モーセの書第５章 - モルモンの本

ﾓｰｾ5,,高価なる真珠　　モーセの著　第５章
ﾓｰｾ5,*-*,１８３０年１２月、予言者ジョセフ・スミスに啓示されしままを誌す。（続）
ﾓｰｾ5,1,われ主なる神、アダムとイヴを追い出してより、アダムは先にわれ主の命じたりし如く、土地を耕しすべて
の野の獣を治め、彼の額の汗によりて食物を食うことを始めたり。而して、妻なるイヴもまことに彼と共に働きた
り。
ﾓｰｾ5,2,アダムその妻を知りて、妻アダムの息子娘らを生み、その子供たち殖えて地に満し始めけり。
ﾓｰｾ5,3,この時よりアダムの息子娘たちは２人づつ地に分れて土地を耕し、羊の群を飼い始め、彼らもまた息子
娘たちを生みたり。
ﾓｰｾ5,4,アダムとその妻イヴ主の御名を呼びたるに、エデンの園を指して行く途のかなたより声聞えて彼らに語り
たまえるが、その御顔は見えざりき。そは彼ら主の居りたもう所より締め出されたればなり。
ﾓｰｾ5,5,主、彼らに誡命を下して宣いけるは、主なる汝らの神を礼拝し、主に供物としてその羊の群の中の初子
を捧ぐべしと。アダムは主の誡命によく従いぬ。
ﾓｰｾ5,6,多くの日を経て、主の天使１人アダムに現われて言いけるは、汝何故に主に犠牲を捧ぐるやと。アダム
彼に言いけるは、われその故を知らず、ただ主の誡命に従うのみ。
ﾓｰｾ5,7,ここに天使語りて言いけるは、この犠牲を捧ぐることは、御父の生みたもう恵と真理に満てるただ独りの
御子が犠牲となりたもうことのひながたなり。
ﾓｰｾ5,8,この故に、汝の為すすべてを御子の御名によりて為せ。また汝悔い改めて今よりいつまでも御子の御名
によりて神を呼ぶべし。
ﾓｰｾ5,9,その日、父と御子の証を為したもう聖霊アダムに下りて宣いけるは、われは太初より、また今よりとこしえ
に、父の生みたまえる独子なり。汝堕ちしが故に贖わるることを得ん。贖われんと欲するありとあらゆるすべての
人類もまた然りと。
ﾓｰｾ5,10,その日、アダム神を讚めて”みたま”に満たされ、この世にあるすべての眷族に就き予言し太初て言いけ
るは、神の御名は讚むべきかな。われ罪を犯せし故にわが眼は開けたり。われこの世に生きて悦びを受け、われ
また再び肉体に在りて神を見ん。
ﾓｰｾ5,11,彼の妻イヴ、すべてこれらのことを聞き喜びて言いけるは、もしわれら罪を犯さざりせば、われら子孫を
得ざりしならん。また善悪の区別も知らず、われらの贖わるる喜びも知らず、すべて従順なる者に神の賜わる永
遠の生命も知らざりしならん、、と。
ﾓｰｾ5,12,アダムとイヴとは神の御名を讚め、息子娘らにすべての事を知らしめたり。
ﾓｰｾ5,13,ここにサタン彼らの中に来りて言いけるは、われもまた神の子なりと、また彼らに命じて言いけるは、ア
ダムとイヴの言を信ずるなかれ、と。されば、彼らアダムとイヴの言を信ずることなくサタンを神よりも愛でたり。人
はその時より、肉体、肉欲、悪魔に従う者とな
ﾓｰｾ5,14,よりて主なる神は、聖霊によりて至る所人を呼びてその悔い改むべきを命じたまえり。
ﾓｰｾ5,15,また御子を信じて彼らの罪を悔い改むる者は御名救わるべく、また信ぜずして悔い改めざる者は皆救
われず。而して言、神の口より確なる神の命となりて出でたるを以て、これらのこと充たされざるべからず、と。
ﾓｰｾ5,16,アダムとその妻イヴとは神を呼ぶことを止めざりき。アダムとその妻イヴを知る、イヴはらみてカインを
生み言いけるは、われ主によりて１人の男子を得たり。これを以て、恐らくはこの子神の言を棄てざらんと。然るに
見よ、カイン聴かずして言いけるは、わが知るべ
ﾓｰｾ5,16-1,何人なりやと。
ﾓｰｾ5,17,イヴ、またはらみてその弟アベルを生めり。アベルは主の御声に聞き従えり。アベル羊を飼う者、されど
