギュラーから恐れられる程に怖かったというが、番組後もレギュラー陣との共演も多い等、打ち解けていって絆を強めたのが窺える。
コントでは其々に主役を張ることも多く、二人のみでシュールなコントを披露したことも少なくなかった。
対決シリーズでは浜田が圧倒的な戦績を修めている……ように見えて、記録では松本もそこそこ食らいついている。
松本は同級生で、ダウンタウン関連のブレーンでもある高須光聖と共に数々のシュールなコントを生み出している。

  • Wコウジ(今田耕司・東野幸治)
正式なコンビではなく、あくまでもピン芸人2人によるユニット(小堺一機と関根勤の「コサキン」と同じ)。
この番組をきっかけに本格的に東京進出し、大物芸人がメインの番組でサブの役割を果たしたり、2人でMCを務めた番組も多い。島田紳助が引退した2011年頃からは紳助のレギュラー番組を引き継ぎ、今や二人とも大物司会者に。
ごっつの打ち切り後もフジテレビでは松本降板後の『ワイドナショー』で2人MCを務めている。
現在でこそスーツ姿で番組MCを務める姿がすっかり定着したが、今田の発案による「放課後電磁波クラブ」では裸にスリングショットの水着という出立ちで凄まじいインパクトを残した。

今田は特番時から出演し続けた唯一のレギュラー。
当初は、撮影以外ではダウンタウンが喋ってくれなかったとの証言もあるが、コントでは初期から松本とのコンビ芸も多かった。
東野は特番時代には出演していたが、浜田の「東野は協調性が無い」との一声でレギュラー放送からは外されてしまっていたが、板尾の謹慎に伴う代役として参加した後に定着。
尚、上記の浜田の評は東野の中で長々と尾を引いたらしい。
定着してからはコントで主役を張ることも多くなった分、すぐに裸になるキャラが定番となっていた(けっこう仮面のコスプレ等)。
伝説の「かた焼きそば」の様なドッキリネタのターゲットになることも。

  • 130R(板尾創路・蔵野孝洋(ほんこん))
本番組を通じて蔵野=ほんこんの呼び名が定着し、2000年には正式な芸名に変更。
元々は元メンバーの今田を含むコンビ内での表に出ない芸名だった。(今田は初代“ほんこん”)
板尾はイケメンながらシュールなボケを連発する芸風が注目され、一時は松本に嫉妬されていたとも言われる。
蔵野はコントのメインになることは少なかったが、おっさん役が上手く、ブサイクを前面に押し出したネタでもインパクトを残した。
また、板尾は94年5月から12月まで不純異性交遊絡みで活動自粛をしており、上記の様に東野が代理で呼ばれた。
若手時代からピンの仕事が多く、現在は拠点(板尾が東京・ほんこんが大阪)も異なるが、年一レベルでコンビ出演があったりする。

  • YOU
特番から97年の妊娠による卒業までと、最も長く参加した女性レギュラー。
元々はロックバンド「FAIRCHILD」のボーカルであったが(OPの一つ「きらいだよ」を担当)、番組を通じてバラエティーでの活躍の場を得ることになった。
当初はダウンタウンがギラついていた時期でもあった為にストレスで血尿を出した、とまで語っているが、浜ちゃんの結婚をチャンスと見て、意を決して話の輪に入っていったことで受け入れられたのだという。
後年、インタビューでは「コントはダウンタウンとしかできない」と語るなど、当番組での出演がいかに影響を与えたかを語っている。
2001年の復活特番にも女性レギュラー陣として唯一続投参加している。

  • 篠原涼子
東京パフォーマンスドール出身のアイドルだったが、レギュラー開始時から参加。
松本演じるというか憑依というかキャシィ塚本のアシスタント役が印象深い。
コント内で男性陣からのセクハラを受けたりシバかれても笑い飛ばしていたが、94年に「恋しさとせつなさと心強さと」で大ブレイクしてしまい、95年秋からはコントに出なくなってしまった。そして97年3月を最後にYOUと共に卒業している。
後には女優としても大成したのは有名。
すっかりと大女優となった後で今田の番組に出演した際に当時の思い出を楽しく語っており、反対に今田が恐縮(演技)する場面も。

