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トンデモ一行知識の世界(P.121〜140)

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『トンデモ一行知識』をもっと楽しく読み込むためのガイド

トンデモ一行知識の世界 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
P.101〜120 P.121〜140 P.141〜160 P.161〜180 P.181〜220
トンデモ一行知識の逆襲 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
P.101〜120 P.121〜140 P.141〜160 P.161〜180 P.181〜220

【キス】

江戸時代、キスのことを“呂の字”と言った。文化十一年に完成した
初の英和辞典『講厄利亜語林大成』にもKiss=相呂と出ている。
『トンデモ一行知識の世界』 P.121

×『講厄利亜語林大成』 
○『諳厄利亜語林大成』
「諳厄利亜」は「あんげりあ」と読むそうだ。


【キノコ】

普通の植物の成長は一分間に0.05ミリ。
一番成長の速いのは馬糞に生えるキノコのキヌガサタケで一分間に5ミリ。
『トンデモ一行知識の世界』 P.122

1 分間に 5mm って、 1 時間に 30cm → 1 日に 7.2m。

成長期のイネの葉は、1 日に 80mm 成長するとのことだけど、
これを「普通の植物」と表現してよいのかな。
確かにイネは普通の植物だけどこの数字でもかなり成長が早い。
そしてキヌガサタケは、1 日で成長しきるという話はあるが、
それにしても、1 分間に5mmって。
1 時間でもそうとうデカいぞ。
キヌガサタケは食用にもなるので、本当ならば食料問題も一気に解決。
ただし一般的なキヌガサタケの大きさは8cm程度。
そして「馬糞に生える」という表現も微妙。
一般的には竹林を好んで生えているので、馬糞に限定したのはどのような理由からなのか?


【ダイヤ鉱山王】

たとえば、南アフリカのあるダイヤ鉱山王は世界旅行が趣味だが、
泊まるホテル々々の浴室に、改造費を出して、特別の浴室をもうひとつ特設させる。
ペットとしていつも連れているワニを遊ばせるためのものだという。
これくらいの遊び精神が欲しいところだ。
『トンデモ一行知識の世界』 P.127

これとほとんど同じ文章が、同じ唐沢俊一著の『トンデモ怪書録』(光文社) にも存在する。
問題は、それが載っているのは、『世界の超リッチ』S・クールシォール&F・マロ
大金持ちになったらの章で、
下記文章は『世界の超リッチ』(駿河台出版) に書かれている内容の紹介・要約として書かれている
ということである。
『トンデモ怪書録』P.144 また、南アフリカのあるダイヤ鉱山王は、
泊まるホテルホテルの浴室に、特別の浴槽をもうひとつ特設させる。
ペットとしていつも連れているワニのためだ。
『トンデモ一行知識の世界』 の方には、『世界の超リッチ』という書名は、いっさい出てこない。
このネタについては、「パンダの学名は○○である」といった類いの、
公然の事実として利用可能なネタとは言えないのではないか。
ちなみに、『トンデモ一行知識の世界』 巻末の初出一覧には、
この章は載っていなかった。つまり、「未発表、および書き下ろし」扱いである。


【億万長者】

不動産事業で三十代にして億万長者となったテキサスのメル・パワーズという男は
健康マニアで、自分の所有する高層ビルの屋上に、水泳用の人工の川まである
アスレチック・ジムを作った。彼は毎日、そこで汗を流すが、屋上へ上がるエレベーターを
待っている時間がもったいないため、ヘリコプターで地上と屋上を往復している。
『トンデモ一行知識の世界』 P.127

ダイヤ鉱山王の話と同様


【アンポンタン】

アンポンタンは、フランス語の性交不能(アポンタン)からきている。
『トンデモ一行知識の世界』 P.127

フランス語の性交不能はアポンタンではないし、
アンポンタン (安本丹) はフランス語語源とされていない。
ヨタ話の中にある俗説としては昔からあるが、
これはインポテンツからの勝手な連想だとも考えられている。


【フランスの旧貴族】

フランスの旧貴族のギイ男爵の母親は、ある日、友人の家で落ち葉を見て感動した。
それまで彼女の屋敷の庭では五十人の園丁が毎日掃除をしていて、
落ち葉というものを見たことがなかったのだ。彼女は友人に、この落ち葉は
中央ヨーロッパあたりから運んできたものか、と真面目にたずねたという。
『トンデモ一行知識の世界』 P.127

