アブ1,,高価なる真珠 アブラハムの書 第1章
アブ1,1,カルデヤ人の地に於てわが父の居住せし所にて、われアブラハムはわが別に居住する所を得るの必要
なるを知れり。
アブ1,2,また、わがために更に大いなる幸福と平安と安息とあるを知りたれば、われは先祖の祝福と、この祝福を
他に施す職に按手聖任されんことを乞い求めたり。而して、われは義に随う者なりければ偉大なる知識ある者た
らんと望み、義に随う更に大いなる者たらんこと、ま
アブ1,2-1,偉大なる知識を持ち多くの国民の父、平和の君たらんことを望み、また数々の教えを受けんこと、神の
誡命を守らんことを望みたれば、われは先祖に属ける権能を保つ正当の世嗣、大祭司となりたり。
アブ1,3,この権能は先祖よりわれに授けられたり。そは先祖より伝えられ、時の始めよりまことに太初よりすなわち
創世の前より今日に至るまで伝えられしものなり。こは誠に長子の権能にして、最初の人すなわちわれらが最初
の父なるアダムに授けられ、先祖を通じてわれに至
アブ1,4,われは、神が子孫に就きて先祖に与えられし任命に従い、われを神権者に任命したまわんことを乞い求
めたり。
アブ1,5,わが先祖は、彼らの義と主なる彼らの神が与えおかれし数々の聖なる誡命より背き、異教徒の神々を礼
拝して全くわが声に聴き従うを拒みたり。
アブ1,6,彼らの心は悪事に執着し、全くエルケナの神、リブナの神、マーメクラーの神、コラシの神、エジプト王パロ
の神に向きたり。
アブ1,7,この故に彼らは異教徒の犠牲に心を向けて、その物言わぬ偶像に彼らの子供たちを捧げ、わが声に聴き
従わずしてエルケナの祭司の手によりわが生命を取らんと努めたり、エルケナの祭司はまたパロの祭司なりき。
アブ1,8,さて当時、これらの奇異なる神々に男女子供らを犠牲として、カルデヤの地に建てたる祭壇上に捧ぐるは
エジプトの王なるパロの祭司の慣しなりき。
アブ1,9,パロの祭司はパロの神に犠牲を捧げ、またジャグリールの神にも犠牲を捧げたり。すなわち、彼はエジプ
ト人の流儀によりてこれを為せり。さて、シャグリールの神は太陽なりき。
アブ1,10,パロの祭司は、オリシェムの原頭ポテパルと言う丘の側に立てる祭壇の上に、1人の小児を捧げて感謝
の犠牲にすらなしたり。
アブ1,11,さてこの祭司はさきにこの祭壇上にて1時に3人の処女を犠牲にしたりき。この処女たちは、ハムの子孫
より生れたる直系王族のすえの1人なるオニタの娘たちなり。この処女たちは、その節操によりて犠牲に供された
り。すなわちかれらは、木石より造りし神々に身を
アブ1,11-1,せざりしにより、この祭壇上いて殺されたり。殺されしは、エジプト人の流儀によりてなされたり。
アブ1,12,さて、この祭司らわれに暴力を振いて、この祭壇上にてこれらの処女たちを殺せし如くわれをもまた殺さ
んとせり。この祭壇に就きて知らんためには、この記録の始めにある絵図を見て覚るべし。
アブ1,13,祭壇は、カルデヤ人の中にて用いらるる如き寝台の形に似て造られ、エルケナの神、リブナの神、マー
マクラーの神、コラシの神マタエジプトの王なるパロの神に似たる神の前にありたり。
アブ1,14,これらの神々に就きて理解するために、冒頭に於ける図型中にそのかたちを示し置けり。かくの如き風
の図型を、カルデヤ人はラーリーノスと言う。神聖文字の意なり。
アブ1,15,祭司たち、われを犠牲い捧げてわが生命を取らんとし、その手をわが上い挙げし時、見よ、われ主なる
わが神に声を挙げたるに、主わが声を耳にしてこれを聴きわれを全能の神の示現にて満したまい、御前に在る
天使わが側に立ちて直ちにわが束縛を解きたり。
