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&font(#6495ED){所要時間}:約 32 分で読めます
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//凍結回避のため歌詞をステルスにしました。
//#center(){#bold(){&sizex(5)
//{&color(pink){&color(red){リンゴ}は浮かんだ
//お空に……}}
//&sizex(5){&color(pink){&color(red){リンゴ}は
//落っこちた 地べたに……}}
//}}
&bold(){リンゴ/りんご}とは、バラ科リンゴ属に属する植物で、またその木が生やす果実のことも指す。
漢字では「&bold(){林檎}」と書き、[[英語]]では“&bold(){apple}”(アップル)、[[フランス語]]では“&bold(){pomme}”(ポム)という。
なお、本項目では以下基本的にカタカナで表記するが、固有名詞の中の表記がそうでない場合については原表記ママとする。
#openclose(show=・目次){
#contents
}
*概要
&bold(){フルーツの代表選手の一角で、世界各地で栽培され食される}。
実は球体。品種にもよるが表皮は赤色や黄緑色などをしており、薄く柔らかいものの手では剥きづらいので一般的な果物ナイフを使うとスムーズだろう。ピーラーを使うのもあり。果肉は概ね淡黄色で果汁が多く少し歯応えがあり、程よい甘酸っぱさが楽しめる。
&bold(){人類の歴史とは切っても切れない関係の深い果物で、とても長い付き合い。紀元前にはすでに栽培されて食されていたと言われている。}
原産地に関しては諸説あるが、中央アジアのコーカサス地方からイランなどの西アジアの寒冷な地域が発祥とする説が有力。
そこから16世紀頃にヨーロッパに広まり、17世紀前半にはアメリカ大陸にも持ち込まれて広まった。
[[日本>日本国]]には既に平安時代頃には中国から伝わっている。だが、現在食べられているリンゴとは少し違った種類(ワリンゴという品種で明治時代までリンゴの主流)で、我々の食卓でお馴染みのリンゴは明治時代頃に[[アメリカ>アメリカ合衆国]]から伝わったもの(セイヨウリンゴという品種) 。
原産地の関係上寒さには強い一方で、暑さには弱い果物なので寒冷な気候の国や地域で盛んに栽培されている。
生産量が多い国はアジアにおいては中国、北米大陸においてはアメリカ、ヨーロッパにおいてはポーランドと、どこも寒冷な地域の多い国という共通点がある。
日本においては[[青森県]]が主な名産地で、次いで[[長野県]]、[[岩手県]]、[[山形県]]といったように、やはり寒冷な気候の県で栽培が盛んな傾向が見られる。
ちなみに、実は我が国は他の国に比べるとリンゴの品種が充実していて品質のレベルも高いし、おまけに手に入りやすい。最高じゃん。
日本のリンゴのレベルの高さは、生産量世界一の品種が、日本の青森県藤崎町で育成されたふじであることからも窺い知れる。
多くの品種が自家不和合性であるリンゴは『他家結実』であるため、果実目的で育てる場合には別の品種の苗木(近い遺伝子を持つ品種では駄目)が必要となる。
また開花時期の違う品種の場合は花粉を保存しておいて人工授粉する必要がある。
ちなみにリンゴの実生苗は物凄く大きく成長してしまうため、苗木として販売されているものは多くがマルバカイドウなどを台木とした接ぎ木苗となっている((またそもそも種子から育てる実生苗では他品種の花粉による受粉が必要なリンゴでは品種が変わってしまうし、挿し木や取り木では発根しないため接ぎ木でないと増やせない。))。
また丸葉台でも樹体は大型になり管理が難しめとなるため、よりコンパクトな樹形の需要には矮性台木についだリンゴが用いられる。
矮化リンゴは支柱が必要、(経済)寿命が長くて30年程度、一本当たりのコストが高いなどのデメリットはあるものの、作業効率や収穫始めが早いなどのメリットも多いものとなっている。
実の表皮はロウ物質の膜で覆われており、成熟するにつれてリノール酸やオレイン酸などの脂肪酸が増えてロウ物質を溶かし、光沢やべたつきが見られる「&bold(){油あがり}」とも呼ばれる状態になって、完熟後も保温や水分を保つ役目をしている。
言い換えればこれが完熟して食べ頃になったサインとも言える……が、リンゴの種類によってロウ物質の分泌量が異なるようで、ジョナゴールド、つがる、千秋などではよく見られるが、ふじや王林ではあまり見られない。
触った感じは固いが意外とデリケートで、少しぶつけただけでその部分が黒くなり、そこからやがて腐ってしまう。
また、バラ科の植物なので野生種には茨のような鋭い棘が生えており、我々人類が食べている改良種にもその名残らしき部分がある。
ちなみにあまり知られていないが実は種には&bold(){[[毒]]}((同じバラ科の生の[[梅>ウメ]]や[[アーモンド]]と同じ青酸配糖体アミグダリン。))が含まれており、摂り過ぎると&bold(){死に至る}危険性もあるとのこと。
&color(#F54738){赤い}ものの代名詞としてもよく引き合いに出される。赤いものといえば他にも「血液」「共産主義にまつわるあれこれ」など数多いが、リンゴは肯定的な印象を持つものとして使われる。
身近なところでは、真っ赤な顔をした子どもを「リンゴのようなほっぺ」と表現することも。
&s(){さすがに「旧ソ連の旗のようなほっぺ」なんて同志でもない限り言わないだろう?}
このことから、子どもの疑問に答えるような応答集には「リンゴは何故赤いの?」という質問がよく出ている。
だがこれの答えが「光の波長についての説明(赤い光だけを反射するから)」という[[物理学]]方面からの説明、「アントシアニン色素についての説明(赤色の色素が含まれているから)」という生物学方面からの説明がありまちまち。
よって、この区別がつかない子どもにとっては「本によって書いてあることが違うじゃん!&s(){もう大人なんて信じられないよ!}」と、大いに悩みの種になりうる。
また、果物をモチーフにした絵画には、その鮮やかな赤みが色合いにメリハリを与えるのでよく登場する。
なお、赤いのは主に皮で果肉は白いリンゴがほとんどだが、皮が&font(#ffdc00){黄色}っぽい品種や、果肉部分もうっすら&color(pink){ピンク}に色付く品種、皮と同じく&color(red){真っ赤}に色付く品種もある。
ちなみに、リンゴが赤いのは実は農家さんが紙袋やビニール袋で保護することによって艶を出しているため、という話もある。
この作業は「袋掛け」といい、一度日光を当てずに肥大させた果実に一気に日光を当てることで均一に、また果皮色に青み(葉緑素)が減った状態で赤くなるため、鮮やかな赤色になる。
一方で日光に当たる時間が無袋栽培より短いため、固く糖度が低く酸味が強い果実が多くなりがち。
一時期よく話題になったリンゴ農家さんの話では「赤くない方がうまいのに、赤くなきゃ売れない」なんて文言がよく出てくるのは、袋掛けをすると糖度が低くなる傾向があることを指していると思われる。
もっとも、袋掛けをせずとも色が付きやすい品種もあるため、あくまでもふじの中での話と取ったほうが良いだろう。
また、ある時期には子ども向けの本で「○○(品種名)の方がおいしいのにふじが支配的になった」というものがやたら出ていた。
ともあれ、何やらリンゴは農家さんにとっては特別なものなのかもしれない。
*伝承・童話におけるリンゴ
歴史の古い果物の一つであることから、ヨーロッパなどの地域における伝承にもよく登場する。
中でも有名なのは旧約聖書における話だろう。アダムとイブが蛇に唆されて食べてしまいエデンの園を追い出されるきっかけとなった&bold(){知恵の実}、或いは&bold(){禁断の果実}はこれだと言われている。
ただし、これはどうやら誤訳されたものが広まってしまったらしく、本来は[[バナナ>バナナ(果物)]]、あるいはイチジクだったのではないか、とする説がある。((ちなみに古代中東の言葉でバナナはイチジクと呼んでいた。ややこしい!))
何故なら、エデンの園があったとされるペルシャ湾沿岸地域では気候的にリンゴが育つはずがないからだ。
「リンゴの木の下でイブは産みの苦しみをなし」を「リンゴの木の下から墜落した」と誤訳して「リンゴのせいで追放された」と解されるようになったらしい。
[[ギリシャ神話]]や北欧神話においては、&color(gold){&bold(){黄金のリンゴ}}が重要なアイテムとして度々登場し、英雄などがこれを取り戻す、或いは盗み出すといった話が多い。
ギリシャ、北欧の両神話それぞれにおいての解釈は微妙に異なるとはいえ、特別な力を宿した神聖なものということは共通している。
だが、これらの伝説にも異論があり、リンゴとは言うものの、実際は別の果物だったとする説も近年浮上している。
例を挙げるとすれば、単なるオレンジだったり、ブドウやメロンだったり……と諸説ある。&font(l){ん?[[オレンジとバナナとブドウとメロン?>仮面ライダー鎧武]]}
また、『[[白雪姫>白雪姫(童話)]]』において、魔女が白雪姫に食べさせて永遠の眠りにつかせた道具として&bold(){&font(#915da3){毒リンゴ}}も登場している。
そして、スマホゲーム『[[ディズニー ツイステッドワンダーランド]]』の登場人物である&bold(){&color(purple){エペル・フェルミエ}}は毒リンゴをモデルにしている。
*楽しみ方
生食も加工も調理もなんでもござれ。
*【そのまま】
**生
種と芯を取り除き皮も剥き、そのままシャリシャリ食べる。
&font(l){何?皮が付いたままの方が好きだって?}
無農薬栽培かちゃんと洗ってあるという前提で、なおかつ顎と歯が強い人ならそのままバリバリ食べることもできなくはない。
でも当てはまらない人はちゃんと剥きましょう。歯を痛めるかもしれないし、先にも書いたように種には毒があるからうっかり食べても危ないし。
皮はちょっとだけ残して[[ウサギ]]さんのお耳みたいにすれば、かわいい[[幼女]]もいかついオッサンもニッコリすること間違いなし。
また、歯茎が弱いと簡単に出血するので、歯茎が健康かどうかのチェックにもよく使われる。
&s(){おかしいな、皮剥いたのにこのリンゴ真っ赤だよ……?}
ちなみに、カットしてしばらく経つとポリフェノールの酸化により変色して見た目が悪くなってしまうが、防ぐにはレモン汁など何かしら水分を掛けると良い。
ただし、ずっと水分につけていると味が落ちるので、ほどほどに。
市販のカット済リンゴには大抵そういう処理がされているはず。
*【飲料として】
**ジュース(果汁)
ミキサーに掛けるなどしてリンゴジュースにしたり、バナナと同じようにスムージーにしたりして飲む。風邪っぴきさんにもすりおろしたものがオススメ。離乳食にもなる。
ジュースにする際には、変色を防ぐためにレモンを入れるのをお忘れなく。
[[&s(){後述の通り怪力自慢がパフォーマンスに握り潰して作ることも。ジュースにするには「割る」のではなく「絞る」ことになるため、凄まじい握力が必要。}>握る(技)]]
**リンゴ酢ドリンク
リンゴ果汁を発酵させて作られたリンゴ酢を水・牛乳・炭酸水・ジュースなどの飲み物で希釈して飲む。
お好みで蜂蜜を加えても良し。米酢などの酢にリンゴと砂糖を漬ければ手軽に自家製リンゴ酢が作れるぞ。
&bold(){ただし原液で飲むのはNGな。胃を痛めてしまいます。}
**お酒
リンゴのお酒であるシードルは、フランスのブルターニュ地方のものがつとに有名。
ちなみに、シードルを英語読みしたのがお馴染みのサイダー。スペイン語読みだとシドロ。
更にシードルを蒸留させたものをアップル・ブランデー、中でも特定の地域で作られた物をカルバドスと呼ぶ。
他にもリンゴのリキュールが作られている。
果実酒の要領で作るリンゴ酒、[[ワイン]]に漬けるサングリア、リンゴを漬け込んだ[[ウイスキー]]なら家庭でも作って楽しめる。
**[[紅茶]]
淹れた紅茶にリンゴの皮を漬ける、あるいは皮を煮詰めたお湯で紅茶を淹れればリンゴの香り溢れるアップルティーになる。
皮も果実も入れれば香りだけでなく甘味も強くなる。
*【リンゴを使ったお料理あれこれ】
シナモンが振り掛けられることが多い。
**リンゴ飴
アメリカ発祥。生のリンゴまるまる一つに持ち手になる棒を刺し、飴でコーティングした&s(){大雑把}シンプルなあれ。
日本の縁日や欧米のハロウィンでもお馴染み。
**キャラメルアップル
こちらもアメリカ発祥、リンゴ飴の亜種。
掛かっているのがキャラメルソースであること以外はリンゴ飴とほぼ同じもの。
**焼物
焼きリンゴといえば、まるごとリンゴの芯をくり貫き、そこにバターと砂糖を入れてオーブンなどで焼いたものが定番。
それだと食べづらい、芯をくり貫くのが面倒な方には、リンゴを適当な大きさにカットしてソテーにするのがおすすめ。
お好みでシナモン、[[レーズン>レーズン(食品)]]、洋酒、バニラアイスクリームを入れてみても。
**煮物
リンゴは砂糖水で柔らかく煮るコンポートの代表格。
他にも[[サツマイモ>サツマイモ/さつまいも]]と煮れば甘味とリンゴの酸味がマッチしてこれもまた美味。
焼物のようにレーズンを入れる場合もある。
[[デザート]]感覚のおかずになるし、タルトの具にするのもアリ。
簡単に作れるということで、家庭科の調理実習や[[小学校]]の部活動なんかで作った人もいるのでは?
あと、ワイン煮もいける。
フランスでは、煮崩れるまで甘く煮たリンゴが離乳食にもされている。
**揚げ菓子
&bold(){アップルフリッター}
リンゴに衣を付けて揚げる菓子は欧米でありふれていて、発酵生地が使用されることもある。
芯を取り除いて輪切りにしたリンゴを衣(薄力粉・砂糖・卵・牛乳・洋酒・[[塩]])に浸し、植物油で揚げるかバターオイルで揚げ焼きにする。
洋酒の候補は、カルヴァドス、コニャック、白ワイン、アマレット、ラム酒などで、バニラオイルやオレンジフラワーウォーターで代用される例もある。
また衣には、レモンの搾り汁やすり下ろした皮を加えたり、[[天ぷら]]と同様に[[ビール]]を足す場合もある。
仕上げにシナモンシュガーか粉砂糖を振りかけるが、ドイツではヴァインシャウムという[[白ワイン]]入りのクリームを添えることもある。
&bold(){アップルサイダードーナツ}
アメリカ北東部で秋の風物詩となっているドーナツ。
リンゴ果汁入りのケーキドーナツ生地で、仕上げにシナモンシュガーを振りかける。
スパイスや蜂蜜を入れたホットアップルサイダーと供されることも珍しくない。
&bold(){エーブルムンカー}
デンマークのイーストドーナツ。
カルダモン入りの発酵生地を揚げた後で、リンゴのピュレかフィリングを詰めている。
仕上げに粉砂糖かシナモンシュガーを振りかける。
&bold(){アプフェル・クラプフェン}
ドイツやオーストリアのイーストドーナツで、アプフェル・ベルリーナーと呼ばれることもある。
クラプフェン用の発酵生地(ゲルムタイク)を薄く延ばしてバニレクレメ(カスタードクリーム)を塗り、リンゴの角切りとレーズンをのせてシナモンシュガーを振り、巻いて輪切りにする。
最終発酵を済ませてから揚げて、粗熱が取れたら粉砂糖を塗す。
&bold(){アルマーシュ・ファルシャンギ・ファーンク}
ハンガリーのイーストドーナツで、クラプフェン(ベルリーナー・プファンクーヘン)の親戚。
レモン果汁やシナモンなどが塗されたリンゴの角切りを発酵生地に包み、最終発酵を済ませてから揚げて、粗熱が取れたらプードルデコールかバニラシュガーを塗す。
リンゴだけではなく、アプリコットジャム、刻んだ胡桃、レーズン類などと一緒に包む場合も多い。
&bold(){フライドアップルパイ}
折り込みパイ生地にリンゴのフィリングを包んで揚げた長方形か半月形のアップルパイ。
リンゴのフィリングだけでなくカスタードクリームと一緒に詰める場合も多い。
家庭向けのレシピだとパイシートを春巻の皮で代用する例も見られる。
&bold(){リソル・オ・ポンム}
発祥地はフランスのミディー・ピレネー地方とされているが、ロレーヌ地方やサヴォワ地方などにも広まっている。
パート・ブリゼ(練り込みパイ生地)に加熱調理したリンゴを餃子の様に包み込み、揚げて油を切ってから粉砂糖を振り掛ける。
広まった先では、形状が変化していたり、揚げずにオーブンで焼くことも珍しくない。
アメリカでもペンシルベニアダッチ(アーミッシュやメノナイトらドイツ系移民の子孫)が、リソル・オ・ポンムとほぼ同様のアップルフライパイを揚げている。
**焼菓子
&bold(){アップルパイ}
砂糖で煮たり砂糖漬けにしたりしたリンゴを、パイ生地に詰めて焼いたパイ菓子。
シナモン風味のリンゴをふんだんに使っている。アイスクリームを添えたらアップルパイアラモードになる。
イギリスではウエンズリーデイルチーズ、アメリカのニューイングランドではチェダーチーズを添えることもある。
リンゴ自体の甘味もあるので甘ったるさを感じることもしばしば。
シナモンを振り掛けるのが当たり前になっているが、それのせいで嫌いという人も多いかも。
既製品だと除くのは難しいだろうが、注文が入ってから焼くお店ならシナモン抜きにしてもらえる可能性があるので、まずは店員さんと交渉してみるのも手。
アメリカでは家庭料理として広く知られた味。%%欧米か!%%
あちらで単に“pie”と言えば大抵アップルパイのことだし、“as American as applepie”(直訳すれば「アップルパイのようにアメリカ的だ」)なんてイディオムまである。
アメリカもイギリスと同様にダブルクラストタイプが主流で、シングルクラストにシュトロイゼルを組み合わせた物はダッチアップルパイと呼ばれることが多い。
アメリカには、なんとリンゴを使わないアップルパイまでもが存在する。
モック(Mock=紛い物)を冠するアップルパイは19世紀の頃から記録されていて、元々はリンゴが採れない時期で保存食のドライアップルすらも尽きた場合に作る苦肉の策だった。
世界大恐慌の頃には値段が吊り上げられたリンゴよりもクラッカーの方が安価で手に入ったため、当時のナビスコ社がリッツの箱に載せていたレシピは一般家庭の救世主となった。
塩気のするクラッカーをレモン果汁と酒石酸水素カリウムが入ったシロップに浸して食感や食味を再現し、レモンゼストとシナモンで風味も誤魔化している。
何も伝えず冷めない内に試食させたら、今日でも本物だと騙されてしまう人が出てくる程で、現在も愛好者によって作り続けられている。
フランスにはブルドゥロやラボット、ベルギーにはロンボス、ドイツやオーストリアにはアプフェル・イン・シュラフロックと称するリンゴを丸ごと詰めたアップルパイが存在する。
フランスではクレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)の上に薄切りのリンゴを倒れたドミノのように並べた長方形のアップルパイをバンド・オ・ポンム(バンドは帯を意味する)、
円形の生地にコンポートを詰めて折り畳んでから木の葉模様を刻んだアップルパイをショーソン・オ・ポンム(ショーソンは上履きを意味する)と呼んでいる。
&bold(){タルトタタン}
フランス発祥のタルト生地のケーキ。やっぱりシナモン風味のリンゴをry
ちなみに、タタンというのは考案したとされる人の苗字。また、実は最初はアップルパイとして作ろうとしたら失敗してしまい、これを何とか活かそうとしてみた結果生まれたものらしい。
フランスでは、バニラアイスか生クリームを添えるのが一般的。
&bold(){シブースト}
これもフランス発祥だが、上記のタルトタタンとは違いパイ生地(パート・フィユテかパート・ブリゼ)、またはスポンジ生地のケーキ。
リンゴとクレーム・シブーストというクリーム(カスタードクリームとイタリアンメレンゲの組み合わせ)を重ね、表面をキャラメリゼしたもの。
なおクレーム・シブーストを主役にした菓子がシブーストと称されるため、果物はリンゴじゃなくても良く、洋梨が使用される場合も多い。
#openclose(show=▼他のパイ・タルト){
&bold(){アップルフロレンティーンパイ}
イギリスにおけるオックスフォードシャー州のクリスマス用アップルタルト。
型にリンゴの薄切りを敷き詰めて、砂糖類とレモンゼストを散らし、ラード入りのショートクラストペストリー(練り込みパイ生地)を被せて焼く。
仕上げにいったん生地を外して、エール、シナモン、ナツメグ、クローブ、砂糖類から作るホットスパイスエールを注ぎ、生地は三角形に切り分けてから戻す。
ラードはショートニング、砂糖類はゴールデンシロップ(ライトトリークル)で代用可能。
&bold(){バンベリーアップルパイ}
イギリスにおけるオックスフォードシャー州バンベリーのアップルタルト。
リッチショートクラストペストリー(砂糖入りの練り込みパイ生地)を使うダブルクラストタイプ。
型に生地を敷き詰めて、レモン果汁を塗したリンゴ、オレンジ果汁に漬けたカレンツかサルタナ、刻んだ柑橘類のドライピール、デメララシュガーかブラウンシュガー、
スパイス(ジンジャー・シナモン・ナツメグ)を重ね、バターの角切りを散らすか溶かしバターを振りかけて、生地を被せたら、牛乳か溶き卵を塗り、デメララシュガーを振って焼く。
フィリングは具材を重ねず、和えてから詰める場合もある。
&bold(){ウィルフィラタルト}
イギリスにおけるヨークシャー地方のアップルタルト。
ウィルフリッドケーキとも称し、ウィルフリッドウィークに作る習慣があったものの、現在は廃れてきているという。
リッチショートクラストペストリーを使うダブルクラストタイプで、2/3は底生地、1/3はフィリングを覆うための生地にする。
生地を敷き詰めた型に、リンゴの薄切りとデメララシュガーを重ね、ウエンズリーデイルチーズをすりおろし、生地を被せ、牛乳か溶き卵を塗り、デメララシュガーを振って焼く。
フィリングの甘味料はデメララシュガー以外に、グラニュー糖、ブラウンシュガー、ゴールデンシロップなどを用いることもある。
&bold(){タルト・フィーヌ・オ・ポンム}
フランスの薄焼きタルト。
極薄に延ばしてピケで穴を開けた折り込みパイ生地(パート・フィユテ)に、クレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)かクレーム・ノワゼット(ヘーゼルナッツクリーム)を薄く塗り、
薄切りにしたリンゴを並べて切れ端は中央にのせて、カソナードかグラニュー糖を振って焼き、仕上げに緩めたアプリコットジャムか蜂蜜を塗る。
