ブラッドテイル
[解説]
ティールテイルと比較すると群れの規模は小さく、通常5〜6頭程度。
その構成は1頭のサイアと2〜3頭の雌、そしてその子供達というもので、ほぼ家族単位の群れである。
その構成は1頭のサイアと2〜3頭の雌、そしてその子供達というもので、ほぼ家族単位の群れである。
子供達は2歳を過ぎる頃に群れから離れ、独自の群れを作るようになるが、雌を獲得できず、サイアとなれなかった雄ははぐれ雄として、単独で生活を送りつつ、他の群れのサイアの座を狙うこととなる。
また、近縁のテイル種のほとんどは自ら獲物を狩り捕食する事を主としているが、本種においては、狩りに加えて、積極的に腐肉食も行うことが確認されている。
これもやはり、獲物を獲得しにくい生息地域の環境の影響が大きいと考えられる。
これもやはり、獲物を獲得しにくい生息地域の環境の影響が大きいと考えられる。
これに加え、本種を語る上でもっとも外せない特徴として、本種が特有に持つある種の〝毒〟の存在があげられる。
この毒は頭部に存在する毒腺に蓄積されており、獲物に噛みついた際に牙から注入されることになる。
この毒を注入された生物は、体格や注入量によりその効果に幅はあるものの、四肢の痺れ、筋肉の弛緩、呼吸不全などの症状に加え、魔力が極度に減衰し、重度の魔力切れに近い症状を発症し、最悪の場合には死に至る。
この毒は頭部に存在する毒腺に蓄積されており、獲物に噛みついた際に牙から注入されることになる。
この毒を注入された生物は、体格や注入量によりその効果に幅はあるものの、四肢の痺れ、筋肉の弛緩、呼吸不全などの症状に加え、魔力が極度に減衰し、重度の魔力切れに近い症状を発症し、最悪の場合には死に至る。
この毒の正体は、魔素減衰地帯の土中及び大気中に含まれる微細な反物質が本種の体内で濃縮されたものである。
反物質に汚染された土地の中で暮らす為に、ブラッドテイルの先祖達は体内に取り込んでしまった反物質を、もともと保有していた毒腺内に排出する事で、自身の身を反物質から守るという進化を果たした。
つまり、ある意味で、この〝毒〟は新人類で見られる魔眼のように、反物質に汚染された結果獲得した能力であるといえる。
もっとも、こちらの例の場合は魔眼病を発症しないよう、積極的に排出した結果であるため、厳密にはその仕組みは異なるのではあるが。
反物質に汚染された土地の中で暮らす為に、ブラッドテイルの先祖達は体内に取り込んでしまった反物質を、もともと保有していた毒腺内に排出する事で、自身の身を反物質から守るという進化を果たした。
つまり、ある意味で、この〝毒〟は新人類で見られる魔眼のように、反物質に汚染された結果獲得した能力であるといえる。
もっとも、こちらの例の場合は魔眼病を発症しないよう、積極的に排出した結果であるため、厳密にはその仕組みは異なるのではあるが。
このような進化の結果として、ブラッドテイルはもともと保有していたテトロドトキシンを主成分とする筋弛緩系の麻痺毒に反物質が溶け込んだ特殊な毒を獲得したのだ。
このような性質もあり、本種から採取した毒腺及びその毒は、国を問わず、その流通や利用は厳しく制限されており、生体の流通、飼育も生態研究目的での特例を除き禁止されている。
もっとも、本種の毒の性質は生息地域に由来するものであり、反物質を自ら生み出せるわけではないため、仮に反物質濃度の薄い土地で飼育した場合には、限りなくスカーレットテイルのもつ麻痺毒に近い性質の毒のみをもつ魔獣になるだろう。
もっとも、本種の毒の性質は生息地域に由来するものであり、反物質を自ら生み出せるわけではないため、仮に反物質濃度の薄い土地で飼育した場合には、限りなくスカーレットテイルのもつ麻痺毒に近い性質の毒のみをもつ魔獣になるだろう。
なお、本種のブラッドテイルという名前は、その体色に由来しており、その名の通り、血のような赤黒い鱗を持っているのだが、その不気味な質感や色から工芸品などの素材としての利用価値は低い。