龍を封印し一族、ヴィダールの中で龍の因子を使用した対龍兵器の開発を行うソラと反する、それに頼らず龍を倒す研究をしていたほかのヴィダール神柱が開発した霊量子、龍素(ドラグメンツ)でできた対龍戦闘兵器。正式名称は霊形戦討兵機(クォルターアルムギアス)であるが、霊機(ファントムギア、ファントムマギア)と呼ぶ人が多くなっている。また、霊形(スピリッドール)という呼び方もある。
神霊機(ソルギア)と呼ぶのはソラ以外のヴィダールであり、ハーネイトとその仲間はクォルターギアス、またはクォルターギアドール、それを略したギアドールで呼び運用する。また魔法機もといマギアと呼ぶ存在も多い。魔導戦機ことマギアスでも通用する。
ファントムギアはPFの使用や特殊な機能が使えない状態のものを指し、DDDに適応できるなら龍素蓄積者でなくても使える。
ファントムマギアは全ての機能が使用できる仕様で、現地改修も含め能力が向上している。
前は霊形戦鬼とも呼んでいたが、より機械自動化し運用する存在にしたため霊形戦討兵機、それを略し霊形戦機として呼名している。
更に合わせて、それを使う人たちを霊機魔導士(ファントムマギアクター)と呼ぶようになる。
封龍の一族、ヴィダールのソラとその仲間が開発を進めていた、龍の力で構築された霊機であり、その性質は微生界人や現霊とかなり似ている(基本的にベースが霊体)が微生物を体に纏うことで疑似肉体を得ている微生界人と違い、もろに霊量子だけでできているこの神霊機は世界龍及び現霊龍の精神波動による影響を更に受けやすく現に問題が生じていた。また人型だけでなく獣型など様々な霊魔が存在する。
また、龍の力を使わずにというコンセプトだが、実質使っているようなものである。ソラの生み出した龍の力を凝縮した宝玉は確かに使っていないが、構成する材質は霊量子であり、龍の力もとい龍を構成する素材でもある。それに気づいていないのは、自分たちが世界龍から生み出された龍素エネルギー生命体であるという記録がオベリスの破壊などで行方不明になっており、知らない者が多かったから。
また、現霊は術者の全ての経験、想いなどを1つにして映し出し幻を現とする物であるためこれに関してはあくまで構成する素材が同じで、術者とリンクすることで強化され姿形が変化する。CDDを装備して現霊使いになった者は皆この霊量戦機の素体に龍のカケラを連動、フィードバックさせたものであり、元々現霊を出せる人たちでも今はこれを使い安定的な運用を行う。
ヴィダール神柱たちは強烈な龍因子の反応を感知し移動する家でもある紅き流星・エンドゥスで地球まで移動し、その元凶であるハーネイトを倒そうとする。それは彼がソラの手先であり自分たちを捕まえに来たと思っていたからである。実際そういう命令は出ていたが、ハーネイトはそれよりも世界龍危機に備える方が優先だと動いていた。
すると彼らのご先祖様である、世界龍を実際に封印したドラギスという原初のヴィダールが介入し、神霊機についての危険性を伝える。それを聞いた彼らは困惑するも、実際に龍が取り付き暴走してしまうのを見て計画の見直しを余儀なくされた。
その後、龍の力のカケラあるいは宝玉を持つ存在が神霊機とリンクすることで、世界龍の影響を防ぎつつ戦力を増やすことができると判明しソラと敵対していたヴィダールはハーネイトたちの方について裏方からサポートすることになった。
その補助装備としてCDD/DDDが使用され、召喚器としての役目も果たしている。
また、これに関連し強大なサイズの霊量戦機こと神霊機が血徒17衆により奪われており、その奪還及び撃破も行う必要があった。
余談として、龍のカケラでなく龍の宝玉を持つ存在は霊形戦機を媒体にした現霊を呼び出せない。それはそもそも霊形戦機が龍の力を最大限まで利用して作られておらず、出力負けを起こし戦機が破壊されるケースが多発したため。
その影響を考慮しつつ龍の宝玉の力を、直接エネルギーとして戦機に注いだほうが早く強いため基本そういう形での運用になる。のちに霊形戦機自体の強化プログラムをオベリス内から見つけたことで一応理論上出力負けしない霊形戦機はできたがハーネイトと伯爵は自身が現霊じみたものになっているためやはり難しいらしい。
