日本国海上自衛隊を始めとする、
地球の11ヵ国の海軍の艦艇で採用されている主砲。実在する。
本項ではMk.42と45の両方に触れる。
概要
アメリカ合衆国の会社、FMCで製造された主砲。
化学品・機械メーカーで「Food Machinery Corporation」の略が会社名になってる。
コーポレーションのCなのに、なんでか「FMCコーポレーション」って呼ばれてたりもするけどそこはおいておく。
もっとも、OTOメラーラと同じくFMCも兵器部門はユナイテッドディフェンス社を経て今はBAEの一部になっているんですがね。
製造会社はOTOメラーラほど有名ではないので、やっぱりおいておく。
話題になってるのも見ないし。
一応簡単に書くと、チャレンジャー2みたいな戦車と、あとミサイルも作ってる所。
Mk.42 5インチ単装砲
アメリカ海軍で開発された5インチ砲である。
ちなみに5インチは127mmである。艦砲はインチ単位で増えるから半端な数字になってることが多い。
かつてアメリカ海軍で採用されていたMk.30,32,39等の5インチ砲に変わるべく生まれた主砲。
Mk.30と32は太平洋戦争時代に使用されていたもので、日本の特攻機に対応できる有効な砲だったりした。日本人的には色々と複雑だがこれもやっぱりおいておく。
そんな本砲のスペックだが
重量 |
70t |
初速 |
810/秒 |
最大射程 |
23.5km |
発射速度 |
40発/分 |
旋回速度 |
40度/秒 |
砲員 |
16名 |
命中率は本砲の導入時に最新だったMk.68射撃指揮装置の併用で中高度の亜音速機への命中率は5%。
Mk.42は装填が自動化されましたが、旋回装弾等の管制する制御盤は砲塔内にあるから、砲雷長と射手の二名は最低限必要。
そんなMk.42だが、アメリカ海軍では1968年に開発されたMk45……つまりこの後別に書く方だが、そっちは内部が完全に無人。これの配備が進みまして現在では使用されていない。
だが海上自衛隊ではまだ現役……と言っても搭載全艦がそろそろ引退だが。
多分だが日本国召喚の完結より全艦引退のほうが早い。
昭和42年計画のたかつき型より導入され「たかつき」と「きくづき」はアメリカから輸入したものを搭載しておりましたが、それ以降の姉妹艦二隻及びはるな型DDH、しらね型DDH、たちかぜ型DDG、
はたかぜ型DDGはライセンス生産した「73式54口径127mm単装速射砲」という名前になった物が搭載されている。
本砲は上でも簡単に触れたが、前期モデルと後期モデルが存在し、前期モデルはMad0~6、後期モデルはMad7~10である。後期のは重量62.3tまで軽量化されて砲員も12名に削減、一名換装員に変更。
海上自衛隊の「73式54口径127mm単装速射砲」はMk.42(J)MadN-7とアメリカ側で呼ばれている。つまりMad7の派生である。
Mk.45 5インチ単装砲
アメリカ海軍が1960年代に開発した5インチ砲でそれまで運用されていた他の5インチ砲よりコンパクトな形状になっております。
Mk.45は1968年にアメリカで開発された5インチ砲であり、上で書いたMk.42の後継として対空、対水上、対陸上支援射撃が可能な軽量自動砲の開発に着手しました。
発射試験の結果、アメリカ海軍は本砲の機能にご満足。「Mk.45 Mod 0」として制式化、量産がはじまりました。
そんな本砲の要目だが……一つ注意。
今回は現在運用されているMod2と、改良型のMod4に絞って解説させていただく。
とはいえMod0と1もそれとなくは触れる。 Mod3は実用化しなかった。
Mod 2 |
口径 |
54口径 |
重量 |
21.69t |
初速 |
762m/秒 |
最大射程 |
24.1km |
発射速度 |
20発/分 |
俯仰角 |
-15~65度 |
Mod2は元々、Mod0を改良したMod1の海外輸出向けの型として開発されて、1988年からアメリカ海軍で運用が始まりました。
とりあえず動画で御覧ください。後半はMk46で違うやつだけど。
続いてMod4
Mod 4 |
口径 |
62口径 |
重量 |
28.92t |
初速 |
1.051km/秒 |
最大射程 |
37km |
Mod4は2001年から運用が始まった型で、口径を54口径から62口径に変更して初速を上げて対地攻撃力を上げて、砲塔も角ばった物。つまりステルスシールド。
砲員は、管制室に砲台長、コントロールパネル操作員の二名、砲塔下部給弾室に4名の計6名で構成されている。