カルヴァドス、アルマニャック、シナモンパウダー、バニラシュガーなどで香り付けするレシピも存在する。
発酵生地を使用するタイプも存在する。
クロワッサン生地にブレンダーで攪拌したリンゴのピュレを塗り広げ、薄切りにしたリンゴを並べて最終発酵も済ませたら、表面に溶かしバターを塗り、グラニュー糖を振って焼く。
&bold(){タルト・ペイザンヌ・オ・ポンム}
フランスの伝統菓子で、ペイザンヌは田舎風を意味する。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼ)を底生地とし、アーモンドクリーム(クレーム・ダマンド)を絞り入れて、リンゴの拍子切りか皮付きの櫛形切りを盛り付け、砂糖類を振って焼く。
使用する砂糖類はバニラシュガーやシナモンシュガーなどで、またリンゴは盛り付けるだけでなくアーモンドクリームを絞り入れる前にフィリングとして敷くこともある。
&bold(){タルト・ノルマンド}
フランスのノルマンディー地方における郷土菓子。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼ)か折り込みパイ生地(パート・フィユテ)かブリオッシュ生地を底生地とし、櫛形切りにした生のリンゴを敷き詰めて、
クレームエペス(サワークリームよりも乳脂肪分が低く酸味も弱いクリーム)、アーモンドパウダー、全卵、グラニュー糖、カルヴァドスから作るアパレイユを注ぎ、オーブンで焼く。
&bold(){タルト・グラン・メール}
フランスのノルマンディー地方における郷土菓子。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼ)か折り込みパイ生地(パート・フィユテ)かブリオッシュ生地を底生地とし、
キャラメリゼ化したリンゴの拍子切りを敷き詰めて、クレームエペス、全卵、卵黄、グラニュー糖、バニラオイルから作るアパレイユを注いで焼く。
&bold(){タルト・オ・シュクレ・イポール}
フランスのノルマンディー地方におけるイポール銘菓。
空焼きした練り込みパイ生地(パート・シュクレ)に、カルヴァドスとグラニュー糖を振りかけてオーブンで焼いたリンゴの薄切りを敷き詰めて、
クレームエペス、卵黄、グラニュー糖、カルヴァドスから作るアパレイユを注ぎ、アーモンドフレークを散らしてから焼く。
&bold(){タルト・アルザシエンヌ・オ・ポンム}
フランスのアルザス地方における郷土菓子。
リンゴではなく洋梨やベリー類など別の果物を用いたり、シュトロイゼルも散らす場合もある。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼかパート・シュクレ)を底生地とし、リンゴの櫛形切りを並べて、
生クリーム、アーモンドパウダー、全卵、グラニュー糖、シードルから作るアパレイユを注いで焼く。
仕上げにグラニュー糖入りの牛乳を塗るか、プードルデコールを振る。
&bold(){ガレット・デ・ロワ・ア・ラ・ポンム}
ノルマンディー地方やブルターニュ地方のカレット・デ・ロワ。
通常のガレット・デ・ロワは折り込みパイ生地(パート・フィユテ)にクレーム・フランジパーヌ(アーモンドクリーム+カスタードクリーム)かアーモンドクリームを詰めるが、
同地方では代わりにリンゴのコンポートを詰めていて、アーモンドクリーム(クレーム・ダマンド)も一緒に詰めるバリエーションも存在する。
&bold(){アッペル・ボル}
オランダやベルギーで作られているベイクドタイプのアップルダンプリング。
皮を剥いて芯もくり抜いたリンゴに、アーモンドペーストとシナモンシュガーを詰めて、パイ生地で覆って溶き卵を塗り、グラニュー糖かパールシュガーを塗してから焼く。
レーズン類やナッツ類も詰める場合もある。
&bold(){アッペルクーフ}
ルクセンブルクにおけるアップルタルトの一種。
底生地は小麦粉:バター:牛乳の配合比が2:1:1の練り込みパイ生地で、少量のグラニュー糖、微量の塩、ベーキングパウダーも含まれている。
リンゴの薄切りを生地の上に並べ、卵、牛乳、グラニュー糖から作るアパレイユを注いで焼いたら、緩めたアプリコットジャムを塗り、粗熱が取れたらシナモンパウダーと粉砂糖を振る。
なお、クレッツェンという練り込みパイ生地を使用したダブルクラストタイプのアップルタルトは、アッペルクラッツェンと呼ばれている。
&bold(){アプフェルシュトゥリューデル/クルスタッド・オ・ポンム}
アプフェルシュトゥリューデルはオーストリアやドイツの伝統菓子で、トルコのバクラヴァがルーツとされている。
旧オーストリア領でドイツ系住民が多いイタリア北部の南ティロル地方にも根付いていて、中身をベリー類に変更した物も好まれている。
透けて新聞の字が読める程に薄いシュトゥリューデル生地で何層にもリンゴ主体のフィリングを包んで焼き上げる。これもやっぱりシナモン風味のry
幸運の象徴である馬蹄形に成形したアプフェルシュトゥリューデルは18世紀のオーストリアで人気を博し、マリア・テレジアも好んで食したと伝えられている。
シェーンブルン宮殿の地下厨房跡に併設されているカフェ・レジデンツでは、試食も楽しめる実演ショーを開催していて、ウィーン観光の名物にもなっている。
ポルトガルにもパステイシュ・デ・テントゥガルという同種の菓子はあるが、中身はドース・デ・オヴォシュ(卵黄とシロップで作るクリーム)に置き換わっている。
フランス南西部には、起源が同じクルスタッド・オ・ポンム(トゥルティエール・オ・ポンム/パスティス・オ・ポンム)というパイの一種が存在する。
アプフェルシュトゥリューデルとの違いは巻き込まず、フィリング(ファルス)とバターを塗ったパートフィロ生地を交互に重ねて、一番上の生地はひだを寄せて覆う点である。
またフィリングにはリンゴのソテーとクレーム・ダマンド([[アーモンド]]クリーム)を使用するが、プルーンやクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)を加えることもある。
香り付けにシナモンではなくアルマニャックを使用し、ソテーを作る時にフランベしたり、ドライプルーンを戻す時に吸わせたり、焼成前に少々振りかける。
シュトゥリューデル生地もパートフィロ生地も、小麦粉・卵・ぬるま湯・油・塩から作れるが、極薄に延ばすのは少々面倒である。
よってメーカーの既製品を購入するか、日本の家庭向けレシピだと春巻きの皮で代用されることも多い。
&bold(){アプフェル・ベゼークーヘン}
ベゼーは、ドイツでメレンゲを意味している。
ミュルベタイク((小麦粉・バター・純粉糖の基本的な配合比が3:2:1のビスケット生地を指していて、レシピを調整してタルト用の練り込みパイ生地やシュプリッツゲベック用のクッキー生地として使用する。))かブレッタータイク(折り込みパイ生地)を土台にして、リンゴのピュレとナッツのキャラメリゼ、卵白と純粉糖を泡立てたベゼーマッセの順に重ねてから焼く。
キャラメリゼ以外にバニラクレメなどのクリームと組み合わせたり、稀ながらパイ生地ではなくヘーフェタイク(発酵生地)を使用する場合もある。
&bold(){シュヴェービッシャー・アプフェルクーヘン}
シュヴァーベン地方のアプフェルクーヘン。
ミュルベタイクかブレッタータイクを土台にして、ケーキクラムやパンクラムなどのブルーゼルを敷き、リンゴの角切りか櫛形切りを並べ、フラン液を注いで焼く。
フラン液にクワルク(フレッシュチーズ)やザオレザーネ(サワークリーム)などを混ぜたり、仕上げでアプリコットジャムを塗らずに表面をキャラメリゼ化させるアレンジレシピもある。
&bold(){ゲデクター・アプフェルクーヘン}
ゲデクターは、ドイツ語で“隠された”や“覆われた”を意味している。
底生地のミュルベタイクを空焼きし、リンゴのフュルンク(ピュレ+ラムレーズン+ヘーゼルナッツパウダー+ブルーゼル)、生のミュルベタイクの順に被せ、表面に溶き卵を塗って焼く。
仕上げはザルツヴェーゼル風バウムクーヘンと同様で、熱い内に温めたアプリコットジャムを塗り、乾いたら緩めたフォンダンかグラスアロー(キルシュ+粉砂糖)を塗って固まるまで待つ。
&bold(){ヴィーナー・アプフェルトルテ}
オーストリアのアップルタルト。
型の内側にミュルベタイクを貼り、ビスクヴィットマッセ((別立て法で作るドイツやオーストリアのスポンジケーキで、小麦澱粉(浮き粉)も使用するが、バターなどの油脂類は入れない。))の薄切り、生のリンゴとレーズン類、バニレクレメの順に敷き詰めて、ミュルベタイクで蓋をし、表面に溶き卵を塗って焼く。
仕上げの工程はゲデクター・アプフェルクーヘンと同様で、ローストナッツをトッピングすることもある。
&bold(){ピテ・ディ・メーレ}
イタリア北東部にあるフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州カルニア地方の伝統菓子で、生地に卵を混ぜ込まないアップルタルト。
固形ではなく溶かしバターを使ったグラッパ入りの練り込みパイ生地で、レモンゼストやベーキングパウダー、場合によっては生クリームも加える。
リピエーノ(詰め物)は、薄切りにした野生の赤リンゴ、砂糖類、レーズン類、刻んだ胡桃、松の実、レモン果汁、シナモンを混ぜ合わせて作る。
底生地の上にリピエーノをのせて、もう一枚の生地で覆って蒸気の抜け穴を除いて塞ぎ、オーブンで焼いて粗熱が取れたら泣かない粉糖を振る。
&bold(){ヤブウェチュニク}
ポーランドのアップルタルトで、シャルロトカと呼ばれることもある。
土台となる生地はクルーハかプークルヘで、クルーハはフランスのパート・サブレに相当し、プークルヘはサワークリームとベーキングパウダーも加える。
生地は分けて、片方は耐熱容器に敷き詰めてリンゴのフィリングをのせたら、もう片方の生地で覆ってから焼く(※生地で覆う前にメレンゲを広げることもある)。
覆う生地については、クラム生地のように細かくして散らすか、千切ったり切り分けて落とし込むか、底生地と同様に薄く延ばしたまま被せるなど、レシピによって異なる。
粉砂糖は焼成前に振る時もあれば、焼成後の仕上げとして掛ける場合もある。バニラアイスとホイップクリームの両方を添えることも多い。
&bold(){ヤブレチュネー・ジェジー}
チェコのリンゴを使ったパイケーキ。
パート・シュクレに近い練り込みパイ生地を二分して薄く延ばして、片方は底生地とし、粗くすりおろしてグラニュー糖やバニラパウダー/シナモンパウダーと和えたリンゴを詰めたら、
もう片方の生地を被せてフォークで表面に穴も開け、溶き卵を塗ってオーブンで焼成し、溶かしバターを塗って粗熱が取れてから泣かない粉糖を振る。
&bold(){ハラベンチェニー・ジェジー}
チェコのリンゴを使ったパイケーキ。
パート・サブレに近い練り込みパイ生地を二分して薄く延ばして、片方は底生地とし、粗くすりおろしてグラニュー糖やバニラパウダー/シナモンパウダーと和えたリンゴ、
ラムレーズン、刻んだローストナッツを一緒に詰めて、メレンゲ(卵白+純粉糖+コーンスターチ/薄力粉+アップルビネガー/白ワインビネガー)を広げて均したら、
冷凍庫で休ませてピザ用チーズのようにおろしたもう片方の生地を散らし、オーブンで焼成して粗熱が取れてから泣かない粉糖を振る。
&bold(){カリンニク}
生クリームとチェリーパウダー入りの練り込みパイ生地に、セイヨウカンボクと青リンゴのピュレを詰めて焼いたロシアのタルト。
加糖練乳とホワイトチョコレート入りのグレーズが掛けられていて、裾の部分には砕いたピーナッツや胡桃などのローストナッツを塗している。
本来はセイヨウカンボクのみ詰めていたが、後から青リンゴが追加された形で、生地もライ麦粉主体で今日の様にリッチじゃなかったという。
&bold(){スコティッシュ・アップルプレート}
ダービーショートケーキの応用。
ショートブレッド生地に、溶き卵、少量の牛乳、粗めにすりおろしたリンゴを混ぜて薄く延ばし、
型に敷き詰めてフォークで穴を開け、リンゴの薄切りを並べ、溶かしバターを塗ってからシナモンシュガーを振りかけて焼く。
&bold(){アップルダフ}
ベイクドタイプのアップルダンプリング。
リンゴの芯をくり抜き、ブラウンシュガー、バター、スパイス、お好みでレーズンやナッツ類も詰めて、パイ生地で覆って焼く。
バニラアイス、ホイップクリーム、ミルクバターソース(バター+砂糖+牛乳)などを添える。
パイ生地ではなく発酵生地を使うレシピもある。
&bold(){アップルスノウボール(※ベイクドタイプ)}
イギリスにおけるベイクドプディングの一種。
リンゴの芯をくり抜いてマーマレードを注ぎ、ラードかバターを使った練り込みパイ生地で覆ってから焼き、仕上げにグラスロワイヤルを掛ける。
ラードの代わりにショートニングを用いる場合もある。
&bold(){アップルプディング(※ベイクドタイプ)}
イギリスの古風なベイクドプディング。タルトレット用の型で焼いた小振りなサイズも存在する。
茹で潰したリンゴに、砂糖類、溶き卵、柑橘類の果皮、溶かしバターを混ぜ合わせて、折り込みパイ生地を敷き詰めた型に流して焼く。
溶き卵の卵黄の比率を高めたり、フィリングに牛乳や柑橘類の果汁やレーズン類なども加えたり、洋酒やローズウォーターなどで香りを付ける場合がある。
煮詰めたリンゴに、モスコバドシュガー、溶き卵、溶かしバターを混ぜ合わせて、パン粉を敷き詰めた型に流し、パン粉で覆ってバターの欠片を散らして焼くアレンジもある。
&bold(){マールボロプディング}
アメリカの古風なベイクドプディングだが、イギリスのアップルプディングが原型だとされている。アマーストプディングで類似するレシピも見られる。
リンゴの果肉をリンゴ果汁で煮詰めて冷まし、砂糖類、全卵か卵黄、溶かしバター、生クリーム、塩、レモン果汁とすりおろした果皮、ワインかシェリー酒と混ぜ合わせたら、
折り込みパイ生地を敷き詰めてすりおろしたナツメグも散らした型に流して焼く。メレンゲを被せてオーブンに戻し、メレンゲに焦げ目が付くまで焼く例もある。
なおフィリングには、粉砕したクラッカー、シナモンなど他のスパイス、ローズウォーターを加える場合もあるという。
&bold(){アルマーシュ・ピテ/プラチンタ・ク・メレ}
ハンガリー/ルーマニアのアップルパイで、パイとパンの中間的な生地を用いる。
テイフル/スムントゥーナ(サワークリーム)入りの生地で、古いレシピだとバターやベーキングパウダーではなくラードやイーストが使われていた。
型に生地を敷き詰めて、粗めにおろしたリンゴのフィリングを広げて均し、もう一枚の生地を被せて溶き卵を塗り、焼成後に粗熱が取れたから粉糖を振る点は共通している。
アルマーシュ・ピテは、底生地にパン粉か刻んだローストナッツを散らす手順もあり、プラチンタ・ク・メレと違ってフィリングに加熱調理を施さない。
}
#openclose(show=▼コブラー・クランブル系){
&bold(){アップル・コブラー}
リンゴのフィリングにアメリカンビスケットかスコーンの生地を被せて焼いた菓子。
アメリカンビスケットはクイックブレッドで、薄力粉/中力粉・グラニュー糖・ショートニング/ラード/無塩バター・バターミルク/牛乳・食塩・ベーキングパウダーから作る。
焼く前にシナモンシュガーを振ったり、食べる時にアイスクリームかホイップクリームを添えることもある。
&bold(){アップル・パンダウディ}
アップル・コブラーの一種ともされていて、バニラアイスを添えて提供されることが多い。
リンゴ果汁・モラセス・コーンスターチなども使用したリンゴのフィリングに、縦横が2.54~5.08cmサイズの正方形に切った練りこみパイ生地を鱗状となるよう被せて焼いた菓子。
モラセスをメイプルシロップかブラウンシュガー、コーンスターチを小麦粉で代用したり、リンゴ果汁を生クリームに変更したり、生地がクリームビスケットタイプのレシピも存在する。
世界大恐慌の頃にはスキレットで調理し、後述するアップル・ブラウンベティと似たような代物を作る節約レシピも編み出された。
&bold(){アップル・クランブル}
リンゴのフィリングにシナモンパウダー入りのクランブル(クラム生地)を被せて焼いた菓子。
クランブルは薄力粉/中力粉・グラニュー糖/ブラウンシュガー・無塩バターをすり混ぜる粒状の生地で、薄力粉の一部をアーモンドパウダーに置き換えたり、食塩や膨張剤も足す場合がある。
カスタードソースかアイスクリームかホイップクリームを添える。
英国大使館がcookpadでレシピを公開している。
&bold(){アップル・クリスプ}
アップル・クランブルの一種。
生地にロールドオーツ(オートミール)やナッツ類(胡桃/アーモンド/ココナッツ/マカダミアナッツなど)が加わるので、より香ばしく仕上がる。
アイスクリームやホイップクリーム以外に、プレーンヨーグルトを添えても美味しい。
&bold(){アップル・ブラウンベティ}
アップル・クランブルの一種で、パイに分類されることもある。ブラウンベティプディングとも称した。
リンゴとクラム生地を交互に重ねて予熱したオーブンで焼くが、最初はアルミホイルの蓋をした状態で20~30分くらい焼いて、リンゴに火が通ったら外して10~15分ほど焼く。
リンゴは賽の目切りにするか摺りおろして、レモン果汁とシナモンシュガーを塗す。レモン果汁はリンゴの変色防止用だが、リンゴの品種によっては足りない酸味を補う役割もある。
クラム生地は、摺りおろしたフランスパンかパン粉を使う場合は熱したフライパンでバターを溶かして炒り、グラハムクラッカーを用いる場合は粉砕して溶かしバターを染み込ませて作る。
無糖のホイップクリームかアイスクリームを添えて食べることも多い。温かいキャラメルソースをかけることもある。
かつては、レーガン大統領夫妻の好物として知られていた。
&bold(){ハッセルバックスエップレン}
スウェーデンの家庭菓子で、ハッセルバックスポターティスの意匠を取り入れたスムールパイ・メード・エッペル(スウェーデン版アップル・クランブル)。
リンゴの芯を除いて何等分かに切り分けて、皮は剥かないまま切れ込みを入れて耐熱容器に並べ、溶かしバターを塗ってから砂糖類を振り、焼きリンゴに加工する。
オートミール、砂糖類、繋ぎの小麦粉、シナモンやカルダモンなどのスパイス、溶かしバター、刻んだローストナッツが混ぜ合わさったクラム生地を被せて、再びオーブンで焼く。
ヴァニリエクレーム(緩めのカスタードクリーム)やバニラアイスクリームを添えて食べる。
&bold(){ベールを被った農家の少女}
ドイツ北部(シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州)を含む北欧の[[デザート]]で、トライフルに分類されることもある。
デンマークではエーブルケイ(アップルケーキ)とも称していて、現地の料理店に訪れた日本人観光客を混乱させることもある。
リンゴのピュレとキャラメリゼを交互に重ねて、ベリーソース(※無い場合は省略可能)と無糖のホイップクリームを被せれば完成する。
キャラメリゼはお手軽に済ますならパン粉、本場に近付けるなら全粒粉パンかプンパニッケル(黒パン)、健康を多少意識するなら燕麦のフレークを使用する。
パン粉や燕麦のフレークはそのまま、全粒粉パンかプンパニッケルは砕くか摺りおろし、砂糖と混ぜた溶かしバターを染み込ませてからオーブンで焼くかフライパンで炒って冷ます。
リンゴではなく洋梨あるいはその両方をピュレにしたり、キャラメリゼにナッツ類やシナモンを加えたり、ホイップクリームに刻んだ[[チョコレート]]などを添える場合もある。
デンマーク大使館がオールドファッション・アップル・トライフルという料理名でレシピを公開しているので、ご家庭で試したい方は参考にされると良いだろう。
&bold(){スコンスク・エッペルカーカ}
スウェーデンにおけるスコーネ地方の伝統菓子。
伝統的なレシピだとカーヴリング(ダークシロップ入りの黒パン)由来のパン粉を使うが、現在はクネッケブロード(ライ麦粉から作る堅焼きのフラットブレッド)なども用いられる。
生地は、パン粉を砂糖類やシナモンなどのスパイスと合わせてバターで炒めてキャラメリゼするか、粉砕したクネッケブロードに溶かしバターと砂糖類とスパイスを混ぜて作る。
バターを塗った型に、生地、スイートタイプのエッペルムース(リンゴのピュレ)、レモン果汁が塗された薄切りのリンゴを層状に重ねていき、最上段は生地にする。
バターの欠片を散らすか溶かしバターを振り掛けてオーブンで焼き、冷めない内にヴァニリエクレームやホイップクリームを添えて食べる。
なおエッペルムースを使用しないレシピでは、リンゴにレモン果汁を塗さなかったり、生ではなく加熱調理する場合もある。
&bold(){ガトー・デュ・ヴェルジュ・ノルマン}
フランスのノルマンディー地方の伝統菓子で、古くなったパンをパン粉に加工して使用する。
バターを塗った型へリンゴとグラニュー糖を混ぜたパン粉を交互に敷き詰めて、最上段のリンゴまで載せたら澄ましバターを掛けてオーブンで2時間くらい焼く。
アプリコットジャムを添えて食べる。
}
#openclose(show=▼ケーキ系){
&bold(){ランバージャックケーキ}
オーストラリアやニュージーランドで好まれているケーキ。
カナダやアメリカが発祥地ではないかと言われているが、実際のところ不明である。
刻んだデーツを熱湯と重曹で戻して汁ごと、すりおろしたリンゴとともに、シュガーバッター法で作った生地に混ぜて型へ流し、オーブンで焼く。
キャラメルココナッツ(ココナッツファイン/ココナッツシュレッド+ブラウンシュガー+バター+生クリーム)を生地の上に延ばし、表面がカリカリになるまで焼く。
粗熱が取れたら、泣かない粉糖(プードルデコール)を振る。
&bold(){ウエスト・カントリー・アップルケーキ}
イギリスの家庭菓子で、イングランド南西部(ドーセット、サマセット、デヴォン、コーンウォールなど)で作られている。
リンゴは角切りか薄切りか、シュガーバッター法かフラワーバッター法か、スパイスやレモンやドライフルーツの有無、焼く前に粉砂糖ないしデメララ糖を振るか否かなど、レシピは千差万別。
同種のドーセットプディングは古いレシピだと、バターではなくケンネ脂を入れていて、香り付けにはオレンジが使用されていた。
クロテッドクリームかカスタードソース、あるいはアイスクリームを添える時もある。
&bold(){アップルサイダーケーキ}
発泡性のシードルを使用するケーキで、ベーキングパウダーと炭酸ガスの相乗効果で生地がよく膨らむ。
もっとも煮詰めてアルコールを飛ばすレシピも一般的で、こういった場合は香り付け程度に留まっている。