  • 西端弥生
火曜ワイドスペシャルからレギュラー放送にも参加したが、94年に産休により休養→そのまま芸能界を引退した。ダウンタウンより年上だった唯一のレギュラー共演者。
古田新太の奥様である。

  • 松雪泰子
レギュラー放送開始時から参加し、最初の数ヵ月だけ出演。
同時期に女優として大ブレイクを果たしたために卒業したと思われる。
しかし、93年末の名場面を振り返る特番には出演している。

  • 伊藤美奈子
『夢で逢えたら』から引き続き参加し、松雪と共に卒業。
浜田のコントでのセクハラがひどかったらしく「嫌い」と発言している。

  • 吉田ヒロ
『夢で逢えたら』で松本と野沢直子が見せていた「乳くりマンボ」の元ネタな人。
火曜ワイドスペシャルからレギュラー放送まで参加したものの、92年にひっそりと離脱。
東京のプロデューサーに嫌われてしまったらしい。
現在は吉本新喜劇に在籍しており、1999年~2007年までは座長を経験している。

  • 山田花子
92年終盤から93年の初めころまで参加。
それ以前にも火曜ワイドスペシャルでもリポーターとして出演していた。
その後、女子プロレスラーになるために卒業するが、練習中に頭をカチ割られて引退→吉本復帰となった。
こちらもヒロと同じく吉本新喜劇で活躍中。

準レギュラー

この他、ごく初期には本編とは別のコーナー担当としてミュージシャンのユニコーン(奥田民生、阿部義晴)、爆風スランプ(サンプラザ中野、パッパラー河合)が出演していた。

奥田は、後に松本の企画したゲーム対決コーナーにもプロデュースしていたPUFFYと共に登場している他、ダウンタウン関連番組への出演も多い。

この他、芸人ではジミー大西やチコちゃん木村祐一(番組の構成作家でもある)といった、他のダウンタウンファミリーが登場することもあった。


【主なコントとキャラクター】

※「野生の王国」については当該項目を参照。

結婚前提戦士ラブラブファイヤー

ベガ星からやって来たアキラファイヤー(浜田)と、メグッペファイヤー(松本)の安アパートで同棲するカップルヒーローのシリーズ物。
初期の名キャラクター、オジンガーZを生み出した。
このコントは脇役に岸田今日子や原田大二郎といったベテランが起用され、ルパン三世役で山田康雄、銭形警部役で納谷悟朗、峰不二子役で増山江威子(声のみ)の3名*5が登場した回や、他局の番組である『お笑いマンガ道場』を出演者含めてそのままやってしまった回など、豪華なゲストが特徴。

ご存じ!ハマダ芸能社物語

レギュラー全員参加のドラマ仕立てのコントシリーズ第1弾。
この系統のコントでは、最後に罰ゲームを受けるのがオチなのだが、ターゲットは毎回ドッキリで選ばれていた。

熱血AD宣言!ウエストサイドストーリー

ドラマ仕立てのシリーズ第3弾なのだが、第2弾の『嗚呼!花の番頭さん物語』が僅か1話で終了したことから急遽開始された*6
タノムサク(松本)とディレクター(今田)が社長(浜田)をいじって歌う「浜田雅功♪ヤンヤヤヤヤヤヤン」のフレーズが人気となった。

改造人間カスタムひかる

リーゼント姿のツッパリ風青年だが、実は改造人間ヒーローのカスタムひかる(松本)が、毎回視聴者が投稿したヒーローに変身して極キラー(浜田)と戦う物語。
ひかるはやる気だが、採用されるのが毎回ろくでもないヒーローの為にひかるが爆発四散して終わるのがお決まりのパターン。
ひかると極キラーの対決はミニゲームで行われており、のちの『ザ・対決』『実録 大阪紅夜叉VS関西孔雀姫』『the TEAM FIGHT』に発展する。
グルグル回転するひかるの頭を、妹のキラリ(鈴木蘭々)が抱き抱えたり、殴ったりして終わる。

