教6,,教義と聖約  第6章
教6,*-*,1829年4月、ペンシルベニヤ州ハーモニーにて予言者ジョセフ・スミスとオリヴァ・カウドリに給える啓
示。オリヴァ・カウドリは、1829年4月7日モルモン経の翻訳に書記として働きを始めたり。彼はすでにモルモン経
の記録の刻みてある版に関し、ジョセフ
教6,*-*-1,真実なることを証明する神の示しを1度受け居りたり。ジョセフは”ウリムとトミム”を通して主に伺いこの
お答えを受けたり。わが教会の歴史、第1巻、35頁(英文)を見よ。オリヴァの進んで御用に立つことを賞し、彼とジ
ョセフの両人に甚だ重要なる祝福を約束
教6,1,1つの大いなる驚嘆すべき業、まさに人の子らに現われんとす。
教6,2,見よ、われは神なり。心を止めてわが言をよく聞け。わが言は生命あり、能力あり、両刃の剣よりも利くして関
節と骨の髄を透してこれを割つ。それ故に、心を止めてわが言をよく聞け。
教6,3,見よ、畑は早白くして刈り入れを待てり。故に刈り入れんと欲する者は、何れも勢力をつくして鎌を入れ、日
の尽きざる中に刈り取りて、神の王国に於ける永遠の救いをその身と霊とのためにたくわうべし。
教6,4,然り、鎌を入れて刈り入るる者は誰にても神の召を受くるなり。
教6,5,この故に汝らわれに求めなば与えられ、叩かば汝ら開かるることを得ん。
教6,6,さて汝ら今われに求めしにより、見よ、われ汝らに告ぐ、汝らわが誡命を守り、シオンの大事を起してこれを
確立せんことを求めよ。
教6,7,富を求めずして智恵を求めよ。神の奥義は開かれ、それより汝ら富める者とせらるべし。見よ、永遠の生命
を有つ者は富めるなり。
教6,8,真にまことにわれ汝らに告ぐ、汝らわれに願うが如く、正に汝らに成るべし。もし汝ら欲するならば、汝ら欲
するならば、汝ら今の代に於て大いに善を行う仲立となるべし。
教6,9,汝ら今の代の人々に向いて、悔改めのほか何事をも語るべからず。わが誡命を守りまたわが誡命い従いて
わが業を起すを助けよ。さらば汝ら幸福なり。
教6,10,見よ、汝は1つの賜を有てり。汝はこの賜の故に幸福なり。こは、聖くして天より来ることを忘るべからず。
教6,11,而して汝もし尋ぬるならば、大いなる驚くべき奥義を知るを得ん。故に汝の天より受くる賜を働かせて奥義
を悟り、以て多くの人に真理を覚らしめ、まことに彼らの遺方の誤りを悟らしむべし。
教6,12,汝と信仰を同じくする者以外、何人にも汝の賜を知らしむるなかれ。神聖なるものを軽んずることなかれ。
教6,13,もし汝善を行わんと欲し誠に終りまで変ることなく忠信ならば、神の王国に救わるべし。こは、神の賜のうち
最大なるものなり。およそ、救いの賜に勝る賜はあらざればなり。
教6,14,誠にまことにわれ汝に告ぐ、汝の為したることによりて幸福あれ。見よ、汝われに尋ねてその度毎にわが”
みたま”によりて教えを受けたればなり。もし然らずば、汝今日居る所に来らざりしならん。
教6,15,見よ、汝はわれに尋ねたればわれが誠に汝の悟りを開かしめしことを知る。われ今この事を語るは、真理
の”みたま”によりて汝の悟れることを知らしめんためなり。
教6,16,然り、汝神のほか汝の考えを知り汝の志を知る者更になきを知らんためなるぞ。
教6,17,われこの事を汝に証するために語る。すなわち汝の今まで記し来れる業、すなわちその言は真実なり。
教6,18,この故に汝よ勤勉なれ。わが僕ジョセフがそこに記せる言のために、たとえいかなる難局におち居るとも誠
実に彼の味方をせよ。
教6,19,彼の過失を戒しめ、また彼より戒めを受くべし。よく忍び、真面目にして慎むべし。忍耐、信仰、希望、慈
悲などの諸徳を守るべし。
教6,20,見よ、汝オリヴァなり。われ汝の願いにより汝に語れり。故に汝の心にこれらの言をしかとたくわえよ。神の
