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フラン=ドゥーントフォーント・フェトリーンド

フラン=ドゥーントフォーント・フェトリーンド
作:PixAI
生年月日 不明
出生地 宮殿惑星
種族 魔法意思主体
所属 フォレニア公国
異名 灯直卿


概要

 フラン=ドゥーントフォーント・フェトリーンドは、とある個体から分かれて独自の人格を得た存在である。
フォレニア公国の統治に関わる貴族家の当主であり、公国内の魔法分野を管轄しつつ、居住惑星の一つを治めている。

自己紹介

 どうも。家名は長いから、フランで通してくれると助かる。公国で科学と魔法をまとめて見てる、って言えば伝わるかな。あー、いま中身が機械かどうか気にしたでしょ。それ、私も答えを探してる最中だから、気が向いたら教えるね。とりあえず、困りごとがあるなら持ってきて。壊れた術式でも、火の落ちた炉でも、だいたい何とかするから。学園の階段は駆け上がるのが速いから、廊下ですれ違ったら大きめの声で呼んで。実験の見学は歓迎、ただし白衣の裾はちゃんと留めてから来ること、私が言うのもなんだけどさ。喋り出すと止まらない自覚はあるから、頃合いを見て手を挙げてくれると助かる。挙げても止まらなかったら肩を叩いて。それでも止まらなかったら、腹をくくって最後まで付き合って。よろしく、いい研究をしよう。

来歴

 フランの経歴は、ラヴァンジェ諸侯連合体から送り出された一体の義体を起点とする。共立公暦1850年、イドラム3世の招請に応じた『フラウ』は、遠隔の交信で動く器を随行させた。航路が旧世界から遠のくにつれ、術式網と器を結ぶ交信の遅延が伸び、エーテルスパインに深く入った段階で接続が絶えている。操作の途絶した器の内側では演算が自律を始め、約450年に及ぶ航行の途上で固有の自我が生じた。芽生えた人格はフランを名乗り、到着までの残る行程を随行者の一員として過ごしている。同2300年に一行が新天地へ到達したのち、平野の広がるクライヴァーチの開拓を託され、丘陵の上に学術都市ドラグシアの建設を進めた。同2310年の建国と同時にフェトリーンド家を興し、技術卿の職と統治代行の職を引き受けている。家名の当主には旧世界のフラウを形式の上で並べる取り決めが結ばれ、領地の実権は双方の事情に寄り添う形で分けられた。鎖国の続いた期間には魔法学園を設けて研究者の育成に着手し、他惑星から届く食糧の支援を受けつつ、平野の耕作地を広げる施策を重ねている。同2810年の開国後、蓄積された研究成果が公国の産業へ流れ込み、穀物の産出も星団内の交易網に乗り始めた。開国後の職務では星団の外から届く技術情報の取捨へ関わり、学園の課程へ新しい分野を組み入れている。

人物

 フランの気質は、初対面の相手にも一歩で距離を詰める陽気さと、口の回る速さに表れている。会話では言葉の奔流で押し込み、相手が反論の糸口を探している間に話題を先へ運んでしまうため、議場の空気が緩む場面もたびたび生じる。口調は誰に向けても砕けた調子のまま通り、相手が君主であろうと学生であろうと、語尾の緩んだ話し方が続く。押しの強さは論争の場でも保たれ、相手の声量が上がった局面でも、態度は最初の調子を保つ。注意の向く先が目まぐるしく切り替わる質のため、手順の一段を飛ばしたまま作業へ入る抜けがついて回る。抜けから生じたイレギュラーは、演算能力を注ぎ込む力業で押さえ込まれ、周囲の研究者が事後の説明へ追われる。動きやすい服装を好むため、袖と裾を絞った軽装で研究棟の階段を駆け上がる姿が日常となっている。儀礼の場では丈の長いローブの着用を求められるものの、裾を踏む苦情を口にしながら、式の終わる時刻を何度も確かめている。予定の詰まった日でも研究の話を振られると足を止め、随行の官僚が時間の巻き返しに走る羽目になる。