&bold(){イヴズプディング}
グラニュー糖とレモン汁が塗された薄切りのリンゴを底に敷き詰め、生地を流し入れてオーブンで焼いたケーキ。
通常はバターケーキ生地を使うが、薄力粉の代わりにパン粉を混ぜた別立て法のスポンジ生地を用いる例もある。
生のリンゴではなく、アップルパイやアップルタルトのように加熱調理したフィリングを敷き詰める場合もある。
原型のレシピだとケンネ脂を使用するスエットプディングだった。
他の材料は、刻んだリンゴ、粉チーズ状のパン粉、レーズンとカラントのブランデー漬け、砂糖類、塩、溶き卵、シナモン、ナツメグ、クローブで、
混ぜ合わせた物をプディングクロスに包んで茹でて、食べる時にはワインソースを添えたという。
ワインソースは最も簡素なレシピだと、無塩バターと純粉糖を練り混ぜたバタークリームに温めたワインを少しずつ足して湯煎しながらかき混ぜて作る。
&bold(){アップルグラント(※ペンシルベニアダッチ流)}
アメリカの伝統菓子。
何種類かレシピはあるが、敷き詰めたリンゴに生地を被せて焼く点は共通している。
リンゴは生のまま使うか、加熱調理してモラセス風味かバタースコッチ風味のフィリングにする。
生地はイエローケーキ系かクリームビスケット風で、イエローケーキ生地の上にクラム生地をトッピングする例もある。
バニラアイスかホイップクリーム、あるいは両方を添えることもある。
&bold(){アップルバックル}
アメリカのトレイベイクで、焼成後に粗熱が取れたら長方形に切り分ける。
イエローケーキ生地の上に生か加熱調理して冷ましたリンゴをのせて、アップル・クランブルかアップル・クリスプで使われるクラム生地を散らして焼く。
リンゴはのせないで、イエローケーキ生地に混ぜ込む場合もある。
&bold(){オザークプディング}
アメリカのミズーリ州にあるオザーク高原が菓子名の由来で、トルーマン大統領の好物としても知られている。
バター未使用で小麦粉の使用量も卵の約1/3と少ない共立て法の生地に、微塵切りにしたリンゴとローストして刻んだピーカンナッツを混ぜて焼いたデザート。
ラム酒で香り付けした無糖のホイップクリームを添えて食べる。
&bold(){アップル・スタックケーキ}
アメリカのアパラチアにおける伝統菓子。
ソルガムシロップ入りの生地とアップルバターを交互に重ねたレイヤーケーキで、ドライアップルで飾りつけたり、粉砂糖を振っている。
アップルバターは、ドライアップルをリンゴ果汁で煮詰めて、お好みでソルガムシロップを足し、ブレンダーで滑らかになるまで混ぜて作る。
&bold(){アップルソースケーキ/アップルバターケーキ}
アメリカの伝統的なケーキで、同国の6月6日はアップルソースケーキデーとされている。
アップルソース入りのバターケーキ生地あるいはオイルケーキ生地で、ドライフルーツ、ドライピール、ナッツ類、スパイスなども混ぜ込むことが多い。
キャラメル風味のフロスティングと相性が良い。
アップルソースではなく、アップルバターを使用した場合はアップルバターケーキになる。
アップルソースもアップルバターもケーキに入れる油脂類の使用量を抑えられるので、健康志向のアメリカ人に好まれている。
&bold(){ケンタッキー・ダービー・パンケーキ}
ピーカンプラリネ(シナモンとナツメグで香り付けしたピーカンナッツのキャラメリゼ)を盛り付けて、ソルガムシロップを掛けたパンケーキ。
パンケーキの生地は無糖で、バーボンウィスキーと加熱調理したリンゴのすりおろしを入れている。
上記とは異なる組み合わせもあり、リンゴを使わない場合がある。
&bold(){アプフェルクーヘン}
ドイツやオーストリアにおけるリンゴを使った焼き菓子の総称。
バターケーキ生地の他に、練り込みパイ生地(ミュルベタイクやマイレンダータイク((ミュルベタイクよりも小麦粉の割合が少なく、ベーキングパウダーを必ず使用する。)))、折り込みパイ生地(ブレッタータイク)、発酵生地(ヘーフェタイク)なども土台にされる。
カスタードクリーム(バニレクレメ)やアーモンドクリーム(マンデルクレメ)やキャラメルアーモンド(ロストマッセ/フロレンティーナマッセ)などと組み合わせたり、
汁気の多いリンゴの詰め物にブルーゼル((生地を粉砕したクラムのことで、センメル、プンパーニッケル、ヴィーナーマッセ、ビスクヴィットマッセ、ビスコッテンマッセなどの余り物を加工する。))を混ぜ込んだり、クランブル(シュトロイゼル)を散らしたり、といった風に多様である。
&bold(){アルトドイッチャー・アプフェルクーヘン}
リンゴを使ったドイツのケーキで、小麦澱粉(浮き粉)入りのバターケーキ生地と薄切りのリンゴを組み合わせている。
スポンジケーキ型を使うトルテ、パウンドケーキ型を使うザントクーヘン、天板を使うシュニッテンのタイプに分かれる。
型の内側や生地の表面にアーモンドを貼り付けたり、仕上げにアプリコットジャムを塗って糖衣掛けすることもある。
&bold(){アプフェルブロート}
リンゴを使ったドイツのローフケーキ。
主な材料は、リンゴ、小麦粉類、蜂蜜か砂糖類、ローストナッツ、ベーキングパウダー、シナモンなどのスパイス、塩で、卵は使用しない。
生地には、レーズン類や洋梨やイチジクなどのドライフルーツ、リンゴ果汁、レモン果汁、レモンゼスト、洋酒、ココアなどを加える場合もある。
乾燥材料を除いた材料は合わせて半日くらい寝かせて、乾燥材料をふるい入れて粉気が無くなるまで混ぜ、油脂類を塗ったローフ型(パウンド型)に流して焼く。
好みの厚さに切って、バターやアプリコットジャムを塗って食べる。
&bold(){アプフェル・バウムクーヘン}
リンゴのシロップ煮を包み込んで焼き上げた[[バウムクーヘン]]。
コットブス風バウムクーヘンのように、バウムクーヘン生地にシナモン、カルダモン、クローブ、ナツメグなどのスパイスを加える菓子店もある。
アップルパイと同様に、バニラアイスクリームやホイップクリームを添えても美味しい。
&bold(){アプフェル・ヌストルテ}
リンゴとナッツ類を組み合わせたオーストリアのレイヤーケーキ。
アーモンドパウダー入りのビスケット生地、ヘーゼルナッツと胡桃入りのバタースポンジ生地、バニラ風味のバタークリーム、加熱調理したリンゴ、キャラメルアーモンドの組み合わせで、
ビスケット生地やバタースポンジ生地には酸味の利いたアプリコットジャムが塗られていて、しつこ過ぎない絶妙なバランスに仕上がっている。
ヌストルテの派生形だが、スイスの伝統菓子として有名なエンガディナー・ヌストルテとは異なるタイプである。
&bold(){ガトー・アンビジブル・オ・ポンム}
2010年代に流行したフランスのケーキで、生地と果菜がほぼ一体化している。
卵:グラニュー糖:小麦粉:牛乳:無塩バター:リンゴの配合比は4:2:3:3:2:16で、他にベーキングパウダーや僅かな塩、リンゴと相性の良いスパイス、レモンゼストも加える。
極薄切りのリンゴ((リンゴの酸味が足りない場合は、レモン果汁をふりかける。))にオールインワン法の生地を絡めて、バターを塗ってグラニュー糖も塗した型に余さず移し、170~180℃のオーブンで焼いて冷めたら、お好みでプードルデコールを振る。
グラニュー糖をブラウンシュガーで代用したり、小麦粉の一部をアーモンドパウダーに置き換えたり、焼く前にアーモンドフレークを散らしても好い。
&bold(){ヴィトレ}
フランスのブルゴーニュ地方ヴィトレにおける郷土菓子で、現在は廃れつつあるレイヤーケーキ。
アーモンドパウダー入りのスポンジ生地であるビスキュイ・ジョコンドかビスキュイ・オ・ザマンドに、キャラメルやクレーム・フレーシュと合わせたリンゴのフィリングを挟み、
生地の上面に純粉糖と混ぜ合わせた卵白を塗り、アーモンドスライスを貼り付けて純粉糖も振ったら、オーブンで焼き色を付ける。
&bold(){グエロン・オ・ポンム}
フランスのベリー地方(シャラント地方)における郷土菓子で、リンゴのバターソテーをコニャックやピノー・デ・シャラントでフランベしている。
オールインワン法で作るバターケーキ生地か、溶かしバターをヨーグルトで置き換えた生地を、リンゴのバターソテーと混ぜ合わせて、バターを塗った型に流して焼く。
&bold(){マトファン・オ・ポンム/クラピオ・ド・ポンム}
マトファン・オ・ポンムはフランス南東部など、クラピオ・ド・ポンムはノルマンディー地方で呼ばれている。
角切りか薄切りあるいは粗くすりおろしたリンゴを使ったパンケーキで、バニラシュガーを振ってオーブンで焼くこともある。
フライパンで焼いた場合は、仕上げに粉砂糖かグラニュー糖を振る。
&bold(){エプレカーケ}
リンゴを使ったノルウェーのケーキで、パイ生地を使うアップルパイやアップルタルトも含まれる。
ホームメイドのクラシックなレシピは、他の欧米諸国でもありふれたバターケーキ生地とリンゴの組み合わせである。
焼成後も瑞々しさを残せるよう、リンゴを煮詰めたりソテーにしないことは多いが、加熱調理したリンゴと一緒に詰めるアレンジレシピもある。
&bold(){エッペルカーカ}
リンゴを使ったスウェーデンのケーキ。同国で11月10日は、エッペルカーカの日とされている。
大抵のレシピはバターケーキ生地とリンゴの組み合わせで、粗挽きカルダモンやシナモンを使用するとスウェーデン人好みになる。
ヴァニリエクレーム(緩めのカスタードクリーム)を添えることが多い。
スウェーデン大使館がX(元twitter)で、オールインワン法のバターケーキ生地で作るレシピを転載している。
&bold(){エッペルトスカ}
エッペルカーカとトスカカーカを合成したスウェーデンのケーキ。
ちなみにトスカとはイタリアのトスカーナを指していて、フランスの伝統菓子フロランタンと同じ由来である。
シナモンを振りかけた酸味の強いリンゴと甘く香ばしいキャラメルアーモンドが組み合わさったバターケーキは、コーヒーとの相性が抜群である。
&bold(){クローナンスカーカ}
リンゴとジャガイモを使ったスウェーデンのケーキ。
小麦粉をマッシュポテトとアーモンドパウダーで代用していて、リンゴは刻んで生地に混ぜるか薄切りを生地の上にのせた状態で焼く。
仕上げに粉砂糖を振り、ローロルダ・リンゴン(リンゴンベリージャム)やホイップクリームを添える。
&bold(){ウグンスパンカーカ・メ・エッペル}
スウェーデンにおけるパンケーキの一種だが、生地は膨張剤未使用でクレープに近い。
バターが塗られた耐熱皿にパンカーカ生地を注いで、櫛形切りのリンゴを並べ、シナモンシュガーを振ってからオーブンで焼く。
ローロルダ・リンゴンやホイップクリームを添える。
&bold(){エーブルスキーバー}
デンマークのクリスマスで、グルッグ(ホットワイン)とともに供されるパンケーキ。
小さめの[[たこ焼き]]器に取っ手を付けたようなムンクパンと呼ばれる鋳鉄製の調理器具を使って焼く。
カルダモンとレモンゼストで風味を付けたバターミルク入りの生地に、リンゴのフィリングかエーブルグロッドを詰めている。
もっとも現在はリンゴを詰める習慣が殆ど廃れていて、粉砂糖を振ってベリー系のジャムを添える伝統だけが残されているという。
ちなみは、生地はベーキングパウダーや重曹などの膨張剤を使う場合とイースト入りで発酵させる場合がある。
&bold(){ラツーシュキ・ス・ヤブウカミ}
ポーランドの小振りなパンケーキで、2種類の作り方がある。
仕上げに粉砂糖を振ったり、ジャムやサワークリームなどを添えて食べる点は共通している。
膨張剤を使用する場合。
卵黄はグラニュー糖、卵白は塩と一緒に泡立てる。
泡立てた卵黄に、小麦粉・バニラシュガー・ベーキングパウダー・重曹、バターミルク/ヨーグルト&牛乳、メレンゲの順で加えてその都度混ぜる。
生地に粗くおろしたリンゴを加えて、澄ましバターか植物油で揚げ焼きにする。
生地を発酵させる場合。
小麦粉とバニラシュガーを合わせて窪ませたところに卵を落とし、イーストやグラニュー糖を溶いた温かい牛乳を少しずつ注ぎながら混ぜて、1時間くらい発酵させる。
生地に刻んだリンゴを加えて、澄ましバターか植物油で揚げ焼きにする。
&bold(){マコヴィェツ・ヤポンスキィ}
ポーランドのケーキだが、菓子名にjapońskiが入っているせいか日本発祥だと誤解されていることもある。
牛乳で煮て磨り潰したブルーポピーシード(ケシの実)と粗くおろしたリンゴを加えたシュガーバッター法のバターケーキ生地で、チョコレートがコーティングされている。
ちなみに一般的なマコヴィェツは、発酵生地にケシの実入りのフィリングを巻き込んで焼いた伝統菓子で、マコヴィェツ・ヤポンスキィとはかなりかけ離れている。
&bold(){ヤブルコヴィ・ペルニーク}
チェコのリンゴ入りジンジャーブレッド。
液状材料(全卵、植物油、牛乳/バターミルク)とグラニュー糖をよく溶いて粗目にすりおろしたリンゴと混ぜ合わせて、お好みで刻んだローストナッツ類も加えたら、
乾燥材料(小麦粉、ココアパウダー、ジンジャーブレッド用スパイス、ベーキングパウダー/ベーキングソーダ)を篩入れて粉気が無くまで混ぜたら、型に注いでオーブンで焼く。
生地が冷めたら、無塩バターと合わせて湯煎したダークチョコレートで表面をコーティングし、チョコレートが固まったら完成である。
&bold(){シャルロートカ}
リンゴを使ったロシアのケーキで、ゴースチ・ナ・パローゲと呼ばれることもある。
型にリンゴを敷き詰めて、スメタナ入りの生地を注ぎ、焼成後に粗熱が取れたら粉砂糖を振る。
リンゴは加熱調理の有無を問わず、シナモンやカルダモンなどのスパイスと組み合わせる。
生地はスメタナを省略したり、バタースポンジにアレンジされる場合もある。
ちなみに昔のレシピでは、古くなった黒パンを使用している。
黒パンのクラスト(皮・耳の部分)はオーブンで水分を飛ばしてパン粉に加工し、澄ましバターを染み込ませる。
クラム(中身・内層の部分)は二つに分け、片方は薄く切ってプディング液(卵・生クリーム・純粉糖・スパイス・洋酒)に浸してから、バターを塗った型の内側に貼り付ける。
もう片方は細かくして残ったプディング液や刻んでコーンスターチを塗したリンゴとよく混ぜて型に入れたら、パン粉で覆ってリンゴの薄切りを被せ、ブラウンシュガーを振って焼く。
元々はイギリスのウィム・ワムから発展したアップル・シャーロットを基にして編み出されたシャルロット・パリジェンヌ(シャルロット・ア・ラ・リュス)だったらしいのだが、
昔のレシピではアップル・シャーロットとブレッドプディングのハイブリッドに変化し、その後はイギリスのイヴズプディングに近い作り方が採用される経緯を辿っている。
}
#openclose(show=▼発酵生地の菓子・パン菓子){
&bold(){アプフェル・シュトロイゼルクーヘン}
ドイツやオーストリアにおけるシュトロイゼルクーヘンの一種。
シュトロイゼルは小麦粉とバターと砂糖をすり混ぜたそぼろ状の生地で、配合比はレシピによっても異なる。
ヘーフェタイク(発酵生地)にバニラクレメ(カスタードクリーム)を塗り、リンゴのキャラメリゼを並べてシュトロイゼルで表面を覆い、焼いた後で溶かしバターや粉砂糖を振り掛ける。
&bold(){アルトヴィーナー・アプフェルクーヘン}
オーストリアのブレヒクーヘン。
ミュルベタイク(練り込みパイ生地)とゲルベタイク(イーストドーナツ生地)を一緒に捏ねて薄く延ばし、リンゴの薄切りを並べてシナモンシュガーを振り、生地を休ませてから焼く。
アプフェル・シュトロイゼルクーヘンのようにバニレクレメやシュトロイゼルと組み合わせたり、仕上げにアプリコットジャムを塗って糖衣掛けする場合もある。
&bold(){アッペル・フラーイ}
オランダとベルギーに跨るリンブルフ地方の伝統菓子。
発酵生地を土台にしたアップルタルトで、リンゴのフィリング以外にカスタードクリームも詰める場合がある。
クライメル(ドイツのシュトロイゼルや英語圏のクランブルに相当)を盛り付けて焼くこともある。
&bold(){コゼット}
ベルギーのワロン地方ナミュールにおける半月形の伝統菓子。
発酵生地にリンゴのフィリングを詰めてオーブンで焼き、粗熱が取れたらプードルデコールを振る。
コゼットはショーソンのワロン語で、フランスのショーソン・オ・ポンムと同様に折り込みパイ生地を使用した物も作られている。
&bold(){ボレイマ・デ・マサン}
ポルトガルの天板菓子で、ラードを練り込んで極薄に伸ばした中種法の発酵生地が使用されている。
生地は二等分して一枚を底に敷き詰めたら、薄切りのリンゴと砕いたナッツ類をのせて、粉砂糖とシナモンパウダーを振りかけ、もう一枚の生地を被せる。
生地の表面にフォークで穴を開け、再び粉砂糖とシナモンパウダーを振って焼成中にキャラメリゼ化させる。
&bold(){パネットーネ・ストゥルーデル}
イタリアのクリスマス菓子であるパネットーネ・モデルノのバリエーション。
ストゥルーデル・ディ・メーラ(アプフェルシュトゥリューデル)のリピエーノ(詰め物)を参考にしていて、リンゴ、レーズン、松の実、胡桃かアーモンド、シナモンなどと組み合わせる。
通常のパネットーネと同じく、食べる時にマスカルポーネクリームを添えることもある。
&bold(){エッペルブッラル}
リンゴを使ったスウェーデンの菓子パン(ヴェーテブッラル)で、いくつかバリエーションがある。
カネルブッレ(カルダモン入りのシナモンロール)とリンゴを組み合わせる、リンゴのフィリングを生地に折り込む、加工したリンゴとマンデルマッサを一緒に詰めるなどである。
マンデルマッサとはアーモンドのペーストで、スウェーデン版マリトッツォに例えられるセムラ、タルトレットのマザリーネル、アーモンドケーキのマンデルカーカなどにも使われている。
&bold(){ヤブレチュネー・コラーチ}
リンゴを使ったチェコの菓子パンで、一口サイズだとヤブレチュネー・コラーチュキになる。
なおコラーチやコラーチュキという呼称は、パイやクッキーなど他の焼菓子を指すことも珍しくないが、日本のチェコ大使館は菓子パンを代表例に挙げている。
円形に成形したレモンゼスト入りのパン生地を溶き卵を塗り、窪みにリンゴのフィリングを詰めたらクランブルものせて、オーブンで焼くと出来る。
仕上げに溶かしバターを塗って、粗熱が取れてから泣かない粉糖を振る場合もある。
&bold(){コワッチェ・ス・ヤブウカミ}
リンゴを使ったポーランドのイーストケーキ。
発酵生地の上にレモン果汁とコーンスターチで和えたリンゴを並べて、シナモンシュガーを振ってから焼き上げる。
シュトロイゼルも散らしたり、リンゴは加熱調理する場合もある。
&bold(){バブカ・ドロジュジュフカ・ス・ヤブウカミ}
クグロフの原型となったバブカの一種で、ポーランドのルブリン地方における郷土菓子。
薄く延ばした発酵生地に加熱調理したリンゴか、レモン果汁やシナモンパウダーと和えた生のリンゴを散らし、巻き込んで輪切りにしたら、クグロフ型に詰めて焼く。
仕上げにプードルデコールを振るか、糖衣(グラスアロー)掛けする。
&bold(){アップルシナモントースト}
一手間を加えたトースト。
食パンにバターを塗り、リンゴの薄切りを並べて、ブラウンシュガーとシナモンパウダーを振り、狐色になるまで焼く。
パン・デピス(フランスの蜂蜜入りスパイスケーキ)を厚切りにして、上記と同様の手順でトーストしても美味しい。
&bold(){トロワ・リビエール}
フランスのナント郡ブランで、1991年に誕生したガトー・デ・ロワ(ガレット・デ・ロワやブリオッシュ・デ・ロワの総称)。
ブリオッシュ生地に、カスタードクリーム(クレーム・パティシエール)、リンゴ、蜂蜜をサンドしている。
&bold(){アマーストプディング(※ブレッドプディングタイプ)}
アマーストプディングには数種類のタイプが存在し、溶かしバターが染み込んだ薄切りのパンを生地代わりにするアップル・シャーロットに近いバリエーションもある。
アップル・シャーロットとの差異は、中に詰めるリンゴは生で、ブラウンシュガー、シナモン、ナツメグを振りかける点である。
焼成後は耐熱皿から大皿に移し、すりおろしたナツメグ入りのバタークリーム(無塩バター+純粉糖)を添える。
&bold(){シャイター・ハウフェン(オーフェンシュルプファー)}
ドイツのブレッドプディング。
卵・牛乳・粉砂糖・バニラエッセンスのプディング液に漬け込んだパン、及びリンゴを粉砂糖とシナモンパウダーで和えてレーズンと合わせた詰め物を、
バターの塗った耐熱皿へ交互に重ねて、表面に細かく刻んだバターとお好みでスライスアーモンドを散らし、予熱したオーブンで焼くと出来る。
仕上げに粉砂糖を振るか、温かいカスタードソースあるいはバニラアイスクリームを添えて食べる。
&bold(){ジェムロフカ(ゼムルバーバ)}
チェコやスロヴァキアのブレッドプディング。
ロフリーク(三日月形のロールパン)かヴェカ(幅広なバケット)をスライスし、卵黄・牛乳・グラニュー糖から作る卵液を染み込ませる。
バターを塗った耐熱皿に、ロフリークかヴェカ、シナモンパウダーを塗したリンゴの薄切りとラムレーズンを交互に重ねていき、
染み込まなかった卵液やラム酒が残っていた場合は注いで、溶かしバターとグラニュー糖を振り掛けてから焼く。
仕上げにイタリアンメレンゲを盛り付けて、オーブンに戻して焼き色が付いたら完成である。
}
#openclose(show=▼上記以外の焼菓子){
&bold(){アフターソートプディング}
イギリスにおけるベイクドプディングの一種。
リンゴを煮潰してグラニュー糖とバターを溶かし、溶いた卵黄と混ぜて型に流して焼く。
スイスメレンゲを絞ってオーブンに戻し、焼き色を付ける。
&bold(){グレイテッドアップルプディング}
古くなったパンを粉チーズ状のパン粉に加工して再利用するベイクドプディングの一種。
すりおろしたリンゴに同量のパン粉、卵、牛乳、砂糖類、リンゴと相性の良いスパイスを混ぜ合わせて、バターの塗った耐熱皿に注いで焼く。
粉砂糖を振るかカスタードソースを掛けて食べる。
&bold(){アップルアンバープディング}
イギリスにおけるベイクドプディングの一種で、ドレンチェリーやアンジェリカなどを盛り付けることもある。
リンゴを少量の水、ブラウンシュガーかモスコバドシュガー、レモンの果汁とすりおろした果皮、バターとともに煮込んでピュレ状に加工し、
卵黄、パイクラムかケーキクラム、シナモンなどのスパイスと混ぜ合わせたら、バターを塗った耐熱皿に注いで焼く。
メレンゲで覆ってグラニュー糖を振り、オーブンへ戻してメレンゲに焼き色が付くまで焼いたら完成する。
ホイップクリームやカスタードソースを添える。
&bold(){デーツ&アップルスライス}
