恋人会話(仮)

[イベント演出等々]
愛する彼は他に好きな人ができてしまった。
それを知った彼女は潔くそこから身を引く。
せめて彼のことを心配させないようにと最後まで笑顔で振舞う。
しかし段々と耐えられなくなり、涙が溢れ出す直前に彼の前から走って立ち去る。

彼女「さ・・・さよなら・・・!」

その後数年間、彼はその人と幸せな日々を送っていた。
が、そんなある日、突如交通事故(または戦)により、その人は命を落とす
子供もいなかった為、彼は一人身となり
その悲しみを堪えるかのように仕事(武道の練習)に専念した。

月日は流れ、彼も過去と決別しようとしていた。
そんなある日、偶然にも彼は前の彼女と出会ってしまう。
二人は目を丸くしながらも名前を呼び確認をとる。
彼「・・・●●か?」彼女「・・・●●君?」
彼「おお!やっぱそうか!」彼女「久しぶり~」

別れてから何の連絡も取り合ってなかった彼らは久々の再開に話が弾む。
付き合っていた頃のこと、別れてからのこと、あの人が亡くなったこと・・・
仕事(訓練)ばかりに専念していた彼は
あの人が亡くなってからは人との付き合いがほとんどなかった。
そして何よりも、彼女の笑顔は彼の悲しみをも打ち消してくれる。

今まで自分を殺し続けてきた分、
その日は何かが爆発したかのように次々と自分の言葉が飛び出てくる
気づけば彼は自分のことばかり話していた・・・。
彼女があんまり親身に聴いてくれるのでつい自分のことばかりを喋りすぎてしまった。

彼「はは、なんか自分のことばっかり喋っちまってごめんな。」
彼女「ふふ、いいのよ別に。貴方と話してるととっても楽しいもの。」
彼女は笑顔で答えてくれる。

彼「なぁ、あの後お前はどうしてたんだ?」
彼は話を切り出す。
彼女「私?私はね・・・」
彼女は別れた後の話を元気に話してくれた。
どうやら彼女はあの後海外(遠く)へ旅行(旅に出た)に行ったらしい。
その後も点々と各地を回りながらその土地土地の風景を見てきたようだ。
景色が綺麗な国、研究が進んでる国、それに物資が足りなく貧しい国・・・
ボランティア活動などにも積極的に参加したようだ。

彼「んで、丁度今日この街に戻ってきた。って訳ね?」
彼女「うんうん、そいうこと♪」

付き合っていた当初も
「色んなところを見て回ってみたいの!もっと世界を知ってみたいの!」
などと話していたことがあったが、まさか本当に実行するとは思わなかった。

彼女「そうそう、そのお陰でね、ちょっぴりだけど筋肉がついたんだよ!」
そう言うと彼女は腕をまくり上げる。
そこにはちょこんと盛り上がった力瘤が見えた。
彼「はは、これは可愛い力瘤だ。」
彼の言う通りほんとうに小さい力瘤である。
一般女性よりも少しばかり大きい程度だ
しかし昔からひ弱だった彼女にしては大きな進歩だったのだろう

彼女「あっ!そこ笑うとこじゃないってばぁ!」
彼女は怒ったような顔でそう言った後、少し俯いて悲しげな顔をする。

彼「はは、ごめんごめん。頑張ったな」
彼は苦笑いでそういうと彼女の頭を撫でてあげる。

彼女「も、もうっ・・・!」
彼女はそれが恥ずかしかったのか少し膨れながら目をそらす。
そんな彼女の姿がとても愛らしく思える。

彼「頑張ったな・・・ほんとに。」
彼は優しく、感情を込めるように言う。
彼女「!(///」「あ、ありがとう・・・」

確かに体はあの頃と変わらずまだまだひ弱そうだったが
彼には彼女がなんだかとてもたくましく見えた。
恐らくそれは目には見えない部分のものだろう
昔から感情移入しやすい子だ、きっと各地を回りながら多くの涙を流してきたに違いない。
元から根の強い子ではあったがそれに更に磨きがかかった感じがする