上のMk42は最大16名だがこっちは半分以下である。
発射の手順は、まず砲塔下部の給弾室から砲弾と装薬を揚弾機に装填。砲塔上部にある揚弾腕に移され、揚弾腕が砲尾に達すると装填樋を介して薬室内に装填、尾栓が自動的に閉鎖されて、砲弾が発射されると、次に空薬莢を排出するための空薬莢排出樋を介して排出シュートを通って、空薬莢は砲塔外に排莢されます。
ちなみに、Mk45は42と違って砲身下からではなく上から排莢する。
内部映像を見つけたので御覧ください。文章よりわかりやすいんじゃないかと。
そんな本砲を搭載した艦船と採用国。
Mk45は1974年に就役した原子力ミサイル巡洋艦「カリフォルニア」から搭載が開始。
最初の艦なので搭載したのは初期型のMod0ね。
リフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦 一番艦「CGN-36 カリフォルニア」
出典:アメリカ合衆国海軍公式HPhttp://navysite.de/cg/cgn36.htm)
その後Mod0は
スプルーアンス級駆逐艦
バージニア級原子力ミサイル巡洋艦
タワラ級強襲揚陸艦(後日撤去されてる)
キッド級ミサイル駆逐艦
以上に搭載。
砲塔はアルミ合金製であり、耐水構造、自動防水装置付きであり波浪と風雨に耐える全天候型砲塔である。
あとこれ、砲身の交換が簡単にできるように作ってあったりする。
その後、スプルーアンス級十五番艦「ブリスコー」に改良型のMod1が搭載、1980年2月から海上発射試験が行われました。
Mod1は、Mod0の機械式信管調停装置を電子式に変更、誘導砲弾の発射にも対応可能。
さらに、この砲の弾倉ドラムには、弾種の異なる七種類の砲弾と信管四種類の装薬を装填可能であり、コントロールパネルにより異なる組み合わせの砲弾、信管、装薬の装填が可能としている。
Mod1は現在、台湾海軍で運用されてる旧キッド級ミサイル駆逐艦の基隆級と、トルコ海軍のヤウズ級フリゲートに搭載されています。
こっちは現在多く使用されてるMk.45の型であり、アメリカ海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦。
他、
オーストラリア
ギリシャ
スペイン
タイ
デンマーク
トルコ
以上で運用されている。
上でも簡単に書いたが、砲塔が丸みを帯びた形からステルス性のある角ばった構造となり、砲身も54口径から62口径と長砲身となった。
初速も戦車砲並みに上がり射程も大幅に延長されmod2より13km長い37kmになっている。
Mod4はアーレイ・バーク級三十一番艦「ウィンストン・S・チャーチル」から搭載開始。なんでイギリス首相の名前かと思われた方、米英の友好の証らしいです。第二次大戦時も連合国同士だったし。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦三十一番艦「DDG-81 ウィンストン・S・チャーチル」
出典:アメリカ合衆国海軍公式HPhttp://navysite.de/cg/cgn36.htm)
それとタイコンデロガ級が、イージス近代化計画の一環の巡洋艦近代化計画と称した大規模な近代化改修を受けて、このときにMod2から4に更新中。
Mod4はアメリカ海軍以外だと、オーストラリア、韓国、そして我らが海上自衛隊で運用されております。
そんな海上自衛隊では、Mod4を平成14年計画艦である
あたご型護衛艦より搭載開始。日本製鋼所のライセンス生産。
その後、
あきづき型(現役の方)、あさひ型、
まや型に搭載されている他、現在建造中のもがみ型にも搭載された。
OTOメラーラから切り替わった理由
諸説あるので正確なことは
防衛装備庁あたりに勤めないことにはわかりません。
そこんとこ念頭に入れてよろしく。
まずOTOメラーラのほうが採用国が圧倒的に多いあたりわかると思うが、こっちのほうが評価は高い。
射程と初速と重量以外OTOメラーラのほうが勝ってるし。
じゃあなんでよということだが、OTOメラーラはイタリアの会社で、FMCはアメリカの会社です。
で、日本で運用してるイージスシステムはアメリカ製。同盟組んでるのもアメリカ。
なんでもOTOメラーラの方はイージスシステムと相性が良くないというか、直接接続できなかったんだそうな。
こんごう型は主砲の管制にFCS-2を使用しておりますが、あたご型の方はこういうことしてないんですね。