カインは土を耕す者なりき。
ﾓｰｾ5,18,而して、カインは神よりもサタンを愛でたり。サタン彼に命じて言いけるは、主に供物を捧げよ、と。
ﾓｰｾ5,19,日を経て、カイン土より出る実を持ち来りて主に供物となせり。
ﾓｰｾ5,20,アベルもまたその羊の群の中の初子と羊の肥たるものを持ち来れり。主はアベルとその供物を顧みた
まいしかども、
ﾓｰｾ5,21,カインとその供物を顧みたまわざりき。よりてサタンこれを知りて喜びたり。而して、カインは甚だ怒りて
その面を伏せたり。
ﾓｰｾ5,22,主カインに宣いけるは、汝何ぞ怒るや、何ぞ汝の面を伏するや。
ﾓｰｾ5,23,汝、もし善きを行わば受け納れらるるなり。もし善きを行わずば、罪門口に伏しサタンは汝を得んと欲
す。汝わが誡命に聞き従わずばわれ汝をわたさん。さらばサタンの望みに従いて汝に成り汝は彼を支配せん。
ﾓｰｾ5,24,この時より、汝はサタンの言う偽言の父となるべし、汝は”滅亡”と呼ばれん、汝もまたこの世の前より在
りたればなり。
ﾓｰｾ5,25,而して、ゆくさきこれらの憎むべき事はカインより得たり、そは彼神より得たりしひときわ大いなる御旨を
拒みたればなり、と言われん。汝悔い改めずば、汝に加うべき咀いはこれなり、と。
ﾓｰｾ5,26,カイン怒りて、もはや主の御声にもその弟アベルの声にも耳を傾けざりき。されどアベルは主の前に聖
く歩みたり。
ﾓｰｾ5,27,而してアダムとその妻は、カインとその兄弟らの故に主の見舞えに悲しめり。
ﾓｰｾ5,28,カインはその兄弟の娘を妻にめとり、この両人は神よりもサタンを愛でたり。
ﾓｰｾ5,29,而してサタン、カインに言いけるは、汝の咽を指してわれに誓え、汝それを語らば死せん。また汝の兄
弟らにその頭を指し、生ける神を指して、それを語らずと誓わしめよ。もし彼らそれを語らば、必ず死すべければ
なり。かくして、それを汝の父に知らしむるなかれ。
ﾓｰｾ5,29-1,今日汝の弟アベルを汝の手にわたすべし。
ﾓｰｾ5,30,サタン、カインにその命に従うべしと誓い、すべてこれらのこと秘密に為されたり。
ﾓｰｾ5,31,カイン言いけるは、われは誠にこの大いなる秘密の主マハンなり。かくてわれ人を殺して得を得ん。こ
の故に、カインは大マハンと呼ばれて己が邪曲を誇りとせり。
ﾓｰｾ5,32,カイン野に行きたり、而してカインその弟アベルと物語りぬ。彼ら野に居りし時、カインその弟アベルに
反抗して起ちこれを殺せり。
ﾓｰｾ5,33,カイン己の為したることを誇りて言いけるは、われを妨ぐる者なし、誠にわが弟の羊の群わが手に落
つ、と。
ﾓｰｾ5,34,主、カインに言いたまいけるは、汝の兄弟アベルは何所にありや。カイン言う、われこれを知らず、われ
あにわが兄弟を守る者ならんやと。
ﾓｰｾ5,35,主、言いたまいけるは、汝は何を為したるか、汝の兄弟の地の声地よりわれに向って叫べり。
ﾓｰｾ5,36,されば汝はこの土地より咀わるべし、この土地はその口を開きて汝の兄弟の血を汝の手より受けたれ
ばなり。
ﾓｰｾ5,37,汝土地を耕す時、土地はこれより汝にその力を出さじ、汝は地上をさまよい歩く落人となるべし、と。
ﾓｰｾ5,38,カイン主に言いけるは、サタンわが兄弟の有てる羊の群によりてわれを誘惑せり。われまた怒れり、そ
は汝わが兄弟の供物を受け納れたまいしも、わが供物を受け納れたまわざればなり。わが罰は大いにして負うこ
と能わず。
ﾓｰｾ5,39,見よ、汝今日主の面前よりわれを追い出したまいたり。われ汝の面よりかくるるに至らん。われは地上
をさまよい歩く落人となるべし。われを見出す者はわが邪曲なりしためにわれを殺さん。これらのこと主よりかくれ
なきが故なり。
ﾓｰｾ5,40,われ主かれに言いけるは、およそ汝を殺す者は７杯の復讐を受くべし、と。而してわれ主、カインを見出
