アットウィキロゴ

タイム・ウォー(ドクター・フー)

登録日:2026/04/28 Tue 02:51:00
更新日:2026/05/06 Wed 00:47:20
所要時間:約 30 分で読めます



タイム・ウォー(ドクター・フー)

タイム・ウォーとは、
日本では超どマイナーながら知る人ぞ知る、イギリス国営放送BBCのSFテレビドラマシリーズ「Doctor Who(ドクター・フー)」内にて発生した大戦争である。






【本記事を読む上での前提知識】

まず、ドクター・フーというドラマについて。

前述の通り日本での知名度は低いが、
本国イギリスにおいては初放送の1963年から、(途中で休止期間を挟みつつも)現在*1に至るまで長々と続いてきた長寿番組であり、イギリスでは「たとえ熱狂的ファンでなくても大半の人は名前や存在を知っている」というような立ち位置の作品である模様*2

ポリスボックス*3の外観をしたタイムマシン兼宇宙船「ターディス」で時空を旅をする異星人(タイムロード)ドクターと地球人の相棒が、行く先々で起こる騒動を解決していく、というのが主なストーリーの流れ。

さらにこの番組の特徴として、主人公ドクターは肉体が寿命を迎える、あるいは致命傷を負うなどすると、12回まで*4『再生』により、それまでの記憶を引き継いだまま全く新しい外見に生まれ変わる。(メタ的には演者の交代)
再生後の外見や性格は老若男女千差万別で、以前とは雰囲気がガラリと変わることもあるが、それでも作品そのものの流れは変わらない。
これが、このドラマが長期にわたって継続している所以でもある。

時には特番として過去のドクター達が再登場し、現行のドクターと協力、事件解決に奔走する、という長期シリーズならではの演出もある。
ちなみに、「過去の自分と出会うことでタイムパラドックスやら物語の整合性やらはどうなるのか」という疑問もあるだろうが、タイムロードの特性として、
「過去の自分らと集合した場合、もっとも新しい自分のみがその出来事を記憶する」
「過去の自分らは、その場を離れて正しい時間の流れに戻った際にその出来事を忘れる」という防御策があるため、ストーリーや設定の整合性を心配する必要はない。

1963年に初代ドクターから始まり、長期に渡って放送し続けていたが、やがて視聴率の低迷により1989年の7代目ドクターの時期にドラマは一度終了する。

1996年、8代目ドクターを主人公とした、シリーズ再開を視野に入れたテレビ映画版が放映された。
結局はシリーズ再開はなされず、8代目ドクターは一代限りで降板となった。

以上までの作品群はシリーズ全体の中でも『旧シリーズ(クラシックシリーズ)』と呼称されている。
日本では1989〜90年まで、NHK-BS2にて、旧シリーズのうち4代目ドクターの時期の中から38話が選別され、日本語吹替つきで放映されている。


そして2005年、長い休止期間を経て一新された製作陣により、9代目ドクターから始まる『新シリーズ』の放映が開始される。
日本では、NHK教育やBS2等で2006~07年にシーズン1〜2までのみが日本語吹替つきで放映された。
この放送によってドクター・フーという作品を知った方は数多いと思われる。筆者もそう
ちなみに、NHK版の日本語吹替の翻訳はあのコマンドーでお馴染みの平田勝茂氏。
時折ヤバそうなネタがブチ込まれた氏の翻訳センスが光る。一部の固有名詞や10代目ドクターの口癖が正確に訳されていないのが玉に瑕か。

イギリス本国ではその後2008年にシーズン4をもって物語の一旦の区切りを迎え、2009年はシーズン5に向けての準備期間(シーズン4.5とも)として4本*5の特番エピソードを放映。その最後のエピソードに10代目ドクターが再生し、11代目ドクターが先行登場する。

2010年からは11代目ドクターを主人公とした物語が再びシーズン形式でスタートし、現在までつづいていく。

日本では、NHKよりシーズン1〜2の吹替付きのDVD-BOXが販売されたが、現在はほぼ絶版のような状態。持っている人は大事にしよう。
シーズン5以降の11代目ドクターの時期のストーリーを『ドクター・フー ニュー・ジェネレーション』
12代目の時期を『ドクター・フー ネクスト・ジェネレーション』
13代目の時期を『ドクター・フー リボーン』
というタイトルでKADOKAWAより吹き替え付きのDVD-BOXが販売されている。
他にも様々な配信サイト等で、NHK版では放映されなかったシーズン3〜4のエピソードを含めた物が配信されていたりもするが、こちらは残念ながら吹替版は無く、日本語字幕のみ。


長くなってしまったが、本記事で記述するタイム・ウォーとは、新シリーズ開始時に新たに作られた設定であり、
ドクターの心に消えない傷を植え付け、人格にも多大な影響を与えた、旧シリーズと新シリーズの間の時期に起きた大戦争である。


【概要】

タイム・ウォーを戦ったのは主人公ドクターの種族であるタイムロードと、
旧シリーズから長らく登場し続けたメインヴィランで、宇宙最大の脅威とまで言われたダーレク族。
この両種族の全面戦争がタイム・ウォーである。

タイムロードとはまとめると、
現行宇宙初期の時代に時間旅行技術や現行の物理法則を定め、その後の時空の流れを管理・監視する存在
といったところ。
母星は惑星ガリフレイ*6
全能に等しい知識量、科学技術を持ち、素でクッソ長い寿命を持ち再生もするためほぼ不老不死というチートであるが、それ故に社会構造は官僚的で腐敗しており、(タイムロード全てがそうと言うわけではないものの)一部の特権階級のエリートが全てを牛耳る閉鎖的な構造となっている。
また、時空間のすべてを監視しながらも、それらに対してこちらから干渉しないという「不干渉主義」のスタンスを徹底している。

ドクターはタイムロードでありながら、これらの体制を嫌っているという異端中の異端児であり、旧シリーズにてドクターがスクラップ同然で放置されていたターディスを盗み出して旅に出始めたのもこれが理由。

タイムロード側の上層部もドクターを種族の鼻つまみ者として忌み嫌っており、旧シリーズにおいては、「不干渉主義」によりタイムロードがやりたくない汚れ仕事をドクターに押し付けたり、どさくさに紛れて敵ごと始末しようとするなど、完全に体のいい使い捨ての道具として扱っている。