誡命を守るに忠実且つ勤勉なれ。さらばわれわが慈愛の腕の中に汝を抱かん。
教6,21,見よ、われは神の子イエス・キリストなり。われはわが民に来れるにわが民これを受けざりしその者と同じ者
なり。われは暗きに輝けるに暗きはこれを悟らざりしその光なり。
教6,22,誠にまことにわれ汝に告ぐ、汝もしこの上の証を得んと欲せば、これらのことの真理を悟らんとして汝が心
の中にわれに向いて呼びし夜のことを深く思うべし。
教6,23,われ汝にそのことに就きて心安かれと告げしにあらずや。汝、神よりの証詞より大いなる証詞をいずこに得
るや。
教6,24,さてまた、見よ、汝や1つの証詞を得たり。そは、もしわれ何人も知らざることを汝に語り聞せしならば、これ
汝証詞を得たるにあらずや。
教6,25,而して見よ、汝もしわれに願わわば、われ誠にわが僕ジョセフの如く翻訳する賜を汝に許すなり。
教6,26,誠にまことにわれ汝に告ぐ、わが福音の多くを載せたる記録あれど、そは民の行為悪しきが故に隠された
り。
教6,27,而して今われ汝に命ず、もし汝自ら天に宝を積まんと望むよき願いを持つならば、汝をしてその持てる賜
を以て、罪悪のためこれまでかくされ居たるわが聖典の1部分を世に表さんことを助けしむ。
教6,28,さてまた見よ、われ汝とまたわが僕ジョセフとにこの賜の限を与う。而して、そはこの神のために仕うる仕事
を世に明らかにするものにして、23の見証者の口によりてそのあらゆる言は確実なるものと定められん。
教6,29,誠にまことにわれ汝らに告ぐ、世の人わが言と、この部分のわが福音と、また神のために仕うる仕事とを斥
くるとも汝ら幸福なり。そは彼らわれに為したる以上汝らに為し得ざればなり。
教6,30,また、たとえ彼らわれに為したるが如く汝らに為すとも汝ら幸福なり。そは汝ら栄光の中にわれと共に住む
べければなり。
教6,31,されどもし世の人わが言をこばまず、その言わが遣わすべき証詞によりて確立せば彼らは幸福なり。而し
て、汝らはその働きの果実を得てよろこばん。
教6,32,誠にまことにわれ汝らに告ぐ、1つの事につき23人わが成によりて集るところには、見よ、われ必ずその中
にあらん、とわが弟子たちに言いし如く、誠にわれまた汝らの中にあるなり。
教6,33,わが子らよ、善を行うことをおそるるなかれ。何殺にても汝ら蒔くところのものをまた刈り入るべければなり。
この故に、汝ら善の種を蒔かばそのむくいとしてまた善の実を取り入るべし。
教6,34,この故に小さき羊の群よ。おそるるなかれ。善を行え。この世と地獄と共になりてむかい来らしめよ。もし汝
らわが磐の上に立たば、彼ら打ち勝つ能わざればなり。
教6,35,見よ、われ今汝らを咎めず、行きて2度と罪を犯すことなかれ。わが汝らに命じたる業を真面目に行うべ
し。
教6,36,何を念うとも、念々われを見るべし。疑うなかれ、おそるるなかれ。
教6,37,わが肋の突き傷と、またわが手足にある釘痕を見よ。忠信なれ。わが誡命を守れ。さらば、われ汝らに天
の王国をつがしむるなり。 アーメン。
教7,,教義と聖約  第7章
教7,*-*,1829年4月、ペンシルベニヤ州ハーモニーにて予言者ジョセフ・スミスとオリヴァ・カウドリとに下したまえ
る啓示。この2人が”ウリムとトミム”を通して、かの愛されたる御弟子ヨハネが肉身にて留まりたるか、はたまたすで
に死したるかに就きて伺いたまいし
教7,*-*-1,この啓示は、ヨハネが羊皮紙上に記して自ら隠したる記録の訳文なり。わが教会の歴史、第1巻、35、
36頁(英文)を見よ。
教7,1,かくして主、われに言いたもう。わが愛する者ヨハネよ、汝何を願うか。もし汝の欲するところを願わばわれこ
れを聞き届けん、と。
教7,2,而してわれ神に申して曰く、主よ、われに死に打ち勝つ力を与えたまえ。かくてわれ生きて人々を汝に導か
