懸賞金制度と賞金稼ぎについて
[解説]
懸賞金制度は逃亡中の犯罪者や非常に危険だと判断された魔獣などに懸賞金を掛けて、捕縛または討伐を推奨する制度の事である。
また、それらいわゆる『賞金首』を懸賞金目当てで捕縛または討伐する事を仕事として行う者を『賞金稼ぎ(バウンティハンター)』と呼ぶ。
なお、懸賞金が掛けられるのはなにも犯罪者や魔獣ばかりでは無く、失われた宝物や希少価値の高い物品、時には家出人や迷子の子猫に懸賞金が掛けられる場合もある。
ちなみに三国の懸賞金制度はその国内でのみ通用するものであり、例えば同盟の賞金首を帝国で捕縛し、治安当局に突き出しても、帝国から懸賞金は貰えない。
それは三国間で犯罪者の引き渡しに関する条約が締結されていない為である。
それは三国間で犯罪者の引き渡しに関する条約が締結されていない為である。
ただ、複数の国家で同一の人物などに同時に賞金が掛けられている場合もあり、その際は捕縛ないし討伐した国から懸賞金を受け取る事が出来る。
賞金首の引渡しや懸賞金の受け取りに関しては、後ほど解説する。
懸賞金制度の歴史
アルカディア帝国で貴族の持ち物を盗んだ疑いで従者の一人に懸賞金が掛けられたのが始まりとされる。
多額の懸賞金の効果はテキメンで、官憲に任せていては一カ月以上かかると思われた犯人逮捕はわずか3日のスピード解決を見せた。
多額の懸賞金の効果はテキメンで、官憲に任せていては一カ月以上かかると思われた犯人逮捕はわずか3日のスピード解決を見せた。
以降、貴族達は事あるごとに懸賞金による解決策を多用するようになった。
こうなると流石に王宮や官憲も座視する事は出来なくなる。
このまま放っておけば金払いの良い貴族への臣民の心証が良くなり、王宮や官憲への捜査協力が消極的になってしまう。
このまま放っておけば金払いの良い貴族への臣民の心証が良くなり、王宮や官憲への捜査協力が消極的になってしまう。
そしてついに懸賞金をかける基準や方法などの厳格なルールを決定して法制化する事となり、帝国における懸賞金制度の制定が行われたのである。
賞金稼ぎ(バウンティハンター)について
賞金稼ぎは社会に認知された正式な職業では無く、あくまでも賞金首を狙う者の通称(蔑称)でしかない。
手配書について
賞金首の情報は、賞金首の外見的特徴や罪状、捕縛または討伐対象、懸賞金額など必要な項目をまとめた手配書が作成される。
手配書は各町々に配布され、軍や治安部隊のオフィス、役所、冒険者組合、傭兵協会、街の酒場などに貼り出されている。
手配書は各町々に配布され、軍や治安部隊のオフィス、役所、冒険者組合、傭兵協会、街の酒場などに貼り出されている。
賞金首の扱い
懸賞金が掛けられた人物(または魔獣や物品その他)は一般的に『賞金首』と呼称される。
人なら犯罪者扱い、魔獣なら討伐対象という認識が大半である。
物品に懸賞金が掛かっている場合はお宝や価値のある代物と見做され、返って盗難や転売される可能性が発生する。
人なら犯罪者扱い、魔獣なら討伐対象という認識が大半である。
物品に懸賞金が掛かっている場合はお宝や価値のある代物と見做され、返って盗難や転売される可能性が発生する。
また、人や魔獣に関しては『生死問わず』『討伐(抹殺)』『捕縛』の分類がきっちりと行われる。
特に捕縛の場合は無傷で生け取りにするのか生きていれば状態を不問にするのかが厳密に決められる事になる。
特に捕縛の場合は無傷で生け取りにするのか生きていれば状態を不問にするのかが厳密に決められる事になる。
過去に家出した令嬢の捜索の為に懸賞金をかけたところ、令嬢を捕らえた賞金稼ぎが令嬢が逃げられないように両足の腱を切り、暴行を加えた事例があり、その際に賞金稼ぎは投獄され処刑されている。
このような事故を防ぐ為、手配書には条件が事細かく記載される事になり、それを熟読し理解していなければ、賞金稼ぎ自身も犯罪者として断罪される恐れがある事に留意する必要がある。
賞金首の引き渡しと懸賞金の受け取り
賞金首が死亡している場合は死体または身元の判る身体的特徴部分(周囲に認知されているタツゥーやなどまたは生首)を当局に提出して鑑定を行う。
※同盟軍人の場合は懸賞金の受け取りを辞退または寄付する事が通例とされ、それを破ると昇進に障ると言われている。
○帝国
賞金首は基本的に第一特務に引き渡される。
引き渡し後、第一特務より小切手が発行される。