イギリスのデボン州で作られているトレイベイク。デーツとは、ナツメヤシのドライフルーツである。
リンゴとデーツを刻み、溶かしバター、グラニュー糖かブラウンシュガー、蜂蜜かゴールデンシロップ、全卵、ローストナッツ、小麦粉、塩と混ぜてオーブンで焼く。
リンゴの占める割合(焼成前の重量の約5割)が多く、デーツの下拵え(※熱湯か紅茶と重曹で戻す)が要らないくらいしっとりする。
&bold(){アップルタピオカプディング(※ベイクドタイプ)}
溶かしバター、一晩水に浸けてから茹でたタピオカ、純粉糖、バニラオイル、レモンの果皮をかき混ぜながら煮て、
レモン果汁を塗したリンゴが並べられた耐熱皿に注ぎ、スパイス(シナモンやナツメグなど)を振ってからオーブンで焼く。
ハードソース(無塩バター+純粉糖+ライトクリーム※乳脂肪分18~30%+バニラ/ナツメグ/レモン果汁/洋酒)やホイップクリームを添える。
&bold(){ノッティンガムプディング}
リンゴ入りのヨークシャープディングみたいな伝統菓子で、アップル・イン・アンド・アウトとも呼ばれている。
バターを塗った耐熱皿に、芯のあった部分にモスコバドシュガーとナツメグ・クローブ・シナモンなどのスパイスが詰められた皮付きのリンゴを並べて、
小麦粉・塩・卵・水・牛乳・溶かした油脂類(ケンネ脂/ラード/バターなど)から作った生地を注ぎ、オーブンで焼いて仕上げに粉砂糖を振る。
モスコバドシュガーは、ブラウンシュガー、デメララシュガー、ラパデュラシュガーなどに置き換えても良い。
&bold(){バード・ネスト・プディング}
アメリカの伝統菓子で、クロウズ・ネスト・プディングとも呼ばれている。
焼きリンゴを置いたままの型に、卵・牛乳・生クリームか油脂類・バニラか他のスパイス・小麦粉か澱粉類から作るカスタードを流し込んで、オーブンで焼き固める。
粉砂糖を振ったり、ハードソース、ワインソース、クリームソース(生クリーム+純粉糖+ナツメグ)、ホイップクリームなどが添えられる。
なお焼きリンゴではなく、リンゴのコンポートを使用する場合もある。
&bold(){アップルドラゴン}
イギリスのスコーンと同様に、ラブイン法(サブラージュ法)で作るクイックブレッド。
ウェールズの伝統菓子として有名なウェルシュケーキの派生で、すりおろしたリンゴを入れることでしっとり感が増す。
生地の材料は、薄力粉か中力粉、ベーキングパウダーか重曹、塩、無塩バター、グラニュー糖かブラウンシュガー、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、リンゴ、カランツ、卵で、
厚さ5~10mm程度に延ばして型抜きしてから、熱したグリドル(ベイクストーン)にバターかラードを溶かして両面を焼き、仕上げに溶かしバターを塗るか粉砂糖を振る。
生地には、牛乳かバターミルク、ゴールデンシロップか蜂蜜も加える場合もある。
&bold(){アップル・スコーンラウンド}
イギリスのスコーンラウンドで、卵やシナモン以外のスパイスも加えることもある。
生地の材料は薄力粉/中力粉、ベーキングパウダー/重曹、塩、無塩バター、グラニュー糖、リンゴ(生の粗目おろし/角切りのバターソテー/刻んだドライ)、バターミルク/牛乳で、
円盤状に成形した生地へ切れ目を入れてバターミルク/牛乳を塗り、デメララシュガー/シナモンシュガー/グラニュー糖を振ってから焼いている。
切れ目に沿って切り分けたら、ウエンズリーデイルチーズかクロテッドクリームを添える。
&bold(){アップル・ダッピー}
イギリスにおけるプディングの一種で、ウェスト・カントリーのデヴォン州で特に愛されている。
薄く延ばしたスコーンの生地にフィリングを巻き込んで輪切りし、切り口を上にして並べてオーブンで焼き上げる。
作り方は二種類あり、フィリングは加熱調理済みで表面に粉砂糖かデメララシュガーを振ってから焼いて仕上げに溶かしバターを塗るタイプ、
フィリングは非加熱で焼く前に粉砂糖・レモン果汁・ゴールデンシロップか蜂蜜・バターを煮溶かして作るシロップを注ぐタイプがある。
クロテッドクリームを添えるか、温かいカスタードソース(卵未使用のカスタードパウダーベースか粉類未使用のクレーム・アングレーズ)をたっぷりと掛けてから頂く。
フィリングはリンゴ、レモン果汁、粉砂糖かデメララシュガー、シナモンかオールスパイスを組み合わせるが、ナッツ類やレーズンなどのドライフルーツを追加しても美味しい。
&bold(){アップルダンプリング(※アメリカ式)}
アメリカのペンシルヴェニア州で特に好まれている。
薄力粉・バター・牛乳の配合比が3:2:1の生地((薄力粉と少々のベーキングパウダーと食塩ひとつまみをふるいに掛けて、5mm角の無塩バターとすり混ぜて粒状にした後で、牛乳を加えて一纏めにし、ラップで覆って生地を休ませる。))で、シナモンシュガーが塗されたリンゴを包み込み、シナモン入りのシロップを掛けてオーブンで焼いたデザート。
無糖のホイップクリームやアイスクリームを添えて食べることも多い。
&bold(){アプフェル・クワルク・ターラー}
ドイツのチーズ(クワルク)入りドロップクッキー。
小麦粉:クワルク:植物油:砂糖類の配合比が3:2~2.25:1:0.75~1の生地で、ベーキングパウダー、塩、バニラシュガーも加えている。
リンゴのダイスも混ぜ込んだらスプーンで生地を掬い取り、クッキングシートを広げた天板に並べて表面はならし、180℃に予熱したオーブンで25~30分くらい焼く。
粗熱が取れたらシナモンシュガーを塗すか、プードルデコールを振る。
&bold(){ミション・ブルトン}
フランスのブルターニュ地方における郷土菓子。
バターを塗った型にバターソテーしたリンゴを敷き詰めて、ランビッグ(ブルターニュ地方のブランデー)を振り掛け、牛乳・卵・小麦粉・グラニュー糖から作るアパレイユを注いで焼く。
焼き固まったら、いったん取り出してバターの欠片を散らすか溶かしバターを塗り、グラニュー糖か純粉糖を振ったらオーブンに戻して、キャラメリゼ化するまで加熱する。
粗熱が取れてから、アプリコットジャムを添える。
&bold(){タルトゥヤ・オ・ポンム}
ブルゴーニュ地方の郷土菓子で、クラフティやフロニャルドと似ている。
小麦粉とグラニュー糖をふるって僅かに塩も足し、牛乳と卵を少しずつ加えて混ぜたら、リンゴの薄切りと合わせて生地を休ませた後で焼く。
昔はキャベツやブドウの葉を容器代わりにしていたが、今はバターでクッキングシートを接着した型に流す。
&bold(){フロニャルド・オ・ポンム}
ブルゴーニュ地方などフランス南部の郷土菓子で、フラミュス・オ・ポンムの原型とされている。
櫛形切りのリンゴをバターが塗られた型に敷き詰め、グラニュー糖・牛乳・生クリーム・溶かしバター・小麦粉・シードル/ラム酒から作るクレープ様の生地を注いで焼く。
生地に入れる生クリームは必須ではなく、ペリゴール地方では加えないという。
仕上げにプードルデコールを振る。
&bold(){フラミュス・オ・ポンム}
ブルゴーニュ地方の郷土菓子で、フランやクラフティと似ている。
加熱調理したバタースコッチ味のリンゴをバターが塗られた型に敷き詰め、純粉糖・牛乳/生クリーム・コーンスターチ/小麦粉・バニラオイルから作るフラン様の卵液を注いで焼く。
仕上げにシナモンシュガーかプードルデコールを振る。
}
**未分類の菓子
&bold(){アップル・スノウ/アップルフロート/アプフェルシャウム/ゼフィール(※ポーランド)}
リンゴのピュレとメレンゲを混ぜ合わせたイギリスやアメリカの冷菓。
メレンゲは卵白と純粉糖を泡立てるが、レモン果汁やレモンゼスト、あるいはクリームタータを加えることもある。
亜種としてオレンジフラワーウォーターで香りを付けたアップルフロートが存在し、リンゴのピュレとイタリアンメレンゲを少しずつ混ぜて作る。
ホイップクリームやカスタードソースを添える。
ドイツにもアプフェルシャウムという似たようなデザートがある。
メレンゲや泡立てた生クリームにリンゴのピュレを混ぜていて、ゼラチンやアップルブランデーなどを加えたり、シナモンパウダーや刻んだナッツを散らすこともある。
ポーランドのゼフィールやオーストリアのシュネーアプフェル(アップル・スノウのドイツ語訳)は、リンゴのピュレにメレンゲと生クリームの両方を混ぜている。
&bold(){ゼフィール(※ロシア)}
ロシアの伝統菓子で、パスチラから派生した。ペクチンの多い果物から作るので、リンゴ味とは限らない。
ベラルーシ、ウクライナ、リトアニア、ラトヴィア、エストニアなど、旧ソ連から独立した元構成国でも食されている。
果物のピュレとメレンゲを合わせた物に、沸騰させたゼラチン入りのシロップを少しずつ注ぎながらかき混ぜて、絞り袋で絞り出して固まるまで待つと出来る。
甘さ控えめにしたい場合は、ピュレ、メレンゲ、シロップに入れる甘味料を減らすか抜く。
粉砂糖を振ったり、チョコレート掛けにすることもある。
&bold(){スモクワ}
ポルトガルのカイシャ・ダ・マルメラーダと似ているロシアの伝統菓子で、ペクチンの多い果物から作る。
リンゴのピュレに砂糖を加えて煮詰め、[[ジャム]]以上に水分を飛ばし、薄くならして乾燥させると完成する。
似たような菓子は旧ソ連構成国にも存在し、リトアニアやベラルーシなどではアップルチーズ(の母国語)と呼ばれている。
&bold(){シュクル・ド・ポンム・ド・ルーアン}
フランスのノルマンディー地方ルーアンにおける伝統菓子。
円筒形の飴菓子で、グラニュー糖、グルコースシロップ、リンゴのコンポートと果汁、レモン果汁、各種香料から作られている。
レシピは現在と異なっているが、1592年にルーアンの薬剤師が開発した。
&bold(){リシュ・ザピエカニ・ス・ヤブウカミ}
ポーランドにおけるライスプディング(リシュ・ス・スメタナ)の一種。
ライスプディングをオーブンで焼く例は他国でも見られるが、ポーランドでは炊いたライスプディングに果物のフィリングを詰めたり、交互に重ねて焼く場合がある。
リンゴの皮と芯を取り除いてから細かく刻むか粗くおろし、[[サルタナ>レーズン(食品)]]、砂糖類、レモン果汁、バニラなどのスパイスと煮詰めた物が使われる。
アメリカにも伝来したらしく、19世紀の料理本に同様のレシピが掲載されている。
&bold(){エーブルスッペ}
デンマークのリンゴスープで、澱粉類やパン粉でとろみを付けることもある。
リンゴを煮込んでからブレンダーで滑らかにするか、果肉を裏漉しして煮汁に戻し、再び火に掛けて砂糖で味を調える。
バニラに加えて、レモン、ワイン、シナモンなどのスパイスも足して香りを付ける場合もある。
ホイップクリームやバニラアイスなどを盛り付けたり、クッキーなどを添えて食べる。
&bold(){エーブルグロッド}
デンマークのリンゴ粥で、ブレンダーでピュレ状にすることもある。
バニラかレモンピールで香りを付ける点を除けば、ジャムと素材は変わらないが、水も砂糖も少量で、リンゴの持ち味を活かす形になる。
バターを僅かに溶かすか、冷やしてから牛乳を掛けたり、ホイップクリームをのせることが多く、オートミールやヨーグルトなどと組み合わせる場合もある。
前述したエーブルケイやエーブルスキーバーといった菓子にも使用される。
&bold(){アップルタピオカプディング(※ノンベイクタイプ)}
リンゴ、ブラウンシュガー、バター、レモン果汁や果皮、スパイス(シナモンやナツメグなど)を一緒に煮込み、
一晩水に浸けてから茹でたタピオカ、リンゴ果汁、オレンジの薄切りを加えて、かき混ぜながらひと煮たちさせる。
温かいままでも冷やした状態でも提供される。
&bold(){アップルグラント(※カナダ・ニューイングランド流)/アップルスランプ}
ペンシルベニアダッチ流とは異なるシチュースタイルで、アップルスランプとも称される。
ドライアップルか刻んだリンゴとレモンゼストをリンゴ果汁で煮込んだら弱火にして、メープルシロップか蜂蜜、レモン果汁、少々の塩で味を調える。
小麦粉、グラニュー糖、ベーキングパウダー、重曹、少々の塩、無塩バター、バターミルクから作ったビスケット生地を食べやすく小分けして鍋に落とす。
蓋をして弱火のまま15分くらい煮て、生地に火が通ったことを確認したら完成である。バニラアイスやミルクバターソースなどを添えて提供する。
なお、他の甘味料(ブラウンシュガーやモラセスなど)で甘みを付けたり、リンゴと相性の良いスパイスを足すレシピも存在する。
#openclose(show=▼ボイルドプディング・スチームドプディング){
&bold(){バチェラーズプディング(レイチェルプディング)/パラダイスプディング}
イギリスのボイルドプディングないしスチームドプディングで、香り付けには、ナツメグかメース、レモン、ブランデー、ジンジャーなどが使用されている。
刻んだリンゴ、パン粉、レーズン類、砂糖類、泡立てた全卵を混ぜ合わせて、プディングクロスに包んで茹でるか、バターを塗ったプディングベイスンに入れて蒸す。
油脂類(ドリッピング※牛肉や豚肉などをローストした時に滲み出る肉汁、ケンネ脂、バターなど)、牛乳、僅かな塩、膨張剤も加える場合がある。
パラダイスプディングはバチェラーズプディングと材料や手順は同様で、卵や砂糖類の割合が増してパン粉の使用量は大幅に減っている。
なおアメリカにもバチェラーズプディングは存在したが、古くなったパンと下茹でした米を煮てモラセスで甘みを付けたミルク粥を指すこともあったという。
&bold(){カンバーランドプディング}
バチェラーズプディングの類似品だが、オレンジや砂糖漬けのシトロンピールが追加されていて、卵を別立てするレシピもある。
刻んだリンゴ、パン粉、ケンネ脂、レーズン類、卵黄、ナツメグなどのスパイス、オレンジやレモンの果汁とすりおろした果皮、シトロンピール、ブランデーを混ぜ合わせ、
卵白に砂糖類や塩と合わせて泡立てたメレンゲを足してから、プディングクロスに包んで茹でるか、バターを塗ったプディングベイスンに入れて蒸す。
レモン果汁入りのハードソースかプディング用のホワイトソース(牛乳+純粉糖+澱粉類+洋酒orバニラ)を添える。
&bold(){ブラックベリー・エクスター}
イギリスにおけるスエットプディングの一種。
油脂が塗られた型にスエットクラストを敷いて、ブラックベリーと刻んだリンゴ、ケンネ脂と蜂蜜を混ぜたパン粉が層状となるように詰めて、
残りのスエットクラストで塞ぎ、クッキングシートとアルミホイルで二重に包んで3時間くらい蒸したら型を外し、仕上げにカスタードソースを掛ける。
フィリングに使うケンネ脂はバター、パン粉はケーキクラム、蜂蜜はゴールデンシロップやメープルシロップで代用されることも多い。
&bold(){アップル・ハット}
イギリスにおけるスチームドプディングの一種。
バターを塗った型にスコーンの生地を貼り、グラニュー糖やレモン果汁及びシナモンかブランデーと和えたリンゴを詰め、残りの生地で塞いで蓋をしてから蒸す。
昔の方法だと蒸す際は布巾に包んで糸で縛っていたが、現在だと布巾はクッキングシートとアルミホイルの組み合わせにとって代わられている。
蒸し終えたら型から外してお湯で温めた皿に移して、温かいカスタードソースを好きなだけ掛けて食べる。
&bold(){アップルプディング(※ボイルドタイプ)/サセックス・ポンド・プディング(※古典的)}
イギリスにおけるスエットプディング(バターではなくケンネ脂を入れた生地で作るプディング)の一種。
芯のあった箇所に、バター、ブラウンシュガーかデメララシュガー、レモンの果汁と果皮が詰められたリンゴをスエットクラストで覆っている。
プディングクロスに包んで茹でた場合はアップルプディング、プディングベイスンに入れて蒸した場合は古典的なサセックス・ポンド・プディングになる。
ちなみに、サセックス・ポンド・プディングは時期不明ながら、リンゴ主体からレモンまるごと1個を使用する詰め物に変化している。
アップルプディングは、スエットクラストの代わりにボイルドプディング用のバタークラストで覆う例があるほか、クリスマスプディングと似たようなレシピも存在する。
&bold(){アップルダンプリング(※英国式)}
イギリスにおけるスエットプディングの一種で、ボイルドタイプとベイクドタイプが存在する。
基本的にアップルプディングの簡素版で、一緒に詰めるのは砂糖類のみだが、砂糖類ではなくマーマレードら果物加工の保存食を詰めた場合もある。
ベイクドタイプはボイルドタイプと同じ代物をオーブンで焼いて、仕上げに粉砂糖を振るが、レモンソースやクリームなどを添えることもあったという。
現在はパイ生地で覆って焼くスタイルが主流で、詰め物の内容も充実してきているので、アップルプディングとの差は無くなっている。
&bold(){アップルスノウボール(※ボイルドタイプ)}
英語圏におけるボイルドプディングの一種。
リンゴの芯をくり抜いてモスコバドシュガーとシナモンかクローブを詰め、下茹でして牛乳で煮た米で覆い、プディングクロスに包んで茹でる。
米はリンゴの表面を覆うだけでなく、芯をくり抜いた空洞にも詰める場合がある。
}
**[[ジャム]]
砂糖とレモン汁を使ってコトコト煮込もう。
トーストに良し、[[ホットケーキ]]に良し、[[ヨーグルト>ヨーグルト(食品)]]に良し。
そのままパウンドケーキやアップルパイなどのお菓子作りに使うこともできる。
リンゴはペクチンが多いため、ペクチンの含有量が少ない果菜をジャムにする時に、漉して果肉は除いたリンゴのジュレ(ジェリー)を加えることもある。
&bold(){コンフィチュール(フランス)/ヴァレーニエ(ロシア)}
ジャムの一種で、果物と砂糖の割合は果物の種類や品種によっても異なる。
ジャムよりも煮詰める時間は短いので、コンポート程ではないものの原形を保っている。
フランスのコンフィチュールは糖度55%以上という基準は存在するが、これはジャム作りで重要なペクチンがゲル化する糖度(60~65%)よりも低い数字である。
リンゴのコンフィチュールはプレーンタイプ以外に、シナモンなどのスパイス入り、タイムなどのハーブ入り、苦みを利かせた柑橘類のゼスト入り、キャラメル風味などがある。
キャラメル風味は煮詰める前にキャラメリゼ化の工程があるため、砂糖の使用量はプレーンタイプよりも多く、煮詰める過程で足す分も含めると、リンゴの重量の70%程度を要する。
&bold(){アップルバター}
リンゴ果汁で煮崩したリンゴの果肉を裏漉しするか攪拌してから煮詰めたスパイス入りのスプレッド。
果糖がキャラメリゼ化するまで煮詰めるので、アップルジェリーやアップルソースよりも色が濃く、ブラックバターと呼ばれることもある。
砂糖類ないしシロップ類は入れても比較的少量で、ジャムよりも糖度は低いが、高酸性かつ密閉時の加熱処理で雑菌の繁殖を抑えられるため、保存食として作られた。
使用するスパイスはシナモン、クローブ、ナツメグかメース、オールスパイス、ジンジャー、スターアニスなどで、他にレモン果汁、アップルビネガー、リコリス、塩を加える場合もある。
本来は乳製品未使用だが、日本だとアップルペーストが練り混ぜられたバターをアップルバターと称したり、口当たりを良くする目的でアップルバターにバターを足す例も見られる。
**[[カレーライス]]
某カレールーの謳い文句でも知られる通り、カレーの隠し味の代表格。
すりおろして入れるのが一般的だが、角切りやいちょう切りにして具材にしたり、水の代わりにリンゴジュースを使ったりするレシピもある。
ちなみに、某カレールーの語源のバーモント健康法で用いられるのは実はリンゴ酢。
**肉料理
[[酢豚]]にパイナップル、と同じ原理。[[ポーク>豚肉]]ソテーに添えるとうんまい。
くし切りにしてお肉と一緒に煮込んだり、薄切り豚肉で巻いて甘辛タレで焼いたり。
すりおろして肉を漬け込んだり、豚肉のしょうが焼きのタレやソテーのソースに混ぜたり。
騙されたと思ってやってみて。
抵抗があるならまずはソースの隠し味にリンゴ[[ジャム]]、リンゴ酢でさっぱり煮から試してみよう。
変わった物として、北欧のクリスマスでは丸焼きにした豚の口にリンゴを突っ込んだ料理が食べられるらしい。海外のアニメなどで見かけた人も多いのではないか。
**サラダ
給食でもお馴染みフルーツサラダに高確率で入っている。
一方で[[ポテトサラダ]]やマカロニサラダ、コールスローなど“おかず系サラダ”にも時々入っているが、彩りや食感、[[マヨネーズ]]との相性の良さを支持する“賛”と、おかずに果物が入っていることがどうしても受け付けない“否”で反応は真逆。
リンゴとニンジンのラペ、ベビーリーフや[[チーズ]]と合わせたオシャレ系サラダなど抵抗が薄い組み合わせもあるので興味がある否の方は試してみては。
海外のフルーツサラダには野菜を全く入れず、リンゴを含む数種類の果物を食べやすいサイズにして、砂糖と果汁あるいはシロップで和えたフルーツパンチに近い代物もある。
**ビルヒャー・ミューズリー
スイスの医師であるマクシミリアン・オスカー・ビルヒャー・ベナーが、羊飼いの伝統食を基に考案した。
元々は夕食用の療養食だったが、現在は朝食用の日常食と化していて、オーバーナイトオーツとも称されている。
材料はオートフレーク大さじ1(大さじ3の水で半日間ふやかす)、レモン果汁半個分、加糖練乳大さじ1、すりおろしたリンゴ1個分(小振りなら2~3個分)、ナッツ類大さじ1となっているが、
現代はアレンジされていて、水は牛乳やバターミルクなど、レモン果汁はオレンジ果汁やリンゴ果汁など、加糖練乳は蜂蜜やジャムなどに置き換えられている場合が多い。
ヨーグルトや他の果物を足すのも一般的になっていて、スーパーフードやプロテインなども加えて滋養強壮効果の強化を図ったレシピも存在する。
**ドライフルーツ
ドライフルーツとしても定番。生産地では大概作られる。
多くはバナナチップのようにカリカリの煎餅状に乾かされて長期保存が出来、ほのかな甘みが嬉しい。
中国などでは、半生に乾かしたグミか固いゼリーのような干しリンゴ(セミドライアップルやチャンクという)も作られる。
しっとりした食感と強い甘味で何個も食べそうになる逸品。
**[[漬け物]]
ロシアではリンゴもピクルスにすることがある。
蜂蜜や塩を溶いた麦汁に漬けて、乳酸発酵させる。
*[[花言葉>花言葉/花詞]]
実、木、花でそれぞれ意味合いの異なる花言葉が複数あることでも知られている。
リンゴ全体の花言葉としては「優先」、「好み」、「選択」といったものがあるが、リンゴの果実、即ち果物言葉には「&bold(){誘惑}」、「&bold(){後悔}」といった、上記の旧約聖書におけるアダムとイブの説話に由来するであろうものがある。
*リンゴが登場する作品や関連するあれこれ
バナナと並んでメジャーで、我が国の家庭でもお馴染みの果物であることから登場頻度は高い。
