獣翼機
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というのも、この滑空機能は、操縦槽に備え付けられた専用のインターフェイスを通して鳥人族の翼を接続することで、鳥人族の細やかな翼の動きを機体の腕などに装備される風切板と呼ばれるスタビライザーの動きに反映させるという機能を組み込むことで実現されたもののため、そもそも身体に翼が無いとこの風切板を動かすことができないのだ。
また、仮に動かせたとしても聖華暦830年時点における技術力では、空中での姿勢制御を十全に行えるだけの演算性能は、いかなる魔導制御回路であっても(そう、たとえアーク・スフィアであったとしても)、また、いかなるフェアリーを用いたとしても実現できておらず、滑空時の姿勢制御は、単独で高度な滑空を行える鳥人族のもつ飛行感覚や飛行経験に頼らざるをえないことも獣翼機が鳥人族にしか扱えない理由である。
また、仮に動かせたとしても聖華暦830年時点における技術力では、空中での姿勢制御を十全に行えるだけの演算性能は、いかなる魔導制御回路であっても(そう、たとえアーク・スフィアであったとしても)、また、いかなるフェアリーを用いたとしても実現できておらず、滑空時の姿勢制御は、単独で高度な滑空を行える鳥人族のもつ飛行感覚や飛行経験に頼らざるをえないことも獣翼機が鳥人族にしか扱えない理由である。
その機体形状は、獣装機らしい鳥に似せたような姿から人型に翼が生えたもの、人型の腕が翼になっているものなど、さまざまであるが、滑空能力の肝となる姿勢制御の部分が鳥人族の飛行感覚や飛行経験に頼ったものであるため、操手となる鳥人族自身を模した形状であることも多い。
また、滑空機能を実現するために、極力重量を軽くする工夫が随所に盛り込まれており、ハニカム構造の装甲が多用されるなど、非常に軽量に作られていることも特徴である。
基本的には亜人に対する偏見のない自由都市同盟でのみ製造、販売されているが、翼を接続するためのインターフェイスを組み込む必要のある操縦槽はもとより、機体の重量バランスや風切板の配置など、操手に合わせた調整が不可欠な為、完全なオーダーメイドか半オーダーメイドのような形で製造されることが多く、他の獣装機と比較すると高額である。
もしも、他国で購入したい場合には、同盟企業マンマルズ&バーダーズ(聖華暦780年にシームド・ラボラトリーズに合流し、以後は同社獣装機担当部門代表)から販売されているフィアラールシリーズなど、一般向けにも販売されている機体を輸入するか、獣翼機を設計できる機兵技師を招き、オーダーメイドする他なく、同盟内で購入する場合よりも高額になりやすいことには注意が必要である。
[開発史]
全ての獣翼機のルーツともなる機体の開発が始まったのは聖華暦200年初頭であったとされている。
大元は、200年以前に科学技術を用いる形で飛行能力内臓型の機体として開発されていたものであったのだが、基礎設計が完成した段階で、ヴァース条約が締結。
一度設計を白紙に戻した上で科学技術を一切用いない形での再設計を余儀なくされてしまう。
大元は、200年以前に科学技術を用いる形で飛行能力内臓型の機体として開発されていたものであったのだが、基礎設計が完成した段階で、ヴァース条約が締結。
一度設計を白紙に戻した上で科学技術を一切用いない形での再設計を余儀なくされてしまう。
その結果として、初期の基礎設計からは大きく軌道修正され、単独での離陸や完全な飛行能力。そして根本的な機体性能など様々な点で妥協することになってしまうのだが、その上で、最も大きな障害となったのが、操縦槽に取り付ける鳥人族専用のインターフェイスと獣翼機の翼となるスタビライザー、すなわち風切板であった。
鳥人族の繊細な羽根に余計な負荷がかからないようにしつつも、その動きを適切に機体に伝える必要があるそのインターフェイスと、航空力学に頼らずに風を捉えせめて滑空だけでも実現させうる魔導的な翼は科学技術を失ったばかりの魔導工学技術だけで再現するのは非常に困難を極めたのだ。
この問題を解決に導くことになるのが、ドワーフたちである。
彼らの持つ、並ぶもののいないほど優れた鍛治技術と魔石や鉱石に対する豊富な知識はこの難題を解決する上で大いに役立ち、専用インターフェイスやフェーダライト、そして風切板の完成に繋がった。そしてついには聖華暦210年、世界初の獣翼機、ジズ・ダ・ルーフが完成したのだ。
なお、ジズ・ダ・ルーフをはじめとして、噴射式推進装置(バーニア)や魔導スラスターなどといった推進装置関連の技術が登場する聖華暦500〜600年代以前に開発、製造された獣翼機には自力での離陸機能は搭載できておらず、滑空に必要な高度を得る方法としては、高所から飛び降りる、カタパルトによって上空に射出する、あるいは魔装兵に上昇気流を発生させる風魔法、ウィンドスポットを発動してもらい、その風をとらえて上昇するといった方法しか存在していなかった。
