【骸骨の戦士】

骸骨の戦士 とは、【ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス】のキャラクター。

プロフィール

骸骨の戦士

他言語

Hero's Spirit

ふりがな

がいこつのせんし

別名義

骸骨戦士

初登場

【ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス】

鎧をまとった謎の骸骨。普段は金色の狼に変身している。
正式名称が直接公開されてない故に表記揺れが非常に激しいが、姫川明作の漫画版トワイライトプリンセスの小学館の公式サイトにおける作品紹介にて「骸骨の戦士」という名前が使われているため、本項ではそれに倣う。
発売当時のインタビューでは青沼Dに「骸骨戦士」と呼ばれていた。

作品別

【ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス】

ゆく先々で【リンク】の前に現れ剣の奥義を授けてくれる謎の存在。
当初は「運命に翻弄されて勇者になった身とはいえ今のお前の力ではその緑の衣が泣くわ」と手厳しい言葉をかけてくるが、言葉の端々から冒険を経て強くなるリンクの成長を喜んでいる様がにじみ出ている。
奥義伝承の際には濃い霧に包まれた謎の空間に飛ばされ、そこで彼が見せてくれた手本に従い、彼自身に奥義を叩き込んで学習することになる。彼自身はどれだけ切られてもダメージを負うことはない。

彼から全ての奥義を習得すると 「勇者として生を受けながら後世にそれを伝えることの出来なかった我が無念もようやく晴らすことができた」 と自身の心残りを果たせたことに感謝しつつ、成長したリンクならきっとハイラルを救うことができると讃えてくれる。
そして 「怯まずに進め、我が子よ!」 と激励し、以後姿を見せなくなる。

本編中にその正体が明かされることはなかったが、実は『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』の主人公として登場した 『時の勇者リンク』の成れの果て である。
『時のオカリナ』にて、時の勇者リンクはマスターソードを引き抜いた7年後の世界で【ガノンドロフ】を倒してハイラルに平和を取り戻し、聖地を再び封印する際に【ゼルダ】によって7年前の元居た時代(子供頃の時代)へと戻されることとなったが、7年後の世界で得た知見を元に彼はゼルダと共にガノンドロフの野望を事前に阻止することに成功していた。
そのため『トワイライトプリンセス』のハイラルでは『神々のトライフォース』や『風のタクト』で語られているガノンドロフによるハイラル征服が行われていない平和な世界を実現できているのだが、それはつまり、「 リンクが時の勇者としてなしてきた戦いとその業績全てがなかったことになってしまった 」ということでもある。 『ムジュラの仮面』以後の彼の人生の顛末については不明だが、勇者として名を残せなかったことを相当無念に感じていたようで、それ故に自身の子孫である『トワイライトプリンセス』の光の勇者リンクに勇者としての勇気の証と剣の奥義を語り継いだのだった。

『時のオカリナ』のリンクがその後の彼が辿った顛末については公式では描かれていないが、苦悩に満ちたものだったであろうことは想像に難くはない。
まず、帰還したのがガノンドロフが反乱を起こす前の時間軸だったため、冒険の中で知り合った人々との間に築いた人間関係がリセットされてしまっている。リンク自身に冒険の記憶が残っていても7年前の過去の時代の人々にとってはリンクは初対面の相手でしかなく、成長するハイリア人であるがゆえに第二の故郷であるコキリの森に変えることもできない。その後独り旅の最中に迷い込み人々と新たな交流を築いた異世界タルミナでさえも、紆余曲折を経て消滅してしまったことが公式より明かされている。
世界を救った功績を打ち立てたはずの勇者に待ち受けていたものは、遡行する歴史の中にただ独り取り残されてしまうというあまりにも不遇で無情な結末だったのである。これでは昇天し切れず化けて出てしまうのもやむを得ないであろう。

【ゼルダの伝説(姫川版)】?