特にアダムとイブの説話から、旧約聖書を題材にした作品では必ずと言っていいほどこれをモチーフにしただろうキーアイテムが登場する。
一昔前の創作では「生ゴミ」の表現として魚の骨や[[バナナの皮]]と並び「芯だけ残ったリンゴ」がやけに多い。
*○アニメ、マンガ、ゲーム、映画、ラノベ、特撮作品において
**[[ハローキティ]]
[[サンリオ]]社の看板キャラクター。
&bold(){身長はリンゴ5個分、体重はリンゴ3個分}という、他に類を見ないプロフィールが有名。
加えて、ハローキティのイラストにもよくリンゴが描かれているし、好物はママのアップルパイだし、テレビ番組『キティズパラダイスPLUS』内で放送されていたキティのアニメは「りんごの森」が舞台となっているなど、つくづくリンゴに縁がある。
**『[[ポケットモンスター]]』シリーズ
リンゴ(ヒメリンゴ)をモチーフとした[[きのみ>きのみ(ポケモン)]]として『[[ルビー・サファイア>ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』からヒメリのみが登場。
またリンゴそのものが明確に登場するのは第8世代からだが、それよりもずっと前に「たべのこし」というアイテムが出ていて、イラストを見るに明らかに&bold(){リンゴの芯だけを残したもの}。[[ポケモン>ポケットモンスター(ポケモン)]]に持たせると、[[ポケモンバトル]]中に毎ターン体力がHPの16分1だけ回復する効果がある。
しかし、何故こんなものでHPが回復するのか……。
リンゴをモチーフとしたポケモンとしては『[[剣盾>ポケットモンスター ソード・シールド]]』でカジッチュや[[その進化系>アップリュー/タルップル]]が登場。特にカジッチュは&bold(){リンゴそのもの}。
更に『[[スカーレット・バイオレット>ポケットモンスター スカーレット・バイオレット]]』でも、新しい進化系として[[カミッチュ]]が追加されたほか、同作のダウンロードコンテンツ第一弾の舞台である[[キタカミの里]]の名産品ともなっており、実際現地にはリンゴがいくつも実ったリンゴ園が広がる一帯が「アップルヒルズ」なんてお洒落な名前で呼ばれている。
ちなみに、[[ポケモン図鑑]]によれば「(タルップルの)背中の 皮は とくに 甘く 昔は 子どもの おやつだった」とあり、[[食用にできる>ポケモン世界の食肉事情]]ことが判明している。
また『剣盾』の[[ポケモンキャンプ]]で調理するカレーの食材に使える「とくせんリンゴ」や、調理には使えない代わりにカジッチュに対して[[進化の石>進化の石(ポケモン)]]と同じ役割をする「すっぱいりんご」「あまーいりんご」「みついりリンゴ」と、アイテムのほうも充実している。
加えて、派生作品においても度々登場してきた。
『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズにおいては満腹度の回復アイテムになっており、作品によっては実在の品種名がモチーフと思われる「セカイイチ」も登場する。
『[[ポケモンスナップ]]』『[[New ポケモンスナップ]]』においても、ポケモンたちに与え様々なリアクションを引き出したり誘導したり、ギミックの解除に用いたりする。
ちなみに前者においてはリンゴの形はしているものの、厳密にはそのものではなく「ポケモンフーズ」だったが、後者においては「ふわりんご」という名前が付き明確にリンゴだと示されている。
また、『New』では他のプレイヤーの写真も閲覧できるが、気に入ったショットには「りんごメダル」というものを贈って評価する機能が追加された。
その他、アニメ版においてはたまにそこら辺の樹に実る非常食もとい果物としても出番がある。
余談だが『ポケモン』シリーズの主要な人間キャラクターの名前は全て植物から取られており((和名や別名をそのまま取り入れたり一部を捩ったり、外国語での呼び名をそのままカタカナにしたりというパターンもある。))、もちろん中には[[ミカン>ミカン(ポケモン)]]などのように果実の名前がそのまま使われている者たちもいる。
しかし、超メジャーなリンゴそのものに由来する名前のキャラクターは、シリーズ誕生から25年経った今なお実はまだ登場していない。一応、リンゴの近縁で「コリンゴ」の別名を持つ野生種に由来する[[ズミ>ズミ(ポケモン)]]や、後述のように「大地のリンゴ」とも称されるハーブに由来する[[カミツレ>カミツレ(ポケモン)]]はいる。
**『たまごっち』シリーズ
1期のゲーム版、「ゲームで発見2」ではむしっちの餌の一種として登場し、イモっち、ちょびタマっち、カブトっち、ふたごアリっち、ムシばっちはりんごが好物である。
また、2期以降の[[たまごっち]]に「りんごっち」という半分に切ったりんごがモチーフのキャラがいる。
**『[[こげぱん]]』
キレイ仲間の一種としてりんごパンが登場する。りんごパンはりんごに似せた外見で、青森産の高級津軽りんごを使用しており、中身はりんごジャムでたっぷり。性格は純朴で、違う種類のパンの前では頑張って共通語兼敬語で話すが、りんごパン同士だと素が出て津軽訛りが出てしまう。不安になるとりんごのネットに入るなど、りんごの特徴も残している。
**『魔法少女まどか☆マギカ』
アニメ版でメインキャラの[[魔法少女]]の一人・[[佐倉杏子]]はりんごが好物らしく、たくさん持っていてよく食べている(9話など)。さやかに投げて渡そうとしたが、さやかはりんごを捨てて拒絶した。尚、[[スピンオフ]]『かずみ☆マギカ』では、りんご(食べ物)を粗末にしたさやかの行為が、かずみの信念と台詞で伏線回収されている。つまりさやかは……。
**[[マイリトルポニー]]
主要キャラの一頭であるアップルジャックの一族がリンゴ農家を営んでいる。
なお、一族の名前も多くがリンゴに関連するものから来ている。
(アップルジャック→リンゴを原料とする蒸留酒、ビッグマッキントッシュ→品種名など)
**『[[ドラゴンクエスト>ドラゴンクエストシリーズ]]』シリーズ
[[DQ5>ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁]]では見た目まんまリンゴのモンスター「エビルアップル」が登場。
リメイク版では[[仲間>アプール(DQⅤ)]]にできる。
**『[[名探偵コナン]]』、『[[名探偵コナン ゼロの日常]]』
犯罪組織である[[黒の組織]]の女幹部・[[ベルモット>ベルモット(名探偵コナン)]]は、彼女を追う[[FBI>FBI(名探偵コナン)]]から&bold(){“rotten apple”(腐ったリンゴ)}というターゲットネームを付けられている。
これは、ベルモットの表向きの顔である女優シャロン・ヴィンヤードとしての代表作の題名『ゴールデン・アップル』と、&bold(){「見た目は綺麗でも中身は皺くちゃ」}との皮肉を掛けたもの。
また、黒の組織の幹部のコードネームは洋酒や[[カクテル]]の名前から取られており、リンゴの蒸溜酒であるカルバドスの名を持つ幹部もいる&s(){が、結局直接出て来る前に自決してしまった}。
[[スピンオフ]]作品である『ゼロの日常』においては、[[安室透]]が後に自分の飼い[[犬]]となる迷い犬に初めて出会った際、「(リンゴの)種には毒がある」と雑学を披露しながらリンゴを&bold(){素手で割って}与えるシーンがある。本編でも、件の雑学が犯人を自白させるハッタリに使われた事件がある。
**[[『ヱヴァン>ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序]][[ゲリヲン>ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破]][[新劇場版』>ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q]][[4部作>シン・エヴァンゲリオン劇場版:||]]
秘密結社「[[ゼーレ>ゼーレ(新世紀エヴァンゲリオン)]]」のシンボルマークは従来7つの目だけだったが、新劇場版からは知恵の実をイメージしたリンゴ(と、それを食べようとする蛇)が追加されていた。
**[[『星のカービィ』シリーズ>星のカービィシリーズ]]
[[ウィスピーウッズ]]が落とす、或いは口から吐き出すものとして登場。現在はウィスピーウッズの他、マホロアがカビハンシリーズでジェムリンゴを販売したり、『Wiiデラックス』の『[[マホロアエピローグ>マホロアエピローグ 異空をかける旅人]]』でリンゴを集めたり、『真 格闘王への道』でリンゴを落としたり、[[カービィ]]の好物がトマトなのに対抗してか、マホロアを象徴する果物になっている。
また、[[ポピーブロスJr.>ポピーブロスSr./ポピーブロスJr.]]が玉乗りの要領で転がしてくることも。
[[アニメ>星のカービィ(アニメ)]]においては[[カービィ]]が[[スイカ>スイカ(果実)]]と並んで好む食べ物となっている。
青リンゴのような見た目をした、「大王の逆襲」に登場する[[スカーフィ>スカーフィ(星のカービィ)]]の強化版である「Mr.アングリップ」というキャラもいる。
漫画『[[デデデでプププなものがたり>星のカービィ デデデでプププなものがたり]]』では通貨として用いられたこともある。
**『どうぶつの森』シリーズ
初代から現在まで、5種類の特産品(リンゴ、オレンジ、さくらんぼ、モモ、ナシ)の一種として登場している。『とびだせ』では特産のみ「おいしいフルーツ」という上位種があり、『あつまれ』では特産がパスポートに表記される。また、[[ハムスター]]の住民に「アップル」というリンゴをモチーフにしたキャラがいる(余談だが、ネコ住民には「ヒャクパー」というオレンジをモチーフにしたキャラがいる)。
尚、『とびだせ[[amiibo]]+』のミニゲーム、『[[無人島]]脱出ゲーム』でのクマ住人とコグマ住人、カメヤマさんの好物フルーツはリンゴである。
**『[[狼と香辛料]]』
ヒロインである賢狼[[ホロ>ホロ(狼と香辛料)]]の大好物。
**[[『バイオハザード』シリーズ>バイオハザードシリーズ]]
『OB1』『OB2』『アンブレラ・クロニクルズ』において、色々な意味で始まりの地・[[ラクーンシティ]]にある「アップル・イン」という安[[宿>宿屋]]が登場。
ただ、宿のランクやスペックから言えばそのセキュリティは不釣り合いとも言えるが……。
**『[[テニスの王子様]]』シリーズ
主役校・青学の不二の好物の一つはりんごである。『新』のキャラでは高校生は遠野、オーストラリア代表のドルギアス兄弟はアップルパイが好物である。
**『[[東方Project]]』
『Bad Apple!!』というタイトルの楽曲がある。といっても旧作の曲だが。
同名のアレンジ楽曲の、意味深な歌詞と影絵のキャラクターたちが踊るスタイリッシュなPVが印象的。
ちなみにこの語は歌詞にもあるように「&bold(){ろくでなし}」という意味。
ちなみにキャラクターの名前としても使われており、ズバリ[[鈴瑚]]というキャラがいる。
しかし彼女は好きなものは団子、テーマ曲は[[カボチャ]]、使う技名は「ストロベリーダンゴ」とリンゴ要素は皆無、食べ物であれば何でも良いという感じとなっている。
**『[[MOTHER>MOTHER(ゲーム)]]』シリーズ
『[[2>MOTHER2 ギーグの逆襲]]』にて、[[敵>ギーグ(MOTHERシリーズ)]]陣営が用いる「ちえのリンゴ」という予言マシンの名前として登場する。
素直に考えれば、知恵の実(禁断の果実)の伝承からの着想と思われる。
彼らはこのマシンの予言によって敗北(する運命にあること)を知り、(後の)脅威となる[[主人公>主人公(MOTHER2)]]らに対してさまざまな妨害や攻撃を仕掛けてくる。
だが登場人物のセリフ中に何度か出てくる重要なワードながら、マシンそのものは[[ゲーム]]中には直接登場しない。
劇中で語られる情報がかなり少ないため不明な点が多く、ファンの間では考察や議論の対象にもなっている。
**『[[聖闘士星矢]]』
劇場アニメ第1作の敵・争いの女神エリスは「黄金のリンゴ」の力で封印されていたが、[[彗星]]レパルスの影響で復活。
星の子学園の少女・相沢絵梨衣に憑依し、配下の幽霊聖闘士を率いて[[星矢>星矢(聖闘士星矢)]]らに襲い掛かった。
後にスピンオフ作品『[[セインティア翔]]』においても登場している。
**『[[トリコ>トリコ(漫画)]]』
「ビックリアップル」という感情と表情の豊かすぎるリンゴが登場。まあトリコにはよくあること&s(){…でもない}。
IGO管轄のビックリ島では人工栽培に成功しているが、ただ収穫するよりも、ビックリというか情動を激しく揺さぶるほど美味しくなり高値がつくため、様々な手段が採られている。
最終話直前の[[トリコ>トリコ(トリコ)]]の結婚式の宴でもデザートの材料のひとつに供された。
**『[[戦姫絶唱シンフォギアG]]』
そのままズバリ『apple』という曲が登場。
『シンフォギア』世界におけるわらべ歌にして作品の世界観の背景にも繋がる歌で、最終章である『XV』では……?
**『[[仮面ライダー鎧武]]』
その名の通り、最初期の[[ロックシード]]である「禁断のリンゴロックシード」で変身する「リンゴアームズ」という[[装備>アームズ(仮面ライダー鎧武)]]が登場。アームズウェポンは[[盾]]「アップルリフレクター」と[[長剣>剣]]「ソードブリンガー」。
Vシネマ『[[鎧武外伝 仮面ライダー斬月]]/[[鎧武外伝 仮面ライダーバロン]]』において、前者では敵アーマードライダー・イドゥン、後者ではアーマードライダー・[[バロン>駆紋戒斗/仮面ライダーバロン]]が装備している。
それに先駆けて、映画『[[劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!]]』においては敵アーマードライダー・[[マルス>コウガネ/仮面ライダーマルス/仮面ライダー邪武]]が色違いのゴールデンアームズを装備した他、アーマードライダー・冠が同じく色違いのシルバーアームズを装備している。
ゴールデンアームズの武器はリンゴアームズ同様に盾「アップルリフレクター」と長剣「ソードブリンガー」だが、シルバーアームズの武器は[[錫杖>杖#id_a7b27955]]型の「蒼銀杖」となる。
そしてテレビ本編最終回でも、仮面ライダー邪武が同じく色違いのダークネスアームズを装備している。こちらの武器は大橙丸の色違い「ダーク大橙丸」。
なお、『[[鎧武外伝 仮面ライダーグリドン vs 仮面ライダーブラーボ]]』に登場したアーマードライダー・シルフィーはモチーフこそ本作に登場する架空の「ヘルヘイムの森の果実」だが、
スーツ自体はイドゥンの改造なので、カラーリングを除いた造形に関してはリンゴ(シルバー / ダークネス)アームズそのままとなっている。
加えて、同作におけるキーアイテムである&bold(){「禁断の果実/知恵の実/黄金の果実」}は、まさにアダムとイブの楽園追放に描かれたリンゴそのものである。
**『[[アイドルマスター シンデレラガールズ]]』
[[山形県]]のりんご農家出身アイドル・[[辻野あかり]]が登場(([[ゲーム]]中で彼女の言うりんごはすべてひらがなに統一されている。))。
りんごと言えば青森県や長野県が有名で、山形県の特産の果物としてもさくらんぼなどの方が知られているが、あかりは&s(){実家の宣伝のために}誇りを持って今日もふるさとのりんごを推しているのだった。
2020年には、彼女が山形県産のリンゴをPRするという内容の二次創作動画『&bold(){たべるんごのうた}』がインターネットミームを巻き起こした。
そして2022年に発表された、あかりの公式ソロ曲『トキメキは赤くて甘い』では、歌詞カードに乗らないのをいいことに&bold(){ウィスパーボイスパートで「山形のりんごはいいりんご」だとか歌ってしまっている。}ちなみにその直前で挙げているのは全部山形県で栽培されている品種&color(silver){で、他の地方の名前がついている「シナノスイート」や「つがる」についてもハブりはしないが、2番前のパートにまわしている辺りなかなかしたたか}。
また、青森県出身の工藤忍も実家からリンゴがたくさん送られてくるらしく、それを剥いている様子のカードもある。
余談だが、あかりと同期の[[夢見りあむ]]のプロフィールの体重が「&bold(){りんご沢山}」となっているが、多分前述のハローキティでも触れたプロフィールのパロディだろう。
&s(){大御所をパロってムダな火種を生む辺りがりあむたる所以である。キティさんなら笑って許してくれそうでもあるが。}
**『ヨッシーストーリー』
赤ヨッシー、ピンクヨッシーの好物として登場(他はスイカ(緑)、バナナ(黄色)、ぶどう(青と水色))。尚、スイカとバナナとメロンは分類上は野菜である為、純粋な果物はりんごとぶどうだけである。
**『[[クラッシュ・バンディクー]]』シリーズ
主人公であるクラッシュの好物として登場。
木箱の中に入っていたり、ステージのいたるところに落ちていたりして、100個集めると残り人数が1増える。
うっかりリンゴの近くでスピンして消し飛ばしてしまうのはお約束。
また、一部作品では武器として使われている。
『3』、『4』(『魔神パワー』)ではパワーアップアクションに「リンゴバズーカ((海外版においては“Fruit bazooka”となっている。))」が登場。
手に入るのはストーリー後半からだが、弾数無制限の遠距離武器として猛威をふるった。
一応上記のものはリンゴそのものではなくリンゴ型の爆弾を撃ち出しているらしいが、『2』ではエヌ・ジンとのボス戦において彼の駆るマシーンに対し&bold(){ただのリンゴをぶつけて撃退に成功している。}
精密機械を果汁まみれにすることでショートを引き起こし爆発させたのだろう、多分。
ちなみにこのボス戦でもリンゴは消費されない。
……ただし、リンゴ表記は過去の日本語版においての話。
実は長らくリンゴとされていたアレ、厳密にはクラッシュ達が暮らすウンパ・アイランドに自生する「ウンパ・フルーツ」といって、見た目はリンゴで中味は[[マンゴー]]、果肉は&color(purple){紫色}の架空の果物だったのだ。
リマスターの『ブッとび3段盛り』からは日本語版においても「ウンパ・フルーツ」と表記されるようになったが、リンゴ表記もまだ使われることがあり、混在している状態。
**『[[Fate/Grand Order]]』
スタミナ回復アイテムとして「赤銅の果実」「白銀の果実」「黄金の果実」が登場。
リンゴとははっきり言っていないが形は明らかにリンゴのそれなので、ユーザーからは「銅リンゴ」「銀リンゴ」「金リンゴ」と呼ばれている。
また、とあるイベント直前キャンペーンにおいてそれらが配布された際には[[あるキャラクター>キリシュタリア・ヴォーダイム]]のイラストが使用されていた。
だが、あまりにも脈絡が無さすぎたことがインパクトを与えたのか、彼はやがて一部のユーザーから&bold(){リンゴ農家}呼ばわりされるようになってしまった。
後にスタミナを一定量変換して貯蓄しておけるアイテム「青銅の果実」が追加。
将来のイベントの為に暇な時期のスタミナでリンゴを生産することになり、今度はプレイヤーが青リンゴ農家と化するのであった。
**『[[FLOWER KNIGHT GIRL]]』
ズバリ、リンゴをモチーフにした[[花騎士>花騎士(FLOWER KNIGHT GIRL)]]「リンゴ」が登場。
とはいえ見た目は桃色のドレスを纏った美少女で、一般的なリンゴのイメージである「赤」がほとんど使われていない。
それもそのはず、彼女はリンゴの「花」をモチーフにしたキャラなので、「実」はあまり考えられていないのだ。
……だが「赤」要素が無いわけではない。
彼女は花言葉である「最も美しい人へ」「誘惑」が強調され美しいもの……ズバリ&bold(){女の子が大好きなキャラ}となっており、美少女を見ると「むっはぁー」と誘惑され&bold(){[[鼻血]]を出す}。&bold(){赤要素はそこに詰まっている。}
この「むっはぁー」癖がとある種族との友好関係の架け橋になるのだからわからないものである。
しかし同性愛者ではなく[[両性愛]]者で、男である団長とも愛を育む。
なお鼻血以外に果実要素が皆無かと言うとそうではなく、武器は&bold(){ビームが出たり[[巨大化]]して乗り物になったりと謎が多い「箱に入った黄金のリンゴ」}である。ただし☆6ではそれを手放しビームを出すビットのような武器になる。&s(){つまりよくわからない。}
2022年6月に実装されたジューンブライトでは&bold(){自らが回ってスケートのような移動までするようになった}。もはや果物のリンゴ成分はほとんど残っていない……。
同郷に同じく赤い実をつける「ピラカンサ」がいるが「いる時間が多くて鼻血出しそうになるので我慢している」事で変な誤解が生まれている。
また[[クリスマス]]の飾りによくリンゴが使われる関係からか、そのクリスマスツリーである「モミノキ」からは心配されている。
**『ふるーつふるきゅーと!』
花騎士と同じFANZA系のソシャゲで、「果物の[[擬人化]]」をテーマとする作品『ふるーつふるきゅーと! 〜創生の大樹と果実の乙女〜』では、
[[ナビゲーター枠>ソーシャルゲームの同行キャラ]]の一人として「りんご」が登場。フルーティア達を指揮するプレイヤーの補佐を担当する。
花騎士のリンゴちゃんと違ってこちらはリンゴの実がモチーフなので、赤を基調とした服装とリンゴを模した帽子が特徴。
後に夏の水着イベントで正式にフルーティアとして実装され、現在は7バージョン存在する(水着・ハーフアニバ仕様・ウェディングドレス・創生りんご・1.5周年仕様・&bold(){ねこ})。
なお、趣味は&bold(){野球観戦}。ネタに走った時の発言は&bold(){実況J(通称なんJ)のやきう民}のそれ。
ボイスも野球を連想させるモノが多く、しかも後に&bold(){「りんごのホームランダービー」}なるコンテンツまで実装されてしまった。
なお「ふるーつふるきゅーと」&bold(){サービス終了後}の2024年8月に花騎士とコラボし、上のリンゴちゃんとも対面したが、向こうがふるふるキャラの可愛さに「むっはぁー」しちゃったのでふるふるりんごがまともに見える自体が発生した。&s(){やはりホームグラウンドの先輩には勝てなかった。}
**『[[DEATH NOTE>DEATH NOTE(漫画)]]』
[[死神]]の一人である[[リューク>リューク(DEATH NOTE)]]がリンゴを好む。