す者の何人も彼を殺さざるために１つの印を彼に与えたり。
ﾓｰｾ5,41,カイン、主の御前より締め出されてその妻および彼の多くの兄弟らと共にエデンの東なるノドの地に住
めり。
ﾓｰｾ5,42,カインその妻を知る、妻はらみてエノクを生めり。またカイン多くの息子娘らももうけたり。カイン１つの町
を建て、その町の名をその息子の名に従いてエノク隣づけたり。
ﾓｰｾ5,43,エノクにエラドおよび他の息子娘たち生れたり。イラドにメホヤエルおよび他の息子娘たち生れたり。メ
ホヤエル、メトサエルおよび他の息子娘たちを生み、メトサエル、メトサエルおよび他の息子娘たちを生み、メトサ
エル、ラメクを生めり。
ﾓｰｾ5,44,ラメクは２人の妻をめとれり。１人の名をアダと言い、他の１人の名をチラと言えり。
ﾓｰｾ5,45,アダ、ヤバルを生めり、ヤバルは天幕に住む者の先祖にして、かれらはまた家畜を飼う者なりき。その
兄弟の名をユブルと言う。彼は琴と笛とをあつかうすべての者の先祖なり。
ﾓｰｾ5,46,またチラ、トバル・カインを生めり。彼は黄銅と鉄の臭くをするすべての者の教師なり。トバル・カインの
姉妹はナアマと呼ばれたり。
ﾓｰｾ5,47,ラメクその妻らに言いけるは、アダとチラよ、わが声を聞け、ラメクの妻らよ、わが言に耳を傾けよ。われ
わが創傷のために１人の男を殺し、またわが傷のために１人の若者を殺せばなり。
ﾓｰｾ5,48,カインのために７倍の復讐あらば、誠にラメクのためには７倍１７倍の復讐あらん。
ﾓｰｾ5,49,ラメク、カインの仕方にならいてサタンと誓約を結びし故、これによりて彼はサタンによりカインに授けら
れしかの大いなる秘密の主、大マハンとなれり。然るにエノクの息子イラドは彼らの秘密を知りたれば、アダムの
子らにこの秘密をあばき始めたり。
ﾓｰｾ5,50,これを以てラメク怒りて彼を殺せり。彼は利を得んがためにその兄弟アベルを殺したるカインの如くなら
ずして、誓約のために彼を殺したり。
ﾓｰｾ5,51,ここに、カインの時代より１つの秘密の結社ありき。彼らの仕事は暗黒の中にありて、あらゆる人の彼
の兄弟たることを知れり。
ﾓｰｾ5,52,故に、主はラメクとその１家とすべてサタンと誓約をすでに結べる者たちを咀いたまえり。そは彼ら神の
誡命を守らざりしによる。このこと神の喜びたもうところとならず、彼らに導きと恵みを与えたまわざりしにより、彼
らの為す業は憎むべきものにしてすべての人の
ﾓｰｾ5,52-1,拡り始めたり。
ﾓｰｾ5,53,人の息子たち人の娘たちの中にはこれらのことを語られざりき。ラメクはすでにその妻たちにこの秘密
を語りしかば、妻たちラメクに叛きてこれらのことをひろく宣べ伝えて容赦することなし。
ﾓｰｾ5,54,この故に、ラメクは賎しめられ捨てられて、死ぬことを怖れ人の子らの中に来たらざりき。
ﾓｰｾ5,55,かくて暗黒の業はすべて人の子たちの中にひろく行われ始めたり。
ﾓｰｾ5,56,而して神は地を甚しき咀いを以てのろい、悪人もを怒り、また神が先に造りし人の子たちをすべて怒り
たまえり。
ﾓｰｾ5,57,そは彼ら神の声に聞き従わず、また神の生みたまいし独子すなわち創世の前より備えられ、”時の絶
頂”に及びて来るべしと神の宣べたまえる者を信ぜざりしによる。
ﾓｰｾ5,58,かくの如くして、福音は最初より説き始められて、神の御前より遣わされし聖き天使たちにより、神自ら
の声により、また聖霊の賜によりて宣べられたり。
ﾓｰｾ5,59,かくの如くして、１つの聖き儀式により、説かれたる福音により、またその福音のこの世の終りまで世に
あるべしと宣べられたる神の御旨によりて、よろずの物すべてアダムに授けられたり。されば誠に件の如くなり
き。　アーメン。