艦種 |
ミサイル護衛艦(DDG)→練習艦(TV) |
建造期間 |
1983年~1988年 |
就役期間 |
1986年~就役中 |
次級 |
こんごう型 |
排水量 |
基準:4,600トン (2番艦は50トン増) |
満載:5,900トン (2番艦は50トン増) |
全長 |
150 m |
全幅 |
16.4 m |
吃水 |
4.8 m |
深さ |
9.8 m |
機関 |
COGAG方式 |
TM3Bガスタービンエンジン (22,500 shp) |
2基 |
SM1Aガスタービンエンジン (13,500 shp) |
2基 |
推進器 |
2軸 |
速力 |
最大30ノット |
航続距離 |
6,000海里 (20ノット巡航時) |
乗員 |
260人 |
兵装 |
73式54口径5インチ単装速射砲 |
2基 |
高性能20mm機関砲(CIWS) |
2基 |
Mk.13 mod.4 単装ミサイル発射機 (SM-1MR SAM用) |
1基 |
ハープーンSSM 4連装発射筒 |
2基 |
74式8連装アスロック発射機 |
1基 |
68式3連装短魚雷発射管 |
2基 |
艦載機 |
ヘリコプター甲板のみ |
FCS |
Mk.74 mod.13 SAM用 |
2基 |
FCS-2-21C 主砲用 |
1基 |
SFCS-6A 水中用 |
1基 |
C4I |
SUPERBIRD B2衛星通信装置 ※後日装備 |
海軍戦術情報システム (OYQ-4-1 TDS+リンク 11/14) |
レーダー |
AN/SPS-52C 3次元式 |
1基 |
OPS-11C 対空捜索用 |
1基 |
OPS-28B 対水上捜索用 |
1基 |
ソナー |
OQS-4(I) 艦首装備式 |
1基 |
電子戦 対抗手段 |
NOLQ-1-3電波探知妨害装置 |
OLR-9Bミサイル警報装置 |
Mk.137 6連装デコイ発射機 |
4基 |
曳航具3型 対魚雷デコイ装置 |
概要
あまつかぜ、たちかぜ型に続く海上自衛隊の第3世代ミサイル護衛艦で、最後のターター・システム搭載護衛艦。
世界中のイージス艦と
むらさめ型、
たかなみ型、
あきづき型に次ぐ強力な防空能力を持つ。
特徴
搭載しているターター・システムは、1970年代を代表する艦隊防空用の中距離
艦対空ミサイル・システムで、イージス・システムが開発されるまでは最も高性能な対空システムだった。
はたかぜ型に搭載されているのはその中でもデジタル技術の導入などの改良を加えて統合武器システム化したターター-D・システム。
特にはたかぜ型は対空ミサイル・CICシステムはアメリカ海軍のカリフォルニア級CGNの半分の能力を有するとされており、イージス艦以前の在来型ミサイル駆逐艦の中ではトップクラスの性能を有していた。
ミサイルの射界を確保するため、前部甲板に対空ミサイル用のMk.13ランチャーを装備しているのが大きな特徴。Mk.13ランチャーは
ハープーンを撃つことも可能で、実際にたちかぜ型ではハープーンも装填していたが、その分だけ対空ミサイルの数が減るため、本型では別々に装備している。
搭載ミサイルは、艦から目標に照射した電波の反射波をミサイルが受信するセミアクティブ・ホーミング式のスタンダードSM-1MRを搭載。