ん。と。
教7,3,主、われに言いたもう。誠にまことにわれ汝に告ぐ、汝このことをわれに願いしにより汝をしてわれわが栄光
を以て来るまでこの世に留まり、もろもろの国民、もろもろの血族、もろもろの国語のたみおよび世の人々の前に予
言せしむ、と。
教7,4,この故に、主ペテロに言いたもう。われもし彼にわれ来るまでこの世に留ることを欲するとも、そが汝い何の
関係あらんや。彼はわれにに人々を導き来らん事を願えども、汝は速にわが王国に於てわが許に来らん事を願い
たればなり。
教7,5,われ汝に告ぐ、ペテロよ、こは善き望みなりき。されどわが愛する者は為さんことを願えり。すなわち彼はこ
れまでに為したることよりも、1つの更に大いなる業をなお人々の間に為さんことを願いたり。
教7,6,然り、彼はより大いなる業を引き受けたり。故にわれは彼を燃ゆる炎の如くし、また1人の事える天使となさ
ん。而して彼は地に住める救いを受け嗣ぐ者たちに事うべし。
教7,7,今われは、汝をして彼と汝の兄弟ヤコブとに事えしめん。而してわれ来る時まで、汝ら3人にこの権能とこの
導きと教えを施す働きにつける鍵とを与えん。
教7,8,誠にわれ汝に告ぐ、汝ら2人共願うが如くわれ汝らに与えん。そは汝らは2人共願うところを悦びとすればな
り。
教8,,教義と聖約  第8章
教8,*-*,1829年4月、ペンシルベニヤ州ホーモニーにて予言者ジョセフ・スミスによりてオリヴァ・カウドリにたまえ
る啓示。オリヴァはモルモン経の翻訳中に初期としてひきつずき勤務し予言者の口述を筆記せしが、翻訳の賜を
授けられんことを願いたり、主はこの啓示を
教8,*-*-1,たもうて、彼の歎願に答えたまいしなり、啓示の”みたま”の意義を明らかにし、アロンの賜に就き明細
に述べたもう。
教8,1,オリヴァ・カウドリよ。誠にまことにわれ汝に告ぐ。わが”みたま”の示しによりて告げられたるわが聖典のこの
部分を含める古えの古き記録なる彫刻文に就き、汝ある知識を受くべしと信じて真心より求むる如何なる事の知識
をも、これを得んことは汝の神にして汝の
教8,1-1,主の今生きて在るが如く正に確なり。
教8,2,然り、見よ、われ今汝に来りて汝の心の中に留るべき聖霊によりて汝の智と情に告げんとす。
教8,3,そもそも、見よ、これは啓示の”みたま”なり。見よ、これはモーセがイスラエルの人々をして乾ける土を踏み
て紅海を渡らせこれを導きし”みたま”なり。
教8,4,この故に、こは汝の賜なり。汝これに依り頼め、さらば幸福なり。こは汝を敵の手より救い出すが故なり。もし
然らざる時には敵は汝を殺して汝を亡ぼさん。
教8,5,汝よ、これらの言を忘れずしてわが誡命を守れ。記憶せよ、これ汝の賜なり。
教8,6,さて、この賜は汝の受くるすべての賜にはあらず。汝は今1つの賜を持てばなり。そはすなわちアロンの賜
にして、見よ汝はこれによりて多くの事を知れり。
教8,7,見よ、このアロンの賜を汝と共に在らしむるを得るは神の力をおきてほかになし。
教8,8,この故に疑うことなかれ。こは神の賜なればなり。われ汝をしてこれを手に保たしむ。されば汝、驚くべき業
をなせ。如何なる力もこれを汝の手より取り去ることを得ず。そは神の業なればなり。
教8,9,而して、それ故に汝この手だてによりておよそわれに語ることを願うところは、われこれを聞き届けてそれに
就ける知識を与うべし。
教8,10,されど信仰なくば、汝何事も為し得ざることを忘るなかれ。故に何事も信仰を以て求むべし。これらのこと
を軽んずるなかれ。また、求むべきにあらざるものを求むることなかれ。
教8,11,神の奥義を白んことを求めよ。また、いと聖くして而も隠されたる。すべてこれら古代の記録より翻訳して知
識を得んことを願うべし。さらば汝の信仰に従いて願いの如くなるべし。
