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トンデモ一行知識の逆襲(P.141〜160)

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『トンデモ一行知識』をもっと楽しく読み込むためのガイド

トンデモ一行知識の世界 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
P.101〜120 P.121〜140 P.141〜160 P.161〜180 P.181〜220
トンデモ一行知識の逆襲 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
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【生きる】

最も読み方の多い漢字は「生」で、三十数通りの読み方がある。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.143

数え方にもよるだろうけど、「生」の読み方は十数通り程度。
訓読みが十通りくらいで、それに音読みの「ショウ」と「セイ」を加えても、
「三十数通り」にはならないだろう。

特殊な読みを計算すると(生る=ある)、今度は70通り前後になる。
漢字って難しいな。


【ラジャー】

「了解」を意味する「ラジャー」は中国語(方言)
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.145

英語で「了解」を意味する「ラジャー」は、中国語の「了解 (リャオジエ)」が変化したものではない。
ラジャ=Roger で、アルファベット (received を意味する R) の聞き違えを防止。


【アルプススタンド】

甲子園球場の「アルプススタンド」の名付け親は岡本太郎の父。
白いシャツで埋めつくされる様が雪山に似ていることから。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.145

岡本太郎の父、で片付けられてしまう当時の有名漫画家・岡本一平が不憫。
「とんとんとんからりんと隣組」の作詞家としても名を残している。

そしてアルプススタンドと名付けたのは岡本一平ではなく、
一緒に甲子園を観に行った息子の岡本太郎が呟いた言葉という説と、
当時朝日新聞に勤務していた登山家の藤木九三が形容したものを
岡本一平が聞いたという説がある。
それを朝日新聞にイラストと主に
「ソノスタンドハマタ素敵ニ高ク見エル、アルプススタンドダ、上ノ方ニハ万年雪ガアリサウダ」。
と書いたことで、その名が有名となった。


【琵琶湖】

滋賀県にはBBCがある。
Biwako Broadcasting Corporationの略でびわこ放送。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.147

×Corporation 
○Co.,Ltd.
×びわこ放送 
○びわ湖放送

オフィシャルサイト http://www.bbc-tv.co.jp/ のタイトルは「-BBCびわ湖放送-」となって
いるし、左上のロゴには「Biwako Broadcasting Co.,Ltd」の文字が。フッターの英文字
表記は「BBC-TV CO.,LTD.」で、会社概要にある「商号」は「びわ湖放送株式会社」。


【コンクリート】

コンクリートミキサー車がコンクリートを出すときは、
ドラムの回転を輸送時とは逆にする。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.148

Wikipedia によると、運転席のレバーで回転方向は調整可能とのこと。
つまり輸送中にもドラムの回転方向を適宜変更するようになっているようだ。


「アジテーターカー (コンクリート運搬車)」を製造している柴田建機のサイトで仕様を見てみると、
運搬中はドラム内のらせん状回転翼を使い、
現場到着後はミキシングドラムを回転させてコンクリートを排出するとある。

まあ車種によって違いがあるかもしれないが、唐沢俊一のいう「コンクリートを出すとき
は、ドラムの回転を輸送時とは逆にする」はガセビアと考えてよいだろう。


【座禅】

幕末三舟の一人、山岡鉄舟が座禅を組むと、
その気迫に梁を走っているネズミが当てられてポタポタと落ちてきた。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.149

座禅って、「ネズミが当てられてポタポタと落ちてきた」ら偉いというものではないと
思うが……「気迫」を通り越して、座禅中に殺気を発していたという剣呑な話になり
かねない。

言い伝えでは、鉄舟の若い頃は「家で座禅を組み始めると、一匹もいなくなってしまっ
た」ネズミ――家からいなくなっているのだから、梁を走ってもいなかっただろう――が、
鉄舟の精神修養の進んだ晩年になると、平気で鉄舟の膝や肩によじ上るようになった
とのこと。

そもそも座禅は気持ちを穏やかに邪念を消去するものなので殺気を生じてはまずい気がする。


【サランラップ】

サランラップは最初、戦地で兵士が蚊に刺されないための蚊帳用に開発された。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.150

確かに、第二次世界大戦中のサランラップ (まだその名前では呼ばれていないが) は、
戦地での蚊帳に (それに靴の中敷や、弾丸や銃を湿気から守るためにも) 使われていた
ことに間違いはないだろうが、「蚊帳用に開発」した製品かどうかは……。