この小切手は帝国内の金融機関のうち、公的機関でのみ使用可能となる。
これは皇帝の御名において懸賞金が支払われるという建前ゆえである。
賞金首は基本的に第一特務に引き渡される。
引き渡し後、第一特務より小切手が発行される。
この小切手は帝国内の金融機関のうち、公的機関でのみ使用可能となる。
これは皇帝の御名において懸賞金が支払われるという建前ゆえである。
○聖王国
賞金首は基本的にクルセイダー師団に引き渡される。
引き渡し後、クルセイダー師団から直接懸賞金が支払われるが、これは聖王国内部の利権諸々の理由で金融機関を関わらせることが困難な為である(クルセイダー師団は損な役回りを押し付けられている)。
賞金首は基本的にクルセイダー師団に引き渡される。
引き渡し後、クルセイダー師団から直接懸賞金が支払われるが、これは聖王国内部の利権諸々の理由で金融機関を関わらせることが困難な為である(クルセイダー師団は損な役回りを押し付けられている)。
○同盟
賞金首は基本的に同盟軍に引き渡される。
引き渡し後、同盟軍より懸賞金の記載された手形が発行される。
手形は同盟内の金融機関ならばどこでも使用する事が可能で、換金したり預貯金にする事が出来る。
なお、手形には同盟軍高級将校と現場指揮官のサインが記載されており、このサインがどちらか一方でも無い場合は無効となる。
賞金首は基本的に同盟軍に引き渡される。
引き渡し後、同盟軍より懸賞金の記載された手形が発行される。
手形は同盟内の金融機関ならばどこでも使用する事が可能で、換金したり預貯金にする事が出来る。
なお、手形には同盟軍高級将校と現場指揮官のサインが記載されており、このサインがどちらか一方でも無い場合は無効となる。
個人または団体による懸賞金の出願について
個人または企業などの団体が公的機関を通して懸賞金を掛ける場合がある。
その際は、手配を掛ける相手や内容について事細かな審査が行われる。
これらの審査は通常は1〜2週間程度の時間が必要であり、審査の結果、不適切と判断されると手配が掛かる事は無い。
その際は、手配を掛ける相手や内容について事細かな審査が行われる。
これらの審査は通常は1〜2週間程度の時間が必要であり、審査の結果、不適切と判断されると手配が掛かる事は無い。
しかし、急を要すると判断される事案(名士子弟の捜索など)である場合、緊急措置的に半日程度で手配が掛けられる事もある。
あくまでも緊急措置として、である。
あくまでも緊急措置として、である。
※基本的に犯罪など社会的に問題があると司法当局に判断された人物や魔獣でなければ討伐は審査を通る事は無い。
ただし例外的に帝国では貴族など、聖王国では聖導教会などの意向によって捻じ曲げられる場合がある。
ただし例外的に帝国では貴族など、聖王国では聖導教会などの意向によって捻じ曲げられる場合がある。
懸賞金の基準
賞金首に掛けられる懸賞金には基準があり、犯罪者ならばその罪状、魔獣であれば討伐または捕縛の難易度、物品なら入手難易度によって懸賞金の額が設定される。
○犯罪者
- 殺人などの重犯罪者、生捕りのみ→30万ガルダ以上、無傷等の条件付きならばさらにボーナスが加算または負傷させると減算される。死亡した場合は支払われないばかりか逮捕・投獄される危険あり。
- 重犯罪者、生死問わず→20万ガルダ以上、生きていれば+10万ガルダ。
- 重犯罪者、死亡オンリー→40万ガルダ以上。生かして捕らえてもOK、結局は当局によって処刑される。
- 窃盗などの犯罪→2万ガルダ以上。
- 食い逃げや痴漢などの軽犯罪→5千ガルダ以上。
- 情報提供→有力な情報であった場合、情報の確認後に1万ガルダ以上の懸賞金が支払われる。
○魔獣
○物品
- 物品の入手難易度によって変動する。最低額で2000ガルダから。
○個人・団体による家出人などの捜索・確保
無傷で確保する事がベストだが健康に支障のないレベルで負傷する事が許容され、懸賞金は出願者から支払われる。
ただし重症を負わせたりや死亡させた場合は逮捕・投獄される可能性あり。
無傷で確保する事がベストだが健康に支障のないレベルで負傷する事が許容され、懸賞金は出願者から支払われる。
ただし重症を負わせたりや死亡させた場合は逮捕・投獄される可能性あり。
○個人・団体による報復などを目的とした討伐・捕縛
ケースバイケース。懸賞金は出願者から支払われる。
ケースバイケース。懸賞金は出願者から支払われる。