そして、タイム・ウォー開戦のきっかけとなった出来事の一つが、「ドクターに押し付けた汚れ仕事」のうちの一つ
「将来的に全宇宙の脅威となるダーレク族の誕生を阻止しろ」であった。
このエピソードは日本でも放映された旧シリーズの「ダレク族*7の誕生」で描かれた。
当時の4代目ドクターは
「いくら凶悪な種族であれ、身勝手な理由で存在を否定してしまっていいのか。自分にその権利があるのか」
「ダーレクが今後善性に芽生える可能性を否定してしまっていいのか」
と躊躇してしまい、結果的にダーレクの発展・進化を約1000年分遅らせるに留まってしまった。*8
些細な出来事ではあるが、これがタイムロード側から仕掛けたダーレクへの最初の一撃として認知され、「自分たちダーレクを歴史から消そうとした=タイムロードからの宣戦布告」としてダーレク側に正当性が生まれ、因縁をつけられる事態に至った。

その他にも旧シリーズ中に
「ダーレク側がタイムロード側の最高評議会に暗殺者を送り込もうとする」
「ダーレクが古代タイムロードの遺物である兵器を強奪するも、7代目ドクターがいろいろ頑張った結果*9ダーレクの母星である惑星スカロが破壊される
などの小競り合いを経て、タイムロードとダーレクの衝突が避けられない事態となっていく。

開戦

まず両陣営が着手したのは『歴史を書き換え、互いの誕生を阻止する』歴史修正合戦。早い話がターミネーター
両陣営がひっきりなしにタイムトラベルを繰り返し、歴史を書き換える泥沼の戦いが繰り広げられた。
管理者権限で好き放題するタイムロードも大概だが、それに独力で食らいついてくるダーレクの執念深さも相当である。
この戦いでタイムパラドックスが頻発し、死んだはずの兵士を別の時間から引っ張り込んで無理矢理復活させたり、歴史修正に巻き込まれて「なかったこと」になってしまった出来事や他の種族が続出し、タイムラインが大いに傷つけられる事態となった*10
まさに、死者だけがいたずらに増えていく泥沼の地獄絵図である。


戦争の激化

やがてタイム・ウォーは局所的な戦闘から宇宙規模にまで拡大し、戦火に巻き込まれる犠牲者の数も増大していった。

自分たちではどうにもならなくなったガリフレイ最高評議会は、
タイムロード創成期の英雄であるラシロンを復活させ、最高指導者に据えるという選択をとった。

最高評議会が存在するガリフレイ第1都市キャピトルの地下にはオメガ武器庫という、宇宙のバランスを崩しかねない古代ガリフレイ人の兵器が封印された場所があったが、ラシロンの命令によって1つを除いた全てがダーレクに対して使用された
ここまでされても攻勢が衰えないダーレクも大概だが。

また、戦争の過程でタイムラインがぐちゃぐちゃに荒らされた結果、次第にまともなタイムトラベルが行えなくなっていったばかりか、時空のバグが形になったような名状しがたきナニカが大量発生し、両陣営やその他に多大な被害をもたらした。
このナニカはドラマ内でもいくつか存在が言及されたが、放映当時の段階では「とりあえず何か恐ろしい存在がいた」というインパクト重視で、詳細な設定は特に決められていなかった。
後年、製作陣のインタビューやムック本などで設定が肉付けされていっている。

要は、「目先の脅威に対応するために管理者権限でいろいろ弄くり回した結果、ワケのわからんバグが大量発生して制御不能になっちゃいました」という状況。

この頃のドクターは、歯止めもモラルも失っていく両陣営から距離を置いており、戦火に巻き込まれる第三者たちをターディスで助けて回っていたが、犠牲者の惨状を目の当たりにしたことで遂に参戦を決意する。

ガリフレイ陥落


タイムロードの母星ガリフレイは、時間の位相をずらすことで通常宇宙から隔離された場所に隠匿されており、物理的な干渉やテレポートによる到達を防いでいた。
だが物量でゴリ押ししてくるダーレクによって遂に発見され*11、瞬く間に惑星がダーレク艦隊に全包囲されてしまう。
それでもガリフレイには量子フォースフィールドが張られ、最も安全と称されていた第2都市アルカディア上空には多層的に配置された400もの空中塹壕が存在していたが、ダーレクはそのことごとくを物量による超絶脳筋パワープレイで突破

鉄壁を謳ったアルカディアは陥落し、残すはガリフレイの第1都市キャピトルのみとなった絶望的な状況下。
衛星軌道上からは無数のダーレク艦隊による絶え間ない砲撃。
地上ではアルカディアに上陸したダーレクたちによる兵士、民間人を問わない虐殺が繰り広げられる。
最高評議会は勝てもしない戦場へ兵士を送り、徹底抗戦を呼びかける始末。
自分に意見した者を即座に殺害する程に完全に狂気に陥ったラシロンは、ここである作戦を始動する。

一方、戦場でアルカディア陥落を目の当たりにしたドクターもまた、タイム・ウォーによる全宇宙の崩壊を防ぐため、苦渋の決断を下す。

タイム・ウォーの終結


ドクターはタイムロードとダーレク双方へのメッセージとして、『終止符を(NO MORE)』という文字をアルカディアの建物の壁に刻むと、ターディスでキャピトル地下のオメガ武器庫に侵入し、唯一残されていた最終兵器モメントを盗み出す。
前線を指揮していた最高司令本部*12の将軍ですら詳細を知らないが、銀河を破壊するほどの威力があるという。
ドクターはこれを起動し、今や歯止めの効かなくなったタイムロードとダーレク双方を滅ぼし、タイム・ウォーを強制的に終結させた。

タイム・ウォーとは、言うなれば
『エリートを気取った時空の管理者が、下等種族と見下した相手にちょっかいをかけた結果脳筋戦法で一転攻勢されわからされた
というもの。「藪をつついて蛇を出す」とはこの事である。
そして、『驕り高ぶったタイムロードの尻拭いのためにドクターは「故郷と同胞と仇敵をまとめて大量虐殺した」という重い十字架を背負ったまま、ただ一人生きていく』事となった。

また、歴史改変とタイムパラドックスが頻発した結果、タイム・ウォーが発生している時間軸そのものが通常の時間の流れから徐々に乖離、袋小路に閉じ込められていき、タイム・ウォー内外へのタイムトラベルによる相互干渉が不可能となっていった。
そして最後にドクターがモメントを起動させた=タイムラインがぐちゃぐちゃになっていたタイム・ウォーに「終わり」を作り出したことで、「タイム・ウォーという事象全体が他の時間軸から完全に閉じられた」タイム・ロックがかけられた状態となった。

ドクターがタイム・ウォーに干渉しようとしない理由の一つがこれであるが、
他にも無数のダーレク艦隊やら戦争中に発生した名状しがたきナニカたちが通常宇宙に解き放たれてしまう、という危険性も孕んでおり、タイム・ロックを越えてまで干渉しようとする事自体が危険という側面を持つ。