教8,12,見よ、このことを語りしはわれなり。われは始めより汝に語りしと同じ者なり。 アーメン。
教9,,教義と聖約  第9章
教9,*-*,1829年4月、ペンシルベニヤ州ハーモニーにて予言者ジョセフ・スミスによりてオリヴァ・カウドリにたまわ
りたる啓示。オリヴァは忍耐すべきを誡命られ、且つ自ら翻訳を企てんよりは当分の間むしろ翻訳者の口述を受け
て書き誌すことに満足すべきを切に勧めら
教9,*-*-1,信仰深き考えと勉強なくして、単に神の賜を得んと願うは人にとりて全にあらず、オリヴァは嘗て一時
所有したりし如き翻訳の賜という小さき程度の賜さえも失う。
教9,1,見よ、わが子よ、われ汝に告ぐ。汝嘗てわれに翻訳を為さんことを願いしが、この願いに従いて翻訳を為す
ことなく、再びわが僕ジョセフ・スミス(2代目)のために書き誌すことを始めたるにより、誠にわが欲するところはわが
ジョセフに托したるこの記録を汝が完結
教9,1-1,汝らがその務めをつずけむことなり。
教9,2,さて見よ、われは汝に力を与えて以て翻訳を助けしめんとするなお他の記録を有す。
教9,3,わが子よ、すべからく忍耐せよ。わが為すことには深き智恵あればなり。現在汝が翻訳をする必要なし。
教9,4,見よ、汝の召されて為すべき務めはわが僕ジョセフの為に書き誌すことなり。
教9,5,而して見よ、われ汝よりこの特権を取り去りしは、汝が嘗て翻訳し始めし時に始めたる如くに翻訳の業をつ
ずけざりしによる。
教9,6,わが子よ。つぶやくなかれ。かくの如く汝を待遇したるには深き智恵われにあればなり。
教9,7,見よ、汝いまだ悟らず、汝はひたすらわれに願いし時はこれを与えらるるならんと思えり。
教9,8,されど見よ、われ汝に告ぐ、汝心の中によく思い計り、その後願うこともし正しからば汝願わざるべからず。
願うこと正しからば、その時われ汝の心を内に燃やさん。これによりて汝にその正しきを感ぜしむ。
教9,9,されどもし願うところ正しからずば、かかる感なくして汝の心は次第に鈍くなり、そはついに悪の悪たるを忘
れしむるに至らん。故にわが与うるにあらざれば、聖きことを汝録すを得ず。
教9,10,さて、もし汝この理を知りたらんには汝翻訳を為し得たらんに、今は汝の翻訳せんこと必要ならず。
教9,11,見よ、汝がその事を始めたりし時は必要なりしも、汝怖れしにより時去りて今は必要ならず。
教9,12,汝見ずや、われわが僕ジョセフに充分なる能力を与えたるを。これによりて事すでに定まりたり。されど、こ
れ汝らの何れをも責めたるにはあらず。
教9,13,わが汝に命じたるこのことを為せ。然らば汝栄えん。忠実にして誘惑に負くることなかれ。
教9,14,わが汝を召したる業を固く守れ、さらば汝の髪の毛の一筋だに失わるることなかるべし。而して、われ汝を
終りの日に挙げん。 アーメン。
教10,,教義と聖約  第10章
教10,*-*,1828年の夏、ペンシルベニヤ州ハーモニーにて予言者ジョセフ・スミスにたまわりたる啓示。主はこの
啓示にて、1時モルモン経の原稿を委任せられたりしマーテン・ハリスの手により紛失したる106頁に及ぶモルモン
経の原稿の内容、悪人たちの手によりて変更
教10,*-*-1,ことをジョセフ・スミスに告げたもう。本書3章と比較せよ。わが教会の歴史、第1巻、21、23頁(英文)
を見よ。悪人たちの悪計は、盗みたる原稿中の記事が予期せる如く再翻訳さるるを待ち、その上にて彼らが変更し
たることによりて起る差違を示して翻訳者の
教10,*-*-1-1,手筈なりき。この悪計が悪魔によりてたくらまれ、主の知りたもうところと成りたるは、古代ニーファイ
人の歴史家モルモンが彫りためられたる版を抄録しつつありたる際にすらありし事にて、この事モルモン計の中に
見ゆ。モルモン言、3乃至7節を見よ。