しかも龍のカケラの響命とは別に、精霊や地霊、悪霊などを外部から持ってきて戦機に憑依させ変化させる者がいる。これは主に元DG所属でカケラ持ちの人に多い。これを霊機憑衣(クォルターポゼッションギアクロス)という。特にボガーやレーゲンなどは特殊な運用をしている。
この神霊機は、霊装こと霊器と呼ばれる装備により能力、戦技などのカスタマイズを行うことができる。見た目なども変えられるのでカスタマイズが色々とできる。
形状は人型から獣型を初めとした様々な生物、更には悪魔型や天使型なども存在する。一種のロボット系兵器でもあり、攻撃や補助支援などを任せることで敵に反撃させず倒すこともできるという。
余談だがハーネイトが次元空間に格納している機械の巨人のような兵器、MFイタカも実はこの神霊機に該当する。一応ソラの方も神霊機の研究はしていたようであり、精神波動の干渉を抑えるために微生界人を生み出した時の反省も踏まえ、人型の災厄霊魔に霊殻を装備して力の調整と防御耐性を付与した物である。
このためMFイタカこと正式機名:神威零式は龍気汚染、精神干渉を受け付けない対龍兵器としてのスペックを十分に満たしたものとなっている。一方で他のヴィダールが開発した対龍決戦用霊形戦機こと神形機、12神形機はこの霊殻がほとんどない、あるいは霊殻としての機能を成さず強力な龍にクォルキング、つまりハッキングされてしまい利用される危険性が高いという。
実は龍のカケラを持ち、なおかつ終わりのある命の者だけが持てる現霊も、実はこの神霊機こと霊形戦機の素体がカギを握っている。簡潔に言えば、骨格むき出しのままパーツをつけデータを入れただけが本来の神霊機としての使い方。
この素体と龍のカケラを響命させ、その欠片に宿っているデータを全て素体に反映させ形状変化させたのが現霊である。
といっても初期の現霊使いはこの素体なしでも具現形象化できていたのだが精神状態次第で不安定になりやすい欠点があった。要は自身の心を映し出し形にしているのでそれが揺らぐと維持するのも難しい。またこの影響で基本1つしか現霊を持てない。心が複数ある者は例外なことが起きるだろうがそれはとてもレアである。
CDDはこの霊量戦機の素体に関するデータをすべて管理しており、霊量機関で生み出した霊量子から瞬時に対応した形状の素体が出現しリンクする。
この過程で龍のカケラと共鳴する際に、一種の走馬灯のような物を装備者は見ることになる。
この仕様上、現霊士、霊量士とリンクした霊量戦機と現霊は龍に取り付かれなくなる。そうでない状態のは割と容易に取りつかれ、依代に使われる場合がある。
現霊士はこの素体とカケラの響命体、現霊の他に1体以上霊量戦機を運用することもできるのだが3体以上は負荷がかなりかかる。またすべて同じ現霊として形状ごと再現はできない。現霊+現霊以外の霊量戦機の組み合わせがメインとなる。
神霊機が使用できる能力、戦戯は霊量術全般とUAの各武器種ごとに使用できる戦戯であり、CPFや戦形変化は使用できない。
装備できる箇所は頭部、腕部、脚部、背部、心部、殻部の6か所あり、パーツの組み合わせにより見た目や性能が大きく変わる。
また、ストーリー上では流星内に管理されていた神霊機をハルザークに敗れた血徒17衆が奪取するという事件が起きる。先述した巨大な神霊機の話がこれであり、ある条件を満たすと一部のキャラが使用可能になる。それとアプリ開発などで双奏機演(そうそうきえん)や三奏機演(さんそうきえん)を習得することで複数体の運用も可能になる。
これによりカケラ持ちこと霊量士の人手不足を補うことができる。カケラをしっかり宿している者は基本的に龍の活動が活発化する以前の10年ほど前は割合として9000万から1億人に1人いるかいないかであるらしい。ただし人口の増加に比例しカケラ持ちの人は増えている。血徒はその増加したカケラを持つ人たちを定期的に選別し人類全体の持つカケラを凝縮している。
また現霊のカスタマイズ以外に他の霊量戦機を運用し操れるようになるのは第2部から。ハーネイトと伯爵は霊量戦機の素体を使うこともあるがこれを開発していたソラが途中で計画をやはり凍結しておりパーツを作れていないことと、大消滅の際にこれらに関するデータが異界空間内に散らばってしまっている。それがオベリスであり、256個存在しているという