アブ1,16,而して、神の声われに至れり。アブラハム、アブラハム見よ、わが名はエホバなり。われ汝の祈りを聞き
て降り来れるは、汝を救い、また汝を父の家よりすべての親族より離して汝の知らざる他国に連れ行かんためな
り。
アブ1,17,こは、彼らその心をわれよりよそに向けてエルケナの神、リブナの神、マーマクラーの神、コラシの神、エ
ジプトの王なるパロを礼拝すればなり。この故に、われの降り来りしは、彼らの罪を報い、わが子アブラハムよ、
汝の生命を取らんとしてその手を汝に向けて挙げ
アブ1,17-1,亡ぼさんためなり。
アブ1,18,見よ、われ、わが手をもて汝を導かん。われ汝をとりて、汝にわが名、すなわち汝の父の神権を被らしむ
べし。さらば、わが力汝を覆いてあらん。
アブ1,19,ノアにありし如く、汝にもまた然あらん。されど汝が導きと教えを施す業によりて、わが名はとこしえにこ
の世に知らるべし。われは汝の神なればなり。
アブ1,20,見よ、ポテパルの丘はカルデヤの地にありき。主、エルケナの祭司土地の神々の祭壇を潰し、ことごとく
これらを亡ぼしてその祭司を打ちたまいしかば彼死せり。カルデヤに、またパロの宮廷に大いなる嘆きありき。こ
のパロとは、王族の決闘による王の意なり。
アブ1,21,さてこのエジプトの王は、ハムの子孫より生れしすえにして、素性によればカナン人の血統を引きたる者
なり。
アブ1,22,この子孫より、すべてのエジプト人出でたり。されば、カナン人の血統はこの地に保存せられたり。
アブ1,23,エジプトの地始めて1人の女によりて発見せられしがこの女はハムの娘にしてエジプタスの娘なりき。エ
ジプタスとは、カルデヤ語にてエジプトを表し、これはまた禁ぜられしものなる意なり。
アブ1,24,この女がエジプトの地を発見せし時、そは水の下にありたれど、後にこの女はその息子らをこの地に定
住せしめたり。かくて、咀いをその地に留めたるかの種族はハムより出で来りたり。
アブ1,25,さてエジプトの最初の政府は、ハムの娘なるエジプタスの長男パロによりて樹てられ、そはハムの政府
の慣しによりて族長政治なりき。
アブ1,26,パロは義人なりければ、その王国を打ち建てて、生涯その民を賢明且つ公平に審き、最初の世代、すな
わち最初の族長統治の時代に於ける先祖によりて樹てられたる制度にならわんことを熱心に努めたり。その制度
とは、アダムの統治およびノアの統治の時代に於けるも
アブ1,26-1,ノアは彼の先祖にして彼を地の祝福と智恵の祝福とをもて祝したれど、神権い就つきては彼を咀いた
り。
アブ1,27,さてパロは神権の権能を受ける能わざる血統なりしが、然もなおパロの1族はハムによりてノアよりその
権能を受けたるふりをせり。この故に、わが父は彼らの偶像礼拝に誤られたり。
アブ1,28,されど、われは今後われ自らよりさかのぼりて創世の前に至る年代記を描かんと努むべし。そはわれが
その記録を手に入れし故にして、今に至るまでこれを所有せり。
アブ1,29,さて、エルケナの祭司打たれて死せる後、その地に飢饉あるべしとカルデヤの地に就きてわれに語られ
し事など成就せられたり。
アブ1,30,よりて、飢饉カルデヤの地にすべて遍くして、わが父この飢饉によりて痛く苦しみ、わが生命を取らんとし
われに対して心に決めたる悪事を悔いたり。
アブ1,31,されど、神権の権能に関する先祖すなわち族長らの記録は、主なるわが神わが手の中に守り置きたま
いぬ。この故に創造の始まりの知識も、また諸々の遊星、諸々の星の知識もこれらが先祖に知られたるままわれ
今日まで守り来れり。されば、わが後に来るべき子孫のた
アブ1,31-1,この記録にある若干かのことを努めてここに誌すべし。
最終更新:2008年07月05日 04:42