そもそも、ポリ塩化ビニリデンをダウケミカルのラルフ・ウイリーが開発したのは 1933 年。
戦争はまだ始まってもいない。

【サランラップ】

サランラップを開発した科学者二人の妻の名は、それぞれ「サラ」と「アン」である。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.151

サランラップ (Saran Wrap) という名は、ダウケミカル社(製造元)の職員二人の妻、
「サラ (Sarah)」と「アン (Ann)」の名前からつけられた――ということを、
普通このように表現はしないのではないかと思う。
まるで「サランラップを開発した科学者の妻の名が偶然にもサラとアンだったかのような文章。

戦争が終わって、チーズを包むくらいしか用途がなくなったとき、
友人とのピクニックにレタスをフィルムで包んで持って行って好評を博し、
食品包装という用途を夫に思いつかせた功労者たちでもあるのに、
まるで偶然名前がかぶっただけであるかのような扱い。

また、その夫のラドウィックとアイアンズは、
ダウケミカル社の職員 (職長) であるとは紹介されているが、
科学者であるとしている資料は見つからない (「技術者」ならある) 。
製品開発にたずさわっていたとしても、樹脂のロールはダウケミカルからの取り寄せで、
紙管の巻き付け、箱詰めと、あまり科学者らしい作業はしていない様子。
つまり
開発した科学者二人の妻の名
もガセとなってしまう。


【記念日】

……もっとも中には、語呂合わせではどうしてもわからない記念日もある。
九月十五日がヒジキ(海草)の日なのはなんでなのか。九月十八日がかい
われ大根の日なのは何か意味があるのか。

九月二十六日がワープロ記念日、同じく二十八日がパソコン記念日。

なのは、一号機が開発された日でもあるのだろうが、こう連続してあるのは
何か偶然にしても興味深い。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.151

……確かに語呂合わせの記念日は多く、唐沢も例にあげている櫛の日の 9 月 4 日など
があるが、「語呂合わせではどうしてもわからない記念日もある」のは当然というか、全部
の記念日が語呂合わせで決められているわけはないだろうと思うのだが。

9 月 15 日がヒジキの日なのは、栄養のあるヒジキを食べて長生きしてもらおうということ
で、敬老の日にちなんだもの。

9 月 18 日がかいわれ大根の日なのは、記念日制定を決めた会合があったのが 9 月
で、18 というのは、8 を横にして (∞) 下に 1 を置けば、かいわれ大根の双葉の形になる
からとのこと。発想が AA みたいだなと思ったけど、1986 年制定ということだから、AA が
ヒントということはなさそう。


【鶴】

鶴が片足で立つ理由は、血液の高低差を軽減し心臓の負担を減らすため。
両足で立つと貧血で倒れる。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.154

鶴が片足で立つ理由は、体温がなるべく失われないようにするため。

ワンダーネット (奇網、奇驚網) と呼ばれる毛細血管の網は、水についた足のような
部位を通って冷えてしまった静脈血を、暖かい動脈血によって加温されてから体内に
戻すようにする。さらに、片足をあげたり嘴を羽毛の中にしまったりすれば、身体を
冷やす要因を減らすことができる。

このワンダーネットには、上記のような温度調節の機能に加えて、血圧調整の機能
もある。長い首をもつキリンが急に頭を上下させても立ちくらみを起こさない理由は、
ワンダーネットが血圧を一定に保つためだと説明されることが多い。

想像するに、キリンでのワンダーネットの効用の説明を、唐沢俊一は中途半端に鶴に
適用してしまったのではないか。高いところにあるキリンの頭の話ならば、「血液の高低
差を軽減し心臓の負担を減らす」「貧血で倒れる」などという言葉が出てくるのもわかる
ような気がするが、鶴が「両足で立つと貧血で倒れる」の方は、その点よくわからない。


【論文】

一九九五年、平凡社から『虫屋のよろこび』という本が出ている(ジーン・
アダムス編、小西正泰監訳)。
〈略〉
なかでも極めつけは巻末の、映画学のコーナーだろう。「映画の中の
節足動物」と名付けられたこの章は、昆虫を扱った教育映画のことでも
論じているのかと思いきや、ハリウッドのホラー映画やパニック映画に
おいて表現された昆虫の役割について、という無茶苦茶に脳天気な
論文なのである。

「論文」……?

