グレバム・バーンハルト


「神の眼の力、今こそ見よ!」

ナムコのRPG『テイルズオブデスティニー』の登場人物。
担当声優 飯塚昭三 氏。
膨大なエネルギーを内包した巨大レンズである「神の眼」*1を利用しての世界征服を目論む、ストーリー前半部分のボスキャラ。

元はストレイライズ神殿の大司祭という高い地位に就いていた人物。48歳。
信仰心の厚い神官の鑑と評され、直属の部下であった「フィリア・フィリス」をはじめとして多くの人々に慕われていたが、
巨大なエネルギーを生み出す「神の眼」の存在を知った事で野心に駆られ、過激派を率いて教団の最高位である大司教マートンを殺害し神の眼を奪って逃走。
神の眼の力に加えて、古代文明の研究を続ける内に手に入れたモンスターを製造・操作する技術を持って世界を我が物にせんとする。
追手であるスタン・エルロンらソーディアンマスターから逃亡しつつ世界中に争いを撒き散らし、ファンダリア王国で内乱を主導した際は、
ウッドロウ・ケルヴィンの父であるイザーク王を殺害して「ソーディアン・イクティノス」を奪うなどの凶行を重ねている。

第1部のラストにて遂にスタン達に追い詰められ、最後は神の眼の力を取り込んでの相討ちを狙うが、過ぎた力を扱い切れずに自滅する。
「グレバムの乱」と呼ばれた一連の騒動は彼の死によって終息、世界に束の間の平穏が戻った所でストーリー前半部分は終了する。

戦闘時には奪ったイクティノスを見事に使いこなしているが、無理やり使っているだけでソーディアンマスターとしての資質があるわけではなく、
イクティノスの声も聞こえていないらしい。
……にも拘らず、本来のマスターであるウッドロウより上手く使ってるんじゃないかと言われたりもするが、なに、気にすることは(ry
ただ、リメイク版では一緒に出てくる「始祖竜」の方が本体でグレバムの方がおまけとされる事もあるので、
ネタで「空気」扱いされる点はウッドロウと変わらないかもしれない。

PS版ではグレバムの凶行の発端は「貧富の差を作り出す治世に疑問を抱いたから」とされており、手段はどうあれ世を憂いての行動だった模様。
神殿内での人望が厚かった事もあり、ゲーム中で見せた姿は本来のものではなかったのだと思われる。
また、啄木鳥しんき氏による漫画版では、黒幕のヒューゴ・ジルクリストに殺害された一人娘の復讐のために彼の築いた物を全て潰す事が目的だった、
という悲壮な設定が加わり、「単なる悪人ではない」という側面が強調されている。*2
しかし、PS2のリメイク版ではゲーム中に見せた姿こそが本性であり、「我欲に取り憑かれた単なる悪人」という設定に変更されている
(PS版でも所々で残虐な一面を垣間見せていたりするが)。
その上PS版でのグレバムの蜂起はヒューゴも予期せぬ出来事だったのだが、リメイク版では全てがヒューゴの掌の上の出来事に変更され、
彼に利用されただけの小物と化している。

ストーリーに大きく関わる人物とはいえ、あくまで前半部分のボスなので他作品における出番は無いと思われていたが、
ソーシャルゲーム『テイルズ オブ キズナ』においてまさかの参戦。
新規の描き下ろしのイラストを用意してもらうなど、ゲーム前半のボスとしては破格の待遇である。これも神の眼の力の賜物か。
しかし、同じく参戦した同作品のボスのような攻撃寄りの性能でありながら、彼だけ保有スキルが防御系という落とし穴が……

余談だがドラマCD版とゲーム版では名前の発音が違うため、グレバムとの絡みがある(名前を呼ぶ場面がある)声優陣はかなり混乱したらしい。
ドラマCD版のイントネーションに慣れてしまっていたためにリメイク版の収録は困難を極め、
スタン役の関智一氏の口からは「グレバム早く死んでくれ」という言葉が飛び出す程だったとか。


MUGENにおけるグレバム・バーンハルト

ヒューゴやミクトランなども製作した無虚氏(muko氏)による、PS2のリメイク版ドットを使用したグレバムが存在する。
2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴い氏のサイトは消滅してしまったが、OneDrive自体は健在なので現在も入手可能。
一定以上ダメージを受ける(やられ状態が続く)と発動し、詠唱速度の上昇や無敵が付加される「BLAST」など、システム面はヒューゴやミクトランと同様。
基本はグレバム単体であるが、ブラストキャリバーを使用する事で「始祖竜」を召喚して援護させる事が出来る他、
始祖竜召喚後は晶術の「アークエンジェル」が解禁される。

強力なAIをデフォルトで搭載している他、11Pと12Pは特殊カラーとなる。
11Pは防御力上昇・BLAST値増加・始祖竜及びアークエンジェルが開幕から使用可能な「ボスモード」。
12Pは11Pカラーの内容にBLAST時間増加・ガードブレイク値増加・「コンボ補正無し」が加わった「超ボスモード」で、狂中位クラスの性能となる。
また、更新により始祖竜のON・OFFの切り替えが出来るようになった。

+ 大会ネタバレ
第3次:ランセレバトルロワイアル【凶VS狂】』において凶側で参戦。
大会当初は参加者の中では比較的マイナーなキャラであった事、単純性能は凶下位付近レベルである事からあまり注目されていなかった。
しかしPart10にてA・ユウキを撃破。それを皮切りにBLASTや大会ルールのライフペナルティ、そして相性を最大限に活かす事により、
多くの狂連合の猛者達を撃破していった。
結果として総撃破数5人という歴代凶連合の中でもトップクラスの成績を残し、キャラの性能の差が戦力の差ではない事を身を以て示したのであった。

凶者繚乱タッグバトルでは、真ヴァルドールと組んで『ドラゴンマスター』タッグとして11Pで出場。
BLASTによる地上喰らい抜けや、始祖竜のコンボカット、ブラストキャリバーによる火力と、
何より積極的に前衛を務める事で、相方の真ヴァルドールの後衛能力の高さ(気絶する人魂や出の速いビームなど)を存分に発揮して、
遂には優勝を果たしてしまった。


「神の眼ある限り、私は無敵だ!」

出場大会

+ 一覧
凍結


*1
「レンズ」は『デスティニー』世界特有の資源。
特殊なエネルギーを含有しており、レンズから引き出されるエネルギーは機械の動力や医薬品など様々な形で利用されている。
ディムロス・ティンバーやイクティノスなどの「ソーディアン(意思を持つ剣)」の核になっているコアクリスタルも加工されたレンズの一種。
「神の眼」は直径6mにも至る球体状巨大レンズであり、そのサイズに比例した凄まじいエネルギーを内包している。
悪用される事を恐れてストレイライズ神殿に封印されていたのだが、皮肉にも神殿の大司祭であったグレバムによって強奪される事となった。

*2
漫画版のグレバムは、魂だけになった娘が自分を止める声を耳にして本来の自分を取り戻し、元部下であるフィリアに自ら望んで討たれ、その復讐劇に幕を閉じる。
原作ゲーム版とは全く違った綺麗な最後だが、ゲーム版のグレバムに娘は存在せず、その行動基盤はあくまで「世界征服」という野望である。


最終更新:2023年04月20日 22:49