また、曲がりなりにも「時空の管理者」であったタイムロードの消失は大きく、
新シリーズにおけるドクターの旅には「宇宙最後のタイムロードとして時空のゆがみを正す」という目的も含まれているほか、
タイムロードの管理の下かつては行き来が可能だったというパラレルワールドへも、余程の不確定要素が無い限りは到達することが出来なくなっている。

【関連人物】


ドクター


主人公であるガリフレイ人でありタイムロード。そしてタイム・ウォーを「終わらせた」張本人
よく勘違いされる*13が、主人公の名前は「ドクター・フー」ではなくただの『ドクター』である。
これは、英語圏においては医者や博士などの役職の人は「Dr.〇〇(名前)」のように名乗るのが一般的であるが、今作主人公の場合は
「やあ、僕はドクター(Hello, I am the Doctor)」
と自己紹介するので、相手側は
「いや、ドクターなのはわかるけどその先を言えよ…」という意味で、
「ドクター、誰?(Doctor Who ?)」
と聞き返すのがお約束となっている。

本名は別にあるが、理由として「本名は地球の言語で表現できないから」「自分の生き方に対する決意として『宇宙を救い、癒すために生きる』ことを表明してドクターと名乗っている」など、様々な説がある。
基本的に暴力や武力による解決はせず、言葉や知恵による解決で、常に可能な限り多くの命を救う道を選ぶ方針は旧シリーズから変わらない。
また、ペンライトのような形状の万能ツール「ソニック・スクリュードライバー」を所持しており、基本的にこれを駆使して事件の解決に臨む。

だか、タイム・ウォーを経験して以降のドクターは、「基本的には平和的解決を望むが、野放しにすれば脅威になると判断すれば実力行使による殲滅も辞さない」方針に変化しており、特にダーレクに対しては代替わりしても消えない憎しみを心の奥に常に抱いている。

8代目ドクター
演 - ポール・マクガン
旧シリーズ休止期間中に放映されたテレビ映画にて初登場したドクター。囚人惑星でいつも菓子食ってる奴ではない
7代目ドクターを乗せたターディスが地球に不時着し、降りた先でギャングの抗争に巻き込まれて撃たれた挙句、間違った医療措置*14によって死亡。霊安室の中で再生しつつ復活するというホラー映画顔負けな登場を果たした。
出番はこのテレビ映画のみなのだが…



ウォー・ドクター
演 - ジョン・ハート/声 - 祐仙勇
ドクター・フー50周年記念スペシャルにて登場。ノストロモ号の乗組員でもないし魔法界の杖職人でもない
タイム・ウォーに参戦したドクター。
黒いジャケットに肩がけに弾薬帯を巻いた老人の姿をしている。
年齢は800歳代。
所持しているソニック・スクリュードライバーは赤く発光する。
タイム・ウォーを終わらせるため、タイムロード禁断の最終兵器「モメント」を盗んで起動させ、タイムロードとダーレク双方を消滅させることで戦争を終結させたとされる。

「戦争と大量虐殺に加担した」というドクターにあらざる行為を以降のドクターからは徹底的に忌み嫌われており、存在そのものを忘れようとされている。
ドクターの再生回数にカウントされているにも関わらず、代が繰り上がっていないのは、存在自体がドクターの黒歴史であるのと、本人が「自分はドクターではない」と自認しているため*15



9代目ドクター
演 - クリストファー・エクルストン/声 - 山路和弘*16
新シリーズ始動後初のドクター。年齢は900歳。
黒いレザージャケットを羽織った坊主頭の男性。エーテルを狙うダークエルフの長ではない
口癖は「ファンタスティック!」
銀色かつ青く発光するソニック・スクリュードライバーを所持しており、これは10代目ドクターにもそのまま引き継がれた。

普段は陽気で明るいキャラで、吹替版では山路氏の怪演でオカマ口調になったりすることもあるほどだが、それでもタイム・ウォー終結後ということもあり、ふとした瞬間に故郷と同胞を失った喪失感を吐露することもある。
また、作中に登場するエイリアンにはタイム・ウォーに巻き込まれた被害者もおり、ドクターは自分の行動の結果を直視する事となった。

精神性も初期の頃は尖っており、悪事を働く存在に対しては一切の容赦なく制裁を与えており、その際のドライな対応を見たローズがドン引きする程。
タイム・ウォーの生き残りのダーレクに遭遇した際には、怒りもあらわに殺しにかかるなどかなり荒んでいた。
この時のエピソードでの出来事や、その後のローズとの旅を経て次第に心境が変化していき、徐々に『ドクター』としての在り方を取り戻していく。

そんなシーズン1の最後に明かされた真実は、タイム・ウォーをただ一人生き延びたドクターにとっては残酷なものだった…

演者のクリストファー・エクルストンは、製作陣との意見の相違等もあり、シーズン1をもって降板。その後の再演も辞退しており、映像作品での9代目ドクターの再登場は主に映像の流用によるライブラリ出演となる。
近年ではオーディオドラマ版にて9代目ドクターを再演するなど、製作陣ともそれなりに関係修復している模様。



10代目ドクター
演 - デヴィッド・テナント/声 - 関俊彦
シーズン1の最終回にて再生したドクター。歴代ドクターでダントツの人気を誇る。デスイーターに堕ちたボンボンの息子や、スーパーパワーをストーカー行為に悪用する変態男ではない
年齢は9代目から引き続き900歳だが、シーズン内で年を重ねていき、11代目に変わる前は906歳となっている。
口癖は「アロンズィ!」。フランス語で「さあ行くぞ!」を意味する言葉だが、実はNHK放映時には毎回違った言葉に翻訳されているため、吹替版でそのまま言ったのは50周年記念スペシャルが初。
本人は言葉の響きが好きで使っているとの事だが、「将来アロンゾという名前の人と出会った際に『アロンズィ!アロンゾ!(行くぞアロンゾ!)』というダジャレが言いたい」という本人以外には理解不能な変な野望があると語っている*17

茶色いトレンチコートがトレードマーク。シーズンによって茶色や青のスーツを着用しながらも、足にはコンバースのスニーカーという変な組み合わせ。
黒縁メガネをかけることもあるが、本人曰くこれはカッコつけの為との事。
陽気で人懐っこい性格で、やたらといろんな女性にモテるが、それでもタイム・ウォーで負ったトラウマや喪失感は健在。
特に10代目ドクターは「仲間との離別」が数多く顕著に描かれており、長大な寿命を持つタイムロードである自分と人並みの寿命しかないコンパニオンたちとの距離、行く先々で救えなかった人々との別れなどを経験していく。

