ケンゴウ/セルアーマー

登録日:2010/03/24(水) 13:26:40
更新日:2025/06/03 Tue 20:22:22
所要時間:約 3 分で読めます




風来のシレンシリーズに登場する、ゲイズ、カッパ、アークドラゴンらに並んで数えきれないほどのトラウマを作り出してきたモンスター。

概要

「セルアーマー」は剣を構えた鎧だけが浮遊してさまようゴースト属性モンスター、「ケンゴウ」は光沢のある鎧に身を包んだ武者型のモンスター。
セルアーマー種は初代シレンGB12、DS1・2に登場し、それ以外のタイトルではケンゴウ種が皆勤賞をつとめている。

共通する特殊能力は「装備中のアイテムを弾き飛ばす」。
弾かれた武器や盾や腕輪はシレンの背中の方から最大10マス先に飛んでいって落ちる。飛んでいった先が壁なら問題ないが…
  • 直線上に敵や仲間がいてぶつかり、たいしたダメージを与えて
  • 地雷・落とし穴・モンスターの罠の上に落ちて
  • ワナはないものの水の中や溶岩の中や谷底に相当する地形に落ちて
  • 部屋に遠投の土偶があったり遠投の腕輪を装備していたので遥か彼方に
飛ばされた装備は消滅する。カブラステギだろうとラセン風魔だろうと火迅風魔刀(GB2だと一品物)だろうとワナ師の腕輪だろうと戻ってこない。
苦労して鍛え上げた装備、地獄を見ながら獲得したレアな腕輪を一瞬にして失い唖然としたシレンジャーは数知れず。
ご丁寧に、壁が少ないシャッフルダンジョンで出現することがあるのがシリーズのお約束。
ランダムダンジョンでも壁が全部水路とかいうフロアで出てくることがあり、当然ヤバい事態となる。

床落ちの装備面が貧弱なダンジョン(例:中腹の井戸のようなワナダンジョン)ではさすがに特殊能力の脅威は薄れるものの、そういうダンジョンはたいてい盾にも頼れないので今度は通常攻撃が痛い。
しかもケンゴウ系は周囲の敵に比べて攻撃・防御に優れているケースが多く、普通の殴り合いでさえ消耗しやすい。
余計に正面きって戦いたくない敵である。視界が確保できない時なんてもうお祈りレベル。

セルアーマー種はゴースト属性なので「成仏のカマ」を合成した武器に弱い、浮いているので罠にかけられないといった細かい違いがある。また、作品によっては呪われた装備は弾かない。

悪夢例

  • モンスターハウス開幕でいきなり盾弾き、酷い時には召喚スイッチでフル弾き
  • 壁を背にして一安心。ん? なんかフシューフシュー聞こえるぞ→遠投の土偶
  • そこには弾かれたマンジカブラが突き刺さったタンスの姿が!
  • 弾かれた武器をヒマキチがナイスキャッチ! アンドリリース!
  • 水路フロアで出会い頭→弾かれ水没→たまらんガッパに先を越され投擲→直撃死
  • 壁から一マス離れてるけど、まあ大丈夫か→未発見の大型地雷、落とし穴、モンスターのワナの上に落ちる象牙の盾
  • 行商人「拾った武器売るアルヨ!」
  • 頭から湯気を出したシハンによる怒涛の連続弾きで1ターンで丸裸
  • みだれ大根の草投げで暴走→ちょっとまて腕輪変えてないんだけど!!→むなしくタツジン弾きで装備消失

種族の内訳

Lv1のケンゴウ/セルアーマーだと盾しか飛ばされないが、ゲイズやにぎり変化種と違い攻撃力も高い為、迂闊に盾を外して戦うと危険。
呪われた装備だろうと弾いてくれるが、装備外しの罠の代替に使うには攻撃力が高いためあまり手軽には利用できない。
水をかけたり毒矢でも当てて攻撃力を下げられればいいのだが、中々都合よくはいかない。