連続テレビ小説 木瓜の花

某NHK風の本格的なドラマ仕立てのコント。元ネタは『細うで繁盛記』で、浜田が悲劇から立ち上がる主人公、浜子を熱演した。
富士眞奈美や宮川一郎太といった本職の役者を招いて、真面目なドラマを演じるということ自体がネタなので、ドラマ自体はお笑い要素無し(浜田や今田の女装がブサイクだったり尺の都合で端折りすぎてる部分があるのは置いといて)。
しかし、最終回では謎のサスペンスが繰り広げられた。

おかんとマー君

不良のマー君(浜田)と、息子思いだがウザい母親(松本)の二人が繰り広げる、日常のあるあるや親子の愛情(万引きで捕まったマー君をへりくだりながら強引に助けようとする等)を描くシリーズ。
尚、おかんの元ネタは松本のおかん(秋子)である。
二人にとってもお気に入りのキャラだったのか、後に「おかんとマー君がゆく」に改題し、各界の著名人を訪ねるシリーズにまで拡大していった。

シンガーソングライター板尾

懐かしの歌番組風のスタジオにて、人気歌手である板尾が、司会の浜田と松本の無茶ブリした題材をアドリブで歌にして披露するというコント。
板尾は売れて天狗になったり、実はデビューしてから10年以上の噂があり、年齢詐称疑惑も出ている。
謹慎から復帰した際には悪い仲間(バイカー集団)と共にやって来て、視聴者のリクエストに応えて一曲歌って帰っていく「シンガーソングライダー板尾」にアレンジされた。
2001年の特番では前期スタイルの発展形として、他のゲスト芸人達も無茶ぶりで歌わされる「どっきり歌謡ショー」が開催された。

AHO AHO MAN

天才科学者、故・財前教授が作り上げた最強のヒーローだが、アホのAHO AHO MAN(松本)が、財前教授の遺児の健太郎(浜田)と共にオホホ星人(今田、篠原)と激闘?を繰り広げる。
オホホ星人というより、AHO AHO MANのせいで健太郎君のガールフレンドのYOU子ちゃんが犠牲になったりしたのは秘密だ。
このコントにはAHO AHO BROTHER役として坂本龍一が出演している。

兄貴

昔気質の金貸業を営む兄貴(松本)が、舎弟のマサ(今田)と共に、浜田建設に取り立てにやって来るシリーズ。
「もっとー!」「もっとー!」「もっとー!」のコンビ芸も光った。
尚、浜田建設は最初は苦しかったが、回が進む毎に羽振りがよくなっており、社長(浜田)と秘書(YOU)の格好も派手になっていく。
当然、兄貴に金を返そうとするのだが、昔気質の兄貴は領収書や証明書の存在を知らず、逆ギレして悪戯して帰っていくのがパターンである。

MR.BATER

「パーティーいかなあかんねん」
毎回、パーティーに行くために何らかのアイテムが欲しいコテコテの関西弁を喋る謎の外国人(松本)が、無言で無駄にボケ続ける店員(今田)と繰り広げるベタベタなコント。
毎回のお決まりとして、インディアン風のポンチョとトマホークを渡された後に「ドンドットット―♪ドンドットット~♪」のフレーズで始まる歌が人気だった(ちなみに元は初回の「服屋」でのネタだったものが定番となった)。
『ごっつ』の松本といえばこのコントを挙げるファンも多い。

世紀末戦隊ゴレンジャイ

五人組ヒーロー・ゴレンジャイ(松本、今田、板尾、蔵野、東野)が、一人暮らしのアパートで襲われる女性(YOU)をドクロ仮面(浜田)のカキタレ*7にさせないために戦う物語。
…しかし、ゴレンジャイはそれぞれの担当カラーが戦隊ヒーローとしてあるまじき配色をしていたため、ドクロ仮面が戦闘そっちのけで説教を始め、次回はちゃんとした格好で登場するのを約束して去っていく…というコント。
が、無駄にチャレンジ精神が旺盛なゴレンジャイは回が進む毎にどんどん格好が奇抜になっていき、ドクロ仮面の怒りも増していく。
シンプルながらインパクトの強いネタの為に数々のMADも作られた『ごっつ』屈指の人気作。