彼「そ、そういえば、あの後好きな人とかできたのか?」
このムードが照れくさかったのか彼は話を切り替える。

彼女「へ?あ?ああ、ううん。」
「言ったでしょ?各地を旅して回ってたんだもん。恋人つくってる暇なんてなかったよ。」
彼「そっか。色々大変だったんだな。」
彼女「うん・・・。でもね、世界のことを沢山知れて楽しかったよ。」
「それに・・・私が好きなのは生涯●●君だけだよ?」
笑顔でちょこんと首を傾げる。
その言葉と仕草に彼は顔が真っ赤になる。

彼「そ、そんなこと言うと本気になっちゃうぞ。」
少し怒った口調で彼が言う
彼女「・・・いいよ。」
彼「・・・。」
「お前、性格も少し変わったな。」

彼女「えへへ・・・嫌いになった?」
苦笑いしながら問いかける。

彼「まさかっ!」
彼女「ふふ、よかった。」
「私ね、自分の気持ちに正直になることに決めたの。」
「だって世界には私達よりも貧しい人達がいっぱいいるもの。
小さな願いさえも叶わない人達だっていっぱい・・・」
「だからね、今を大事にしよう、って。」
「そうしなきゃ、今もどこかで苦しんでる人達に失礼じゃない?」
「私達は、こんなに自由なのに・・・」
彼女は笑顔で、そして時折悲しい顔を見せて話す。

彼「・・・。」
彼女「・・・どうしたの?なんか・・・まずいこと言ったかな・・・?」
黙り込む彼に彼女は不安げに問いかける。

彼「いや・・・ほんと、成長したなって想って。」
「そうだよな、俺たちよりも貧しい人達だっていっぱいいるのに
自由な俺らがわざわざ自分殺してたら失礼だよな。」
「ッフ・・・・・・成長してないのは・・・俺だけだな。」
今までの自分にイラつくかのように歯を食いしばる。

彼女「ううん、●●君は成長したよ。」
「辛かったでしょ?・・・奥さん、亡くなってから・・・」
「私もね、●●君と別れた時辛かった。」
「今だから言えるけどね、笑顔でさよならしたけどあの後号泣だったんだよ。」
優しい笑顔で彼女は話す。

「それでね、貴方と同じ、自分を殺す為に、
過去と決別する為に旅にでようって決めたの。」
「私昔から体もそんな丈夫じゃなかったでしょ?
だから親とかには反対されたんだけどね・・・
じっとしてると辛かったから・・・家出ちゃった。」
彼女は笑顔で話し続ける。

彼「そうだったのか・・・。」
彼女「うん・・・だからね、今私と●●君は同じ場所」

彼「え?」
彼女「自分に正直に生きるって決めたんでしょ?」
「だったら、その時点で私と一緒。●●君も私と同じくらい、成長した。」

彼「はは・・・ありがとな。」
彼女「んー?あんま嬉しそうに見えないけど?」
わざと口を尖らせるように言う。

彼「いやぁ、女の子に慰められるのもなんだか情けなくてな・・・」
彼女「あ、ごめんね!その、そういうつもりじゃ・・・」
彼「いいのいいの。落ち込んでた俺が悪いし。」
「ほんと、ありがとな。」
彼女「・・・うん。」
頬を赤らめながら返事をする。

「・・・」



彼「俺達、また・・・やり直せるかな・・・」
彼女「・・・うん。」



・・・───




タイトルはtxtのファイル名。文章量が多かったので全コピペ……
昔のなので色々とひどい事なってますがまぁ、やりたいことは分かった。
こういう物語は賛否両論あると思うけど、個人的にはありだと思います。
もし昔の彼女が彼に思いを伝える勇気があれば、また色々と変わったかも知れないけど
そういった心模様もまた人間らしいものなんじゃないかなって。
最終更新:2011年09月28日 03:30