時代が進み、これらの推進装置技術が発明されたことで、はじめて、自力での離陸をも可能とする獣翼機が登場してくることになる。
この頃の機体は、脚力を用いて跳躍した後、バーニアが焼き付くギリギリまで噴射する、あるいは翼を安定翼代わりとし、魔導スラスターによって真上にかっ飛ぶというような方法で自力での離陸を行なうことができるようになったのだ。
この頃の機体は、脚力を用いて跳躍した後、バーニアが焼き付くギリギリまで噴射する、あるいは翼を安定翼代わりとし、魔導スラスターによって真上にかっ飛ぶというような方法で自力での離陸を行なうことができるようになったのだ。
しかし、どちらの方法を用いた場合も大きな問題となったのが、離陸時に消費する膨大なエーテルである。
そもそも、獣翼機は、滑空時の風切板の駆動にエーテルを消費するため、けして燃費の良い機体ではない。
その上で、重量を軽量に保つ必要もあるため、大規模な増槽をつけることも困難であったのだ。
そもそも、獣翼機は、滑空時の風切板の駆動にエーテルを消費するため、けして燃費の良い機体ではない。
その上で、重量を軽量に保つ必要もあるため、大規模な増槽をつけることも困難であったのだ。
そんな状況で登場した、これらの離陸装置は、すんでのところで痒いところに手が届かない歯痒さを孕んだ装備だったわけである。
結果として、この時点においては、最高級の魔石を用意して、魔導スラスターにほぼほぼ無尽蔵なエーテルを供給できるようにするというような採算性度外視の特例以外では解決することは叶わず、量産機レベルでは運用方法の工夫によって及第点を与えるしかなかったのである。
結果、この時期の一般的な獣翼機の運用方法は次のような形となった。
まず、発艦や出撃の際には、前述のカタパルトやウィンドスポットによって、機体のエーテルを節約しつつ高度を得て、滑空を開始する。
その後、偵察目的であれば、観測を行いつつ高度の許す限りの滑空を、戦闘目的であれば、高度を活かした攻撃を加え、着陸。
続いて機体に備えられた離陸装置を用いて再び離陸し、帰還する。
このように一撃離脱を徹底したものになったのである。
まず、発艦や出撃の際には、前述のカタパルトやウィンドスポットによって、機体のエーテルを節約しつつ高度を得て、滑空を開始する。
その後、偵察目的であれば、観測を行いつつ高度の許す限りの滑空を、戦闘目的であれば、高度を活かした攻撃を加え、着陸。
続いて機体に備えられた離陸装置を用いて再び離陸し、帰還する。
このように一撃離脱を徹底したものになったのである。
もちろん、それぞれの離陸時における高度をある程度犠牲にすれば、一般的な獣翼機で、連続して2度程度の離陸には耐えられるが、その場合にはより厳密なエーテル残量の管理をしなければならないだろう。
聖華暦700年代後半から800年代に入り、同盟においてもマナ・カートが量産されるようになると、魔導スラスターにマナ・カートを組み合わせたラウンチ・スラスターユニットが離陸装置として採用されるようになり、機体を駆動させるためのエーテルと離陸するためのエーテルを分離することが可能となった。
このラウンチ・スラスターユニットは、その仕組みの上では魔導竜翼と非常によく似ているが、大きな相違点として安定翼を搭載していないことが挙げられる。
これは、獣翼機自体の翼が安定翼として機能するためである。
これは、獣翼機自体の翼が安定翼として機能するためである。
聖華暦830年現在、このラウンチ・スラスターユニットは、大きく分けて、大型のものを背中に背負う魔導竜翼に近いタイプのものと、背中にはマナ・カートのカーゴのみを装備し、魔導スラスター自体は小型〜中型のものを機体各部に装備するタイプの2種類が存在しており、どちらのタイプも、5〜7個のマナ・カートを搭載可能で、離陸性能は魔導竜翼のMK-ⅡとMK-Ⅲの中間程度である。
また、魔導竜翼と同じく、空になったマナ・カートの廃棄機能や自力でのマナ・カート補給にも対応している。
また、魔導竜翼と同じく、空になったマナ・カートの廃棄機能や自力でのマナ・カート補給にも対応している。
これらの技術の登場により、聖華暦830年代において、当初想定されていた、自在な飛行や夜間飛行の実現など、科学技術全盛期の飛行装置には届かないまでも、鳥人族の持つ滑空能力を機兵に持たせるという機体コンセプトはようやく十全に達成されることになったのだ。
[代表的な機体]
[200〜400年代]
[500年代]
- アルカディア帝国獣翼機
- 聖王国獣翼機
- 自由都市同盟獣翼機
- その他組織獣翼機
[600年代]
- アルカディア帝国獣翼機
- 聖王国獣翼機
- 自由都市同盟獣翼機
- その他組織獣翼機
[700年代]
- アルカディア帝国獣翼機
- 聖王国獣翼機
- 自由都市同盟獣翼機
- その他組織獣翼機
[800年代]
- アルカディア帝国獣翼機
- 聖王国獣翼機
- 自由都市同盟獣翼機
- その他組織獣翼機