人当たりのいい一面の裏に敵に対する「情け容赦のない裁定者」としての一面も変わらず持ち合わせており、シーズン2と3の繋ぎとなるエピソード『逃げた花嫁』にて、
後にシーズン4のコンパニオンとなるドナ(演-キャサリン・テイト/声-雨蘭咲木子)は敵であったラクノスの女王を無表情に制裁するドクターの姿に恐怖心を抱いている*18
このドナの不安は2009年の特番の時期に的中しており、離別への恐怖からコンパニオン不在のまま長い旅を続けた結果、「自分は時間のルールすら超越できる」という『勝利したタイムロード(Time Lord Victorious)』という思想に囚われかけ、救おうとした人を結局は救えずに終わってしまうという悲劇を引き起こした。

シーズン2〜4、そしてシーズン5までの準備期間として2009年に放映された5本の特番を通して、ダーレクの脅威とも違う、タイムロードの傲慢さにも直面していく。


演者は幼少期に観たドクター・フーがきっかけで役者を志しただけでなく、現在の家族構成もドクター・フーがらみとなっている。




11代目ドクター
演 - マット・スミス/声 - 川島得愛
2009年のクリスマススペシャル特番にて、10代目ドクターから再生する形で登場。スカイネットが搭載されたターミネーターではない
演者は当時、ドクター役では最年少の26歳。
シーズン5開始後は906歳だが、最初のコンパニオンであるエイミー(演-カレン・ギラン/声-植竹香菜)離脱後、クララが合流するまでの空白期間中に年を重ねた結果、シーズン7の頃には1200歳代となっている。

10代目ドクター再生までの経緯が感動的で涙を誘うものだったこともあり、11代目に再生直後は雰囲気が急変。
クスリキメてんじゃないかってほどハイテンションでワケのわからんことを宣いながら、再生の余波で爆発炎上するターディスと共に地球に墜落するという衝撃的な登場を果たす。あの感動を返せ
そのため、シーズン5第一話はいきなりターディスの墜落から始まる

当初は10代目ドクターと同じソニック・スクリュードライバーを使用していたが、機能不全の末に破損。
その後ターディス内で修理新調され、緑色に発光し大型化&先端の爪状部品が開閉するギミックを備えたものに生まれ変わった。

口癖は「ジェロニモ!」1940年代にアメリカ軍の空挺兵が降下の際に叫ぶ掛け声が元ネタ。高いところから飛び降りる際や、危険な場所へ赴く際によく叫ぶ。

年若い外見とは裏腹に、老人のように老成した内面を併せ持つという複雑な精神性を持つ。
普段は子供のように飄々としているが、それはタイム・ウォーやそれまでの辛い記憶に蓋をして、思い出さないように振る舞っているという側面が大きい。
このように罪悪感やトラウマから目を逸らし続ける己を「忘れる男」と称し、自嘲している。

また、タイムロードの再生回数の限界は12回だが、8代目からウォー・ドクターへの再生1回
シーズン4にて10代目ドクターがダーレクに撃たれた際に行った「とある事情でターディス内に置かれていたドクターの右手」に再生エネルギーを移すことで「肉体だけを治癒しつつ、外見は変わらずに再生キャンセル」という変則的な再生1回とカウントされている。
つまり、このままでは11代目ドクターが最後のドクターということになり、己の死期とも向き合う事となった。

自分の死期が迫る中、50周年記念スペシャルにて、ずっと逃げ続けていたタイム・ウォーに改めて向き合うことになり…?

コンパニオン


ドクターと共に旅をする仲間の総称。大抵は現代の地球人であるが、たまに宇宙人や未来人、果てはロボットである時もある。
異星人であるドクターとは違う、我々視聴者の分身ともいえる立場であり、解説者のドクターが様々な知識や蘊蓄をコンパニオンに説明することで、間接的に視聴者側にも世界観や設定を伝える役割を担っている。
また、時にはドクターを制止したり、迷うドクターを勇気づけたりすることもある。特にタイム・ウォー以後は、傷ついたドクターの精神性に影響を与えるなど、単なる同行者ではなくドクターの旅に欠かせない存在となっている。

本記事ではタイム・ウォーに関わる人物のみを記載する。

ローズ・タイラー
演 - ビリー・パイパー/声 - 坂本真綾
新シリーズシーズン1より登場。
ロンドンの公営住宅で母親ジャッキー(演-カミーユ・コデュリ/声-磯辺万沙子)と2人暮らしで、幼なじみのミッキー(演-ノエル・クラーク/声-佐藤せつじ)と交際している、ロンドンのデパートに勤務する19歳の少女。
退屈な日常に飽き飽きしていたところ、ある日突然勤務先のマネキンが動き出して襲われたところを、「ドクター」と名乗る謎の変人に助けられた挙句、
勤務先のデパートを爆弾で跡形も無く消し炭にされ番組開始数十分で無職になという、中々に刺激的な出来事を立て続けに味わうこととなった。
その後なんやかんやでドクターと共に事件を解決。そのまま旅に誘われ、同行することに。

ローズとの旅は戦争で荒んでいたドクターの心の癒しとなった。
ドクターとの旅には危険も伴うため、当初は何度か家に帰されようとした事もあったが、やがてはお互いに無くてはならない存在となっていく。

タイム・ウォーからただ一人生き残ったダーレクと対面した際も、彼女の取った行動がダーレクにも変化を与え、最終的にドクターとダーレク双方を「変える」事に成功している。
シーズン1の最終回にて、遂に死を覚悟したドクターによって強制的に現代に送り返されるが、諦めない彼女は母ジャッキーと彼氏のミッキーの助けを受けてドクターを助けに向かい、そしてドクターにも出来なかったタイム・ウォーの後始末を成し遂げることになる。

シーズン2も引き続きドクターと旅を続けていたが、シーズン2最終回にてドクターとの「永遠の別れ」を経験する事に…
新シリーズの一旦の集大成ともいえるシーズン4最終回にも再登場したが、事件解決とともに今度こそドクターと別れる事となった。

そのため、今後のシリーズにローズ本人が再登場する可能性は低いが、50周年記念スペシャルでは意外な形で…?




