オリウ1,1,オリヴァ・カウドリはこれらの出来事を次の如くに記述せり。_この旨のこよなき感謝を目覚めさせたる、
天来の霊感が命ずるままに語る声を耳にして座せんとは、こは決して忘れられぬ日々なりき。”モルモン経”と言う
歴史すなわち記録を、ニーファイ人の解訳器と
オリウ1,1-1,”ウリムとトミム”によりて彼が翻訳するままに口ずから語るを予は毎日絶え間なく書きつずけたり。かつ
て天より愛せられ恵まれたる1国民につきて、モルモンとその忠実なる息子モロナイの誌したる興味ある記事を、
もしも予が僅に数語なりとも読者に知らすならば
オリウ1,1-1-1,る計画は不用とならむ。さればこの話は後日に譲り、予がはしがきにて言いたる如く、この教会の起
りにつきて具体的に関係のある若干の事件へ一層直ぐに移らんとす。そは頑迷なる人々のしかめ顔と偽善者ら
の中傷の唯中に進み行きて、キリストの福音を受け入れたる
オリウ1,1-1-1-1,とりては興味あることならむ。人類がキリストの教会を設立すべき精確なる方法につき、救い主の
口よりニーファイ人に語られたる命令を翻訳して書き誌すことは、イエス・キリストの復活による善き強震に応うる
ために水の墓に埋められて進んで事に当る心を示す特権
オリウ1,1-1-1-1-1,くしては、真面目なる考えにて何人にも不可能なりき。人類の中に行わるるすべての形式と体系
との上に、頽廃によりて不確実なるものがはびこりたりし時に於ては特に然り。このアメリカ大陸に於けるヤコブ
のすえの遺れる者たちに、救い主の為したまいし福音の御業
オリウ1,1-1-1-1-1-1,たる話を予が書き誌してよりは、予言者がかくならむと言いし如く暗黒この世を覆い、漆黒の
闇民の心を覆うは容易に見られたり。更に深く考うるに、宗教い関する大いなる争いと騒ぎの唯中に於て、何人も
福音の儀式を失効する神よりの権能を有たざりしは容易に見ら
オリウ1,2,キリストの証が予言の”みたま”にほかならず、またキリストの教会が、これまでキリストが地上に1つの民
を持ちたまいしこの世のすべての時代に於て、直接の啓示によりて基を置かれ設立され支えられたる時に、啓示
をしりぞくる人々がキリストの御名によりて儀式
オリウ1,2-1,能ありや、との疑問起るべければなり。
オリウ1,3,キリストの教会に関する事実が埋められ、これが1度明らかに人眼につくを許されしならばその悪企みの
危くなりしならむ人々がこれを注意深く隠したりとも、これらの事実はもはやわれらに隠されたるにあらず。され
ば、われらは”起ちてバプテスマを受けよ”と命ぜ
オリウ1,3-1,のみなりき。されど、こは永く望む間もなく実現せり。恩恵に富みたまい、へり下る者の堅実なる祈りに
常に喜びて応えたもう主は、われらが人間の住家を離れて熱烈に呼び求めしに懇ろにその御旨をわれらに示し
たまえり。突如永遠の唯中より来るが如く、贖い主の御
オリウ1,3-1-1,平安を告げたまえり。帳りの2つに別るると同時に神の使栄光に包まれて天降り、熱心に求めたる音
ずれと悔改めの福音の鍵とをわれらに渡したまいたり。何たる悦び何たる驚異何たる驚きぞ。世の人の悩み迷い
し時、幾百万の人々盲人の如く壁を手探りせる時、すべて
オリウ1,3-1-1-1,く大衆として不確実なるものを頼みにしたる時、烈日の下に於ける如くに否それ以上、当時万象の
上に光を注ぎし5月の非の光輝にも勝りてわれらの眼は見ぬ、われらの耳は聞きぬ。
オリウ1,4,その時、天使の御声柔くはあれども心の其所まで貫きぬ。その御言に曰く”われは汝らと同じ業に働く僕
なり”と。この御声にことごとく怖れは去りぬ。われら耳傾けぬ。われら仰ぎ見ぬ。われら嘆美しぬ。こは天使の御
声なりき、栄光より来る御声、いと高き神より来
オリウ1,4-1,き。その声を聞きて、われら悦びぬ。同時に神の愛は、われらの心に火を点じ、われら全能の神の示
現に包まれぬ。何の疑い余地ありや、何所にもなし。不確実は消え失せたり。疑いは沈みてもはや浮かぶことな
し、同時に虚構と欺偽はとこしえに逃げ去りぬ。
オリウ1,5,されど、兄弟よ、考えよ。暫し、更に深く考えよ。天使の”汝ら、われと同じ業に働く僕らよ、救世主の御名
によりてわれ汝らにこの神権とこの権能とを授く。而してこれらは、レビの子孫たちが今なお義しきに適いて主に
捧物を捧げんためにこの世に留まるべし”と言
オリウ1,5-1,よりわれらに聖き神権を授けたまいし時(何人か、かかる祝福を受けてひざをかがめざりし者ありや)
如何なる喜びかわが胸を充したる。如何に驚きてわれら首領を下げしに相違なかりし。この心の感情も、またこの
場合にわれらを包みし荘厳なる美と栄光も、予は諸君
オリウ1,5-1-1,とはせざるべし。されど、雄弁なる時を以てしても世界も人類もともにこの聖なる御方の如くに人の心
を惹きつけ、崇高なる念に充ちて真理を言に言い表せる様に成ること能わず、とわれ言えば諸君は予を信じたも
うべし。否この世も、かの喜びを与え、かの平和を授け
オリウ1,5-1-1-1,の力によりて述べられしままの1つ1つの金言に含まるる智恵を悟る力なし。人はその同僚たちを
欺くことあらむ。詐欺は詐欺を生まむ。悪しき者の子らは、愚者と無学なる者とを誤らしむる力を持つこともあら
む。而してついにただ虚構のみ多くの者の腹を肥し、偽り
オリウ1,5-1-1-1-1,流れに迂闊者を乗せて墓場へと運ぶ。されど、1度その愛の御指を触れたまえば、然り、天井の
世界より御栄の光明1筋来らば、すなわち、永遠のふところより、救い主の口より1言出ずれば、すべてこれらの
ものを無意味とならしめ永遠に人の心より消し去りたもう。
オリウ1,5-1-1-1-1-1,天使の御前にありしと言う確信、すなわちイエスの御声を聞きしと言う確さ、また神の御旨の
命じたまいしものなれど、聖き御方より流れ出でしままの汚れなき真理は、われにとりて口にも筆にも尽し難し。
わがこの世に留るを許さるる間は、常に驚嘆と感謝の念を以て
オリウ1,5-1-1-1-1-1-1,恩恵に現われを仰ぎまるたん。而して、われは完全の在りし罪の決して来らざる住家に於
て、決して終りなきその曳に神を讚めんと欲す”。
オリウ1,6,(タイムズ、エンド、シーズンズ。第2巻、201頁)
最終更新:2008年07月05日 04:46