放課後電磁波クラブ

ゴレンジャイから派生した、今田発案の衝撃キャラクター。
スリングショット(ムタンガやマンキニとも言う)の水着で変態仮面状態となった青いS極君(東野)と赤いN極君(今田)が、街中に貼ってあるエロいポスターなどを巨大磁石で回収し、世の乱れを正そうとするコント。
その間に、二人の大事な箇所がモロなるのはお約束だ。
実は2回ほど復活しており、笑ってはいけないシリーズでもゲストの原田龍二・袴田吉彦の両名がこの格好で登場している。

西日本番長地図

とある京都の街角で福岡県(今田)・愛知県(東野)・高知県(蔵野)の番長が集い、お互いに殴り合った後バリバリのステレオタイプな名物自慢の歌を歌う。そこに松本扮する福井県の番長・福井一郎が登場するが、殴られた後の歌の内容が「星キレイ」「シュワルツェネッガー福井の生まれ」「親いない」などお国自慢とは程遠いもので、3人から総ツッコミを受ける。

リアルポンキッキ

僅か2回の登場ながら、現在もMMDが作られたりする程の人気キャラクター。
コントタイトルは『帰って来たリアルポンキッキ』で、これはゴレンジャイでリアルガチャピンのみ先行登場していたことが理由。
ボディペイントと眼球メイクで再現されたリアルガチャピン(蔵野)とリアルムック(東野)が撮影に望むが喧嘩で中断。
スタッフも呆れる中、ムックがガチャピンを制したかに見えたが、後にガチャピンはムックを殺害して山中に埋めるのだった……。
また、ガチャピンはアシスタントのお姉さんと出来てたが、お姉さんが母子手帳を見せると、やっぱり山中に埋めるのだった……。

実業団選手権大会

単発のコント。すその建材の選手(今田)と鳥谷フーズの選手(東野)が審判(松本)のジャッジの下、屋内にある板張りのフィールドで格闘技とも球技ともとれぬ謎のスポーツで争う。スコアボードには「ゑ」「葬儀場案内の指差しの絵」「-108」「リンゴの絵」など脈絡のないものが表示され、ハーフタイムでは両選手の食べているものを基にしたメモを提示すると観客がどよめくなど不可解な演出が何の説明もなく繰り広げられる。

挑戦者

とあるボクシングの世界戦で、松本扮するボクサー、ピヒョリレーナリ・ボリリレンが紹介され、出身地であるヒヤキポリネキセサナモベ共和国の国歌が流れるが、その国歌は歌の体をなしておらず無駄に長いという代物で、対戦相手の東野はリングアナウンサーにクレームをつける。
単発のコントだが、そのシュールな展開とインパクトの強さから知名度が高い。

産卵

あるカップル(東野、YOU)の行く先々に現れては、「生ませてよ」の台詞と共に粘液にまみれた卵を垂れ流す半魚人(松本)の姿を追ったコント。
これもインパクトのある見た目から人気が高い。

妖怪人間

『妖怪人間ベム』のベム(今田)、ベラ(YOU)、ベロ(松本)に扮した三人が繰り広げる漫才。
「ん~妖怪人間!」のフレーズが人気に。なお漫才の出来は無駄にちゃんとしている。

バビル君とロデム君

あの『バビル2世』の子孫(らしい)バビル3世が、毎回ヨミ(今田)に窮地に遭わされては下僕のロデム(松本)を呼ぶも、ロデムは「ニャニャニャニャニャーニャニャ」のフレーズと共にショートコントを披露していく…というだけのコント。
これも真似しやすくて大人気。

板尾係長

板尾係長が「ゴジラのテーマ」と共に、港を模したプールから顔を出して一言呟き、再びプールに潜っていく…というだけのコントだが、台詞のセンスが秀逸でハマる人間が続出。
なお、板尾は回を重ねるごとにどんどん出世しており、復活スペシャルでは遂に社長にまで到達していた。

ザ・バイオハンター

板尾創路がザ・バイオハンター(ロボコップっぽい見た目をした正義のヒーロー)に扮して悪と戦うコント。
が、本編は敵キャラと決着を付けるクライマックスシーンしか描かれず、もっぱら次回予告のみで構成されているという特殊な形式をしている。
そしてこの次回予告、ナレーションで言っている内容と流れている映像がどう考えても全然噛み合っていない(ナレーションではヒーロー番組っぽいストーリーが語られるが、映像では至って平穏な日常風景が流れるのみ)。
板尾係長と同じく、ツッコミ不在の恐怖をこれでもかというほど堪能できるため、何が面白いのか気付けなかったor気付くのに時間が掛かったという視聴者も多い。
BGMは『超力戦隊オーレンジャー』の物。