発射機1基に対して電波を照射するイルミネーターが2基装備されており、1基が誘導用、残りが次弾の誘導用に待機するため、最大で2目標しか攻撃できない。
あまつかぜとたちかぜ型の4隻と組み合わせるため、4隻の建造が計画されていたが、計画中に日本へのイージス・システム供与の目処がついたことで2隻のみの建造に計画変更されている。
たちかぜ型が蒸気タービン動力であったのに対し、本型はガスタービン動力を導入しており、加速能力が向上している。
また、はたかぜ型は主機にCOGAG方式をミサイル護衛艦として初めて採用し、その後の護衛艦の基礎となった艦でもある。
さらに後部甲板にはヘリコプター甲板が設けられ、対潜ヘリの離着艦が可能になった。ただし格納庫はないので、搭載運用はできない。
当初艦隊の指揮をとるように計画されたため司令部機能を有しており、緊急時には司令部を代行する事が可能となっている。
基本はDDHですがね? 今だと。
基本的な装備はたちかぜ型と同一だが、先に述べた様に艦中央部にSSM発射装置を搭載し、水上打撃力を強化している他、最新の情報処理装置を搭載している。
改修計画と後継艦
さて……本型は何かと不遇な扱いを受けている。
「はたかぜ」は1986年、「しまかぜ」は1987年に就役したが、1993年に海自初のイージス艦である
こんごう型護衛艦4隻の就役が始まる。
古いターター・システム艦であるはたかぜ型は、就役から10年も経たないうちに旧式艦になってしまったのである。
しかし、この時点ではまだ挽回するチャンスは有った。
旧式化したターター・システム艦向けの近代化改修プラン、NTUが可能だったわけで。
NTUは「New Threat Upgrade」ね。アメリカ海軍ではカリフォルニア級CGN、バージニア級CGN、キッド級DDGがNTU改修を受けています。
仮にはたかぜ型がNTU改修を受けていた場合、射程約70KmのSM-2MR艦対空ミサイル40発を搭載し、6目標との同時交戦を可能とする有力な防空艦へ生まれ変わるはずだった。
ところが、1998年の北朝鮮による弾道ミサイル発射実験を受け、海上自衛隊にとしてはイージス艦へのBMD能力の付与が最優先事項となった。何かと日本の装備計画に影響与えているんですよね、この国。
その為、弾道ミサイル防衛に対応できないはたかぜ型へのNTU改修は後回しにされてしまったと。
2004年から同時交戦能力を持つESSM、発展型シースパローの汎用護衛艦への搭載が開始されているが、既に艦齢20年近くになったはたかぜ型には……
まぁそらイージス艦へ予算回すよね。主な用途は防空だもの。
いや、出来た頃は相当強力だったんですよ?
ただ、その後すぐイージス艦が出来たのはタイミング悪かったとしか言いようがない。
ヘリコプター格納庫を持たないため、海賊対処や災害救援などにも不向きだったんですよ。
また、通信技術の発達で艦隊の指揮を地上から取ることが可能になり、2010年に護衛艦隊旗艦システムが廃止されたため、一世代前のたちかぜ型のような護衛艦隊旗艦になることも無理。
一応補足しておくが、これは日本近海防衛の話で、
パーパルディア戦とかだと色々と前提が違いますからね?