Lv2のイアイ/クロムアーマーになると装備中の武器を弾くようになり、Lv3のシハン/チタンアーマーになると腕輪も弾く対象になる。
その上、大体のタイトルでステータスも高い強敵になる。(セルアーマー種は弱点が多く、倒しやすさで差がついている)
腕輪は剣や盾と違ってダメージが低そうだが、ナンバリングによっては腕輪も合成で育てる要素があったり、「特技を防ぐ」「視界を広げる」「新たな力を得る」など命綱になりうるので、やはり軽視はできない。
そしてシレン4以降の最上位のタツジンに至っては、放物線を描いて装備中の剣・盾・腕輪をシレンを中心とした部屋外や通路を含む10マス以内のどこかへランダムに弾くようになり、
壁を背にして戦う戦法すら通用しなくなったのでますます接近させてはならないモンスターになってしまった。
もうやだこの種族。
あまりにキツいとみなされてかシレン6では出現場所が限られているが、一部の山伏の手によりンドゥバよろしくアイテムに擬態して奇襲する個体がいるので怖い。

対策アイテムはごく限られており、「必着の腕輪」/「弾きよけの腕輪」を装備するか、6で初登場した「目配りのお香」を焚いてその隙に倒すか振り切る必要がある。
他のモンスター経由のアイテムロストを防ぐ意味でも腕輪装備で対抗するのが有効だが、これらに頼れるのはアスカ見参になってから。
それまでは接近された際に杖で無力化するか巻物を使わないとどうしようもなかった。

ケンゴウ種が進化する一方でセルアーマー種も独自色を得ており、GB2/DS2では手持ちのアイテム全ての中から1つを弾く*1という進化を遂げている。
登場タイトルが少なくなかなか遭遇しないだろうが、壺を狙われるとアイテム管理スケジュールがいきなり狂う羽目に。

プレイヤー側として

敵としては極悪だが、仲間としては素晴らしいモンスターでもある。
なんといっても特殊能力で、ドロップアイテムの有無を問わずモンスターから装備品を弾き飛ばしてくれる。ダンジョンによっては床落ち率の低い装備品を荒稼ぎしたり、合成材料をガッポガッポ入手することができる。
初代ではテーブルマウンテン以外の各種ダンジョンで、セルアーマー種の能力のお世話になった風来人も多い。打開につながる各種の盾の入手率を上げられるのは大きい。
シレン2になってケンゴウ種になっても勢いは衰えない。
装備品が落ちていない「神社の隠し穴」ではイアイを連れ、モンスターから弾いて入手したプラス付き武具をマゼルンで合成することが肝となる(隠し穴にはノーコンの腕輪しかないので、シハンよりもイアイが効率的)。
いちおう装備品ではなくモンスターに頼るダンジョンなのだが、時間をかけてでも死亡率を下げたい人はやるものである。
よりアイテムが多彩な「最果てへの道」では武器集め能力により、特殊合成武器である「サトリのつるはし」「サトリの盾」「龍神剣」の入手も狙うことが可能であり、打開率やスコアアタックにも貢献してくれる。
話しかけると物静かな武士といった印象で、よく言えばストイック。悪く言えば不愛想な御仁。
どのレベルでも相手を斬ることに命を懸けているようだが…彼の場合斬撃よりも弾き飛ばしが本分なのは言わない約束。

以降のシリーズでは「アスカ見参」「3」「6」でも登場するが、「拡張に関わるスロットが全種族中ワースト1」「周囲の環境上、非常に頼りにくい」「神器は対象外なので、天然印稼ぎには向かない」などの外的要因で、ガンガン使えなくなっている。
それでも効果を発揮する時は打開のキーになるアイテムを1フロアで何個も弾いてくれるので、タイミングが合ったら頼るべき。

関連モンスター/キャラクター

  • ジャンガリガン種
GB2/DSに登場するハムスター型のモンスター。特技でシレンの持ち物を奪って、後方に投げるという特技を持つ。(実在するハムスターの習性を模したもの)
壁を背にするというセオリーが通用せず、ジャンガリガン種の後ろにいる敵に命中してロストする危険が高い。
一方で、ステータスが低い、特技使用率が低い、装備は奪わない、可愛いという点もあってあまり目立たない。

