ゆで卵(料理)

登録日:2011/04/30 Sat 14:49:19
更新日:2025/04/12 Sat 00:27:18
所要時間:約 3 分で読めます




ゆで卵とは名前のとおり、鶏やうずら等のを殻付きで茹でて作る料理である。
そう、これでも料理なのである。
漫画家のゆでたまごに関してはこっち

小学校の家庭科の授業で作ったこともあるのではないだろうか。

芸能人の板東英二(元中日ドラゴンズ投手)の大好物でもある。ちなみに固茹で卵派。
固茹でのことを英語で「ハードボイルド」という。
逆に半熟卵は英語で「ソフトボイルド」と言う。「ハーフボイルド」とは言わないので注意。

【作り方】

◎間違った作り方

殻付きの卵をそのまま電子レンジで加熱…

卵が爆発します。(通称爆発卵

某NHK子供料理番組ではこれをやって本当に爆発しました。
っていうか電子レンジの開発中にもしでかしたそうです。
よい子のみんなはマネしないでね。

でも実はマイクロ波を卵に直接当てさえしなければ…(後述)

◎一般的な正しい作り方

1.殻付きの卵を鍋に入れ、卵全体が水に浸るまで水をいれる。このとき、食塩を少量いれると茹でている際に殻が割れても中身が漏れ難くなる。

2.コンロに火を付け、水を沸騰させる。

3.沸騰後、目安として4分強~5分弱で取り出すと半熟卵が、10分で取り出すと固ゆで卵ができる。

4.殻を剥く。剥きやすくするために冷水で冷やしてから剥く、冷水で冷やしながら剥く等の方法がある。
が、じつは冷やさない方がきれいに殻が剥ける。

5.そのまま、もしくは好きな調味料をつけて食べる。


このようにゆで卵は手軽に作れる料理である。

しかし、手軽に作れるが、奥が深い。

  • 使用する卵の種類、サイズ、保存状態、冷蔵庫から出してからの放置時間
  • 気温、水の量、コンロの火力、お湯の温度、卵を入れておく時間
  • 殻を剥けやすくする方法
  • ゆで卵につける調味料の選択

などと様々なことを考慮すると作り方は無限大である。

暇なとき、無性にゆで卵が食べたくなったときは自分好みの最高のゆで卵作りをしてみてほしい。

基本的に水からゆでるのが常識だがこれは沸騰したときの気泡の性で卵が割れるのを防ぐためつまり、おたまを使って優しく入れる、火加減を調節して気泡の量を調節する、などの工夫をすれば案外お湯からゆでても大丈夫だったりする(むしろ半熟卵を作りたいときは白身だけ固まる条件のためにお湯からゆでているところが多い)


【ゆで卵料理】


◎たまごサンド

ゆで卵を細かく切り、マヨネーズ(好みで刻んだパセリを入れるのも可)とあえ、それを食パンなどに塗って完成。
縦半分に切ったゆで卵を挟んだ断面と厚みにインパクトのあるボリューミーなタイプもある。


おでん

おでんの出汁で煮て味を染み込ませれば完成。うずら卵のゆで卵は3つ程串に刺して煮る。
おでん屋によっては殻付きゆで卵にヒビを入れて煮ることで煮崩れを防いでいる。
ゆで卵を魚のすり身で包んで揚げた玉子巻もあり、地域や店によってバクダン、龍眼、アルマドとも呼ばれる。
鶏卵ではなくうずら卵を包んだタイプはうずら巻、巣ごもりと呼ばれる。


