炯眼の幻装兵 ロティアス・バールガー

[解説]
本機のベースにはハイネクライン家が保有していた騎虎の幻装兵 コルター・ア・ソールの残骸が使用されているのだが、コルター・ア・ソールの外見的なシンボルともいえるラウンドバインダーなど、リュトフ族に引き渡された時点で失われていた部位も少なくなかった。
そのため、カナドの狩装兵などでみられる特徴的な積層装甲なども用いて復元が行われており、その外見の印象は大きく変化している。
そのため、カナドの狩装兵などでみられる特徴的な積層装甲なども用いて復元が行われており、その外見の印象は大きく変化している。
[装備]

本機の基本的な装備は両腕に装備された大型のラウンドシールドとそれぞれのラウンドシールドにマウントされた2対、4本の細身のロングソードである。
これらの装備と後述するローレライの詩を生かしての一対多の混戦を得意としている。
[特殊機構]

これはハインリッヒが聖華暦614年にメシュラム・グループ傘下のエラ魔導器機開発研究所と共同開発した、陸上艦船用のエーテル索敵機をロティアス・バールガー用に再調整したもので、さまざまな理由により、研究、開発の凍結に追い込まれた陸上艦船用のローレライの詩に再び光を当てたいというハインリッヒの思惑もあり、破損していたコルター・ア・ソール本来のレーダーシステムと置換する形で採用された。
このローレライの詩は、光魔法で作られた実体のない肉体を半径50m程度のドーム状に展開することで自身の意識を擬似的に拡張し俯瞰的に周辺のすべての状況を知る、という仕組みのもので、作り出した領域内でさえあれば、完全に死角をなくすことが可能なものであった。
このため、特にあらゆる方向からの攻撃が想定される、多数を相手取っての混戦において使用すれば圧倒的な優位性を示すことができ、実際、当時の操手であったハインリッヒ・ハイネクラインは本機を用いて第三次聖帝戦争に参戦し、大きな戦果を挙げた記録が残っている。
しかし、当然、利点ばかりとはいかなかった。
まず最も大きな欠点は、発動時には半径50m程度のすべての地形や物体、動きの情報が流れ込んでくることになるため、操手に非常に大きな負荷がかかることになるという点である。
ローレライの詩を機兵に搭載するという関係上、どうしても操手を詩女として処理するほかなく、どうしても操手に負荷がかかることは避けられなかったのだ。
もちろん、可能な限り負荷を減らすため、閾値を調整し、ある程度以上の大きさの物体や動きしか感知しないよう術式を工夫するなど対応策は講じられてはいる。
しかし、それでも、操手には決して小さくはない負荷がかかることになるため、使用時間にはリミッターが設けられ、長時間の連続使用を制限するることとなった。
しかし、それでも、操手には決して小さくはない負荷がかかることになるため、使用時間にはリミッターが設けられ、長時間の連続使用を制限するることとなった。
また、操手が詩女を兼ねるということは、ローレライの詩を戦闘中に使用するためには、膨大な情報を受け取りながら、機兵自体の操作をこなさなければならないということを意味する。
そのため、クルセイダーとしての実力はもとより、優れた空間認識能力を持つなど、ローレライの詩への適正がない操手では、完全に死角を無くせるという優位性を生かせない結果になってしまうということも問題であったのだ。
そのため、クルセイダーとしての実力はもとより、優れた空間認識能力を持つなど、ローレライの詩への適正がない操手では、完全に死角を無くせるという優位性を生かせない結果になってしまうということも問題であったのだ。
時は流れて聖華暦828年、このローレライの詩はメシュラム・グループの中心的企業、メシュラム重工により、精霊船の魔導炉を組み込んだ強襲揚陸艦 ディアントゥスに秘密裏に搭載されることになるのだが、それはまた別の話である。
[その後の経緯]
聖華暦619年頃、第三次聖帝戦争での過度なローレライの詩の連続使用がたたり、ハインリッヒ・ハイネクラインは28歳の若さでこの世を去ることになる。
残されたロティアス・バールガーはそのまま、ハイネクライン家が保有することになったのだが、この当時、ハイネクライン家には、この世を去ったハイネクライン以外に本機を十全に扱えるだけのクルセイダーは存在していなかった。
残されたロティアス・バールガーはそのまま、ハイネクライン家が保有することになったのだが、この当時、ハイネクライン家には、この世を去ったハイネクライン以外に本機を十全に扱えるだけのクルセイダーは存在していなかった。
第三次聖帝戦争で大きな戦果を上げたロティアス・バールガーをそのまま遊ばせておくことを惜しく思った当時の聖騎士長の指示によりクルセイダーの共有資産として、多額の資金と引き換えに所有権をハイネクライン家から入手、以後は本機を扱えるだけの力量を持った最上位クルセイダーに貸与するという形で運用されていた。
もっとも、特異な性能を持った本機を扱いきれる上に本機以上の専用機を持っていない最上位クルセイダーが常にいるわけはなく、結局は遊ばせざるおえなかった期間も少なくないのではあるが。
もっとも、特異な性能を持った本機を扱いきれる上に本機以上の専用機を持っていない最上位クルセイダーが常にいるわけはなく、結局は遊ばせざるおえなかった期間も少なくないのではあるが。
聖華暦825年。
最上位クルセイダー及び最上位クルセイダーへの昇進が確実であろうと見込まれるクルセイダーを対象とした本機への適性調査の結果ダウト・ライアールが非常に適性が高いことが判明し、彼が昇進後に貸与することが決定する。
しかし、翌826年。ダウト・ライアールが最上位クルセイダーへの昇進を拒否するという事件が発生する。
彼は地位や最上位クルセイダーとしての権限の代わりにロティアス・バールガー自体を自分の機体として欲しいと要求したのだ。
最上位クルセイダー及び最上位クルセイダーへの昇進が確実であろうと見込まれるクルセイダーを対象とした本機への適性調査の結果ダウト・ライアールが非常に適性が高いことが判明し、彼が昇進後に貸与することが決定する。
しかし、翌826年。ダウト・ライアールが最上位クルセイダーへの昇進を拒否するという事件が発生する。
彼は地位や最上位クルセイダーとしての権限の代わりにロティアス・バールガー自体を自分の機体として欲しいと要求したのだ。
この申し出にどう対応するかについては、…まあ、それなりに揉めることにはなったが、最終的にはダウト・ライアールの希望通り、ロティアス・バールガーは所有権ごと彼に与えられることとなる。