自分が元々いた世界のそれに比べて、人間界のリンゴは段違いに美味いらしく、死神界のリンゴ((萎びすぎて[[ピーマン>ピーマン(野菜)]]の様な外観となっている。))を一口齧った[[弥海砂]]は&bold(){「砂!」}と評していた。
この作品においての死神は食事の必要が無いが、人間で言う酒やタバコと同じような嗜好品で&bold(){食べないと禁断症状が出る}。
[[後年になると人間界のリンゴを献上すれば&bold(){死神大王も軽微な規律違反を見逃すようになる}>Cキラ編(DEATH NOTE)]]という死神にとってはまさしく禁断の果実となっている。
主人公の[[夜神月>夜神月(DEATH NOTE)]]にとってはこれが印象的だったらしく、序盤において「ノート」の実験をするために数人の受刑者を殺した際、[[L>L(DEATH NOTE)]]を[[挑発]]するために用意した[[暗号]](というか[[あいうえお作文]])の答えが「えるしっているか しにがみは &bold(){りんごしかたべない}」。意味がわからない警察関係者は当然憤慨していた。
なお、作中に登場した死神でリンゴしか食べないのはリュークだけで、他には[[チョコレート]]が好きな死神・シドウも登場していた。
**『ドナルドのリンゴ園』
1952年1月18日に公開された、ディズニー短編映画。
リンゴ園で働く[[ドナルドダック]]がリンゴが食べたい[[チップとデール]]とリンゴを巡る戦い(?)を繰り広げる内容である。
**『白雪姫』がモチーフのあれこれ
前述の通り、白雪姫は毒リンゴを食べて永遠の眠りについている(ご存知の通り&s(){[[ネクロフィリア>屍姦]]の}王子様のキスで生き返りますけどね)。
童話的にはリンゴ、というか毒リンゴは悪役の使うものだから良いイメージで描かれていないが、『白雪姫』がモチーフのあれこれはリンゴと関連付けられていることが多い。
例えば『[[Wonderland Wars]]』のシュネーヴィッツェンの盾はリンゴ型だったり、『[[おとぎ銃士赤ずきん]]』の白雪姫の喧嘩仲間の名前が「りんご」だったりするし、『ディズニー ツイステッドワンダーランド』の舞台となる学校にある寮の一つで、[[ディズニーの『白雪姫』>白雪姫(ディズニー映画)]]からインスパイアされた「&b(){&color(purple){ポムフィオーレ寮}}」のエンブレムは、短剣の刺さったドクロのようにも見えるリンゴである。
更にアイスクリームブランド「ハーゲンダッツ」からも「ストーリータイム 白雪姫の林檎 カスタードとともに」というフレーバーが発売されており、どうも両者の関係は深いようだ。
**『菱宮津軽』『ツガル』
『[[beatmania]] IIDX』に登場した、青森県出身のお嬢様「菱宮津軽」……をモチーフにした『[[武装神姫>武装神姫BATTLE MASTERS Mk2に登場する神姫]]』、『[[ボンバーガール>ボンバーガール(ゲーム)]]』などのコナミゲーに登場するサンタ型の武装神姫。
『[[武装神姫]]』の頃は名前の割に「リンゴ」と呼ばれることを嫌っていたが、『ボンバーガール』に登場する頃には慣れてしまったのか、趣味が「りんごの栽培」になっていた。
だがゲーム中において使うリンゴは&bold(){敵に投げつけてかなり長い間スタンさせる}という代物。仲間に食べさせて回復とか[[バフ>バフ/デバフ]]とかは一切無い。
**『[[アークナイツ>アークナイツ(明日方舟)]]』
キャラの一人「エクシア」がスキルを使う度に「&bold(){アップルパイ}!」と叫ぶ。
これは本来は“As easy as pie”、訳すると「パイを食べるのと同じくらい簡単だ」というスラングで、[[日本語]]で言う「お茶の子さいさい」である。
つまりこの掛け声が響けば&bold(){敵が血に染まりアップルパイみたいになってしまう}。
アメリカで「パイ」といえば大抵アップルパイとなるので、翻訳の過程で珍妙な台詞になってしまったのだろう。おかげでプレイヤーの間では「アップルパイ=エクシア」で通じてしまう。
……と色々と説明したが、イベントにおいて実際に&s(){銃弾じゃない}アップルパイを振る舞うこともあるので&bold(){「単に好きな食べ物の名前を叫んでいるだけ説」}もある。
**『[[パワーパフガールズ]]』
DCコミックスには、前述のキャラメルアップルを使って敵を撃退するエピソードがある。
**『[[聖☆おにいさん]]』
知恵の実ということからか、イエスはリンゴを食べると知性が高まる……というか&bold(){意識高い系}みたいになる。
[[ブッダ]]は「絡み辛い感じになる」としてこの状態を警戒し、リンゴをイエスに近付かせないようにしている。
ジャムにすると大丈夫なようだが、リンゴのお酒や&bold(){Apple社製品}からも同じような影響を受けてしまうなど、基準はよくわからない。
**『[[サザエさん]]』
[[オープニング>サザエさんのオープニング]]のラストで、磯野家の飼い[[猫]]であるタマがリンゴの中から現れて腰振りダンスを披露する。
ただしリンゴなのは冬期だけで、それ以外の季節だと別の果物になる。
**『[[Minecraft]]』
食べ物としてリンゴと金のリンゴ、エンチャントされた金のリンゴが登場。
[[オーク]]/樫の木の葉を刈る((樫の木には「[[オーク]]アップル」と呼ばれる、虫が寄生したことでできるこぶが付くことがあるが意図したものかは不明。))と時々リンゴが落ちてくることがある。
作業台で金インゴッド8個でリンゴを囲むと金のリンゴとなり、これを食べると体力増加と再生の効果が付く他、弱体化のスプラッシュポーションで弱らせた村人[[ゾンビ]]に食べさせると治療することもできる。
エンチャントされた金のリンゴは様々な構造物のチェストからのみ入手でき、ただの金のリンゴ以上の効果を得ることができる。
**『[[ぞくぞく村のおばけシリーズ]]』
見た目は舌を出したリンゴの実「ベロベロの実」が作中で何度も登場。美味しいが舌の部分は猛毒。
登場人物らがおやつやシチューの具にして食べるほか、[[ゴブリン]]一家がベロベロの木の家に住んでいる。
**『[[マクロスシリーズ]]』
『[[マクロスプラス]]』にて[[シャロン・アップル]]が登場し、『[[マクロスΔ]]』ではウィンダミアを中心にリンゴがフィーチャーされている。
ウィンダミア出身の[[フレイア・ヴィオン]]はリンゴが好物であり、作中ファンからは林檎娘と呼ばれることもある。
*○現実において
**Apple社
規模が[[デカァァァァァいッ説明不要!!>バキシリーズ]]な世界的IT企業。
あなたの周りにも同社の製品が1つはあるかもしれない。
故[[スティーブ・ジョブズ]]が社長を務めていたことでも知られる。
同社製品名「[[Macintosh>Mac/macOS]]」はリンゴ品種名「McIntosh(日本名:旭)」に由来している。
ちなみに後述のザ・ビートルズが設立した会社アップル・コーアとは、名前も事業内容も被って訴訟沙汰になったことも。
**『リンゴの唄』
1945年、戦後間もない頃に発表された並木路子歌唱の曲。
作詞者は『ちいさい秋みつけた』『[[うれしいひなまつり]]』などで有名なサトウハチロー。
素朴な歌詞とよく伸びる歌声は、当時の質の悪いラジオでもはっきりと聞こえる。
戦後をモチーフにした作品や当時を振り返る映像の中で&bold(){必ずと言っていいほど}流れる……
が、これは当時空前の大ヒットを記録したことが由来の他、当時の複雑な世相や現在の[[大人の事情]]が相当絡んでいるようだ。
「これの他にも曲はあるが使うと怒られる」というところから使われていたのが、いつの間にか戦後=この曲となっていった……というわけ。
ただし、&bold(){諸々の事情はどうあれ大ヒットしたのは間違いなく}、
これは戦時中には軍歌のような曲ばかりが流れていたのでこういう明るい曲が新鮮だったこと、戦禍に打ちひしがれている人々がこの前向きな歌詞とよく伸びる歌声に励まされたことなどが要因とされている。
元祖小説版『[[リーンの翼]]』でも、人間の明るさ・前向きさの象徴として使われた。
文化庁選定の「日本の歌100選」に選ばれ、『[[笑点]]』の大喜利の題材に使われたこともあるなど、歌い継いでいきたい名曲の一つである。
**『リンゴ園の少女』/『リンゴ追分』
1952年、美空ひばりがラジオドラマ『リンゴ園の少女』(後に美空の主演映画として実写化)の主題歌として発表した曲と、そのB面曲。
…なのだが、なぜか『リンゴ追分』の方が人気曲となり、11年後には『リンゴ追分』単体のセルフカバーシングルを発売。
曲・映画の主人公の出身地である青森にも弘前市に『リンゴ追分』の碑が立ち、美空が生前最期に紅白歌合戦に出演した際も3曲メドレーの2曲目として披露された。
内容は東京に出て来た津軽の少女が故郷や家族を思って泣く歌だが、それが人々の心をひきつけたのかも知れない。
**『ミニ・ストロベリ~パイ。』
ミニモニの『ミニモニ。ひなまつり!』のカップリング曲。ストロベリーパイとアップルパイを作る歌で、ストロベリーパイがメインで、アップルパイは2番だが一応。
**『アップルパイ・ア・ラ・モード』
『petit mirady([[悠木碧]]と[[竹達彩奈]]のデュエット)』の『恋はみるくてぃ』のカップリング曲。
タイトル通り、「アップルパイアラモード(バニラアイスを乗せたアップルパイ)」を作る歌である。
**『林檎殺人事件』
1978年に発表された郷ひろみと樹木希林のデュエット曲で、2人が共演したTBS系ドラマ『ムー一族』の挿入歌として制作された。
内容はコミカルな探偵もののパロディで(曲のコンセプト等はプロデューサーが提案したもの&s(){なので彼が自分で作詞も出来る事を知る作詞者は「自分で作れば」とも思ったそうな})、歌番組での披露時には二人が揃いの水兵服にサングラス・林檎のアクセサリーを纏っていたが、
動機として挙げられる「男と女の愛のもつれ」は、同ドラマが「&bold(){長男が家の土地主の嫁と駆け落ちしたせいで}、地主からの立ち退き要求に悩まされる足袋屋のドタバタな日常」(郷は次男役・樹木はお手伝い役)を描いている事を考えると意味深…かも知れない。
**[[椎名林檎]]
日本の女性ミュージシャン。詳しくは個別項目を参照されたし。
**『[[ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)]]』
ピコ太郎による楽曲及び動画のタイトル。
YouTubeに投稿されるや否や、瞬く間に世界中を席巻した。
詳しくは個別項目を参照されたし。
&s(){古坂大魔王?あんな奴知りません。}
**りんご娘
[[青森県]]のご当地アイドルグループ。
それぞれリンゴの品種を芸名にしており、特に王林は抜群の知名度を持ち、首都圏のテレビ番組などにも頻繁に出演する。&font(l){王林以外知らないとか言ってはいけない。}
2025年現在のメンバーは、ピンクレディ・スターキングデリシャス・はつ恋ぐりん(あおり24の商標名)・金星。2022年まで在籍していた王林・とき・ジョナゴールド・彩香(あおり9の商標名)や現メンバーの初期ユニット(りんご娘の妹分)「アルプスおとめ」と合わせ、それぞれリンゴ品種に由来する。
また平均身長170cmという高身長グループであることも特徴で、一番背が高い彩香は女性ながら177cmある。
2020年からのコロナ禍の下、[[青森県]]でもライブ活動は制限されているため、現在YouTube上での活動がメインとなっており、実際にリンゴ園の管理作業体験をしている。
**外崎修汰
[[埼玉西武ライオンズ]]に所属するプロ野球選手(内野手)。
実家は弘前のリンゴ農家「外崎りんご園」。本人もリンゴを潰せる握力の持ち主で、少年期にはリンゴをボール代わりに練習したこともある。
このバックボーンと野球選手としてのパンチ力ある打撃から、「&bold(){アップルパンチ}」という愛称が定着している。
「外崎りんご園」のオンラインショップでは生産したリンゴやそれを加工したリンゴジュースのみならず、「外崎りんご園」と大書された応援フェイスタオルも売っており、西武戦を見に行くと必ず1つは見かけるアイテムとなっている。
なお、西武では髙橋光成投手の実家も群馬県の利根川の上流部にあるリンゴ農家だが、西武でリンゴというと外崎の知名度があまりに高いため、リンゴネタで取り上げられることは少ない((2024年に外崎りんご園と髙橋りんご園のリンゴを使った球場スイーツが発売されている。))。
**[[ワルナスビ]]
実を英名では“Apple of Sodom”(ソドムのリンゴ)という。詳しくは個別項目を参照されたい。
他にも「フォックスフェイス」「キダチハリナスビ」等と言った&bold(){有毒の果実を結ぶ植物}に名付けられる。&s(){でもここで挙げたのは全部ナスビである。}
一応「ウシャル」という顕花植物の種も分類される。
旧約聖書で&s(){[[ラピュタ>天空の城ラピュタ]]}ヤハウェの裁きにより滅ぼされた背徳の街ソドムと、禁断の果実に擬せられるリンゴの名から取られている。
ちなみに上記のリンゴと同じく、[[ワルナスビ]]とフォックスフェイスも[[花騎士>花騎士(FLOWER KNIGHT GIRL)]]にもいる。
二人とも根は善人だが偽悪的といった立ち位置。
**マンチニール
縁は少し遠いトウダイグサ科だが葉と果実がリンゴとよく似ているため、スペイン語の"小林檎"を意味する名を持つ''ギネス公認・世界で最も危険な木''。
樹液などに複数の毒成分を含んでおり、木を触れた手で目に触れれば失明の危険もあり、実は甘いが食べれば喉や気管が腫れ上がって数時間は食事もできなくなって最悪呼吸困難で命を落とし、[[雨宿り]]などして木を伝った雫を浴びれば皮膚がただれ、燃やせば毒の煙が上がるなど、何から何まで毒まみれ。
**ポムフード
創作[[オムライス]]店『ポムの樹』を展開する外食チェーン。
会社ロゴマーク、及び『ポムの樹』ロゴマークは文字通りリンゴの樹をモチーフにしている。
なお発祥となったのは[[喫茶店]]『ポムドテール』。[[ジャガイモ]]の方かよ(後述)
**『リンゴ日報』(『アップルデイリー』)
香港特別行政区において2021年6月24日まで発行されていた新聞。現地表記は『蘋果日報』。
**リンゴ病
伝染性紅斑という感染症の通称。
**しりとり
お馴染みの言葉遊び。「[[しりとり]]→リンゴ→ゴリラ」と展開していくことも少なくないはず。
*余談
アイザック・ニュートンが&bold(){引力}という概念を知り、研究するきっかけとなったモノも落下したリンゴ。
だが、実はこれは&bold(){品種改良されていない大変マズい種類}で、味は渋くて食感も砂のようでとても食べられたものではなかったという。
一応、落果してしばらくすると完熟して美味しく食べられるようになるが、その代わりに日持ちしなくなるそうだ。
フィクション・リアル含めて怪力自慢がパフォーマンスに握り潰すものとしても有名だが、リンゴを片手で潰すのに必要な握力は&bold(){最低でも70kg}。
健康作用のあるハーブとして有名なカモミール(カミツレ)は、リンゴのような香りがすることで有名。
世界中で広く愛飲されているが、ギリシャ語で“chamaimelon”(カマイメロン)、「大地のリンゴ」と呼ばれ、どこの地方でもリンゴ絡みの通称や逸話があるなど、リンゴと妙に縁が深いハーブである。
フランス語で[[ジャガイモ]]は“pomme de terre”(ポム ド テール)、直訳するとこれまた「大地のリンゴ」。
縮めて“pomme”(ポム)とリンゴと全く同じ呼び方をすることもある。
なので[[フランス料理]]で「ポム」の付くものがリンゴ料理とは限らず、[[ジャガイモ]]料理の可能性もあるので注意(お菓子かおかずかで[[なんとなく]]わかるとは思うが)。
リンゴから出るエチレンガスは、植物に対して成長ホルモンとして働き、他の果物を熟しやすくすることは有名。
他のフルーツと一緒に密閉することで追熟を早められるし、逆に長持ちさせたいなら一緒に置かないか換気をしっかりしておこう。
世界的ロックバンドであるザ・ビートルズの一員リンゴ・スター。その「リンゴ」という名前だが、これは日本語の「リンゴ」とは&bold(){一切関係が無い}。
芸名を考えている際に指輪(Ring)を嵌めていたため、これをもじって“Ringo”とした。ちなみに“Starr”は“Starkey”にしたかったが、語感が悪かったので縮めたのが由来らしい。
……何を当たり前のことを、と言っているかもしれないが、もしかしたら関係があるかもと考える人が妙に多いのだ((ジョン・レノンの妻が日本人だし、ビートルズが設立した会社の名前が「アップル」だし……また「リンゴ」なんて言葉が外国語にあるとも考えにくいためか。なお、90年代の頃には、リンゴ本人が出演し「リンゴ、擦った」という一発ギャグをかます缶チューハイのCMがマジで存在した。))。
さらに00年代後半に「&s(){[[DQNネーム]]}キラキラネーム」として話題になったものに「星(あっぷる)」というネタがやたら多かったが、おそらくこの「リンゴ(Apple)・スター(星)」が名付け親の&s(){足りない}頭の中で有機的に絡み合ってしまったものと思われる。
&font(l){なお、タレントの小倉優子が若い頃に自身の故郷だと主張していた惑星「こりん星」は断じて[[千葉県]]ではなくリンゴの形をした星だそうで、また彼女の地元での真名は「りんごももか姫」だったとか。}
[[青森県]]はリンゴの生産量日本一ということから、県を挙げて同県産リンゴのPR活動に努めている。
同県内の小学生にはリンゴの下敷きが配られ、2021年2月には[[青森県]]観光企画課が「青森版『私は[[ロボット]]ではありません』画像選択の画像です。」とTwitterに画像を投稿。
これは、&bold(){ぱっと見全部同じものにしか見えない9枚のリンゴの画像からふじの品種だけを選ぶ}というもので、難易度の高さとユニークさで話題を集めていた。
&s(){[[???>中川圭一]]「全部同じじゃないですか!?」}
さらに同年11月にも、やはりぱっと見全部同じものにしか見えないリンゴの画像から同じものを集めて消してゆく落ち物パズル「&bold(){ぷよりんご}」を公開((システムはセガが公開している「ぷよぷよプログラミング」のコードをベースにしたもの。))しているなど、リンゴ県のリンゴ愛はかくも深いのだ。
#center(){#bold(){
&sizex(5){&color(#f4ea20,red){これは……?}}
&color(hotpink){プロフェッサーからの贈り物よ。さっさと追記・修正しなさい!}
&sizex(5){&color(#f4ea20,red){良いだろう……。使ってやる!}}
&sizex(6){&color(oldlace,red){カモンッ!}}
&sizex(6){&color(oldlace,RED){リンゴアームズ!}}
&sizex(6){&color(oldlace,RED){デザイア・フォビドゥン・フルーツ!!}}}
}
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- フォビドゥンフルーツ -- 名無しさん (2021-04-24 00:00:47)
- たーべるんごー たべるんごー やまがたりんごを たべるんごー -- 名無しさん (2021-04-24 00:02:59)
- おぅゴンの果実...! -- 名無しさん (2021-04-24 00:25:05)
- リンゴと聞くとあのバンディクーを思い出す。 -- 名無しさん (2021-04-24 00:59:15)
- 花粉症の時に食べると唇はれたわ -- 名無しさん (2021-04-24 01:11:51)
- 禁断の果実はイチジクでは? -- 名無しさん (2021-04-24 02:09:33)
- Apple社については書かれてないのか -- 名無しさん (2021-04-24 04:06:28)
- りんご、リンゴ、林檎と似たタグが三つあって、で出てくる記事バラバラなんだな・・・ -- 名無しさん (2021-04-24 04:24:37)
- 一口で全知全能が生まれるけど、二口目以降は…? -- 名無しさん (2021-04-24 05:36:49)
- 生での食べ方にスターカットとという輪切りにする切り方がある これだと芯のギリギリまで食べれる -- 名無しさん (2021-04-24 06:32:02)
- ↑2 我々のようなド変態が出てくる -- 名無しさん (2021-04-24 06:33:29)
- リンゴアームズの説明間違ってますやんか(リンゴアームズはバロンとイドゥン、仮面ライダーマルスはゴールデンアームズ) -- 名無しさん (2021-04-24 06:37:13)
- 「ふるーつふるきゅーと!」だとナビゲーターの女の子(のひとり)になっている -- 名無しさん (2021-04-24 08:39:38)
- キング博士「帰れ!来るな!見たくない(泣)」 -- 名無しさん (2021-04-24 10:45:24)
- ポケモンはリンゴそのものが明確に登場する以前から「たべのこし」が明らかにリンゴの芯だけ残ったやつだったりする -- 名無しさん (2021-04-24 14:14:46)
- リンゴはもともと日本在来種のワリンゴを指していた言葉で、現在のセイヨウリンゴは苹果(ヘイカ)と呼んで区別していたが、ワリンゴがほとんど栽培されなくなったことで、セイヨウリンゴをリンゴと呼ぶようになった -- 名無しさん (2021-04-24 19:16:09)
- なお現在世界で一番生産されているリンゴ品種は‘ふじ’。 -- 名無しさん (2021-04-24 19:16:58)
- 美味しい美味しいリンゴではあるが、アレルゲンのひとつ。具合の悪いことに甘みを出すために手軽なのか、そこかしこの食品に入っている。身内が大事に至るものではないがアレルギーを持っていて、これのせいで食べるものを選ぶ選ぶ。 -- 名無しさん (2021-04-25 00:12:02)
- 握力リンゴ破壊は爪をくいこませるように潰せばそこまで握力が強くなくてもいける。ボブ・サップみたいに指で包み込んで潰すには怪物じみた握力が必要 -- 名無しさん (2021-04-25 04:35:51)
- ドライフルーツにするとビタミンC増えるという面白い食材 大航海時代に知られてたら色々変わったんだろうなぁ -- 名無しさん (2021-04-25 05:44:55)
