登録日:2026/02/09 Mon 00:15:48
更新日:2026/05/19 Tue 07:41:11
所要時間:約 11 分で読めます
ラッキーライラックは日本の元競走馬である。
父は三冠馬
オルフェーヴル。
同世代に日本競馬史上初の九冠馬
アーモンドアイがおり、クラシックでは彼女に偉業を阻まれながらも、ドラマチックな復活劇を果した。下の世代には牝馬最強世代と呼ばれる19世代の強豪牝馬らを相手にG1を4勝、エリザベス女王杯連覇を手繰り寄せた名牝である。
マスコミからはアーモンドアイに並ぶ「
もう一人の女王」と形容されたこともある。
愛称は「
ラララ」などと呼ばれる。
【データ】
誕生:2015年4月3日
父:オルフェーヴル
母:ライラックスアンドレース
馬主:サンデーレーシング
調教師:松永幹夫
生産者:ノーザンファーム
主戦騎手:石橋脩→
ミルコ・デムーロ
中央獲得賞金額:7億3746万円
生涯成績:19戦7勝
主な勝ち鞍
17 阪神ジュベナイルF(G1)
19・20 エリザベス女王杯(G1)
20 大阪杯(G1)
18 チューリップ賞(G2)
17 アルテミスS(G3)
【経歴】
(誕生)
言わずと知れた
三冠馬オルフェーヴルの初年度産駒の1頭である。
名前の由来は幸運のシンボルとされる「
ライラック」の花から持ってこられている。
生れた当初は関係スタッフから、“あの”オルフェーヴルの産駒ということもあり、
高い能力を期待された反面、受け継がれた荒ぶる気性がいつか爆発するのではないかと思われていた。
それが逆に彼女の持つ爆発的な末脚にも生かされるではないかとも言われていた。
(2歳時~父の力を受け継いだジュニア期~)
8月20日の新潟競馬場5Rで新馬戦(1600m・芝)でデビュー。
2番人気でのスタートで直線で外に持ち出して抜け出し、外から追い上げてきた7番人気ラヴァクールに1・1/2馬身差をつけて優勝した。勝ちタイムは1分36秒4。
2戦目は10月28日に開催されたアルテミスステークス(G3)。この時も2番人気であった。
当日は雨の影響で馬場状態も良くなく、道中は力んでしまったが、石橋侑が4番手につけ、残り200メートルで逃げ粘るサヤカチャンを捕らえ、見事重賞初制覇となった。
この時の鞍上の石橋騎手は道中、下がぬかるんでいたことから力みも感じられたが、直線の反応がよく、逃げ馬を捕らえることができたと述べている。
松永調教師も新馬戦と同じように、強い勝ち方だっと述べており、元来からの才能の高さを感じるものがあったのかもしれない。
阪神ジュベナイルフィリーズ
アルテミスステークスに続きラッキーライラックの次なる舞台となったのは、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)。
この時も2番人気からの発走となった。
序盤はラテュロスが好スタートを決めるも、それを制したラスエモーショネスがやや行きたがる形となり、先行勢を押し上げる格好になった。結果、先頭から最後方まで10馬身以上差が開く形となった。
その中でラッキーライラックは中団に控え、直線への攻防に差し掛かる。ラスト1Fは3番人気リリーノーブルとの叩き合いになり、外から鮮やかな差し切り勝ちを決め、リリーノーブルをねじ伏せた。
この勝利でラッキーライラックはG1初制覇。
石橋騎手は12年天皇賞春以来のG1制覇を成し遂げることになった。
3戦3勝の好成績で終えたことから、JRA賞最優秀2歳牝馬を授賞した。
(3歳~期待された栄光と立ちはだかった9冠馬~)
3歳初戦はチューリップ賞からスタート。
デビューから初の1番人気で迎えたレースとなった。
騎手は前走から引き続き石橋侑。