教10,1,さて見よ、われ汝に告ぐ。汝が”ウリムとトミム”によりて翻訳する能力を与えられし記録を悪しき人の手に渡
したるにより、汝はその記録を失いたり。
教10,2,また同時に汝の賜をも失い汝の心暗くなりしが、
教10,3,それにもかかわらず、今再び汝にその能力返されたれば、汝必ず忠実にしてその翻訳の仕事の残部を
完結するに至るまで汝のこれを始めたる如くつずくべきなり。
教10,4,汝更に急ぐことなく、または翻訳し得るために与えられたる力と方法以上に働くことなかれ。ただ終りまで
励むべし。
教10,5,勝利者たらんことを常に祈るべし。誠にサタンに打ち勝つ様に祈れ、また現にサタンの仕事に力を与うる
サタンの僕らの手より免れんことを祈るべし。
教10,6,見よ、彼らは汝を亡ぼさんと計れり。また実に汝が信頼せる人さえも、汝を亡ぼさんと企てたり。
教10,7,されば、この故にわれ言えり、彼は悪人なりと。そは、彼は汝が神に委されたるものを取らんと計り、また汝
の賜を打ち破らんとしたればなり。
教10,8,然るに、汝はその人の手に書き物を渡したるにより、見よ、悪人たちは汝よりこれを取れり。
教10,9,この故に汝まことに神聖なるものを悪事に引き渡したるなり。
教10,10,而して見よ、サタンは汝が書かせたること、すなわち汝の手より離れたる汝の翻訳したる言を変更せんこ
とをその人々の心に思わしめたり。
教10,11,見よ、われ汝に告ぐ、彼らは語句を変えしが故に、汝の翻訳し且つ誌させたる所は反対に読まれ、
教10,12,かくの如くして、悪魔はこの業を破らんがために1つの奸計を施さんと図れり。
教10,13,そは悪魔は、汝が翻訳する振りをしたる言によりて汝を陥し入れたりと偽りて言わんために、この計ごとを
遂げんことを人々の心に思わしめたればなり。
教10,14,われ誠に汝に告ぐ、われサタンをしてこの事に於て悪計を為し遂ぐることを許さず。
教10,15,見よ、彼は人々の心にこの計ごとを思わしめ、汝をして再びこれを翻訳することを神に乞い願いて主なる
汝の神を試みさせんとすればなり。
教10,16,さて見よ、彼ら口に言い心に思うよう、われら神が今までに彼に翻訳の力を与えしや否やを見ん。もし神
その力を与えしならば、またこれより再び彼にその能力を与うべく。
教10,17,神もし再び彼に能力を与え、すなわちもし彼再び翻訳を為し、すなわち言い換うれば彼同じ言を訳出す
れば、見よ、われらの手の中にはその翻訳ありてすでにこれを変更しおきたり。
教10,18,故に、翻訳は一致することなし。ここに於てわれらは彼は偽りを言いたりと言い立て、彼は賜を持たず翻
訳の能力なしと言わん。
教10,19,この故にわれらは彼を亡ぼし、また彼の業をも打ち破らん。而してわれら結局恥ずることなく、また世の
誉を得んためにこの事を為さん、と。
教10,20,誠にまことにわれ汝に告ぐ。サタンは固く彼らの心を捕えたれば、彼らを煽り立て善き事にさからいて罪
悪を為さしむ。
教10,21,而して、人々の心腐りて悪事と憎むべき罪とに充ち、その行うところ悪しければ光明よりも暗きを好み、こ
れを以てわれに求むる意なし。
教10,22,サタンは人々を煽て上げかくてかれらを亡びに導かんとす。
教10,23,而して、かくの如くサタンは1つの奸計を企てて神の業を破らんと考うるなり。されど、われは彼らにこの
事を為すを求めむ。而してこのことは、審判の日に彼らの恥となり罪に定めらる。
教10,24,而して、サタンは人々の心を煽り立て、この業にさからいて怒りに燃え立たしむ。
教10,25,然り、サタンは人々に向いて言う。彼を亡ぼさんために欺きて待ち伏せを為せ。見よ、こは何ら害悪にあ
らず、と。彼はまたかくの如き甘き言をもて彼らに言う。1人の人を偽り捉えかくて偽り者を亡ぼすために偽るとも罪
にあらず、と。