キャプテン・ジャック・ハークネス
演 - ジョン・バロウマン/声 - 竹若拓磨(『ドクター・フー』『秘密情報部トーチウッド』)、加瀬康之(『秘密情報部トーチウッド』シーズン4)
シーズン1の第二次世界大戦中のロンドンでドクターとローズが出会った、51世紀のボーシェイン半島出身の未来人。
元はタイムエージェント*19だったが、タイムエージェントの上司に2年分の記憶を奪われており、それを取り返すためにタイムトラベラー相手に詐欺を繰り返していた。
「ジャック・ハークネス」という名も本名ではなく、大戦中のアメリカ軍人の名をそのまま騙ったもの。

初対面のエピソードではドクター相手に詐欺を働こうとしたが、その彼の行動のせいでロンドン中にガスマスク姿のゾンビが溢れかえる騒動が起きてしまい、責任を感じてドクター達と協働。最終的に彼の宇宙船も失ってしまったので、何やかんやでターディスに乗り込み、晴れてコンパニオンの一員に。

タイムトラベルに縁があるためか、タイム・ウォーやダーレクについては断片的ではあるものの知っており、「ある日突然ダーレクの艦隊が時空間に消えた」と話している。

シーズン1最終回にて死亡してしまうが、ある出来事により不死身となって蘇る。
不死身という常識や自然の摂理に反した存在となったジャックに、ドクターは潜在的な恐怖を抱いており、蘇生後のジャックを置き去りにしたまま立ち去ってしまう。

その後のジャックは不死身の能力をフル活用して独自に活動を続け、イギリスの対エイリアン機関「トーチウッド」のメンバーになる。
シーズン3や4にて時折ドクターらと再会、合流することもある。

彼を主人公とし、ドクター・フーと時系列を共有するスピンオフドラマ「秘密情報部トーチウッド」が制作されている。
また、50周年記念スペシャルにおいては、彼が手首に装着していた「ヴォルテックス操作機(簡易型タイムマシン)」がキーアイテムとして登場した。



クララ・オズワルド
演 - ジェナ・コールマン/声 - 原島梢
シーズン7にて、11代目ドクターのコンパニオンとなった女性*20
別世界ではバッキーのデート相手だった
中学校で国語教師をしている。
ターディスで旅に同行するのは従来と同じだが、常にターディス内で暮らしているわけではなく、時折家に帰って普通の日常生活も送っている描写がある。

タイム・ウォーに直接的な関わりは無いが、50周年記念スペシャルにて、苦悩するドクターたちの決断に影響を与えることに…

ダーレク


EXTERMINATE!(抹殺セヨ!) EXTERMINATE!(抹殺セヨ!)

声 - ニコラス・ブリッグズ(新シリーズ)/吹替 - 屋良有作(旧シリーズ)、清水明彦(新シリーズシーズン2まで)、中島ヨシキ(新シリーズシーズン5以降)
シリーズを通して登場し続けている、ドクター・フーのヴィランの代表格と言っても過言ではない種族。
外見は『お寺の釣り鐘に細長いカメラアイを付け、左手に光線銃、右手にトイレのスッポンをつけたようなもの』という、あんまり強そうに見えないもの。
電子的に歪んだ甲高い声で喋る。
ダーレクの行動原理はただひとつ、シンプルなもの。
『ダーレク以外の全生物の抹殺』
これだけである。過程や方法なぞ、どうでもよいのだァー!

通常個体のスペックをまとめると
  • ダーレクの光線銃は即死攻撃。相手は問答無用で死ぬ。
  • あらゆる攻撃をほぼ無効化するフォースフィールド完備*21。直接触れた普通の人間は瞬時に燃え尽きる。
  • 重力下、無重力下を問わずあらゆる場所で活動でき、飛行も可能。
  • 1兆通りのパスワードを1秒で解ける情報処理能力。
重ね重ね言うが、これが通常個体のスペックであり、こんなのが何百、何万という物量で襲ってくる。
旧シリーズでは手作り感満載な質感だったり、飛べないので階段が天敵だったり、近接攻撃でカメラアイを叩き折られたり崖から突き落とされて爆発してたりしてたのは内緒だ!

元は惑星スカロにて、何世紀にも渡るサール族とカレド族の戦争の最中、カレド族の科学者であるダヴロス博士が生み出した生体兵器である。
先述したお寺の釣り鐘のような外観は戦闘能力を備えた移動装置に過ぎず、
内部には戦争の過程でDNAが汚染されたカレド族の突然変異生物脳と単眼と無数の触手を持った不定形のタコのような生命体が乗っている。
誕生したダーレクは憎悪以外の感情を抹消されているだけでなく、先述の行動原理をプログラミングされており、
誕生直後に「ダーレクではない」創造主のダヴロス博士を抹殺、宇宙最大の脅威へと発展していった。
演者の関係で、旧シリーズの吹替版ではやたらと威厳のある声質だったが、新シリーズ以降は原語版と同じく甲高い声の演技となっている。

通称”メタルトロン”
どく…たー…?
アノ、”ドクター”カ?
新シリーズにて初登場したダーレク。
タイム・ウォーの最中に時空間にただ一人弾き出され、2012年の地球に落下していた。
エイリアンがらみの品を蒐集していた大富豪ヴァン=スタテンに買い取られ、アメリカのユタ州地下のエイリアン博物館に収容されていた。メタルトロンというセンスの無い通称は彼による命名。
この時点ではダーレクただ一人の生き残りであり、同じくタイムロード最後の生き残りであるドクターとの対比となっている。

光線銃や各装置が機能不全を起こしており、緩やかに死を待つだけの状態であったが、境遇を哀れんだローズに触れられたために活性化、活動を開始する。
先述の通り、普通の人間がフォースフィールドに触れれば即死するが、タイムトラベラーの場合、時空移動の際に身体に付着する様々な粒子等のおかげで、触れた箇所が火傷する程度で済む。そして、これらの粒子はダーレクのエネルギー源でもあるため、ローズは図らずもダーレクを再起動させてしまう事となった。
この回のダーレクの活動で、新シリーズから観始めた視聴者に対しても、ダーレクという存在の恐ろしさとチートぶりを強烈に見せつける事となった。



皇帝
ダーレクの最高指導者である存在。
長いシリーズの中で設定や立ち位置のバラつきは存在するが、ダーレクという種族を統制する最上位個体である事は共通している。
旧シリーズ初期においては、創造主ダヴロスの抹殺後、ダーレク内で選出された特別な個体が皇帝となり、惑星スカロの要塞に固定され、全ダーレクを統制する中央サーバーのような役割となった。
このように、皇帝自身は施設そのものに固定されているような状態のため、現場の指揮は「最高(スプリーム)ダーレク」と呼ばれる上級個体に代行させる。

後に、実は生きていたダヴロス博士がより自分に忠実なダーレクを新造。自ら「皇帝」を名乗り、旧来のダーレク達と内戦を繰り広げるという展開もあった。

タイム・ウォーにおいては、皇帝とダヴロス博士両名が参戦しており、タイムロード相手に呉越同舟の関係を結んでいた模様。(立場はやっぱりダヴロスの方が下)
ドクターのモメント起動により、皇帝もまた他のダーレク共々滅亡していた。




スカロの集団*23

そうか、君らか!
”スカロの集団”、伝説かと思ってた!