サラキアが出遅れたのを横目にラッキーライラックは好スタートを決め、
3番手に控えながら3コーナーより徐々に進出。
逃げるサヤカチャンとカレンシリエージョを交わし、追走するマウレアとリリーノーブルを封じて4連勝した。
まさに横綱相撲とも呼べる展開で、無敗の4連勝。
この成績に次なる桜花賞から始まるG1戦線において無敗の3冠牝馬が生れるとも期待された。
そう、あの最強牝馬が現れるまでは・・・
苦境のクラシック~現れた3冠牝馬~
04年ダンスインザムード以来の無敗の桜花賞馬へ。そんな期待も高まった桜花賞。
ラッキーライラックはそれまでの実績も踏まえて単勝オッズ1.8倍の圧倒的1番人気で出走した。
1番枠から先行したラッキーライラック。
ラスト400mを過ぎたところで抜け出し、歓声のボルテージが最高潮にあがった。
これで勝利を確信する流れになると思いきや、
7~8馬身離れた地点にいた1頭の凄まじい豪脚に敗れてしまった。
そう
後に9冠馬として名高いアーモンドアイの伝説の始まりだった。
ラッキーライラックはラスト200mのところまではトップでいたのだが、
ラスト100mでアーモンドアイに交わされ、1馬身3/4差を付けられてしまった。
しかも当時の桜花賞のレコードタイムでの入線である。
ラッキーライラックも走破タイムは1分33秒4と出来は悪くなかった。
石橋氏も「勝ち馬を褒めるしかない」とコメントしており、この頃からアーモンドアイの力を思い知ることになったのである。
次戦はオークス。
この時はアーモンドアイが1番人気、ラッキーライラックが2番人気となった。
道中は好位の先団の中で好機を伺うも、アーモンドアイにマークされる形になった。
直線では伸びを欠き、さらにはこれまでの戦いでは勝利していたリリーノーブルでさえ、突き放される結果となり3着になった。
この結果を踏まえて秋以降に予定していた凱旋門賞へのプランは白紙となった
秋は体制を整えて秋華賞を選択。
2番人気として出走することになった。
なおこの時の鞍上は石橋氏が落馬負傷していたことから、北村友一氏に鞍上を託された。
トライアルは挟まず、秋華賞へ直行になった。
結果、実戦から遠ざかっていたこと、プラス18キロの馬体重も響いたのか、中団追走も伸びきれず、9着に大敗した。
デビューして初の掲示板から外れたことになる。
もしアーモンドアイが現れなければ、もしかしたらラッキーライラックが無敗の3冠牝馬になっていたかもしれない。
競馬に「たら」「れば」を語るのは無粋であるが、そう思ってしまうクラシック期での馬生であった。
(4歳時~苦境から復活へ~)
4歳初戦は中山記念からスタート。
G1馬5頭が揃う豪華な展開で、5番人気のウインブライトがゴール寸前で差し切り2着に終わった。
石橋騎手曰く「あとちょっとだった」ということを述べているが、同時に「力がある馬」なので「次が楽しみ」とも述べていた。
4月には阪神牝馬ステークスに参戦。
1番人気に選ばれ、最初のコーナーで内に挟まれる形となり思うような走りが出来ず、先行勢を捕らえることが出来ないままに8着に敗れた。「可哀想な競馬をしてしまった」と後に石橋氏がコメントしている。
5月にはヴィクトリアマイルに出走。
こちらも1番人気で出走することが出来、陣営も何とか進化と成長を示すためにも「結果」が欲しいと意気込んで挑むことになった。
しかし、結果は残念ながら、4着に終わる。
好位追走するも、最後は上位馬の切れ味に屈する形になってしまった。
前走よりもスタートはよく切れ、コーナーは折り合えていたのだが、最後の末脚勝負に屈してしまう形になった。
エリザベス女王杯~輝きを取り戻した2歳女王~
秋は府中牝馬ステークスから始動。直線で先頭に立つも、勝ち馬のスカーレットカラー2頭に交わされ3着に終わった。