しかし他のヴィダールがそれを作っているのでそれを素体に装備すれば好きな霊量戦機を作れる。それはまるでLBXが大型化した何かである。
なので別の霊量戦機こと神霊機及びそのカスタマイズは流星に乗り込んだ後に解放される。また、ハーネイトが使うことになる霊機纏衣(クォルタークロスギアス)も初期では使えない。獣系などの霊量戦機をパーツ分解し纏う事で戦闘能力が激増する。これは戦形変化に該当するが龍の力を使う消費量が約半分であり場合によってはこれを使うこともある。ただし複数運用するほど精神が疲弊する。
流れとしては、霊形戦機を運用し、それに力を注ぎこみ生まれた現霊を自身に纏うことで神衣(かむい)と呼ぶ霊機纏衣、クォルタークロスギアス、ギアクロスを習得することで龍葬者になれる。ハーネイトたちは既に龍の宝玉が埋め込まれているので段階をすっ飛ばして自身に纏う戦形変化という形での霊機纏衣、いや正確に言えば龍装纏衣の力を使えるのである。
神霊機:人型
名称 | 説明 | 備考 | |
神威零式(かむいれいしき) | MFイタカの素体でもある、巨大な人型の神霊機。大量のCPを集めれば製造できる | ||
神威正式(かむいせいしき) | 零式を小型化し、力はそのままに人間よりやや大きい程度のサイズまで圧縮し運用しやすいようにリサイズした人型モデル。大体の現霊使いはこの素体をベースにカケラと共鳴し現霊を生み出している | ||
轟魔(ごうま) | 悪魔系モデルの素体。火力面に趣を置いているがカスタマイズ次第で色々な作戦を実行可能 | ||
光天(こうてん) | 天使系モデルの素体。支援面に趣を置いているがカスタマイズ次第で色々な作戦を実行可能 | ||
現人(あらびと) | 人型モデルの素体。汎用性に趣を置き、カスタマイズ次第であらゆる戦局に投入できる | ||
神霊機:4足型
名称 | 説明 | 備考 | |
獅炎 | 4足の獣型神霊機の素体。頭のパーツを変えるなどで獅子だったり狼だったりと様々な見た目に変えられる | ||
皇竜 | 龍型の神霊機 | ||
天狼 | |||
奉狐 | |||
神霊機:2足獣型
名称 | 説明 | 備考 | |
霊鬼(れいき) | 人型に近いが骨格フレームがやや異なる、戦闘用の神霊機。タンク役にも適しており現霊がサポートタイプなら同伴させると安心 | ||
猿怪(えんかい) | 猿型の素体 | ||
狼人(ろうにん) | 狼人間型の素体 | ||
神霊機:鳥型
名称 | 説明 | 備考 | |
飛燕 | 背に乗ることもできる燕型の神霊機。翼自体に武器を装備でき火力が高いが撃たれ弱い。現霊がサポートタイプなら双奏機演を覚えさせ霊鬼とペアで運用すると滅茶苦茶化ける | ||
皇鷲 | ワシ型の神霊機。カーノ・ミホークの素体でもある | ||
鳳王 | |||
神霊機:爬虫類型
名称 | 説明 | 備考 | |
牙蛇 | 蛇型の神霊機。スロット数が1つ多く遠距離系の武装による支援をさせるといい | ||
渡蜴 | |||
神霊機:異形型
名称 | 説明 | 備考 | |
彌珠 | 球体のコアをベースとした神霊機。支援性能が基礎から高い | ||
御人 | |||
血の魔人たちが霊形戦機を手に入れようとした理由
それは龍による彼らの半身とも言えるプロトリオン、第一世代対龍兵器と化したそれを解放し取り込むため。
魔人たちは13の巨大霊形戦機を異界渡の末に手に入れる。しかしそんなことをしても実はPの封印を強引に解除するのはとても難しい。しかし霊形戦機を全部破壊すればそのエネルギーを回収し開けるための力を得られるという。
知らずして魔人たちが操るそれを破壊したハーネイトたちはそれ自体が封印開放に繋がるカウントダウンであることを直前になって知るも味方に下ったはずのスフティスがある意味で裏切りそのエネルギーを集めPを解放してしまう。それはスフティスがハーネイトや伯爵にあこがれていたから、そうなりたいから力が欲しいと同胞をも切り捨てつつハーネイトの元で彼の在り方を学びつつ裏でPの解放を狙っていた。
しかしPは伯爵にしか制御できずスフティスは軽率な行いを後悔していた。