ベクターディスプレイスメント - TerragenからZbrushへ、そして再びTerragenへ

このチュートリアルでは、Terragenのベクトルディスプレースメントデータのインポートおよびエクスポート機能を利用して、通常の方法では実現が困難な地形形状の整形や修正を行う能力をを活用する方法を説明します。

例えば、ハイトフィールドマップは、高度や標高データに基づいてサーフェスをディスプレースメントさせるのには適していますが、オーバーハングを作成するのには適していません。ベクトルディスプレースメントは、Y軸の高さ/標高データに加えて、X軸とZ軸のサンプルポイントの位置データを含んでいるため、これを実現できます。

また、ベクトルディスプレースメントのワークフローは、異なる3Dソフトウェアパッケージ間でデータを作成および変更する事も出来ます。このチュートリアルでは、Zbrushとの間のベクトルディスプレースメント情報のエクスポートとインポートに焦点を当てます。

さらに、オーバーハングや横方向のディスプレースメントがある複雑なTerragen地形は、通常のプロシージャルでのワークフローでプロジェクトをレンダリングするよりも、『Vector Displacement shader』を利用したほうが、レンダリング速度が大幅に速くなることがあります。。

デモンストレーションのために、『Simple Shape Shader』を使用して非常にシンプルな地形を作成し、『Fake Stones Shader』でいくつかのオーバーハングデータを追加し、これをベクトルディスプレースメント画像として出力します。この画像をZbrushにインポートして修正を加え、その結果をベクトルディスプレースメント画像としてエクスポートします。最後に、修正した画像をTerragenにインポートして、元のディスプレースメントと比較します。

始めましょう!

Terragenでプロシージャル地形を作成する

プロジェクトを最適化する
デフォルトのTerragenプロジェクトから始めて、完全に滑らかでディスプレースメントのない惑星表面を残すために、地形へのディスプレースメントをすべて削除します。

ノード・ネットワークの枠で、『Fractal warp』、『Fractal terrain』、『Simple shape』シェーダノードを囲むように左クリックで選択ボックスをドラッグし、[Delete]キーで削除します。(下画像赤枠)

ディスプレースメントした地形が提供する視覚的なリファレンスがないと、プロジェクト内の位置やスケールを決定するのが難しくなります。そこで、リファレンスのためにシーンの原点にランドマークオブジェクトを追加します。
  • キーボードの[Tab]キーまたは[N]キーを押して、クイックノードパレットウィンドウを開きます。
  • "Landmark"という単語を入力し始めると、ノードリスト内で最も近似したものが強調表示されます。
  • 強調表示された"Landmarkをクリックし、[Enter]キーを押してプロジェクトに追加します。

手動でノードをグループに追加する場合、グループ内のすべてのノードを取り込むことをお勧めします。
  • 「オブジェクト グループ」ノードを右クリックします。
  • 「Group: Capture Nodes」を選択します。

『Landmark』オブジェクトをプロジェクトの原点に配置し、地形や作業に適したサイズに拡大縮小します。今回は比較的小さな岩山を作るので、『Landmark』のサイズは極端に大きくする必要はありません。
  • 『Landmark』ノードをダブルクリックしてウィンドウを開きます。
  • "Position" > 0,0,0に設定
  • "Scale" > 3に設定

3Dプレビューをプロジェクト内の有効なアイテムの中心に自動的に配置する事が出来ます。
  • 3Dプレビュー枠で右クリックします。
  • "Centre on Object or Shader > Landmark 01"
最終更新:2024年12月20日 00:11