この頃になるとラッキーライラックの下の世代である19牝馬世代(
グランアレグリア・
ラヴズオンリーユー・
クロノジェネシス)が台頭することもあり、いよいよもってラッキーライラックは2歳女王という過去の栄光に輝いた存在に思う声も出てきた。
一部からは「
もう終わった」とする意見もあった。
しかし、それを払拭したのが19年エリザベス女王杯であった。
今回のレースから、かつて父オルフェーヴルの背中を知るクリストフ・スミヨンが騎乗。
場所はオルフェが3冠を達成した京都競馬場、そして関西テレビ実況はあのオルフェの三冠実況を担当しオルフェファンで有名な岡安譲氏が担当すると言うどこか因縁めいた舞台であった。
なお、この時の1番人気は無敗のオークス馬の
ラヴズオンリーユー、2番人気には秋華賞馬かつ後のグランプリ馬となる
クロノジェネシスである。アーモンドアイはいなくとも時代をけん引する牝馬が一同に介する、まさに戦国時代の役者が整った舞台であった。
ちなみにこの時のラッキーライラックは3番人気だった。
道中、
7番人気クロコスミアが今度こそG1制覇に向かうために大逃げを打ち、これをラッキーライラックが中団で追走する形となった。
最終直線、粘るクロコスミアに対して2番手を追走していたラヴズオンリーユーが捉えようとする最中、
最内のラチ沿いをついて上がって来る2歳女王の姿があった!
17年の阪神JFから1年8か月ぶりの大勝利。
このドラマチックな劇的勝利に歓喜したファンも多数。
2歳女王が勝利の輝きを取り戻した劇的勝利だった。
この勝利を経てレース後、スミヨン騎手はインタビューにて、
「オルフェーヴルの子供ということで、この馬には縁を感じていました。あの時の無念を晴らせた思いもあり、良かったです。」とコメントしている。
2012年の凱旋門賞でオルフェーヴルの2着での惜敗を経て、父の血統を継ぐラッキーライラックの勝利を嚙み締めた。
この後は引き続きスミヨンを鞍上に香港ヴァーズに参戦。
後方から追走し馬群を潜り抜け外に持ち出し、直線から猛追を果すも2着でゴールした。
(5歳~進化から覚醒へ:名牝の栄光~)
5歳はミルコ・デムーロを鞍上に迎え、中山記念(G2)から始動。
前走から+11キロと余裕のある作りで挑んだ。
しかし、ダノンキングリーの2着に敗れた。
レース後にデムーロ騎手は「ちょっと忙しい」感じとしつつも直線を向いてからの手ごたえはあった模様である。
大阪杯
次走は、鞍上に引き続きミルコ・デムーロを迎え、大阪杯となった。
大阪杯には前走中山記念を制したダノンキングリー、3番人気に同期の有馬記念覇者ブラストワンピース、4番人気に秋華賞を制したクロノジェネシスと有力馬が集結。ラッキーライラックは2番人気だった。
ラッキーライラックは好スタートから3番手へ。
折り合いはぴたりとついており、良い位置取りの中で直線を向いた。
ラストの直線では、ダノンキングリーとジナンボウがおり、外にはクロノジェネシスに塞がれる状態にあったが、ラスト200mで前2頭のスペースをついてそこから一気に突き抜けた。
この大坂杯制覇で、G1:3勝目を挙げた。
勝ちタイムは1分58秒4。
ちなみに当時520キロとかなり体重が重く、これは2026年現在も続く牝馬のG1レース勝利馬としては最高重量での勝利だった。
その後はファン投票10万票をもらい、集票数2位で宝塚記念に出走。
サートゥルナーリア・クロノジェネシスに次ぐ3番人気で挑む。
結果については、馬場が合わなかったのか直線で伸びを欠いて6着に敗れた。
エリザベス女王杯 ~復活からの連覇の偉業達成~
夏は札幌記念に出走し、1番人気になるも、3着になった。