  • いたずら小僧種
「6」で初登場した新手の一つ目属性モンスター。内訳は上記のジャンガリガン種とギャドン種をかけあわせ、マイルド方面に調整した趣。
いたずらと称してシレンから道具を奪って、タツジンよろしく自分の周囲に投げ捨てるという特技を使う。対象はレベルが増えるごとに杖→草→食糧→巻物と範囲が拡大される。
投げ捨て方はランダム性が強いが、罠や他のモンスターめがけて投げられアイテムロストしたり、壁の向こうの水路に投げられて回収不可能になったりという危険性は健在。
ただ、身につけてない装備品や壺・お香を対象にしてこないし、投げられたアイテムも直接害されたりはしないので、出現階層では他を警戒したほうがよかったりする。
仮に壺やらが対象になっていたら話題を呼んでいただろう。
他のモンスターに比べて攻撃力が高めになる代わりに、防御力がやたら低いというアンバランスなパラメータも特色。
レベル4のあくたれ小僧の攻撃力はかなりのものだが、それに迫る攻撃力で倍速2回攻撃をするミラクルチキン、有射程攻撃をするデスヘッドなどの存在もあり、中々目立たない。

ちなみにケンゴウ種同様に、「ドロップアイテムの有無を問わずモンスターからアイテムを投げ捨てる」ことが可能なので、変身先としてはたいへん優秀。
いたずら小僧の時点でも、何回も使える打開の味方である「杖」が稼げて識別作業も捗るので侮れない。

がいこつ剣士は2作目から登場。ホイミによるしぶとさでもなく、ルカナンによる弱体化戦術でもなく、シレンシリーズから盾弾き能力を獲得した。
デビュー当時は武器と指輪対象外で、もっと不思議でも「わざふうじの盾」を合成していれば無害になるので、ケンゴウ種よりも有情だった。
が、難易度が高騰した3ではそうでもなくなる。もっと不思議に出現しない「技封じの指輪」に頼らなければ防ぐことは出来ない一方で、装備中の盾・武器・指輪に加えて矢まで対象にしてくる。
上位種の死霊の騎士・影の騎士や、ヤンガスに出現するソードファントム・ダークナイトはGB2/DS2のセルアーマーから拝借して「アイテムはじき」を使用。(ヤンガスでは全員がアイテム弾きに統一)
仲間連れが前提となり直撃しかねないポポロ異世界、仲間モンスターの管理にモリーの壺が必要なヤンガス環境、疲れたところで狙ってくる999Fダンジョン魔導の宝物庫…
難易度が違おうとも脅威は形を変えて健在なので、できるだけ使わせてはならない。

なお、プレイヤー側だとアイテム弾き関係の特技の性能は非常に悪く、ドロップアイテム持ちからあらかじめ弾くという使い方しかできない。無から有を生み出すような荒稼ぎは不可能。

FF6からの登場。装備をはじいて飛ばしはしないが、外すという妙技を持つ。アイテムを盗む敵と同時出現すると悲惨なことになる。

  • はたきおとすを持つポケモン(ポケモン不思議のダンジョンシリーズ)
隣接した相手の装備している品をはたきおとす技。アイテムが落ちる場所は周囲1マス。
ゲームの性質上水没したり、奈落・溶岩送りでロストする危険性は結構高く、持ち主によっては壁の中から仕掛けてくるという卑劣な真似をされる。
タイトルによってはダメージを与えない事もあったが、最新作の「DX」あたりでは普通にダメージを受け、道具を持っていると威力も上がるという原作再現。

本家では3に登場した雑魚敵。後ろに花火など嫁がいることが多い為低レベルは盾を弾いて足元に落とすだけと優しい。しかしレベルが上がると飛ばすようになる。

その他余談


  • 手塩にかけたアイテムを容易くロストして回ったその功績から、64版公式ファンブックで、見事嫌いなキャラの一位に輝いた(二位は行商人、三位はゲイズ先生)。


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最終更新:2025年06月03日 20:22

*1 装備が狙われる危険性が低いのでまだマシだが、壺を狙われると悲惨。ちなみに初代・GBではケンゴウ系と同じ能力である