教10,26,かくの如く、サタンは甘言を語りて彼らを導きて、ついに彼らを地獄に引きずり落し、かくして彼らが己が
わなに落入りて捉えらるるようになすなり。
教10,27,かくの如く、サタンはこの世をかなたこなたにさまよい歩きて人々の身も霊も亡ぼさんとす。
教10,28,誠にまことにわれ汝に告ぐ、およそ他人も偽りて欺くと思うが故に、己れも偽りて欺く者は禍なるかな。か
かる人は神の裁判を免るることなければなり。
教10,29,さて見よ、サタン人々に彼は汝らを欺けりと語りし故に、人々これらの言を変えたり。すなわちかくサタン
は甘言を以て人々をさそい罪悪を犯させ、また汝をして主なる汝の神を試みさせんとせり。
教10,30,見よ、われ汝に告ぐ、汝は汝の手中より離れたる言の翻訳を再び為すべからず。
教10,31,そは見よ、それらの語句を偽る悪計をわれ彼らに遂げしめざればなり。見よ、もし汝以前と同じ語句に訳
さば人々は汝は偽りを言いたりと言い、また汝翻訳したる振りをなしたるが前後矛盾せりと言うべし。
教10,32,而して見よ、彼らこのことを公にしてサタンは人々の心を頑固にし、これを煽り立てて汝に対して憤らしむ
れば、彼らはわが言を信ずる心なかるべし。
教10,33,かくの如く、サタンはこの業の今の代に行われざらん為に、今の代に於ける汝の証を打ち破らんと考うる
なり。
教10,34,されど見よ、ここに智恵あり。われ汝にこの智恵を示し、如何に汝に為さしむるか、このことに就きて誡命
を汝に与うるが故に翻訳の業をなし遂ぐるまでこれを世に示すことなかれ。
教10,35,わが言えることを驚きあやしむなかれ。ここに智恵あり。これを世の人に示すべからず。すなわち、汝の
守護せられんためにこれを世の人に示すべからず。とわれ言いたればなり。
教10,36,見よ、われは義しき人たちにも示すなかれと言うにはあらず。
教10,37,されど汝は必ずしも義人を判定する能わず、すなわち汝は必ずしも義人と悪人とを見わくる能わず。か
かるが故に、われ汝に告ぐ、この事につき世人にすべても示すべき好機なりとわが認むるまでは黙してこれを隠す
べし。
教10,38,さてまた、誠にわれ汝に告ぐ、汝の書きたる記事にして而も汝の手より離れたるものはニーファイの版に
刻まれたり。
教10,39,而もまことにこのニーファイの版には、これにつきて更に詳細なる記事刻まれてありとかの書き物の中に
言われたるを汝は記憶す。
教10,40,さて、このニーファイの版に刻まれたる記事は、この記事中にて民い知らせんとわが智恵にて欲すること
に就きて更に詳細なるものなれば、
教10,41,この故に汝が訳を保留せる所、すなわち汝が今まで訳出したる所まで、すなわちベンジャミン王の治世
に至るまでニーファイ版に刻まれたる所を翻訳せよ。
教10,42,而して見よ、汝はこれをニーファイの記録として発表すべし。かくてわが語句を変えたる人々をあわてふ
ためかしめん。
教10,43,われは、彼らがわが業を打ち破るを許さず、誠にわが智恵は悪魔の狡智より勝れるを彼らに示さん。
教10,44,見よ、彼らはただ1部分、すなわちニーファイの記事の抄録を所持するにすぎず。
教10,45,見よ、ニーファイの版には多くの事柄刻まれたるがこれらは誠にわが福音を去らによく見渡し得る事柄な
どなり。故に、汝ニーファイ版に刻まれし始めの部分を翻訳してこの業の中に出すはわが智恵に然らしむるところ
なり。
教10,46,而して見よ、すべてこの業の残りの部分は、誠にわが福音の中わが聖なる予言者およびわが弟子たち
のこの代の人々に表されんことを祈りの中に願いしものをすべて載せたり。
教10,47,而してこの願いは、彼らの祈りが必ず聞き届けらるるとの信仰によりて聞き届けられんことをわれ彼らに
告げたり。