お見舞い

病床に伏せる浜田少年を励ますために世界一位の男(松本)が訪れるというコント。
世界一位の男は実は一位では無いのではないか?という疑惑のフリ方等、キャラクターの練り上げかたが見事である。

こづれ狼

人気時代劇「こづれ狼」を撮影中の一場面を描いた人気シリーズ。
本家で登場する「大五郎!」「ちゃーん」のやり取りでボケをかますのが基本的流れ。
だいごろう役の西川くん(松本)は監督(今田)の言うことを全く聞かず、何故か西川くんを全面的に庇う主役のちゃん役の先生(東野)は撮影助手(YOU)にえげつないセクハラを繰り返すという人気シリーズ。

2014

コント放送当時から20年後のダウンタウンを描いたシリーズ。
仕事が無くなり、見た目も完全に老けてすっかり過去の人となってしまったダウンタウンが今田扮する吉本興業の月村(今田)の元に現れ、適当な理由をつけて仕事や金を貰おうとする。
月村とは当時のダウンタウンマネージャー。
漫才ブームの終息後、大阪の劇場でくすぶっていた中堅漫才師がモチーフとされている。
2014年に番組DVDが発売されることが決まり、このコントが再注目されることとなった。まさか松本が金髪のマッチョと化す、浜田に2014年本当にカキタレ報道が出るとは・・・

やすしくん

松本扮する横山やすしが日常生活の様々な場所に現れるコント。
最終回では横山本人が登場して叱責を受けて終わりというオチを考えていたそうだが、
当時横山は吉本および芸能界から追放状態だったため実現は限りなく不可能だったとされる。
横山の死去とともに打ち切られた。

香川さん

テレビドラマの現場で松本扮する音声の香川さんが独自の喋りで撮影の邪魔をし、関西芸能界の楽屋話をするコント。
話の最後には役に立たないもの(誰も映っていないプリクラ、段ボール箱用の持ち手、野球盤の三塁手など)を撮影スタッフにプレゼントする。
モデルは「てなもんや三度笠」や上方漫才の作家を手掛けた関西演芸界の重鎮・香川登志緒で、ダウンタウンを最初に公の場で評価した人物でもある。

キャリー東野のアイドル虎の穴

最強の女子プロレスラー、キャリー東野の激闘を描く。
初回は篠原扮するバイソン涼子に本気で嫌がられる程の勝ちを修めた後は、アイドルやグラドル、果ては本物の女子プロレスラーや格闘家と対戦した。
強敵相手には女の子設定なのに上半身裸のキムラちゃん(木村)が助太刀に入った。

キャシィ塚本

四万十川料理学校の講師キャシィ塚本(松本)が、アシスタントの今田と篠原を相手に繰り広げる狂気の料理番組。
松本自身も「キャシィやってるときは何かが入ってた」と語る程の狂気ぶりで、本気で引かせてしまうこともしばしば。
キャシィは自身がレイ◯されたり、性病にかかっていることを告白したりするトークから始まり、料理に入った後も最終的には具材を投げ捨て収拾がつかなくなってから終わるのがお約束のパターン。
松本曰く「お笑い番組だけが食べ物を粗末にすると怒られる」のが気にくわなかったから作ったとのこと。
キャシーに拳で叩かれた篠原涼子が泣いてしまったことがあり、その回では終了後に松本が「だって涼子泣くねんもん」とボヤく場面も放映されている。篠原涼子曰く「勝手に涙が出てきた」とのこと。

京極家の女達

旅の途中で浜田扮する侍・みだりぼくぜんが松本・今田・蔵野・板尾扮する京極家の女性4人を助ける。
しかし、ぼくぜんは京極家の主人・むねはるの仇であることが発覚し、4人は短刀を取り出しぼくぜんに襲い掛かる。ぼくぜんはそれを交わしながら服を斬り、4人はやるせない感じの楽曲をバックに巨大な垂れ乳を露わにしながら踊り倒れてゆくというもの。