皇帝の死を以ってダーレクは滅亡したと思われていた中、新シリーズシーズン2最終回前編の最後の最後にて、衝撃的な登場を果たした4体のダーレク。
個を持たないダーレクでありながら個体認識名を持つことを許されており、通常のダーレクとは違う存在であることが強調されている。
リーダー格のセク、テイ*24、ジャスト、カーンの4体で構成されており、
他のメンバーは通常個体と同じ金色だが、セクのみは黒い。

シーズン2のメインヴィランはサイバーマン*25となっており、全世界がサイバーマンの侵略を受けている真っ最中にまさかのダーレク登場
当時観ていた視聴者が「あ、地球終わったわ…」と度肝を抜かれたこと間違いなし。

ドクターによれば「影の支配者」
序列は皇帝よりも上であり、役割は「考える事、敵の思考や戦略を読む事」である。
「地味じゃね?」と思うかもしれないが、ダーレクの価値観に照らし合わせれば話は違ってくる。

ダーレクの思想は『ダーレクこそが唯一至上であり、それ以外の存在には価値がなく、抹殺されるべきもの』である。
個を捨て、単一の目的・思想の下に結びついたダーレクには、自分たち以外の敵が、何を考えているかなどを気にする必要はない。タイム・ウォーと同じく、物量による脳筋パワープレイでゴリ押すだけである。
もっとわかりやすく言えば、「ダーレクという種族は、『他者の立場になって物を考える』事が致命的に出来ない」のである。

スカロの集団は、この点を解消するために皇帝によって生み出された存在であり、「通常のダーレクの指揮系統から独立した、ダーレクの思想に反するような事でも自由に考え、実行する事が許された存在」といえる。
シーズン3でのダーレク・セクの台詞・行動から、「ダーレクという種を復活させる」という目的のために、本来のダーレクならば禁忌とされる実験に手を染めている事からも、それが伺える。
ぶっちゃけ、本当に柔軟なのはセクだけじゃね?とは言ってはいけない

彼らは皇帝の命により『ボイドシップ』と呼ばれる球体型の移動装置に入り、「無数の時間軸やパラレルワールドの境目・境界線の役割を果たす『ボイド(無の空間)』」に潜航する事でタイム・ウォーを生き延びていた。

シーズン2の最終回終盤、メンバー全員が緊急時空移動によって逃亡し全滅を逃れる。

続くシーズン3にて再登場。西暦1930年―世界恐慌真っ只中のマンハッタンにて、ダーレク再興を目指した実験を行っていたが、タイム・ウォーに収束しない話のため省略するがなんやかんやあった末にセク、ジャスト、テイが死亡。
唯一の生き残りとなったカーンはドクターと対面するや否や、またも緊急時空移動によって逃走した。




ダヴロス博士
演 - ジュリアン・ブリーチ(新シリーズ)/声 - 加藤精三(旧シリーズ)、東和良(新シリーズシーズン9)
惑星スカロの原住種族であるカレド族の科学者。
戦争に巻き込まれて重傷を負ったため身体がサイボーグ化されており、下半身はダーレクと同型の移動装置に、頭部は閉じられた両目の代わりに、額にダーレクのカメラアイが埋め込まれている。
右腕は機械化されているが、左腕は失われたままとなっている。左手でチ◯ポジ直してるように見えなくもない
音声もダーレクのように機械的に歪んでおり、ハイテンションになった際の声音は特にダーレクの物に酷似している

スカロには地球人に酷似した外見のサール族とカレド族という2種族が存在しており、数世紀に渡って戦争を行なっていた。
戦争の中で使用された中性子爆弾や化学兵器等でカレド族の遺伝子は修復不能なほどに汚染されており、奇形の突然変異生物が誕生するようになってしまっていた。
ダヴロスは「カレド族存続のため、宇宙最強の種に作り変える」という目的の下にこの生物に手を加え、誕生したのがダーレクであった。
ダヴロスとダーレクの関係性は非常に歪であり、
ダヴロスから見たダーレクは「自らの最高傑作であり子供達」である一方、
ダーレクから見たダヴロスは「ただ利用価値のあるだけの道具であり、最終的には抹殺する対象」でしかない。
「親の心子知らず」とはまさにこの事である。

タイム・ウォーにはダヴロス博士も参戦していたが、開戦1年目にエリュシオンの門*26にて、『悪夢の子』*27司令船ごと飲み込まれ、戦死していたことが新シリーズのシーズン4で明らかになった。



タイムロード


上記のタイム・ウォーの流れの中で解説した通りの「時空を管理する存在」
厳密には種族名ではなく、惑星ガリフレイに住まうガリフレイ人の中でも、第1都市キャピトルに存在するアカデミーで学び、資格を得たガリフレイ人最上級のエリート層のことを指す。

ガリフレイ人は8歳になると時空の渦(タイムヴォルテックス)を覗き込むという通過儀礼があり、時空の渦から天啓を得る・恐ろしさに逃げ出す・脳を焼かれ発狂する*30という3通りの結果から、発狂しなかった者だけがアカデミーに迎え入れられる
幼少期のドクターは、凄まじい恐怖に襲われ逃げ出しながらも「果てしない旅」を見出し宇宙を愛する対象として見た。
後述するマスターは、「ドラムの音」を聞き、宇宙を支配する対象として見た。

アカデミーに入れなかった、もしくは資格を持たないガリフレイ人は都市の外に広がる砂漠と荒野にて、自給自足の慎ましい生活を送る。
そのためタイムロードになれるのは都市に住まう血筋や家柄の良い上位階級、その中の一部だけであり、脱落者や荒野に住まう人々にはその資格すら与えられない。
このシステムが、タイムロードのエリート意識、選民思想を増長させ硬直化させた遠因となっている。

タイム・ウォーの中で、ガリフレイの第1都市キャピトル第2都市アルカディア以外の都市は早々に破壊されており、生き残った民間人は両都市に避難していた。
やがて絶対的な防衛力を誇るアルカディアが陥落したことにより、最後まで持ちこたえた都市はキャピトルのみとなった。

行政の中心である最高評議会、軍事の中枢である最高司令本部は共に第1都市キャピトルのシタデル(要塞)に存在し、その地下にデータ化されたあらゆるタイムロードの叡智の保管庫である情報空間マトリックスと、古代の兵器を収めたオメガ武器庫が存在する。



マスター
旧シリーズから登場する、ドクターと敵対するタイムロード。
アカデミー時代は親友であったが、やがては「宇宙を支配する」という野望からマスターを名乗り、ドクターと幾度も対決することとなった。野望成就のため、時には動くマネキン「オウトン」やダーレクといった他のヴィランと協力することもあった。
ドクターと同様再生するため、旧シリーズでは初代から4代目までが登場した。
*31