教10,48,然り、誠に彼らの信仰は、すなわち彼らの時代に彼ら説かんために与えられたる福音の、彼らの同胞た
るレーマン人とまた謀叛によりてレーマン人となりたりし者にことごとく及ばんことなり。
教10,49,さてこれを以て終りとせず、彼らの祈りが必ず聞き届けらるるとの信仰は、もしもこの国他の国人に占有さ
るることあらばこの福音のまたその人々に知られんことなりき。
教10,50,かくの如く、誠に彼らは何人に限らずこの国に於てこの福音を信ずる者は永遠の生命を得んことを祈り
てこの土地に祝福を与えたり。
教10,51,然り、それが如何なる国民、如何なる血族、如何なる国語の民および世の人々たりとも、すべて自由に
価なくして永遠の生命を得んことを祈りたり。
教10,52,さて見よ、われ彼らの祈りが必ず聞き届けらるるとの信仰に往時、わが福音中のこの部分をわが民に知
らしめん。されど見よ、この福音を知らしむるは彼らの受けしものを破らんためにあらずしてこれを建設せんがため
なり。
教10,53,この故にわれ言えり。もし今の代の人々心を頑固にせずば、われこの人々の間にわが教会を創立せ
ん、と。
教10,54,さてわれは、わが教会を破らんとしてかく言うにあらず、かえってこれを建設せんちゃめに言うなり。
教10,55,この故に、何人たりともわが教会に属する者はおそるるを要せず。何とならば、かくの如き人々は天国を
嗣ぐべき者なればなり。
教10,56,されどわれをおそれず、わが誡命を守らずして、利を得んために自らに教会を設立する者、然りまた悪
事を行いて悪魔の王国を建つるすべての者共は、然り、誠にまことにわれ汝らに告ぐ、われ彼らを乱して彼らの中
心までもふるいおののかしめん。
教10,57,見よ、われは神の子イエス・キリストなり。われわが民に来れるに、わが民われを受けざりき。
教10,58,われは暗きに輝く光なるが、暗きはこれを悟ざりき。
教10,59,われはわが弟子たちに向いてわれはこの群にあらざる他の羊を持つと語れる者なるに、わが言うことを
悟らざる者多かりしその者なり。
教10,60,われは他の羊を持ちたり。而もこの群はヤコブの家の1つの支族なりし事を事をこの民に示さん。
教10,61,またわが成いよりて彼らの為したる驚嘆すべき業を明らかにせん。
教10,62,また誠にわが彼らに施したる福音をも明らかにすべし。見よ、彼らは汝の受け入れたるところを拒まずし
てこれを打ち立て、わが教義の誠なる要点と、然り、ただわれにある唯一の教義とを明らかにせん。
教10,63,而してわれわが福音を打ち建てんため、また人々の内甚だ多くの争いなからしめんためにこの事を為
す。然り、誠にサタンは人々の心を煽り立てて、わが教義の眼目に就きて人々の心に争いあらしむ。而して、人々
はまた誠に聖典の意義を曲げて真理を悟らざるが故に、
教10,63-1,争いを為して実に過ちにおち入るなり。
教10,64,この故に、われこの偉大なる奥義を彼らに表さん。
教10,65,そは見よ、彼らもし心を頑固にせずば、われ雌鳥が雛を翼の下に集むる如く彼らを集めんためなり。
教10,66,然り、彼らもし来る心あらば、来り得て自由に価なくして生命の水を汲むを得べし。
教10,67,見よ、これわが教義なり。すなわち悔い改めてわれに来る者は、何人なりともこれわが教会の者なり。
教10,68,もし何人にてもこれ以外の事を多少とも宣ぶる者あらば、そはわれに属く者にあらずしてわれに逆らうな
り。故にそはわが教会に属せざる者なり。
教10,69,さて見よ、何人にてもわが教会に属し、終りまで教会に属きて忍ぶ者は、われ彼をわが岩お上にたて地
獄の問をして彼らに打ち勝つことなからしむ。
教10,70,さて世の生命にして世の光明、汝の贖い主、汝の主にして汝の神なる者の言を記憶せよ。 アーメン。
最終更新:2008年07月05日 03:39