- ポケモンの人物でミカンやメロンはいるけどリンゴはまだいないね。 -- 名無しさん (2021-04-25 13:01:04)
- 果物項目が3つ並んでランクインしてんの面白すぎでしょ -- 名無しさん (2021-04-25 13:08:45)
- そのうちドリアンとかさくらんぼ、ブルーベリーあたりの果物、フルーツも出てきそうなほどの勢い -- 名無しさん (2021-04-25 16:37:15)
- ようこそ…「男の世界」へ… -- 名無しさん (2021-04-25 19:54:23)
- そういやガリガリ君はどの味もだいたいリンゴ果汁が入ってるな。袋を見比べて驚いた記憶がある -- 名無しさん (2021-04-25 20:02:00)
- Apple社のパソコン、Macこと「Macintosh」もリンゴの品種名から取られている。リンゴ品種‘Macintosh’は日本に導入されたとき‘旭’という名前で栽培されている。明治時代に導入されたリンゴは日本で名前をつけ直しているのが多い。‘Jonathan’→‘紅玉’とか -- 名無しさん (2021-04-26 20:32:28)
- たいした手間じゃないのに、なぜウサギさんリンゴはああもテンションが上がるのか。 -- 名無しさん (2021-04-27 08:25:19)
- メジャーな果物すぎて関連作品に入れるべきか迷ってしまうな。ハローキティの身長体重とか力石の減量とかミドリマキバオーの好物とかふぞろいの林檎たちとか ラブジェネレーションのガラス林檎とか林檎殺人事件とか -- 名無しさん (2021-04-28 00:59:12)
- マイリトルポニーのアップルジャックはないのか -- 名無しさん (2021-04-28 10:16:03)
- りんご娘のYou Tube番組『産地直送日本最高!』は見ているとだんだんりんご娘が好きになってくるし、最近はDASH村のようなリンゴ農地開拓まで始めたので今後が楽しみ -- 名無しさん (2021-05-03 11:30:14)
- 「ニュートンのリンゴ」が物語の鍵を握るジャンプ漫画がなかったっけ? -- 名無しさん (2021-07-07 11:31:40)
- ↑ ハングリージョーカー -- 名無しさん (2021-07-16 23:56:09)
- いつ食っても美味い -- 名無しさん (2021-07-17 00:30:36)
- 途中送信しちまったorz 食後のデザートで出されても真っ先に食うレベルで好き 布団から出る気力なくてもこれがあるとオカンから聞かされたら飛び起きるレベルで好き -- 名無しさん (2021-07-17 00:32:34)
- 子供が罹るリンゴ病なんてのもある -- 名無しさん (2021-07-17 06:19:37)
- 聖書関係でリンゴが間違って取り上げられた理由→「りんご」と「罪」が、ラテン語では同字異音であるゆえに取り違えられた。どっちも "malum" と綴る。 -- 名無しさん (2021-08-15 01:35:37)
- 知恵の実は黄金のリンゴってのが定説やね、じゃあ生命の実は? -- 名無しさん (2021-08-15 21:44:47)
- トリコにビックリアップルってなかったっけ -- 名無しさん (2021-11-07 13:26:19)
- 「果物の王様」って称号はドリアンよりこっちの方が合ってる気がする -- 名無しさん (2022-05-21 18:04:58)
- 青森はりんごでぷよぷよも作ってたな… -- 名無しさん (2022-08-07 13:41:06)
- ビートルズの会社の青りんごマークはマグリットの絵画「視聴室」が由来らしい。 -- 名無しさん (2023-10-07 14:08:13)
- 初代たまごっちで「ゲームで発見2」のオリジナル設定だけどむしっちの食べ物の一つにりんごがあって、一部のむしっち(イモっち、ちょびタマっち、カブトっち、ふたごアリっち、ムシばっち)がりんご好き。後、ミニモニの「ミニストロベリーパイ」や、他のユニットで「アップルパイ・ア・ラ・モード」って曲があって、りんご(アップルパイ)の事を歌ってる。どうぶつの森でも定番の特産の一種。 -- 名無しさん (2024-02-07 11:10:00)
- 人間の手で掴むのに丁度いいサイズで皮ごと丸かじりできるのが創作映えしやすいと思う。 -- 名無しさん (2024-07-22 12:05:54)
- この項目以外もそうだけどお菓子のこと詳しく書いてくれる方助かる。すごく美味しそう -- 名無しさん (2024-10-04 12:24:07)
- アンパンマンとりんごちゃん(それいけ!アンパンマン) -- 名無しさん (2024-10-05 10:15:28)
- リンゴそのものとはちゃうけど、ジョニー・アップルシードって人がいる。その昔、アメリカでリンゴを植えながらキリスト教を布教した伝説的人物だそうな。絵本やアニメの題材にもなったとか。 -- 名無しさん (2025-03-14 18:55:40)
- >リンゴが赤いのは実は農家さんが紙袋やビニール袋で保護することによって艶を出しているため それ着色系という色付きが悪い品種が主な時代の話。長野県ではほぼ絶滅しています(※継続しているのは個人客や業者(農産物直売所や道の駅の法人出店者)の要望で非着色系の古い品種を栽培している農家だけので)。今の継続しているのは青森県含む東北の一部だけです(北海道は道の試験場独自開発品種と”ふじ”の着色系に切り替えられていまして、研修に行った約20年前の時点で皆無です)。>赤くない方がうまいのに、赤くなきゃ売れない 色々前提や前段階を説明しなければならないので単刀直入に言うと消費者(これは実はりんご農家のも当てはまる※後述)が外観の悪い個体を敬遠するので市場(道の駅含む)には一定の外観の良い個体しか出回らないから。格外(かくがい、工業製品と同じで規格外の規が省略される場合が少なくない)は個人経営系の直売所や一部の道の駅やご当地スーパーで安く販売しているので知っている人が少なくないはず。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:20:03)
- ↑の続き。>固く糖度が低く酸味が強い果実が多くなりがち これも単刀直入に言うと正しくない。りんごの硬度は標高と栽培地の気温に左右される。高標高地でも気温が高ければ高度は同じ標高で気温が低い栽培地より柔らかい。南信(長野県南部)と北信(長野県北部)の同じ標高のりんごを食べ比べしてみは分かる。・・・で、では北に行くほど硬いのかというと北海道は逆に寒すぎて硬いが糖度が低い(なので農業試験場独自開発の品種と着色系かつ寒冷地でも糖度が高くなる”ふじ”に切り替わった。補足すると近年の温暖化で、東北も含め品種開発の動向が変化している)。←前述の農家も含むのはその為でもある。自分で食べるのなら、個人差はあるが固く甘い方が良いし、自分で栽培してない品種は外観の良い個体を選んでしまう傾向は非農家の消費者と同じ。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:22:50)
- ↑の続き②。表面のワックスは非”ふじ”以外の品種では完熟する前から、かなり出る(長野県独自開発品種ではシナノゴールドがその例。ゆえにワックスが充分出ても収穫する目安とはならない趣旨がJAや農家指導を行う試験場から必ず回ってくる)。そもそもワックスは果樹なら程度の差はあれ、果実に発生している。果粉に覆われていたり、人間の手では分からないというだけ。補足②着色系は”ふじ”以外にもある。左記の温暖化に対応する為、夏場に高温でも着色する品種に開発と普及がシフトしている(着色系でも台替わりしている。より着色するモノ→より着色し、より甘いモノ→温暖化でも着色するモノという具合※実際は耐病性や耐害虫性も込みなので両通している系統の数が50年農家やっても把握できないほどある)。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:25:51)
- 追記。>ちなみにリンゴの実生苗は物凄く大きく成長してしまうため 若干違う。耐病性と耐害虫性がかなり劣る為。それ以前に義務教育の授業で習った通り、実生ha -- 名無しさん (2025-06-13 18:35:49)
- 途中でエンターを押してしまったので続き。実生は片親は分からない交雑種なので”ふじ”の種を植えても、その実の”ふじ”にならない。市販のスイカや桃を食べた後にその種子を植えた結果と同じ。元の品種より糖度が落ち外観も異なる果実が発生する。昔も今も受粉はほぼ昆虫頼り。ゆえに果樹の実は片親は不明。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:42:46)
#comment(striction)
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}
&font(#6495ED){登録日}:2021/04/23 Fri 23:44:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 32 分で読めます
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
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//凍結回避のため歌詞をステルスにしました。
//#center(){#bold(){&sizex(5)
//{&color(pink){&color(red){リンゴ}は浮かんだ
//お空に……}}
//&sizex(5){&color(pink){&color(red){リンゴ}は
//落っこちた 地べたに……}}
//}}
&bold(){リンゴ/りんご}とは、バラ科リンゴ属に属する植物で、またその木が生やす果実のことも指す。
漢字では「&bold(){林檎}」と書き、[[英語]]では“&bold(){apple}”(アップル)、[[フランス語]]では“&bold(){pomme}”(ポム)という。
なお、本項目では以下基本的にカタカナで表記するが、固有名詞の中の表記がそうでない場合については原表記ママとする。
#openclose(show=・目次){
#contents
}
*概要
&bold(){フルーツの代表選手の一角で、世界各地で栽培され食される}。
実は球体。品種にもよるが表皮は赤色や黄緑色などをしており、薄く柔らかいものの手では剥きづらいので一般的な果物ナイフを使うとスムーズだろう。ピーラーを使うのもあり。果肉は概ね淡黄色で果汁が多く少し歯応えがあり、程よい甘酸っぱさが楽しめる。
&bold(){人類の歴史とは切っても切れない関係の深い果物で、とても長い付き合い。紀元前にはすでに栽培されて食されていたと言われている。}
原産地に関しては諸説あるが、中央アジアのコーカサス地方からイランなどの西アジアの寒冷な地域が発祥とする説が有力。
そこから16世紀頃にヨーロッパに広まり、17世紀前半にはアメリカ大陸にも持ち込まれて広まった。
[[日本>日本国]]には既に平安時代頃には中国から伝わっている。だが、現在食べられているリンゴとは少し違った種類(ワリンゴという品種で明治時代までリンゴの主流)で、我々の食卓でお馴染みのリンゴは明治時代頃に[[アメリカ>アメリカ合衆国]]から伝わったもの(セイヨウリンゴという品種) 。
原産地の関係上寒さには強い一方で、暑さには弱い果物なので寒冷な気候の国や地域で盛んに栽培されている。
生産量が多い国はアジアにおいては中国、北米大陸においてはアメリカ、ヨーロッパにおいてはポーランドと、どこも寒冷な地域の多い国という共通点がある。
日本においては[[青森県]]が主な名産地で、次いで[[長野県]]、[[岩手県]]、[[山形県]]といったように、やはり寒冷な気候の県で栽培が盛んな傾向が見られる。
ちなみに、実は我が国は他の国に比べるとリンゴの品種が充実していて品質のレベルも高いし、おまけに手に入りやすい。最高じゃん。
日本のリンゴのレベルの高さは、生産量世界一の品種が、日本の青森県藤崎町で育成されたふじであることからも窺い知れる。
多くの品種が自家不和合性であるリンゴは『他家結実』であるため、果実目的で育てる場合には別の品種の苗木(近い遺伝子を持つ品種では駄目)が必要となる。
また開花時期の違う品種の場合は花粉を保存しておいて人工授粉する必要がある。
ちなみにリンゴの実生苗は物凄く大きく成長してしまうため、苗木として販売されているものは多くがマルバカイドウなどを台木とした接ぎ木苗となっている((またそもそも種子から育てる実生苗では他品種の花粉による受粉が必要なリンゴでは品種が変わってしまうし、挿し木や取り木では発根しないため接ぎ木でないと増やせない。))。
また丸葉台でも樹体は大型になり管理が難しめとなるため、よりコンパクトな樹形の需要には矮性台木についだリンゴが用いられる。
矮化リンゴは支柱が必要、(経済)寿命が長くて30年程度、一本当たりのコストが高いなどのデメリットはあるものの、作業効率や収穫始めが早いなどのメリットも多いものとなっている。
実の表皮はロウ物質の膜で覆われており、成熟するにつれてリノール酸やオレイン酸などの脂肪酸が増えてロウ物質を溶かし、光沢やべたつきが見られる「&bold(){油あがり}」とも呼ばれる状態になって、完熟後も保温や水分を保つ役目をしている。
言い換えればこれが完熟して食べ頃になったサインとも言える……が、リンゴの種類によってロウ物質の分泌量が異なるようで、ジョナゴールド、つがる、千秋などではよく見られるが、ふじや王林ではあまり見られない。
触った感じは固いが意外とデリケートで、少しぶつけただけでその部分が黒くなり、そこからやがて腐ってしまう。
また、バラ科の植物なので野生種には茨のような鋭い棘が生えており、我々人類が食べている改良種にもその名残らしき部分がある。
ちなみにあまり知られていないが実は種には&bold(){[[毒]]}((同じバラ科の生の[[梅>ウメ]]や[[アーモンド]]と同じ青酸配糖体アミグダリン。))が含まれており、摂り過ぎると&bold(){死に至る}危険性もあるとのこと。
&color(#F54738){赤い}ものの代名詞としてもよく引き合いに出される。赤いものといえば他にも「血液」「共産主義にまつわるあれこれ」など数多いが、リンゴは肯定的な印象を持つものとして使われる。
身近なところでは、真っ赤な顔をした子どもを「リンゴのようなほっぺ」と表現することも。
&s(){さすがに「旧ソ連の旗のようなほっぺ」なんて同志でもない限り言わないだろう?}
このことから、子どもの疑問に答えるような応答集には「リンゴは何故赤いの?」という質問がよく出ている。
だがこれの答えが「光の波長についての説明(赤い光だけを反射するから)」という[[物理学]]方面からの説明、「アントシアニン色素についての説明(赤色の色素が含まれているから)」という生物学方面からの説明がありまちまち。
よって、この区別がつかない子どもにとっては「本によって書いてあることが違うじゃん!&s(){もう大人なんて信じられないよ!}」と、大いに悩みの種になりうる。
また、果物をモチーフにした絵画には、その鮮やかな赤みが色合いにメリハリを与えるのでよく登場する。
なお、赤いのは主に皮で果肉は白いリンゴがほとんどだが、皮が&font(#ffdc00){黄色}っぽい品種や、果肉部分もうっすら&color(pink){ピンク}に色付く品種、皮と同じく&color(red){真っ赤}に色付く品種もある。
ちなみに、リンゴが赤いのは実は農家さんが紙袋やビニール袋で保護することによって艶を出しているため、という話もある。
この作業は「袋掛け」といい、一度日光を当てずに肥大させた果実に一気に日光を当てることで均一に、また果皮色に青み(葉緑素)が減った状態で赤くなるため、鮮やかな赤色になる。
一方で日光に当たる時間が無袋栽培より短いため、固く糖度が低く酸味が強い果実が多くなりがち。
一時期よく話題になったリンゴ農家さんの話では「赤くない方がうまいのに、赤くなきゃ売れない」なんて文言がよく出てくるのは、袋掛けをすると糖度が低くなる傾向があることを指していると思われる。
もっとも、袋掛けをせずとも色が付きやすい品種もあるため、あくまでもふじの中での話と取ったほうが良いだろう。
また、ある時期には子ども向けの本で「○○(品種名)の方がおいしいのにふじが支配的になった」というものがやたら出ていた。
ともあれ、何やらリンゴは農家さんにとっては特別なものなのかもしれない。
*伝承・童話におけるリンゴ
歴史の古い果物の一つであることから、ヨーロッパなどの地域における伝承にもよく登場する。
中でも有名なのは旧約聖書における話だろう。アダムとイブが蛇に唆されて食べてしまいエデンの園を追い出されるきっかけとなった&bold(){知恵の実}、或いは&bold(){禁断の果実}はこれだと言われている。
ただし、これはどうやら誤訳されたものが広まってしまったらしく、本来は[[バナナ>バナナ(果物)]]、あるいはイチジクだったのではないか、とする説がある。((ちなみに古代中東の言葉でバナナはイチジクと呼んでいた。ややこしい!))
何故なら、エデンの園があったとされるペルシャ湾沿岸地域では気候的にリンゴが育つはずがないからだ。
「リンゴの木の下でイブは産みの苦しみをなし」を「リンゴの木の下から墜落した」と誤訳して「リンゴのせいで追放された」と解されるようになったらしい。
[[ギリシャ神話]]や北欧神話においては、&color(gold){&bold(){黄金のリンゴ}}が重要なアイテムとして度々登場し、英雄などがこれを取り戻す、或いは盗み出すといった話が多い。
ギリシャ、北欧の両神話それぞれにおいての解釈は微妙に異なるとはいえ、特別な力を宿した神聖なものということは共通している。
だが、これらの伝説にも異論があり、リンゴとは言うものの、実際は別の果物だったとする説も近年浮上している。
例を挙げるとすれば、単なるオレンジだったり、ブドウやメロンだったり……と諸説ある。&font(l){ん?[[オレンジとバナナとブドウとメロン?>仮面ライダー鎧武]]}
また、『[[白雪姫>白雪姫(童話)]]』において、魔女が白雪姫に食べさせて永遠の眠りにつかせた道具として&bold(){&font(#915da3){毒リンゴ}}も登場している。
そして、スマホゲーム『[[ディズニー ツイステッドワンダーランド]]』の登場人物である&bold(){&color(purple){エペル・フェルミエ}}は毒リンゴをモデルにしている。
*楽しみ方
生食も加工も調理もなんでもござれ。
*【そのまま】
**生
種と芯を取り除き皮も剥き、そのままシャリシャリ食べる。
&font(l){何?皮が付いたままの方が好きだって?}
無農薬栽培かちゃんと洗ってあるという前提で、なおかつ顎と歯が強い人ならそのままバリバリ食べることもできなくはない。
でも当てはまらない人はちゃんと剥きましょう。歯を痛めるかもしれないし、先にも書いたように種には毒があるからうっかり食べても危ないし。
皮はちょっとだけ残して[[ウサギ]]さんのお耳みたいにすれば、かわいい[[幼女]]もいかついオッサンもニッコリすること間違いなし。
また、歯茎が弱いと簡単に出血するので、歯茎が健康かどうかのチェックにもよく使われる。
&s(){おかしいな、皮剥いたのにこのリンゴ真っ赤だよ……?}
ちなみに、カットしてしばらく経つとポリフェノールの酸化により変色して見た目が悪くなってしまうが、防ぐにはレモン汁など何かしら水分を掛けると良い。
ただし、ずっと水分につけていると味が落ちるので、ほどほどに。
市販のカット済リンゴには大抵そういう処理がされているはず。
*【飲料として】
**ジュース(果汁)
ミキサーに掛けるなどしてリンゴジュースにしたり、バナナと同じようにスムージーにしたりして飲む。風邪っぴきさんにもすりおろしたものがオススメ。離乳食にもなる。
ジュースにする際には、変色を防ぐためにレモンを入れるのをお忘れなく。
[[&s(){後述の通り怪力自慢がパフォーマンスに握り潰して作ることも。ジュースにするには「割る」のではなく「絞る」ことになるため、凄まじい握力が必要。}>握る(技)]]
**リンゴ酢ドリンク
リンゴ果汁を発酵させて作られたリンゴ酢を水・牛乳・炭酸水・ジュースなどの飲み物で希釈して飲む。
お好みで蜂蜜を加えても良し。米酢などの酢にリンゴと砂糖を漬ければ手軽に自家製リンゴ酢が作れるぞ。
&bold(){ただし原液で飲むのはNGな。胃を痛めてしまいます。}
**お酒
リンゴのお酒であるシードルは、フランスのブルターニュ地方のものがつとに有名。
ちなみに、シードルを英語読みしたのがお馴染みのサイダー。スペイン語読みだとシドロ。
更にシードルを蒸留させたものをアップル・ブランデー、中でも特定の地域で作られた物をカルバドスと呼ぶ。
他にもリンゴのリキュールが作られている。
果実酒の要領で作るリンゴ酒、[[ワイン]]に漬けるサングリア、リンゴを漬け込んだ[[ウイスキー]]なら家庭でも作って楽しめる。
**[[紅茶]]
淹れた紅茶にリンゴの皮を漬ける、あるいは皮を煮詰めたお湯で紅茶を淹れればリンゴの香り溢れるアップルティーになる。
皮も果実も入れれば香りだけでなく甘味も強くなる。
*【リンゴを使ったお料理あれこれ】
シナモンが振り掛けられることが多い。
**リンゴ飴
アメリカ発祥。生のリンゴまるまる一つに持ち手になる棒を刺し、飴でコーティングした&s(){大雑把}シンプルなあれ。
日本の縁日や欧米のハロウィンでもお馴染み。
**キャラメルアップル
こちらもアメリカ発祥、リンゴ飴の亜種。
掛かっているのがキャラメルソースであること以外はリンゴ飴とほぼ同じもの。
**焼物
焼きリンゴといえば、まるごとリンゴの芯をくり貫き、そこにバターと砂糖を入れてオーブンなどで焼いたものが定番。
それだと食べづらい、芯をくり貫くのが面倒な方には、リンゴを適当な大きさにカットしてソテーにするのがおすすめ。
お好みでシナモン、[[レーズン>レーズン(食品)]]、洋酒、バニラアイスクリームを入れてみても。
**煮物
リンゴは砂糖水で柔らかく煮るコンポートの代表格。
他にも[[サツマイモ>サツマイモ/さつまいも]]と煮れば甘味とリンゴの酸味がマッチしてこれもまた美味。
焼物のようにレーズンを入れる場合もある。
[[デザート]]感覚のおかずになるし、タルトの具にするのもアリ。
簡単に作れるということで、家庭科の調理実習や[[小学校]]の部活動なんかで作った人もいるのでは?