本編では「冒険の行く先々に現れて剣の奥義を伝えては消える」という本筋への関わりの薄いゲーム仕様的な側面の強いキャラではあったが、本作では「かつての時の勇者リンク」という設定を全面的に出して登場している。
本編では血縁については不明だったが、本作では時の勇者と光の勇者の間に血縁はなくあくまでも勇者の魂を継ぐ者として「息子」と呼んでいるとのこと。
マスターソードの威力による増長から生まれた心の隙間を、聖邪の区別なく力を増幅させるトライフォースによって暴走させられ、闇に囚われたリンクに救いの手を伸ばした。
闇に囚われ心の折れたリンクは
「化け物に襲われ狼にされ、ここへ行け、何を集めろ、あれと戦え、全てが降りかかる火の粉で自分が望んだことなんかひとつもなかった。」
「試練、試練、また次なる試練。もうたくさんだ俺を自由にしてくれ」
「……なぜ。なぜ!!」
と己の定めを嘆くばかりだったが、そんな彼に勇者の重責とそれを背負う生き方を解き、リンクが再起するきっかけを作った。

リンクの前に正体を現す際には、纏っていたフードの下から青年時代のリンクの顔が現れ、次第にそれが老いて白髪の老人となり、朽ち果てて肉も削げ落ち、眼光の宿った骸骨へと変化していた。
青年の頃のリンクにすら顔には深い険が刻み込まれており、彼が辿って来た勇者の過酷な運命のほどがうかがえる。

そしてなんと最終決戦にてまさかの再登場を果たす。
「過去にハイラルで幾度となく勇者が魔王を倒したかに見えたが、その度に魔王は完全復活している」
「つまり勇者は毎回魔王に敗北している。貴様が今やっているのは無駄な行い。魔王は不死身なのだ」
と語るガノンドロフに圧倒されていた光の勇者リンクの前に駆けつけ、ガノンドロフの一太刀を受け止める。
朽ちてなおその剣技は衰えることなく、光の勇者リンクと共にリンクコンビによる連携攻撃でガノンドロフにダメージを与える。
その際100年の時を経てかつて恋していたゼルダ*1と再会を果たし、僅かな間ではあるが語り合うことができた。
永くその身を維持することはできないのか、連携攻撃の後には別れを遂げて、再び姿を消すも、リンクにとって形勢逆転のきっかけを作る重要な一手となった。
総じて「老いてなお現役」を通り越して「朽ちてなお現役」と言わんばかりの、かつての時の勇者の名に恥じない活躍ぶりであった。

おもなセリフ

  • 私もお前と同じ道を歩んできた者だ。
  • 死し、朽ちてなおも解けぬこの辛い役目を、できれば背負わせたくはない。しかしトライフォースはお前を選んだのだ。それは私にはどうすることもできない。
  • 楽な道は決してない。しかし必ず乗り越えられる。歩みを止めるな。そして真の勇者となれ。
  • 苦しみを伴侶とせよ。不安、恐怖を友とせよ。さすれば闇も光となろう。
  • 真の勇者とは、普通の民の千倍、万倍の重責をその背に負わなければならないのだ。
    ここに来るまでの道のり。苦難。打倒され歯噛みしたひとつひとつそれらを内包し、そして立ち上がってこそ、真の勇者たりえる。
    姫川版における闇に囚われたリンクへのセリフ。
    過酷な運命を乗り越えてきた『時の勇者』だからこそ言える、激励と言うには余りも辛く重い言葉の数々だったが、リンクはそれに応えてくれた。
  • 魔王が不死だというのなら、勇者もまた永遠なり
    姫川版におけるガノンドロフ戦における台詞。
    「いくら勇者が戦った所で不死身である魔王が復活し続ける限り無駄な行い」と吐き捨てるガノンドロフの前に現れ、受け継がれる勇者の魂も不滅であることを示した。
    直接先代の勇者であることを明かすという本作オリジナルの出番を見せたかと思いきや、最終決戦で再登場し、時の勇者として改めてガノンドロフに勝負を挑むその様に多くの読者が驚いた。

関連キャラクター

余談

  • 『7年前のハイラル』 に戻ったことで勇者としての功績を残せなかったことを悔やんでいた彼だが、では彼自身が『時の勇者』として活躍して守り抜いた 『7年後のハイラル』 はというと、『風のタクト』で描かれた通り、結局彼がいなくなった後ガノンドロフが復活したことで海の底に沈み、最終的には『風の勇者』リンク達に未来を託すためにトライフォースの力で消滅させられている。
    自分が救うはずだったハイラルでは誰も自分のことを知らず、自分が救ったはずのハイラルは自分の知らない所で消滅…と、あまりにも報われない結末であった。
    『光の勇者』リンクが自分の意志と剣の奥義を継いでくれたこと、『風の勇者』リンク達が作り上げた全く新しいハイラルがガノンの脅威に晒されることもなく無事繁栄していることが数少ない救いといえるか。

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最終更新:2024年12月12日 18:44

*1 本作のゼルダは前世の時のオカリナのゼルダの記憶を継承しており、ザントのバックに控えていたガノンドロフとも面識があった