この投稿では、BlenderやUnreal Engineなどの他のアプリケーションで使用するために、Terragenからテクスチャ付き3Dジオメトリとして地形をエクスポートします。
地形をエクスポートする一般的な方法は、オルソグラフィック(正投影)
カメラを地形の上に設置し、地形に向かって撮影します。このタイプの投影は、地形全体のディティールを均一に分散させる傾向があります。
正投影カメラからエクスポートされたジオメトリとテクスチャマップ。
Terragen 4 Professionalでは、正投影カメラだけでなく、パースペクティブ(透視)カメラからも地形をエクスポートできます。
透視カメラからエクスポートされたジオメトリとテクスチャ。
透視カメラが使用されている場合、エクスポートされたメッシュのディティールは、地形の特徴がカメラの視野をどれだけ占めているか、つまり、どれだけの「スクリーンスペース」を占めるかに基づいています。これにより、実際に見ている場所のディティールをより細かく表示する事が出来ます。
下の画像では、右側のジオメトリが透視カメラの位置からエクスポートされています。手前のポリゴンが少なく、凹凸のある地面の特徴に合わせている事に注目してください。これを、地形のはるか上空からエクスポートされた左側のジオメトリと比較してください。ほんの数個のポリゴンだけで手前のエリア全体を定義しているのがわかりますか?
テクスチャマップでも、テクスチャを貼った地形を間近で見ると、同じような状況になることがあります。左側の画像では、テクスチャマップは地形の上空にある正投影カメラからエクスポートされています。右側の画像は、透視レンダリングカメラの位置からエクスポートされています。左側の地形テクスチャが鈍くぼやけているのに比べて、右側のテクスチャは鮮明でディティールに満ちていることに注目してください。
次の画像では、地形サーフェスのテクスチャマップも透視カメラ経由でエクスポートされています。左側では、透視カメラを通して見た時に、テクスチャマップが地形ジオメトリと完全に一致していることに注目してください。右側のように、同じジオメトリとテクスチャを別の視点から見ると、テクスチャが地形全体に歪んでいることがわかります。
レンダリング処理中、Terragenは地形とそのテクスチャを計算します。各レンダーノードには、3DオブジェクトをUV座標とテクスチャマップに使用できる画像を保存できる2つの機能が組み込まれています。これらは、
Micro Exporterと
Render Layer機能です。
ジオメトリのエクスポート
Micro Exporter
ジオメトリをエクスポートできるようにレンダラーを設定しましょう。レンダーノードの[Output]タブにMicro Exporter機能があります。
『Micro Exporter』ノードを作成してレンダラーに割り当てるには、パラメータの右側にある緑色の[+]ボタンをクリックし、"Create new micro handler(新規マイクロハンドラを作成)" -> "Micro exporter"の順に選択するだけです。
割り当てたら、緑色の[+]ボタンをクリックし、"Go to Micro Exporter"を選択することで、Micro exporterウィンドウを開く事が出来ます。
Micro Exporterには、3Dジオメトリの保存方法に影響する注目すべきパラメータがいくつかあります。
"Normals (from Compute Terrain or Compute Normal)"チェックボックスをオンにすると、Micro Exporterからエクスポートされるオブジェクトファイルに法線値が含まれます。チェックを外すと、法線値はオブジェクトファイルに含まれず、エクスポートされるメッシュのファイルサイズがわずかに小さくなります。地形の法線値は、プロジェクトの『Compute Terrain』または『Compute Normal』ノードによって計算されます。『Compute Terrain』ノードの"Gradient patch size"パラメータは、メッシュの滑らかさに影響します。
"Texture Coords (UVs)"パラメータには、エクスポートされるUVデータのベースとなる2つのオプションがあります。
"Image UV (render Projection)"を選択すると、地形はカメラの視点に基づいて、UV空間の(0~1)の範囲にマッピングされます。例えば、カメラの左下に見えるものは、UV座標(0,0)にマッピングされます。カメラの右上に見えるものは、UV座標(1,1)にマッピングされます。
正投影カメラからエクスポートされた3DメッシュとUV。
透視カメラからエクスポートされた3DメッシュとUV。
"UVW from Compute Terrain or Tex Coords"を選択すると、最後に『Compute Terrain』ノードまたは『Tex Coords』ノードによって決定された3Dワールド空間座標がエクスポートされたジオメトリと供に保存されます。3Dワールド空間座標の保持は、特定の場合に役立ちます。例えば、エクスポートされたOBJまたはFBXジオメトリをTerragenにインポートし直して、さらにディスプレースメントやテクスチャの修正などの操作が必要な場合です。
"Nearest Distance"と"Farthest Distance"パラメータを使用すると、その制限内の地形のみをエクスポートできます。これらの値はカメラの位置に基づいており、メートル単位で表されます。【View】メニューの「3D Preview Location」ツールを使用すると、カメラからの正確な距離を求める事が出来ます。
"Filename"には、必ず3Dメッシュをエクスポートしたい場所を設定してください。
Micro Exporterのオンラインドキュメントにアクセスするには、Micro Exporterウィンドウの右上にある[?]ボタンをクリックします。
メッシュの品質とディテールレベル
出力メッシュのディティールレベル(品質)は、レンダーノードの"Image width"、"Image height"、"Micropoly detail"パラメータによって制御されます。画像の幅と高さの値を"1024"に設定し、"Micropoly detail"の値を"1.0"に設定して生成されたメッシュは、画像の幅と高さの値を"2048"に設定し、"Micropoly detail"の値を"0.5"に設定して生成されたメッシュと、画像の幅と高さの値を"512"に設定し、"Micropoly detail"の値を"2.0"に設定されたメッシュと実質的に同じになります。この関係を理解することで、ニーズに応じて低解像度のジオメトリと高解像度のジオメトリの両方を生成する事が出来ます。
Micro exporterによって生成されるOBJファイルとFBXファイルは非常に大きくなる可能性があり、そのポリゴン数はサードパーティアプリケーションによって許可される最大値を超える場合があります。まずは、より低い"Micropoly detail"値を使用してエクスポートプロセスをテストすることをお勧めします。
画像の幅と高さの値は、3つのメッシュすべてで(512 x 512)でした。"Micropoly detail"の値のみを変更しました。
最終更新:2025年01月28日 00:46