タイム・ウォー勃発に伴い、マスターはタイムロードの手により復活させられ、戦争に参加していた
だが、戦争が「歴史の塗り替え合戦となった泥沼の地獄絵図」へと変わっていった段階で、そもそもタイムロード上層部への忠義を欠片も持ち合わせていないマスターは、まだタイムトラベルが可能な段階で逃亡。
新シリーズシーズン3でドクターも使用した装置「カメレオン・アーチ」*32を用いて、記憶を封じて人間になることで、その後の捜索からも逃れていた。

新シリーズに再登場するにあたり、(後付けではあるが)マスターが何故狂気に走るのかの理由が明らかとなった。
また、発狂しつつもなぜタイムロードになれたかに関しては、「表面上は普通であったうえ、由緒ある血筋や家柄だった」ためとされている。





ラシロン
演 - ティモシー・ダルトン(新シリーズ)
かつては「殺しのライセンス」を持つ女たらしの英国諜報員だった
タイムロード創成期に、時空間移動技術や現在のガリフレイの社会構造システムの礎などを築いた祖とされる人物。
旧シリーズでも名前だけは登場していた。

ガリフレイ第1都市の情報空間マトリックス内に彼の記憶や人格がデータとして記録されており、タイム・ウォーの中でより強い指導者を欲したタイムロードたちの手で肉体を得て復活最高指導者(Lord President)に祀り上げられた。

やがてタイム・ウォーの戦況の悪化と共にラシロンは、
「かつて自分が築き上げたタイムロード社会の消失」
「下等種族ごときにタイムロードが敗北する=全能であるはずの自分をもってしても勝てない
という焦燥感、タイムロードのエリート意識と選民思想の悪い所が極限まで煮詰まった結果、
「最終制裁(ファイナル・サンクション)*38」という狂気の計画を打ち立てる。
この時、「ドクターがオメガ武器庫からモメントを盗み出した」事を報告し、自分に意見した女性評議員を即座に殺害、「我々は死なない!」と他の評議員を恫喝しており、既に敗北を前にして狂気に囚われた独裁者と化している。

その後、最高評議会では「ファイナル・サンクション」の実行がほぼ満場一致で可決。
反対したのはたった2名であり、ラシロンは2人に「古の嘆きの天使のように顔を手で覆う罰」を与え、自分の背後に侍らせている。





将軍
演 - ケン・ボーンズ
50周年記念スペシャルにて登場。
タイム・ウォー戦下において、軍事面の担当であるガリフレイ最高司令本部の責任者。
行政面の担当であるラシロンの最高評議会とは別の組織であり、将軍自身は最高評議会を快く思っていない。ある意味ではタイムロードの良心ともいえる人物。
また作中では「最高評議会の作戦とやらは失敗した」という台詞があり、今作の時系列が「ファイナル・サンクション失敗後」であることが明言されている。
ドクターに関しては当初は邪険に扱っていたが、やがてはタイム・ウォーとガリフレイの行く末を委ねる決断をすることに…




タイム・ウォーに巻き込まれた種族


ネスティーン(ネスティーン意識体)
旧シリーズから登場している敵キャラクターで、新シリーズシーズン1にてシリーズ再始動の記念すべき最初の敵として抜擢された。
自身の目的のために地球人を滅ぼそうとしており、やっていることは侵略行為なのだが、そもそも地球にやってきた理由がタイム・ウォーによって故郷を失ったためであった。

ゲルス
新シリーズシーズン1に登場。
ガス状の幽霊のような生命体。
元々は肉体があったのだが、タイム・ウォーに巻き込まれた結果、現在の姿になってしまった。

ザイゴン
全身に吸盤を備えた赤い類人猿のような姿のエイリアン。わかりやすく表現するなら手足が人間っぽくなったピグモン
旧シリーズの頃から登場している種族のひとつで、非常に精巧な擬態能力を持つ。外見だけでなく、記憶までもコピーして演じることが出来るが、記憶を引き出し続けるには擬態対象を生かしておかなければならないため、なんか気持ち悪い有機物で何処かに拘束する必要がある。
全員が危険な存在というわけでなく、地球人に擬態したまま暮らそうとしている穏健派も存在しており、たまに現れる過激派が地球侵略やら何かをやらかそうとして問題を引き起こしている。

50周年記念スペシャルにて、彼らもタイム・ウォーで故郷を失ったことが明かされるほか、物語を通してザイゴンの地球侵略とタイム・ウォーの決着が並行して描かれる。














追記・修正はザイゴンとディープキスした人がお願いします。



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年05月06日 00:47

*1 本記事執筆時点では、イギリスでは現シーズンの放送が2025年5月に終了。2026年クリスマス特番にて次シーズンが放送予定との事

*2 日本で言うなら「ドラえもん」「ウルトラマン」「サザエさん」等の国民的作品のような立ち位置と言うべきか

*3 60年代のイギリスで街中に設置されていた、警察署直通の電話ボックス。内部に逮捕した犯人を入れ、パトカー到着までの簡易的な留置所のように使う事もあった模様

*4 ただし、現在はある出来事により、再生回数が延長されている

*5 正確に言えば、最後のエピソードは前後編になっており、前編を2009年12月24日にクリスマス特番として放送。後編を2010年1月1日に正月特番として放送している

*6 NHK放映時の公式サイト等、原語版の発音に近い「ギャリフレイ」表記の時期もあったが、シーズン5「ニュージェネレーション」以降は吹替・字幕共に「ガリフレイ」表記に統一されている

*7 当時の日本語翻訳での表記

*8 タイム・ウォーを経験した後の10代目ドクターは、当時の自分を「甘すぎた」「あの時ボタンを押していれば、何兆もの命が救われていた」と認め、悔やんでいる

*9 兵器を起動すると自爆するように細工した

*10 ちなみに、このゴタゴタのおかげで、ダーレクの母星スカロは一応復活している

*11 戦争の規模が広がり、ありとあらゆる時間軸に無数のダーレク艦隊が送り込まれる人海戦術、さらにタイムパラドックスを繰り返したツケでタイムラインが悉く壊されていったために、ガリフレイを隠せる場所自体が減っていた

*12 名前が紛らわしいが、ラシロンが属する行政担当の最高評議会ではなく、軍事方面の指揮を担当

*13 事実、1989年から90年にかけてNHKで放映された際のキャストの役名表記がドクター・フーになっていた

*14 ドクターには心臓が2つあり、最後までそれを訴えていたのだが、それを妄想だと断じた医者が「通常通りの」処置を行ったせいで結果的にトドメを刺してしまった

*15 メタ的な事情では、9代目ドクターを演じたエクルストンが1シーズン限りで降板し、その後の出演も辞退していた為。また、製作総指揮のスティーヴン・モファットは「8代目ドクターはロマンチストなキャラであり、彼がタイム・ウォーを終わらせる画が浮かばなかった」とコメントしており、結果的にウォー・ドクターが考案された