◎煮卵・味付け卵

ゆで卵を醤油やみりんなどで作ったダシで煮て味を染み込ませれば完成。

ちなみにラーメン屋で良く見る半熟の煮卵は、半熟に茹でた卵を沸騰寸前まで温めたダシに浸して冷蔵庫で寝かして作るので実は煮てない。正確には漬け卵である。


◎味噌漬け卵

ゆで卵を味噌や砂糖などで作った味噌だれに漬け込み、冷蔵庫に寝かせて味を染み込ませれば完成。


スコッチエッグ

ゆで卵を牛か豚のミンチで包み、衣をつけて油で揚げれば完成。


◎ポーチドエッグ

お湯に割った卵を入れゆでる。


タルタルソース

刻んだゆで卵とタマネギマヨネーズで和える。
お好みで酢や砂糖で味を整えたり、ピクルスや柴漬けを刻んでいれてもよい。


◎エッグカップサラダ

ゆで卵を縦半分に切って黄身を取り出す。
黄身を崩してお好みの具材と調味料で和え、白身から黄身を取り出した部分に盛り付ける。


◎肉巻き卵

半熟ゆで卵を薄切り豚肉で巻き、小麦粉を全体にまぶす。
フライパンで全体に焼き色が付くまで焼いたら、醤油ベースの甘辛たれを煮絡めて完成。


◎和菓子

桃山や黄味時雨は、ゆで卵の黄身を裏漉しして白あんと合わせた黄身餡から作られる。


◎洋菓子


フォラール・デ・パシュコア
ポルトガルの復活祭に欠かさないパン菓子。
アニスやフェンネルといったシード入りのパン生地にゆで卵を殻ごと埋め込んでいて、復活祭の当日か翌日に食べる。
地域差があり、ゆで卵を使わないタイプや甘くないセイボリータイプも存在する。

タルト・リンツ・アルザシアン
アルザス版リンツァートルテ。
オーストリアのオリジナルは、ケーキクラム入りの生地に硬質オブラートとレッドカラントのジャム(ドイツではラズベリージャム)を組み合わせているが、
フランスのアルザス地方では、裏漉ししたゆで卵の黄身が入った生地にフランボワーズのコンフィチュール(ラズベリージャム)を組み合わせる。
ゆで卵の黄身を使うことで、生の卵黄を使用した時よりも口融けは良くなるが、生地が脆くなる欠点もある。

サブレ・ド・カーン
ノルマンディー地方にあるカーン名物のショートブレッドで、オレンジ風味とシナモン風味の2種類が存在する。
ショートブレッドの基本配合(小麦粉:バター:砂糖)は3:2:1だが、サブレ・ド・カーンは2:2:1までバターを多くする例もある。
裏漉しした茹で卵の黄身、ふるった薄力粉とグラニュー糖、オレンジゼストかシナモンパウダー、バニラパウダー、塩を混ぜ合わせる。
イズニーバターとカルバドスを加えてすり合わせ、粒状になった生地を纏めてからラップで覆い、冷蔵庫に入れて40~90分くらい休ませる。
厚さが5mm程度になるまで薄く伸ばして花形の型で抜き、180度に予熱したオーブンで10~12分ほど焼成する。

ブレデル(ブレダラ)
茹で卵の黄身を使用するフランスのアルザス・ロレーヌ地方やドイツ南西部のクリスマスクッキー。
生地の材料は茹で卵(Mサイズ)1個分の黄身に対して、純粉糖50g、無塩バター50g、レモンゼスト1/5個分、バニラビーンズ1/2本、薄力粉100g、アーモンドパウダー50g。
常温に戻した無塩バターと純粉糖を滑らかになるまで練ってから、裏漉しした茹で卵の黄身、レモンゼスト、バニラビーンズと合わせてよく混ぜる。
ふるった他の材料と粉気が無くなるまで混ぜたら生地をラップで覆い、冷蔵庫で1~2時間くらい休ませる。
厚さが5mm程度になるまで薄く伸ばして好みの型で抜き、卵黄1/2個分を小さじ2の牛乳で溶いた卵液を塗り、180度に予熱したオーブンで10~15分くらい焼成する。
なおブレデルは1冊の本になるくらい種類が多く、ここで挙げたレシピはほんの一例に過ぎない。

ソルティード・ウンガロ
茹で卵の黄身を使用するポルトガルのビスケット。
生地の材料は茹で卵(Mサイズ)1個分の黄身に対して、薄力粉100g、コーンスターチ10g、グラニュー糖20g、無塩バター70g。
常温に戻した無塩バターとグラニュー糖を滑らかになるまで練ってから、裏漉しした茹で卵の黄身と合わせてよく混ぜる。
コーンスターチとともに振るった薄力粉を加えて粉っぽさが無くなるまで混ぜたら、生地をラップで覆って20~30分休ませる。
厚さが5mm程度になるまで薄く伸ばして好みの型で抜き、180度に予熱したオーブンで13~15分くらい焼成し、取り出して完全に冷めるまで待つ。
湯煎したダークチョコレートを表面積の半分ほど絡めて、乾いたら出来上がりである。