さて、不遇なはたかぜ型ではありますが、2015年1月の第一空挺団の離島防衛シナリオでは「護衛艦はたかぜによる艦砲射撃が実施されます」とアナウンスで登場しました。
はたかぜ型は旧式ながら二門の速射砲を装備しているため、対地攻撃力はかなりのもの。
ここまで散々なこと書いておりますが、じゃあ悲観するようなのかというとそうでもない。
周辺諸国の艦艇もターターランチャーが現役の艦も多いし、汎用護衛艦が砲とSAM共用のFCS二つに対して、はたかぜ型は砲とSAM別で計三つのFCSがある。
第一線での活躍は流石に難しいと思うけど、後方での船団護衛等なら問題無い。
作中なら、搭載ミサイルを全てSSMにして対艦ランチャーとして支援に撤するみたいな使い方もできるかもしれない。
ただ、2019年度末に新型の
まや型1番艦「まや」が就役し、更に1年後の2020年度末には2番艦「はぐろ」も就役。
あちらの世界では護衛艦を減らしてる余裕があるとは思えないので、更にもうしばらくは現役なのではないかなーと思います。
対地攻撃も重要でしょうしね……
戦艦作るらしいけど、時間かかるだろうし。
なお、こちらの世界では練習艦に転用されました。
そら侵略云々言われかねない対地攻撃だと色々と面倒なことになる。
閑話
さて……本型はどちらかと言うと2番艦「しまかぜ」の方が有名なんじゃないだろうか。
某ブラウザゲームが主な原因であろうが、スタンドPOPが備品になっちゃってるし。他にも同じようなことになってる護衛艦あるんだけど。
なんでも2014年当時の艦長に娘さんから「ぜかましの調子どう?」なんてメールが来たとかなんとか……
「はたかぜ」「しまかぜ」共に襲名三代目であるが、「しまかぜ」の方は第二次大戦時に同型無しの日本最速艦であり、初代も同様に高速艦であった。
速度もそこまで重要ではなくなった現在は二代目にも劣り、他の護衛艦同様だいたい30ktである。
最速は
はやぶさ型。ロールスロイスのガスタービンなんだけど。
一応、機関出力は70,000psと、上のぜかましとそこまで大きくは変わらない。単に艦体の大型化と主機関の発電へのリソース増加が原因である。
ちなみに「はたかぜ」より「しまかぜ」の方が50t重い。
姉妹艦が建造中止になるというジンクスだけは継いでしまった。呪いなんですかね、この名前の。
作中での活躍
TV-3520(旧 DDG-171)はたかぜ
転移当日:第1護衛隊群第1護衛隊所属 横須賀基地
2020年3月19日~:練習艦隊第1練習隊 呉基地
2025年3月17日:除籍
※出典:海上自衛隊ホームページ (http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/hatakaze/172.html)
今のところ未登場。
ただし「
いずも」の登場シーンにて視界外で控えていたものと思われる。
基本的に「いずも」が居れば近くにいるはず。
異世界ファーストコンタクトの際の威圧感を減らすためなので、上記は視界外とはいえ例外中の例外。「いずも」は個艦防衛がギリギリ出来るかどうかの能力なので、本艦の存在はかなり重要。
……なのだが、本作の「いずも」は第3護衛隊群で初陣を迎えているため、この時待機していたのが第1護衛隊群とは断言できなくなっている。
クワ・トイネ公国は日本の南西にあるので、日本海側の舞鶴にいる第3護衛隊群より
横須賀にいる第1護衛隊群が行く方が自然ではあるが。
2020年3月19日、本艦は練習艦に艦種変更され、第1護衛隊群には「DDG-179 まや」が配備された。
一方、
レイフォリア沖に
混成魔導艦隊デス・バールと共に進出した第1護衛隊群第1護衛隊に本艦ではなく「まや」が所属しており、練習艦になっているかは不明だが、少なくともこの時点で第1護衛隊群の編成から外されている事が確認できる。
「まや」も召喚日本初のコピーイージス艦もしくはFCS-3の発展型を搭載したミサイル護衛艦のどちらかになっているはず。
2025年3月17日、除籍。
現実において呉基地で自衛艦旗返納行事が行われた。
現時点で最長老艦は、姉妹艦のしまかぜとなった。
作中においてどうなるのかは不明。
TV-3521(旧 DDG-172)しまかぜ
2021年3月19日、「はたかぜ」の艦種変更から丁度1年後に当たるこの日、後継艦であるまや型2番艦「DDG-180 はぐろ」の就役に伴い、練習艦への艦種変更が行われている。
本艦が
ナハナート王国に出撃している事から、この時点で「はぐろ」は未就役と考えられ、「まや」の前例から見て「はぐろ」が就役すれば第4護衛隊群の編成から外されると思われる。
ただ「はたかぜ」同様、日本国召喚の世界においても練習艦になるのかは今のところ不明である。
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最終更新:2025年03月25日 10:47