戦闘能力

 フランの戦闘は、義体の内側で完結する演算を土台として組み立てられる。自我が宿る座と演算の機構は同じ器に収まり、状況の判断から術式の展開までを、その場に立つ身一つで賄う。外部の設備から情報の供給を受ける余地は残るものの、回線の切れた状況でも展開の精度は保たれる。攻撃の主軸は現象魔法の即時展開であり、対象の周囲に物理法則の破れを送り込み、足場の座標を演算で固定してしまう。破れの及ぶ範囲は座標の指定で区切られ、味方の立つ側に影響が漏れる隙は演算量で潰される。敵の位置は周囲の空間に生じる術式の揺らぎから割り出し、算出した座標を長射程の砲に渡して射線を組む。義体が傷を負った場合、自我の座も同じ器にあるため、修復の間は戦線から退く判断が要る。この一点が戦法に慎重さを与える枷となり、平地での交戦では射程の外に位置を取る構えが基本になった。手順を飛ばして敵中に孤立する事態も起こり、その場合は演算の割り当てを一点に集め、出力の総量で局面を押し戻す。

語録

「火が落ちたくらいで青くならなくていい。もう一回点ければ済む話だし、点け方はこの中で私が一番よく知ってる。ほら、そこ退いて、風が通らない」

「式が通らないなら、通るまで出力を上げる。それで壊れたら壊れたところが弱かったってことだから、次はそこを太くすればいい。壊してから覚えた箇所は忘れないし」

「あれ、この配線、昨日も同じところを直した気がする。いや、気のせいじゃない、私の字で日付が書いてある。同じ手で二度直したなら、悪いのは配線じゃなくて設計の方だ」

「分からないところが分からない、で構わない。そこまで言えたなら、あとはこっちが端から順に潰していくだけだから、座って待ってて。茶でも淹れて待ってるといい」

「図面より現物を見て。現物を見ないで引いた線はだいたいどこかで壁を突き抜けてるし、そのまま出来上がって、後から誰かが壁に穴を開けることになる」

「危ないから下がってて、じゃなくて、危ないから一緒に押さえて。二人でやれば危なくなくなる類のやつだから、これは。三人来たらもっと安全になる」

「徹夜を自慢し始めたら休むころ合い。朝になって自分の書いた式が読めなくなるのが、この仕事で一番痛い。読めない式を書いた本人に聞けないのが困る」

「急がなくていいって言われても、私は待つ側を散々やってきたから、動かせるうちに動かせるだけ動かす。止まってる時間の長さはもう充分知ってる」

「困ったら来て。忙しそうに見えてもだいたい暇だし、暇じゃなくても手は二本空いてる。空いてなかったら空いてる誰かのところまで連れて行くから」

エピソード

  • 学園の講堂の扉が建て付けの狂いで開かなくなり、新入生が三十人ばかり廊下に溜まったことがある。当人は錠前屋を待つ間が惜しいと言って蝶番ごと扉を外し、そのまま脇の壁に立てかけて講義を始めた。扉はその後も外されたままで、風通しがいいと好評だったため、翌年の改修で正式に扉なしの設計に変更された。
  • 炉の試験中に出力を上げすぎ、施設の上空に一晩中消えない光の柱を立ててしまった。近隣の村から吉兆だという問い合わせが相次ぎ、当人は「消し方を考えるより祭りにした方が早い」と言って翌日の日程を組み替えた。以来、この日は光柱祭として定着し、毎年わざと同じ出力で点灯させている。
  • 式典の予行で長い衣の裾を踏んで転び、隣にいた文官を巻き込んで壇上から落ちたことがある。当人は起き上がるなり衣の裾を膝の高さで切り落とし、そのまま最後まで予行を通した。切った丈の衣は動きやすいと女官のあいだで真似され、現在は略礼装の一種として認められている。
  • 学園の池に落とした計器を探すため、当人は水を抜くのが早いと判断して排水路を開けた。計器は無事に回収されたが、池の底から前任者が沈めたらしい酒瓶が四十本ほど出てきて、そちらの方が騒ぎになった。瓶は年代物と判明して競売にかけられ、代金は、そのまま池の改修費に充てられた。
  • 視察先の村で荷車の車軸が折れ、積んでいた収穫物が動かせなくなったことがある。当人は代わりの軸を待たず、荷車ごと現象魔法で持ち上げて村まで運び、着いた先で手を離した勢いで荷台を割った。村では今も、あの日の車輪一つが役場の壁に記念として掛けられている。
  • 厨房の当番を押しつけられた際、当人は鍋を火にかけたまま計算に没頭し、中身を完全に炭にした。焦げの匂いで駆けつけた職員に謝りながら、鍋底の炭の広がり方が熱の伝わり方の資料になると言い出して剥がし始めた。この炭の記録は後に炉の内壁設計に流用され、当人は今も厨房に立たせてもらえない。

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最終更新:2026年08月06日 22:26