続く20年エリザベス女王杯では宿命のライバルであったアーモンドアイの主戦騎手であるクリストフ・ルメールを鞍上に迎え、1番人気に選出された。
ノームコアが逃げる中でラッキーライラックがやや後方に控え、直線残り200m地点で抜け出し2着サラキア・3着ラヴズオンリーユーの追撃を抑え、クビ差1着で入線した。
なお、この時に鞍上を務めたルメールは「残念ながら同世代にアーモンドアイがいたけれど、いなかったらレジェンドにいなっていたと思う」と述べている。
それだけ、このラッキーライラックが地力のある名牝であることを裏付けるエリザベス女王杯だったと言えるだろう。
引退レースには
有馬記念を選択。
鞍上には初コンビとなる
福永祐一を迎えた。
手ごたえを感じる流れだったようだが、ラストの直線で伸びあぐねてしまい、4着に終わった。
流石に中山2500mには距離の壁もあったようである。
【引退後】
有馬記念を出走後、競走馬登録を抹消。
北海道勇払郡安平町のノーザンファームで繁殖馬となる。
今後はアーモンドアイと共に、今後の子どもに期待がかかってくることになるだろう。
【性格・馬評】
父が数多くのやらかしをしてしまった暴れ馬で有名だったのに対して、ラッキーライラックは人懐っこくて、可愛いと評判である。このため、厩舎スタッフからも「扱いやすい」と言われていた。
あまり大食いという性格ではないようで、ある程度しっかりとトレーニングをしてからカイバを食べる姿が見られた。
また、気の小さいところがあるようで、馬房で誰もいなくなったあとに1頭でカイバをこっそりと食べていることもあった。
特に雨の日の時、雨よけのために馬着を着ている馬に多数囲まれたことがあり、ラッキーライラックはそれを見て怖がったことがあったという。
2歳で頂点に立つもクラシックで苦戦し、その後古馬になって復活勝利するという所謂鍋底型と呼ばれる戦績は、奇しくも
伯父と共通していたりする。
【創作作品での登場】
2018年チューリップ賞・弥生賞回で初登場した際は無敗馬仲間のダノンプレミアムと優雅にお茶会を楽しんでいたが、中山記念を経て続編『NEO』では苦戦から、祖父ステイゴールドが有力メンバーだった珍集団『ブロコレ倶楽部』に目を付けられ、エリザベス女王杯には勝ったもののアーモンドアイを超えるため加入を決意。
2回目のエリザベス女王杯の直前には天皇賞(秋)後のアーモンドアイを影から見つめ、彼女への眼の上のたんこぷアイがあっさり自分とは別路線を選んだのも含めた複雑な想いを独白していた。
ライバルであるアーモンドアイと共にアプリ版4周年記念で初登場。憧れの先輩のような気品あふれるレース界の花形になるべく奮闘している。
淑やかな性格で
関西弁を話すはんなりとしたウマ娘。
愛称は実馬の「ラララ」ではなく「ララ」である
が、大喜利投稿用のPNが「ラララのねーちゃん」だったり。
2026年4月現在、
父や
好敵手と自身の誕生日イベントで会話あり。
今後、彼女が実装することで、今後実馬のラッキーライラックの馬生がさらに認知されるのではないかと期待される。
追記・修正は2歳女王を蘇らせてからお願いします。
- ウマ娘の5周年が近いからか、最後の方某ウマ娘の育成実装ありきになってません? -- 名無しさん (2026-02-09 23:13:23)
- 2019エリザベスはスミヨンが天才であることを身をもって実感した日。とんでもなく長いリーチの腕を馬の頭まで持って行きながらムチうつフォームマジでしびれてしまう。 -- 名無しさん (2026-02-10 20:34:01)
- ↑2 誕生日おめでとう!ウマ娘としても育成実装されました… -- 名無しさん (2026-04-10 22:56:19)
最終更新:2026年05月19日 07:41