*16 余談だが、後に女性が演じる事となった13代目ドクター(演-ジョディ・ウィテカー)の吹き替えを朴璐美が担当したため、夫婦そろってドクターを担当することとなった。

*17 NHKで放送された吹替版では、このくだりのアロンゾを「マイロ」、アロンズィを「参ろうぞ」に変えることで表現している

*18 この時のドクターはシーズン2の最終回にて、それまでのコンパニオンであったローズとの「永遠の別れ」を経た直後であり、精神的にかなり気を病んでいた時期であった。事件後、ドナはドクターからの旅の誘いを断りつつも、「誰か他に一緒に旅をする人を見つけて」「あなたには、あなたを止める人が必要」とドクターに告げている

*19 ドラえもんでいうタイムパトロールのような組織

*20 「このクララ」はシーズン7が初登場だが、それ以前のシーズン中に様々な時間軸に同姓同名かつ同じ外見の女性が登場しており、運命的なものを感じた11代目ドクターが自らコンパニオンにスカウトした

*21 現代の実弾兵器でも、一箇所に集中放火することで、ゲームの壁抜けバグのごとく、ごく稀に銃弾が貫通することがある。銃弾がダーレクに効くかどうかは別として

*22 ジャック自身はドクターの判断を理解しており死は覚悟の上だったが、それ以外の民間人達にはこの事実を伝えていない

*23 NHK放映時の日本語吹替版の翻訳。原語版は「Cult of Scaro」。後述する彼らの特異性等を考えると、「スカロの教団」「スカロの信徒」とも訳せるか。今更ながら実は、「集団」ではなく「宗団」だったりするんじゃ…?

*24 NHK放映時の吹替版では「テイン」

*25 ダーレクと肩を並べる、旧シリーズの頃からのドクター・フーお馴染みのヴィラン

*26 放送当時は名前だけで詳細な設定は存在しなかったが、後年に後付け設定が作られ、「時空の深淵、もしくは別次元の入口」とされている

*27 これも当初は名前だけが作られた存在であり、タイム・ウォーで発生した怪物のうちの一体のように描かれたが、後年にオーディオブックや設定資料集等で作られた設定では「ダヴロスが生み出した、手当たり次第にあらゆる物を食らって成長する新種のダーレクであり、制御不能となったためにあえてエリュシオンの門へと誘導された」とされている

*28 集められた惑星は、かつてのタイム・ウォーのガリフレイのごとく、時間の位相をずらすことで隠匿されていた

*29 何なら、そのあとに要塞「クルーシブル」も大爆発しているので、あれで死んでない方がおかしいレベル

*30 ダヴロス博士を救出したダーレク・カーンがこれに該当

*31 ただし、実際には「再生エネルギーを使い果たし、ゾンビのような状態で登場する」「魂のみの状態で他人に憑依する」という展開もあり、正確な意味で何代目なのかは実ははっきりしていない。ドクター同様に「演者が交代する」という数え方であれば4代目まで

*32 タイムロードとしての記憶だけでなく、「2つの心臓やDNA」という生物学的な特徴に至るまでを、『特定の何か』に封印することで、一時的にただの人間に成りすますことができる装置。作中でドクターとマスター両名は『何か』に懐中時計を使用した

*33 2017年発売のオーディオドラマより、「ウォー・ドクター同様にタイム・ウォーに参加していた頃のマスターの姿」と設定され、それに伴い後付けで設定された名前

*34 皮肉にも、記憶を封じたマスターは野心とは完全に無縁の、完全な善意で人々を助けようとする人物だった

*35 これは10代目ドクターの若々しい外見を見たマスターが「自分もあれくらいに若返りたい」という願望を抱いたため、それが反映されている

*36 実は、正確にはシーズン2の段階で既に出ており、背景にチラリと映るウェブのニュースや新聞などに、選挙活動を行うハロルド・サクソンの名前が出ている。わかるかそんなもん

*37 音を聞いたドクターは「ずっと一人でこの音に耐えていたのか」と、言葉を失うしかなかった

*38 本編内ではファイナル・サンクションと呼称されているが、放映後の公式名称やファンサイト、ネット等ではアルティメット・サンクションの名が使用されている場合もある

*39 放送後も詳しい設定は明かされず、現在もそのままだが、脚本担当のラッセル・T・デイヴィスは「自分個人の考え」と断ったうえで『ドクターの母親』のつもりで書いたと発言している

*40 ドクター・フーのシリーズを通して登場する、「三度の飯よりも戦争が大好き」を地で行く戦闘種族。凶悪である一方ちょっとおバカな一面からゆるキャラっぽい扱いになっていることも

*41 旧シリーズから登場する、国連から援助を受ける対エイリアン機関。当時のドクターも設立に関わった。

*42 ドクターのターディス内部の構造―外見よりも中身が広い―も、この凍結キューブの技術を応用したもの。凍結キューブはドクターのターディス内にも置いてある

*43 映画「ハリー・ポッター」シリーズに登場する、ハリーの従兄弟のいじめっ子ダドリー役のハリー・メリングの祖父

*44 ガン=カタでおなじみの映画「リベリオン」に登場する独裁者ファーザーやドラマ「GOTHAM」でアルフレッド・ペニーワースを演じるショーン・パートウィーの実父

*45 娘のジョージア・モファットはシーズン4で10代目ドクターのDNAから作られた「ドクターの娘ジェニー」を演じただけでなく、後に10代目ドクター役のデヴィッド・テナントと結婚した。そのため、夫婦と義理の父がドクター・フー関係者という珍事が発生した

*46 前述の通り、今作の出演も辞退していたため、シーズン1でダーレク艦隊に突入する際の映像が流用された。また、日本語吹替は山路和弘氏ではなく、ウォー・ドクター役の祐仙勇氏が兼任した。

*47 この時、画面手前に向かって一体のダーレクが吹き飛ばされており、後のシーズン1の再登場へとタイムラインが綺麗に繋がるとも解釈できる

*48 10代目ドクターが11代目に再生する直前に言った「I don't wanna go」と同一の台詞。晩年の10代目ドクターは、自分の「死」を極端に恐れていた。

*49 原語版の意味合いではダジャレだけでなく、WHO=ドクターだけが、知っているというような意味合いも含まれている

*50 このシーンでは、今作に出演した3人のドクター以外のドクター達は静止画から加工、合成される形で登場している。