実はこの論文を翻訳するにあたって、平凡社のスタッフから、私のところに
電話がありました。
「唐沢さんならおわかりと思ったんですけど、日本映画で“巨大化された
四本足のフンコロガシがゴジラと戦う”という映画、なんだかご存じない
ですか」
「フンコロガシ? ……ああ、それならたぶん『ゴジラ対メガロ』でしょう。
でもあれ、フンコロガシなんですか、アメリカじゃ」
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.159

ここでも「論文」である。いやまあ論文がすべて、「学術的な研究の結果などを述べた
文章」である必要はないのだけれど、それにしても何だか論文らしくない内容のような。

実は、この『虫屋のよろこび』という本は、Amazon の紹介には「雑話集」と書かれている。
また、『虫屋のよろこび』のあとがきによると、アメリカ職業昆虫学者部会が百周年記念
事業で刊行した「一般向け昆虫書」。これを論文と言い張るには、ちょっと無理がある。

で、上記のこともふまえて、唐沢俊一による「映画の中の節足動物」の紹介を読むと、
唐沢俊一という人はギャグをギャグとして認識するのが不得意なのではないかという
疑念が、ますますふくらんでくるのである。

とにかく、本職の昆虫学者(この本の執筆メンバーは全員がARPE・
アメリカ職業昆虫学者部会のメンバーである)が、大真面目にハリウッド
の巨大昆虫映画を評論しているのである。そのツボのはずし方は天然で、
とても『映画秘宝』のライターたちの及ぶところではない。

(映画の中の節足動物は)理性的な人にはすべからく嘲笑されるような
明白に愚鈍なイメージを表している。昆虫学者(あるいは一般的な“科学
者”)は、通常、現実離れしているとか変わり者とか、精神病者、あるいは、
少なくとも無能で間抜けな人間として表されている。科学的努力が完全に
肯定的な見方で示されている例は節足動物映画の中には一例も見られ
ないし、多くの場合、科学や科学的方法が間違って示されている。

この事実に対し、筆者(J・W・マーチンス)は、

登場人物が一般大衆の代弁者として語っているのだろうか。それとも
映画製作者が、彼らを通して観客に影響を与えるようにと語りかけている
のだろうか?

と、節足動物及び昆虫学者のイメージを悪くする映画会社の陰謀を暗に
匂わせたりして、とにかく大笑いできる論文になっている。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.156 〜 P.157

×理性的な人 ○「理性的」な人
×J・W・マーチンス ○ジェームズ・W・マーチンズ または J・W・マーチンズ
ד科学者” ○「科学者」

唐沢俊一はどうしても、執筆者の昆虫学者のことを、専門分野ではともかく映画評論に
ついては無知で、ツボをはずしまくっている天然さんということにしたかったようである。
繰り返される「論文」との記述も、それを強化するためのものだったのだろうか。

しかし、前述のように、『虫屋のよろこび』は一般向けに書かれた本である。そして唐沢
俊一の言い草は、一般の人にも昆虫に興味をもってもらうために面白おかしい記述を
工夫した、執筆者の努力を否定するものである。

それに、専門分野が別にありながら、「昆虫の出てくる映画の総まくり」というマニアック
な映画リストを作ってしまう人たちがいるってことも、感心するポイントじゃないかと思う
んだけど。陰謀論を唱えるトンデモさんであるかのように貶す前に。

個人的には、この本はアシモフの科学エッセイに感じが似ているかなと思った。何も、
浮世離れした学者が天然ボケを連発という図式に無理矢理あてはめなくても、充分に
面白いし、笑える本だと思う。


【コーヒー】

カフェインの致死量は一〇グラム。
これは四時間に百杯コーヒーを飲むことに相当する。
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.160

致死量 10g とコーヒー 100 杯はよいとして、「四時間に」とはどこからきたのかは謎。
そもそも「これ (10g) は ~ に相当する」という文章に、時間まで含めて書くというのは、
文章表現として間違っているとしか。「致死量」は「量」を問題としているのだから。

まあ、4 時間のうちにコーヒー 100 杯も飲めば死ぬぞと言いたかったのだろうけど、
これが妥当な数値かどうかは疑問である。カフェインの吸収にかかる時間や半減期
(半分が代謝・排泄) には個人差があるし、その影響まで考慮して計算するならば、
コーヒー何杯分に換算する前に、「致死量は一〇グラム」という値を適切に変動させる
必要があるだろうが、唐沢俊一は計算の経緯も根拠もあきらかにしていない。


トンデモ一行知識の世界 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
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トンデモ一行知識の逆襲 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
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最終更新:2017年05月29日 16:17