トカゲのおっさん

トカゲなのか人間なのか不明で、雨ざらしの生活から逃れたいのにペットとして扱われるのはプライドが許さないトカゲのおっさん(松本)と、おっさんを飼おうとするマサくん(浜田)と、その母親(板尾)等を中心とした悲喜こもごもの愛憎劇を描いた長編シリーズ。
おっさんは母親に売られたり、金持ちに理不尽な扱いを受けたりした末に殺人の汚名をきせられて花巻刑務所に収監される…迎えにいったマサくん親子が見たものは……。
松本が「お笑いには哀しみが必要」の持論を込めたコント。
この姿勢は、後に松本の制作した映画にも引き継がれることになる。

殺人事件シリーズ

刑事に扮した男性レギュラー陣が、奇っ怪な被害者の死因に挑む。
被害者は巨大学者犬、大手長コウモリ白ムササビ、おたまじゃくし受験生、ロケット双子ババア等のクリーチャーばかりで、無駄にリアルに作られた彼等の死体のインパクトもデカい。
各自の調査結果は全てアドリブである。

オジャパメン/マウヤケソ

男性レギュラー陣が、韓国語の歌が日本人には可笑しく聞こえるのをネタに、独自の踊りを交えつつ歌を披露した、つまりネタ自体がオチになっているシリーズ。
元ネタは、前者は韓国の3人組アイドル・ソバンチャ(消防車)の「オジェパメ・イヤギ(ゆうべの出来事)」、後者は韓国のロックバンド・THE WILD CATSの「マウム・ヤッケソ(心が弱いから)」であるが、放送当時は一切元ネタを紹介しておらず、謎の楽曲という扱いだった*8

番組ではオジャパメンは光GENJI風に、マウヤケソは盆踊り会場風に明るく歌われているが、歌詞を和訳すると前者は「『一緒に行ったパーティで僕の友達と踊ったゆうべの君は嫌い』というウジウジした歌」後者は「『心が弱くてあの人の背を追うことが出来なかった』と歌っている歌」である。

ちなみに、オジャパメンの本家であるソバンチャとは、後に『HEY!HEY!HEY!夏のチャンプカーニバル』にて共演を果たしている。

エキセントリック少年ボゥイ

番組最後期の謎の人気キャラクター。
レギュラー陣が『エキセントリック少年ボゥイ』内のキャラクターに扮してOPとEDを歌ってるだけの内容なのだが、何故か人気を獲得して関連CDもヒット、スペシャルイベントも開かれた。
なお、同種の企画として音楽番組『HEY! HEY! HEY!』で展開された『日陰の忍者勝彦』という歌ネタコントもあるが、残念ながら本作ほどのヒットには至らなかった。

よっ!ご陽気もの

温泉宿に泊まりに来た宿泊客の浜田が、松本扮する温泉宿に住み着いた幽霊との交流を描くコント。
幽霊が宿泊客とダンスを踊ったり、幽霊が宿泊客にいろいろな課題を出していく。
宿泊客が課題をクリアすると幽霊は喜び、宿泊客が失敗すると幽霊が激しく落ち込む*9




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最終更新:2025年03月04日 13:03

*1 VHSおよび2003年版のDVDは傑作選の形で発売。

*2 しかし『元気』については本番組及びビートたけしのバイク事故後低迷が続き、最終的には1996年に終了している。

*3 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)のフリートークでも放送時間の半分の15分で帰るなど、他の仕事でもこの事を引きずって身勝手な行動が見受けられるようになっていた。

*4 この際に足を骨折しており、後にこれがネタにされたこともあったが、浜田は“松本のため”という事情は松本相手でも臥せている。

*5 石川五ェ門役で今田も登場している。

*6 悪役として実在する銀行と同名の「なにわ銀行」を出してしまったため。

*7 関西方面のスラングで、いわゆる「セフレ」のような意。

*8 歌詞についても当時の構成作家だった木村祐一が日本語で書き起こしたものが表示されるだけだった。

*9 森昌子女史の代表曲『越冬つばめ』をBGMに、幽霊が雨に打たれる演出が導入されたこともあった。