カネストレッリ・ディ・トッリーリア
茹で卵の黄身を使用するイタリアのビスコッティ。
生地の材料は茹で卵(Mサイズ)1個分の黄身に対して、薄力粉50g、コーンスターチ35g、純粉糖25g、無塩バター50g、レモンの皮1/4個分か製菓用のレモンオイル適量。
角切りにした冷温の無塩バターと粉類をすり合わせて粒状にしたら、裏漉しした茹で卵の黄身やすりおろしたレモンの皮かレモンオイルと合わせて生地を纏める。
生地をラップで覆って冷蔵庫で60分ほど寝かせてから、厚さ10mm程度になるまで薄く伸ばし、マーガレットの型で抜いて生地の中央に円形の穴を開ける。
170度に予熱したオーブンで12~15分くらい焼成し、取り出して完全に冷めるまで待つ。仕上げにプードルデコールを振れば、出来上がりである。

マルゲリティーネ・ディ・ストレーザ
茹で卵の黄身を使用するイタリアのビスコッティ。
生地の材料は茹で卵(Mサイズ)1個分の黄身に対して、薄力粉40g、馬鈴薯澱粉20g、純粉糖20g、無塩バター40g、レモンゼスト1.5g、バニラオイル適量。
常温に戻した無塩バターと純粉糖を白っぽくなるまで練ってから、バニラオイルと裏漉しした茹で卵の黄身を加えて混ぜる。
ふるった粉類やレモンゼストと合わせて滑らかになるまで混ぜたらラップで覆い、冷蔵庫に入れて30~60分休ませる。
厚さ9mm程度になるまで薄く伸ばしたらデイジーの型で抜き、180度に予熱したオーブンで12~15分くらい焼成する。
完全に冷めるまで待ち、仕上げにプードルデコールを振れば、出来上がりである。


【勇気のある人のための作り方】

※少しの勇気がある方向け※

電子レンジでの作り方


卵が入るサイズのマグカップを用意

卵にアルミホイルを隙間無く巻く

マグカップに卵が浸る量の水を入れる

レンジでチン!

大体五分くらいで完成です


※少しの勇気がある方向け2※

黄金のゆで卵の作り方


人が被れるサイズのストッキングを用意

卵にテープを隙間なく巻く

ストッキングに卵がピッタリ入るように縛る

ブンブンゴマの容量で10回回す

後は普通に茹でるだけ


【コラム】

都市伝説「固茹で卵の白身だけ食べると痩せる」

あの手この手でダイエットを図る人々が一度は耳にする噂。
卵の白身そのもののカロリーよりも、それを消化するカロリーのほうが多いので痩せる、というのがその理屈なのだが、これはガセネタなので注意。
卵は白身だけにするとカロリーが1/3以下になり、かつ高タンパクであるため、筋肉増強などには理想的な食べ物という意見もある。
しかし、これも最近ではダイエット向きではないというのが定説である。なぜなら、黄身はカロリーの割には栄養価が高く、脂肪燃焼のお供のビタミンB12が豊富であるため。

そもそも卵の黄身一個で左右されるカロリー量などたかが知れているし、白身のみではかえって満腹感を得られずお腹が空いてしまうのである。
よほどストイックに筋肉を鍛えることを望み、かつ黄身が嫌いなどでもないかぎりは、丸々そのまま食べたほうがお得。

世界のゆで卵

ゆで卵は世界中でポピュラーな食べ物だが、このゆで卵が特に大好きなのがポーランド人。
そのまま食べるのは勿論、スープやサラダなどの具にもしばしば用いられる。

中には、
 おせちでおなじみ「数の子」の噂がポーランドに伝わる
  →「日本人はニシン”の”卵が好きらしいぜ!」
   →「へぇ、日本人はニシン”と”卵が好きなのか!」
……という勘違い伝言ゲームから生まれた、ニシンとゆで卵を使った料理「シレチ・ポ・ヤポンスク(日本風ニシン)」なども存在する。
勿論本当にこんな由来なのかの真偽は不明なのだが、ナチュラルに「卵=ゆで卵」の脳内変換がされたと言われても違和感がないのがポーランド流なのである。



ぼくぁね、ゆで卵がすきなのよ
高校野球の一大会における奪三振記録保持者の方は追記・修正よろしくお願いします。

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