ダイヤ鉱山王の話と同様


【飛行機のタイヤ王】

飛行機のタイヤ王と呼ばれるアメリカの大富豪、ロイ・カーヴァーは、
お抱えのシェフが今夜の夕食に極上の牛肉が必要だと言うと、
彼を飛行機に乗せて、自分の経営する牧場まで肉を選ばせにやった。
フロリダにあるカーヴァーの家とコロラドの牧場までの距離は二千五百キロ。
シェフは晩飯の材料を買いに往復五千キロの旅をしなければならなかったわけだ。
〈中略〉ところが、そんな無駄をするくせに、このタイヤ王は、この二千五百キロ
かけて運んだ肉にかけるソースに使うワインには安いものしか使わせない
ケチだというんだからわけがわからない。
『トンデモ一行知識の世界』 P.127

ダイヤ鉱山王の話と同様
追記 : この文章については、ガセが混入していたことも判明。


【スカッシュ】

果物の汁を炭酸水で薄めたものをスカッシュという。
果物の名を頭につけてレモンスカッシュ、グレープスカッシュという。
『トンデモ一行知識の世界』 P.128
果物の汁に砂糖と水を加えたものをエードという。
レモンを用いればレモネード、ブドウならばグレープエードという。
『トンデモ一行知識の世界』 P.129

いくら欄外と言っても、無理してこんなのまで載せなくても……。
それでいて「あとがき」には、「もちろん、まだまだこの本程度のボリュームでは、
その膨大なコレクションのホンの一、二割を見せたに過ぎない。」 とか
書いてあるから、わけがわからない。
まあ、レモンスカッシュとレモネードについては、レモン果汁の量が少ないものも、
そう呼ぶことがあるという話もあるけど、それはおいといて。


【女性億万長者】

フロリダ在住の女性億万長者ミセス・ウィルモは、海に面した庭を造ったが、
そこにタンカーが座礁したことがある。このウィルモ女史には彼女の金を
たかっていた無能な夫がいたが、女史はこの夫に毎月小遣いをやるのが
もったいなくなり、離婚して彼を追い出した。その結果、その小遣いの節約分で、
中規模の広告代理店をひとつ設立することができたそうだ。
『トンデモ一行知識の世界』 P.129

ダイヤ鉱山王の話と同様


【コカ・コーラ】

日本にコカ・コーラが登場したのは、一九一九年 (大正八年)。
明治屋の『嗜好』というPR誌に初めて広告を出した。
『トンデモ一行知識の世界』 P.130

商品として販売されたのは確かに大正8年だが、
それより5年前に高村光太郎がアメリカでコカコーラを飲み
詩のなかに「コカコオラ」が登場しているのをはじめとして、
芥川龍之介が個人輸入品なのか知らないが日本でコカコーラを
大正8年より前に飲んだことを手紙に書いた記録がある。
ごく一部だが富裕層の間で輸入品は出回っていたらしい。


【世界一重い本】

世界一重い本はビルマにある「クソウ・ダ」というお経の本。
大理石に字を彫ったもので重さは七三〇トン。
『トンデモ一行知識の世界』 P.132

「クソウ・ダ」ではなく「Kuthodaw」なので「クドードー」
Wikipedia では「クドードー」だが、「クドードォ」「クドートウ」など表記の揺れあり。
少なくとも中黒のある「クソウ・ ダ」では、検索してもマトモな情報はヒットしない。
「七三〇トン」も眉唾。ミャンマーのマンダレーにあるクドードーパコタを
紹介する旅行代理店の案内等でも、「世界最大」とはうたっていても
「世界一重い」とは言っていない。
大理石の石版の数は 730 (経典 729 とパゴダの由来等について 1)なので、
唐沢の言う「七三〇トン」は石版 1 つを 1 トンで計算したものと思われるが、
探した限りではどこにも石版自体の重量についての情報はなかった。


【ウグイス色】

ウグイス色は、実はメジロの色である。
『トンデモ一行知識の世界』 P.134

その色を含めウグイスとメジロは混同されることが多く、
ウグイス色と言われてメジロの色である抹茶色に近い
黄緑色を連想する人も少なくないが、
ウグイス色は実際のウグイスの体色やオリーヴグリーンに
近い色 (#918D40 ■) に定義されている。