これはイージスシステムに標準で組み込まれてるから、わざわざ砲の管制に別のFCSを搭載する必要がなかったと。もっとも、ミサイル誘導の方は別に光学照準のを追加で積んでるけどさ。
じゃああきづき型とか非イージス艦はというと、FCS-3とも相性が良いんだとか。
あさひ型にもFCS-3の個艦防衛版のOPY-1が搭載されている。
なおもがみ型には新たに開発されたOPY-2が搭載されている。
それと重量。
Mk.45のほうが軽い。OTOメラーラ127mmが37.5tに対してMk.45はMod4で28.924t。10t近く違う。
あたご型はこんごう型と違いヘリコプター格納庫があるわけで、その関係でVLSがこんごう型と前後配置が逆。だから前の方が重量増加してしまい、凌波性の悪化が発生したのではと言われてる。
あきづき型以降もだいたい同じ理由と言われてる。
あと砲の操作要員がOTOメラーラ8名に対してMk.45が6名と少ない。
艦砲の用途も変わった。
こんごう型の主砲の主な用途は対空射撃で、おまけに対水上と対地という感じ。
一方のあたご型の主な用途は対地射撃。対艦ミサイル相手に使うことはあまり想定してない。
ミサイルとCIWSにお願いしようということ。
もちろん航空目標相手に使えないというわけではない。
だってミサイルってマッハいくつの世界かという問題で、ミサイルで迎撃に失敗したものが主砲からCIWSまでの時間はどんなもんよと。
連射力あってもそんな何発も撃ってられないから~という感じ。
他にも電子妨害とチャフも並行しますしね。
それに対地攻撃重要ですし。揚陸支援とか用途は多い。
実際着弾観測射撃の訓練とかやってる。どっかの国から文句来てるけど、あいつら巡航ミサイルやら核やらあるし。
そして整備性。水冷で海水使うわけじゃないですか。
Mk.45は空冷ということもありますので、内部機構もそうだけどこちらのほうがメンテナンス性が良い。
とまぁ、諸説ありまして、この中のいくつが合ってるのかは不明だし、全部違う可能性もあります。
ただこういう理由なんであろうなー程度に思っていただけたらと。
実際のところは不明です。盲目的に信じないでね。説他にもあったら書き足してください。
作中の日本はイージスシステムの代替を日本単独で作る必要があり、ライセンス周りはすべて消滅している。ようは魔改造が許される環境になってる。というかせざるを得ない。
取り敢えずはMk.45の生産を続けるだろうけど、OTOメラーラとMk.45の良いところも組み込んだような砲が誕生するのかも。断定出来ないけどね?
CIWSの方ははたかぜ型とかから移植すれば良いんだがね。やはりこちらも数に限りがあるわけで、いつまでも状態が良いわけもない。
第七護衛隊群まで作るわけだし、これに限らず早かれ遅かれ独自開発は必要になる。
頑張れ兵装試験艦「あすか」と防衛装備庁。
間違いなく後継艦作られるでしょう。
作中での活躍
OTOメラーラの方でも書いたが、艦砲射撃の書き分けが一切無い為今の所活躍の内容はあちらと完全に同一。どの護衛隊群にも一隻は居るので、砲撃シーンがあったら必ず撃ってる。連射力に劣る都合、撃破総数においては劣ると思われる。
ただし対地攻撃力は上回るので、
エストシラント沖大海戦においては本砲が猛威を奮ったであろう。
OTOメラーラも対地は出来るが……少なくとも着弾観測射撃が行われているのは間違いないので、「
あしがら」の成果は多かったのではないだろうか。多分。
明確な活躍として今の所特筆すべきは、やはりあきづき型三番艦の「
すずつき」の砲撃による
ワイバーンロード撃墜であろうか。
フェン王国の戦いでコウテ平野沖で偵察活動中のワイバーンロード12機を主砲にて全機撃墜。その後
戦列艦も全隻主砲にて撃沈。
以上を
ムーの観戦武官の前で披露した点である。
上で対空が云々書いてるが、前述のmk39より連射できるしFCSも付いてるから出来ないわけではないのである。ましてやミサイルどころか現代航空機の何分の一の速度しか出ないワイバーンロードである。
連射力はOTOメラーラに劣るが、それでもムーの観戦武官には連射力で驚かすのに十分であった。
最も驚かせたのは命中率である。これで砲の詳細を知ったらどういう反応だったのだろう。
他、何かありましたら加筆願います。
詳細化希望。
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〔最終更新日:2024年10月06日〕
最終更新:2024年10月06日 15:25