【同性愛】

ギリシアの中でも、特に同性愛の盛んだったのはクレタ島であった。
〈略〉
十九世紀末、この光景のまぼろしに魅せられた貴族がいた。その名を
フォン・グローデン男爵。プロシア貴族だった彼は クレタ島に土地を買って
優雅な別荘を建て、そこで趣味の写真撮影(当時としては最先端の趣味)
に没頭したが、彼がもっとも好んだのは、古代の神殿跡などにたたずむ、
ギリシアの神々の扮装をした美少年だった。
〈略〉
全裸の上にローブなどをまとったり、また月桂樹の冠をかぶったりして、
アンニュイなポーズをとる少年たちのその写真は、男爵の死後、まとめ
られて本になったが、エロ写真として長いこと発禁状態にあった。しかし、
それ故にこの写真群は幻の少年愛写真として話題になり、地下ルートで
ひそかに愛好され続けていた。一般の書店で売られるようになったのは
つい最近のことである。
『トンデモ一行知識の世界』 P.136

×クレタ
○シチリア (のタオルミナ)

どうして、ヴィルヘルム・フォン・グローデン男爵ではなく「フォン・グローデン男爵」と
表記しているのか、「一般の書店で売られるようになった」と書いておいて、写真集の
名前『 Taormina 』を伏せているのかは不明。写真の大部分が焼却されたこともスルー。

シチリアに移住したのは病気療養のためだそうで、写真を撮るようになったのも移住後、
従兄弟の影響を受けてとのことだが、唐沢俊一の文章だと、最初から狙って移住したか
のように読めてしまう気が。


【睡眠時間】

西ドイツのデガー博士が調べたところによると、象は一日に二時間眠るが、
キリンは十二分しか眠らない。
『トンデモ一行知識の世界P.136

睡眠時間については、動物園の関係者や Wikipedia などの意見にもバラつきがあり、
まあゾウが 2 ~ 4 時間で、キリンが 20分~ 2 時間か。上記の「キリンは十二分」は
少し短過ぎに思える。

問題は「西ドイツのデガー博士」。……この人、誰?
動物学者とデガーの組み合わせでは検索に引っかからないし、ドイツとデガーだと
ハイデガーの方ばかり引っかかる。少なくとも、ドイツのデガーだけで通じるような
有名な動物学者ではない模様。


【ジャコウネコ】

モロッコにいるジャコウネコは、ネズミそっくりにチューチューと鳴く。
『トンデモ一行知識の世界P.137

これが面白い雑学なのかは不明。
小さな動物の多くがチューチューに近い泣き声を発する。
子猫はみんなミューミューというチューに近い音なので、
子猫を飼ったことがある人にとっては、本当に理解不能な雑学。


【阿倍貞事件】

「下腹部」という言葉が誕生したのは昭和十一年の阿倍定事件のとき。
各新聞社がアソコを下腹部という新語で統一した。
『トンデモ一行知識の世界』 P.138

確かに事件が起こった時、各新聞社はその表現に神経を使ったという事実があり、
朝日新聞が「下腹部」という言葉をひねり出したらしい。
しかし「各新聞社がアソコを下腹部という新語で統一した」ということはない。

『東京日日』は「局所」、『読売』は「急所」「局部」とそれぞれ工夫をこらした。
という記録が残っている。
つまり「朝日新聞が下腹部という言葉を考え出した」という面白い雑学を
変なガセを混入させて台無しにしているというワザ。

当時、『東京日日』の社会部長小坂新夫はその時のいきさつをこう書いている。
「『阿部定事件』の時は弱った。情人のアソコを切り取り帯にはさんで逃げ回る
ので、まさか露骨にオチンチンとも書けず、私は夜になってから編集局全体に 
『名案』があったら教えてくれと触れまわった。
政治部の陸軍省担当記者が『まあ、一概にいえば局部というところじゃが、そこを
ヒネって局所とやったら』といって来た。で名案としてこれを採用『局所』と書くこと
に決めた」(1)
ところが、最初は『局所』ではなく、『生命線の切断』を取ったが、生命線というと
「満蒙はわが国の生命線」を連想し「軍部から叱られるのでは……」との懸念
から、『局所』に落着いた、と『文章春秋』 (一九三六年七月号)は書いており、
「社会記事にまで軍を怖れなければならぬ東日」と皮肉られている。〈略〉
(1) 『なぐれ記者』 小坂新夫 印象社(非売品) 一九七八年三月 58-59P


トンデモ一行知識の世界 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
P.101〜120 P.121〜140 P.141〜160 P.161〜180 P.181〜220
トンデモ一行知識の逆襲 P.001〜020 P.021〜040 P.041〜060 P.061〜080 P.081〜100
P.101〜120 P.121〜140 P.141〜160 P.161〜180 P.181〜220

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最終更新:2017年06月01日 01:18