あと、ワイン煮もいける。
フランスでは、煮崩れるまで甘く煮たリンゴが離乳食にもされている。
**揚げ菓子
&bold(){アップルフリッター}
リンゴに衣を付けて揚げる菓子は欧米でありふれていて、発酵生地が使用されることもある。
芯を取り除いて輪切りにしたリンゴを衣(薄力粉・砂糖・卵・牛乳・洋酒・[[塩]])に浸し、植物油で揚げるかバターオイルで揚げ焼きにする。
洋酒の候補は、カルヴァドス、コニャック、白ワイン、アマレット、ラム酒などで、バニラオイルやオレンジフラワーウォーターで代用される例もある。
また衣には、レモンの搾り汁やすり下ろした皮を加えたり、[[天ぷら]]と同様に[[ビール]]を足す場合もある。
仕上げにシナモンシュガーか粉砂糖を振りかけるが、ドイツではヴァインシャウムという[[白ワイン]]入りのクリームを添えることもある。
&bold(){アップルサイダードーナツ}
アメリカ北東部で秋の風物詩となっているドーナツ。
リンゴ果汁入りのケーキドーナツ生地で、仕上げにシナモンシュガーを振りかける。
スパイスや蜂蜜を入れたホットアップルサイダーと供されることも珍しくない。
&bold(){エーブルムンカー}
デンマークのイーストドーナツ。
カルダモン入りの発酵生地を揚げた後で、リンゴのピュレかフィリングを詰めている。
仕上げに粉砂糖かシナモンシュガーを振りかける。
&bold(){アプフェル・クラプフェン}
ドイツやオーストリアのイーストドーナツで、アプフェル・ベルリーナーと呼ばれることもある。
クラプフェン用の発酵生地(ゲルムタイク)を薄く延ばしてバニレクレメ(カスタードクリーム)を塗り、リンゴの角切りとレーズンをのせてシナモンシュガーを振り、巻いて輪切りにする。
最終発酵を済ませてから揚げて、粗熱が取れたら粉砂糖を塗す。
&bold(){アルマーシュ・ファルシャンギ・ファーンク}
ハンガリーのイーストドーナツで、クラプフェン(ベルリーナー・プファンクーヘン)の親戚。
レモン果汁やシナモンなどが塗されたリンゴの角切りを発酵生地に包み、最終発酵を済ませてから揚げて、粗熱が取れたらプードルデコールかバニラシュガーを塗す。
リンゴだけではなく、アプリコットジャム、刻んだ胡桃、レーズン類などと一緒に包む場合も多い。
&bold(){フライドアップルパイ}
折り込みパイ生地にリンゴのフィリングを包んで揚げた長方形か半月形のアップルパイ。
リンゴのフィリングだけでなくカスタードクリームと一緒に詰める場合も多い。
家庭向けのレシピだとパイシートを春巻の皮で代用する例も見られる。
&bold(){リソル・オ・ポンム}
発祥地はフランスのミディー・ピレネー地方とされているが、ロレーヌ地方やサヴォワ地方などにも広まっている。
パート・ブリゼ(練り込みパイ生地)に加熱調理したリンゴを餃子の様に包み込み、揚げて油を切ってから粉砂糖を振り掛ける。
広まった先では、形状が変化していたり、揚げずにオーブンで焼くことも珍しくない。
アメリカでもペンシルベニアダッチ(アーミッシュやメノナイトらドイツ系移民の子孫)が、リソル・オ・ポンムとほぼ同様のアップルフライパイを揚げている。
**焼菓子
&bold(){アップルパイ}
砂糖で煮たり砂糖漬けにしたりしたリンゴを、パイ生地に詰めて焼いたパイ菓子。
シナモン風味のリンゴをふんだんに使っている。アイスクリームを添えたらアップルパイアラモードになる。
イギリスではウエンズリーデイルチーズ、アメリカのニューイングランドではチェダーチーズを添えることもある。
リンゴ自体の甘味もあるので甘ったるさを感じることもしばしば。
シナモンを振り掛けるのが当たり前になっているが、それのせいで嫌いという人も多いかも。
既製品だと除くのは難しいだろうが、注文が入ってから焼くお店ならシナモン抜きにしてもらえる可能性があるので、まずは店員さんと交渉してみるのも手。
アメリカでは家庭料理として広く知られた味。%%欧米か!%%
あちらで単に“pie”と言えば大抵アップルパイのことだし、“as American as applepie”(直訳すれば「アップルパイのようにアメリカ的だ」)なんてイディオムまである。
アメリカもイギリスと同様にダブルクラストタイプが主流で、シングルクラストにシュトロイゼルを組み合わせた物はダッチアップルパイと呼ばれることが多い。
アメリカには、なんとリンゴを使わないアップルパイまでもが存在する。
モック(Mock=紛い物)を冠するアップルパイは19世紀の頃から記録されていて、元々はリンゴが採れない時期で保存食のドライアップルすらも尽きた場合に作る苦肉の策だった。
世界大恐慌の頃には値段が吊り上げられたリンゴよりもクラッカーの方が安価で手に入ったため、当時のナビスコ社がリッツの箱に載せていたレシピは一般家庭の救世主となった。
塩気のするクラッカーをレモン果汁と酒石酸水素カリウムが入ったシロップに浸して食感や食味を再現し、レモンゼストとシナモンで風味も誤魔化している。
何も伝えず冷めない内に試食させたら、今日でも本物だと騙されてしまう人が出てくる程で、現在も愛好者によって作り続けられている。
フランスにはブルドゥロやラボット、ベルギーにはロンボス、ドイツやオーストリアにはアプフェル・イン・シュラフロックと称するリンゴを丸ごと詰めたアップルパイが存在する。
フランスではクレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)の上に薄切りのリンゴを倒れたドミノのように並べた長方形のアップルパイをバンド・オ・ポンム(バンドは帯を意味する)、
円形の生地にコンポートを詰めて折り畳んでから木の葉模様を刻んだアップルパイをショーソン・オ・ポンム(ショーソンは上履きを意味する)と呼んでいる。
&bold(){タルトタタン}
フランス発祥のタルト生地のケーキ。やっぱりシナモン風味のリンゴをry
ちなみに、タタンというのは考案したとされる人の苗字。また、実は最初はアップルパイとして作ろうとしたら失敗してしまい、これを何とか活かそうとしてみた結果生まれたものらしい。
フランスでは、バニラアイスか生クリームを添えるのが一般的。
&bold(){シブースト}
これもフランス発祥だが、上記のタルトタタンとは違いパイ生地(パート・フィユテかパート・ブリゼ)、またはスポンジ生地のケーキ。
リンゴとクレーム・シブーストというクリーム(カスタードクリームとイタリアンメレンゲの組み合わせ)を重ね、表面をキャラメリゼしたもの。
なおクレーム・シブーストを主役にした菓子がシブーストと称されるため、果物はリンゴじゃなくても良く、洋梨が使用される場合も多い。
#openclose(show=▼他のパイ・タルト){
&bold(){アップルフロレンティーンパイ}
イギリスにおけるオックスフォードシャー州のクリスマス用アップルタルト。
型にリンゴの薄切りを敷き詰めて、砂糖類とレモンゼストを散らし、ラード入りのショートクラストペストリー(練り込みパイ生地)を被せて焼く。
仕上げにいったん生地を外して、エール、シナモン、ナツメグ、クローブ、砂糖類から作るホットスパイスエールを注ぎ、生地は三角形に切り分けてから戻す。
ラードはショートニング、砂糖類はゴールデンシロップ(ライトトリークル)で代用可能。
&bold(){バンベリーアップルパイ}
イギリスにおけるオックスフォードシャー州バンベリーのアップルタルト。
リッチショートクラストペストリー(砂糖入りの練り込みパイ生地)を使うダブルクラストタイプ。
型に生地を敷き詰めて、レモン果汁を塗したリンゴ、オレンジ果汁に漬けたカレンツかサルタナ、刻んだ柑橘類のドライピール、デメララシュガーかブラウンシュガー、
スパイス(ジンジャー・シナモン・ナツメグ)を重ね、バターの角切りを散らすか溶かしバターを振りかけて、生地を被せたら、牛乳か溶き卵を塗り、デメララシュガーを振って焼く。
フィリングは具材を重ねず、和えてから詰める場合もある。
&bold(){ウィルフィラタルト}
イギリスにおけるヨークシャー地方のアップルタルト。
ウィルフリッドケーキとも称し、ウィルフリッドウィークに作る習慣があったものの、現在は廃れてきているという。
リッチショートクラストペストリーを使うダブルクラストタイプで、2/3は底生地、1/3はフィリングを覆うための生地にする。
生地を敷き詰めた型に、リンゴの薄切りとデメララシュガーを重ね、ウエンズリーデイルチーズをすりおろし、生地を被せ、牛乳か溶き卵を塗り、デメララシュガーを振って焼く。
フィリングの甘味料はデメララシュガー以外に、グラニュー糖、ブラウンシュガー、ゴールデンシロップなどを用いることもある。
&bold(){タルト・フィーヌ・オ・ポンム}
フランスの薄焼きタルト。
極薄に延ばしてピケで穴を開けた折り込みパイ生地(パート・フィユテ)に、クレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)かクレーム・ノワゼット(ヘーゼルナッツクリーム)を薄く塗り、
薄切りにしたリンゴを並べて切れ端は中央にのせて、カソナードかグラニュー糖を振って焼き、仕上げに緩めたアプリコットジャムか蜂蜜を塗る。
カルヴァドス、アルマニャック、シナモンパウダー、バニラシュガーなどで香り付けするレシピも存在する。
発酵生地を使用するタイプも存在する。
クロワッサン生地にブレンダーで攪拌したリンゴのピュレを塗り広げ、薄切りにしたリンゴを並べて最終発酵も済ませたら、表面に溶かしバターを塗り、グラニュー糖を振って焼く。
&bold(){タルト・ペイザンヌ・オ・ポンム}
フランスの伝統菓子で、ペイザンヌは田舎風を意味する。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼ)を底生地とし、アーモンドクリーム(クレーム・ダマンド)を絞り入れて、リンゴの拍子切りか皮付きの櫛形切りを盛り付け、砂糖類を振って焼く。
使用する砂糖類はバニラシュガーやシナモンシュガーなどで、またリンゴは盛り付けるだけでなくアーモンドクリームを絞り入れる前にフィリングとして敷くこともある。
&bold(){タルト・ノルマンド}
フランスのノルマンディー地方における郷土菓子。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼ)か折り込みパイ生地(パート・フィユテ)かブリオッシュ生地を底生地とし、櫛形切りにした生のリンゴを敷き詰めて、
クレームエペス(サワークリームよりも乳脂肪分が低く酸味も弱いクリーム)、アーモンドパウダー、全卵、グラニュー糖、カルヴァドスから作るアパレイユを注ぎ、オーブンで焼く。
&bold(){タルト・グラン・メール}
フランスのノルマンディー地方における郷土菓子。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼ)か折り込みパイ生地(パート・フィユテ)かブリオッシュ生地を底生地とし、
キャラメリゼ化したリンゴの拍子切りを敷き詰めて、クレームエペス、全卵、卵黄、グラニュー糖、バニラオイルから作るアパレイユを注いで焼く。
&bold(){タルト・オ・シュクレ・イポール}
フランスのノルマンディー地方におけるイポール銘菓。
空焼きした練り込みパイ生地(パート・シュクレ)に、カルヴァドスとグラニュー糖を振りかけてオーブンで焼いたリンゴの薄切りを敷き詰めて、
クレームエペス、卵黄、グラニュー糖、カルヴァドスから作るアパレイユを注ぎ、アーモンドフレークを散らしてから焼く。
&bold(){タルト・アルザシエンヌ・オ・ポンム}
フランスのアルザス地方における郷土菓子。
リンゴではなく洋梨やベリー類など別の果物を用いたり、シュトロイゼルも散らす場合もある。
練り込みパイ生地(パート・ブリゼかパート・シュクレ)を底生地とし、リンゴの櫛形切りを並べて、
生クリーム、アーモンドパウダー、全卵、グラニュー糖、シードルから作るアパレイユを注いで焼く。
仕上げにグラニュー糖入りの牛乳を塗るか、プードルデコールを振る。
&bold(){ガレット・デ・ロワ・ア・ラ・ポンム}
ノルマンディー地方やブルターニュ地方のカレット・デ・ロワ。
通常のガレット・デ・ロワは折り込みパイ生地(パート・フィユテ)にクレーム・フランジパーヌ(アーモンドクリーム+カスタードクリーム)かアーモンドクリームを詰めるが、
同地方では代わりにリンゴのコンポートを詰めていて、アーモンドクリーム(クレーム・ダマンド)も一緒に詰めるバリエーションも存在する。
&bold(){アッペル・ボル}
オランダやベルギーで作られているベイクドタイプのアップルダンプリング。
皮を剥いて芯もくり抜いたリンゴに、アーモンドペーストとシナモンシュガーを詰めて、パイ生地で覆って溶き卵を塗り、グラニュー糖かパールシュガーを塗してから焼く。
レーズン類やナッツ類も詰める場合もある。
&bold(){アッペルクーフ}
ルクセンブルクにおけるアップルタルトの一種。
底生地は小麦粉:バター:牛乳の配合比が2:1:1の練り込みパイ生地で、少量のグラニュー糖、微量の塩、ベーキングパウダーも含まれている。
リンゴの薄切りを生地の上に並べ、卵、牛乳、グラニュー糖から作るアパレイユを注いで焼いたら、緩めたアプリコットジャムを塗り、粗熱が取れたらシナモンパウダーと粉砂糖を振る。
なお、クレッツェンという練り込みパイ生地を使用したダブルクラストタイプのアップルタルトは、アッペルクラッツェンと呼ばれている。
&bold(){アプフェルシュトゥリューデル/クルスタッド・オ・ポンム}
アプフェルシュトゥリューデルはオーストリアやドイツの伝統菓子で、トルコのバクラヴァがルーツとされている。
旧オーストリア領でドイツ系住民が多いイタリア北部の南ティロル地方にも根付いていて、中身をベリー類に変更した物も好まれている。
透けて新聞の字が読める程に薄いシュトゥリューデル生地で何層にもリンゴ主体のフィリングを包んで焼き上げる。これもやっぱりシナモン風味のry
幸運の象徴である馬蹄形に成形したアプフェルシュトゥリューデルは18世紀のオーストリアで人気を博し、マリア・テレジアも好んで食したと伝えられている。
シェーンブルン宮殿の地下厨房跡に併設されているカフェ・レジデンツでは、試食も楽しめる実演ショーを開催していて、ウィーン観光の名物にもなっている。
ポルトガルにもパステイシュ・デ・テントゥガルという同種の菓子はあるが、中身はドース・デ・オヴォシュ(卵黄とシロップで作るクリーム)に置き換わっている。
フランス南西部には、起源が同じクルスタッド・オ・ポンム(トゥルティエール・オ・ポンム/パスティス・オ・ポンム)というパイの一種が存在する。
アプフェルシュトゥリューデルとの違いは巻き込まず、フィリング(ファルス)とバターを塗ったパートフィロ生地を交互に重ねて、一番上の生地はひだを寄せて覆う点である。
またフィリングにはリンゴのソテーとクレーム・ダマンド([[アーモンド]]クリーム)を使用するが、プルーンやクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)を加えることもある。
香り付けにシナモンではなくアルマニャックを使用し、ソテーを作る時にフランベしたり、ドライプルーンを戻す時に吸わせたり、焼成前に少々振りかける。
シュトゥリューデル生地もパートフィロ生地も、小麦粉・卵・ぬるま湯・油・塩から作れるが、極薄に延ばすのは少々面倒である。
よってメーカーの既製品を購入するか、日本の家庭向けレシピだと春巻きの皮で代用されることも多い。
&bold(){アプフェル・ベゼークーヘン}
ベゼーは、ドイツでメレンゲを意味している。
ミュルベタイク((小麦粉・バター・純粉糖の基本的な配合比が3:2:1のビスケット生地を指していて、レシピを調整してタルト用の練り込みパイ生地やシュプリッツゲベック用のクッキー生地として使用する。))かブレッタータイク(折り込みパイ生地)を土台にして、リンゴのピュレとナッツのキャラメリゼ、卵白と純粉糖を泡立てたベゼーマッセの順に重ねてから焼く。
キャラメリゼ以外にバニラクレメなどのクリームと組み合わせたり、稀ながらパイ生地ではなくヘーフェタイク(発酵生地)を使用する場合もある。
&bold(){シュヴェービッシャー・アプフェルクーヘン}
シュヴァーベン地方のアプフェルクーヘン。
ミュルベタイクかブレッタータイクを土台にして、ケーキクラムやパンクラムなどのブルーゼルを敷き、リンゴの角切りか櫛形切りを並べ、フラン液を注いで焼く。
フラン液にクワルク(フレッシュチーズ)やザオレザーネ(サワークリーム)などを混ぜたり、仕上げでアプリコットジャムを塗らずに表面をキャラメリゼ化させるアレンジレシピもある。
&bold(){ゲデクター・アプフェルクーヘン}
ゲデクターは、ドイツ語で“隠された”や“覆われた”を意味している。
底生地のミュルベタイクを空焼きし、リンゴのフュルンク(ピュレ+ラムレーズン+ヘーゼルナッツパウダー+ブルーゼル)、生のミュルベタイクの順に被せ、表面に溶き卵を塗って焼く。
仕上げはザルツヴェーゼル風バウムクーヘンと同様で、熱い内に温めたアプリコットジャムを塗り、乾いたら緩めたフォンダンかグラスアロー(キルシュ+粉砂糖)を塗って固まるまで待つ。
&bold(){ヴィーナー・アプフェルトルテ}
オーストリアのアップルタルト。
型の内側にミュルベタイクを貼り、ビスクヴィットマッセ((別立て法で作るドイツやオーストリアのスポンジケーキで、小麦澱粉(浮き粉)も使用するが、バターなどの油脂類は入れない。))の薄切り、生のリンゴとレーズン類、バニレクレメの順に敷き詰めて、ミュルベタイクで蓋をし、表面に溶き卵を塗って焼く。
仕上げの工程はゲデクター・アプフェルクーヘンと同様で、ローストナッツをトッピングすることもある。
&bold(){ピテ・ディ・メーレ}
イタリア北東部にあるフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州カルニア地方の伝統菓子で、生地に卵を混ぜ込まないアップルタルト。
固形ではなく溶かしバターを使ったグラッパ入りの練り込みパイ生地で、レモンゼストやベーキングパウダー、場合によっては生クリームも加える。
リピエーノ(詰め物)は、薄切りにした野生の赤リンゴ、砂糖類、レーズン類、刻んだ胡桃、松の実、レモン果汁、シナモンを混ぜ合わせて作る。
底生地の上にリピエーノをのせて、もう一枚の生地で覆って蒸気の抜け穴を除いて塞ぎ、オーブンで焼いて粗熱が取れたら泣かない粉糖を振る。
&bold(){ヤブウェチュニク}
ポーランドのアップルタルトで、シャルロトカと呼ばれることもある。
土台となる生地はクルーハかプークルヘで、クルーハはフランスのパート・サブレに相当し、プークルヘはサワークリームとベーキングパウダーも加える。
生地は分けて、片方は耐熱容器に敷き詰めてリンゴのフィリングをのせたら、もう片方の生地で覆ってから焼く(※生地で覆う前にメレンゲを広げることもある)。
覆う生地については、クラム生地のように細かくして散らすか、千切ったり切り分けて落とし込むか、底生地と同様に薄く延ばしたまま被せるなど、レシピによって異なる。
粉砂糖は焼成前に振る時もあれば、焼成後の仕上げとして掛ける場合もある。バニラアイスとホイップクリームの両方を添えることも多い。
&bold(){ヤブレチュネー・ジェジー}
チェコのリンゴを使ったパイケーキ。
パート・シュクレに近い練り込みパイ生地を二分して薄く延ばして、片方は底生地とし、粗くすりおろしてグラニュー糖やバニラパウダー/シナモンパウダーと和えたリンゴを詰めたら、
もう片方の生地を被せてフォークで表面に穴も開け、溶き卵を塗ってオーブンで焼成し、溶かしバターを塗って粗熱が取れてから泣かない粉糖を振る。
&bold(){ハラベンチェニー・ジェジー}
チェコのリンゴを使ったパイケーキ。
パート・サブレに近い練り込みパイ生地を二分して薄く延ばして、片方は底生地とし、粗くすりおろしてグラニュー糖やバニラパウダー/シナモンパウダーと和えたリンゴ、
ラムレーズン、刻んだローストナッツを一緒に詰めて、メレンゲ(卵白+純粉糖+コーンスターチ/薄力粉+アップルビネガー/白ワインビネガー)を広げて均したら、
冷凍庫で休ませてピザ用チーズのようにおろしたもう片方の生地を散らし、オーブンで焼成して粗熱が取れてから泣かない粉糖を振る。
&bold(){カリンニク}
生クリームとチェリーパウダー入りの練り込みパイ生地に、セイヨウカンボクと青リンゴのピュレを詰めて焼いたロシアのタルト。
加糖練乳とホワイトチョコレート入りのグレーズが掛けられていて、裾の部分には砕いたピーナッツや胡桃などのローストナッツを塗している。
本来はセイヨウカンボクのみ詰めていたが、後から青リンゴが追加された形で、生地もライ麦粉主体で今日の様にリッチじゃなかったという。
&bold(){スコティッシュ・アップルプレート}
ダービーショートケーキの応用。
ショートブレッド生地に、溶き卵、少量の牛乳、粗めにすりおろしたリンゴを混ぜて薄く延ばし、
型に敷き詰めてフォークで穴を開け、リンゴの薄切りを並べ、溶かしバターを塗ってからシナモンシュガーを振りかけて焼く。
&bold(){アップルダフ}
ベイクドタイプのアップルダンプリング。
リンゴの芯をくり抜き、ブラウンシュガー、バター、スパイス、お好みでレーズンやナッツ類も詰めて、パイ生地で覆って焼く。
バニラアイス、ホイップクリーム、ミルクバターソース(バター+砂糖+牛乳)などを添える。
パイ生地ではなく発酵生地を使うレシピもある。
&bold(){アップルスノウボール(※ベイクドタイプ)}
イギリスにおけるベイクドプディングの一種。
リンゴの芯をくり抜いてマーマレードを注ぎ、ラードかバターを使った練り込みパイ生地で覆ってから焼き、仕上げにグラスロワイヤルを掛ける。
ラードの代わりにショートニングを用いる場合もある。
&bold(){アップルプディング(※ベイクドタイプ)}
イギリスの古風なベイクドプディング。タルトレット用の型で焼いた小振りなサイズも存在する。
茹で潰したリンゴに、砂糖類、溶き卵、柑橘類の果皮、溶かしバターを混ぜ合わせて、折り込みパイ生地を敷き詰めた型に流して焼く。
溶き卵の卵黄の比率を高めたり、フィリングに牛乳や柑橘類の果汁やレーズン類なども加えたり、洋酒やローズウォーターなどで香りを付ける場合がある。
煮詰めたリンゴに、モスコバドシュガー、溶き卵、溶かしバターを混ぜ合わせて、パン粉を敷き詰めた型に流し、パン粉で覆ってバターの欠片を散らして焼くアレンジもある。
&bold(){マールボロプディング}
アメリカの古風なベイクドプディングだが、イギリスのアップルプディングが原型だとされている。アマーストプディングで類似するレシピも見られる。
リンゴの果肉をリンゴ果汁で煮詰めて冷まし、砂糖類、全卵か卵黄、溶かしバター、生クリーム、塩、レモン果汁とすりおろした果皮、ワインかシェリー酒と混ぜ合わせたら、
折り込みパイ生地を敷き詰めてすりおろしたナツメグも散らした型に流して焼く。メレンゲを被せてオーブンに戻し、メレンゲに焦げ目が付くまで焼く例もある。
なおフィリングには、粉砕したクラッカー、シナモンなど他のスパイス、ローズウォーターを加える場合もあるという。
&bold(){アルマーシュ・ピテ/プラチンタ・ク・メレ}
ハンガリー/ルーマニアのアップルパイで、パイとパンの中間的な生地を用いる。
テイフル/スムントゥーナ(サワークリーム)入りの生地で、古いレシピだとバターやベーキングパウダーではなくラードやイーストが使われていた。
型に生地を敷き詰めて、粗めにおろしたリンゴのフィリングを広げて均し、もう一枚の生地を被せて溶き卵を塗り、焼成後に粗熱が取れたから粉糖を振る点は共通している。
アルマーシュ・ピテは、底生地にパン粉か刻んだローストナッツを散らす手順もあり、プラチンタ・ク・メレと違ってフィリングに加熱調理を施さない。
}
#openclose(show=▼コブラー・クランブル系){
&bold(){アップル・コブラー}
リンゴのフィリングにアメリカンビスケットかスコーンの生地を被せて焼いた菓子。
アメリカンビスケットはクイックブレッドで、薄力粉/中力粉・グラニュー糖・ショートニング/ラード/無塩バター・バターミルク/牛乳・食塩・ベーキングパウダーから作る。
焼く前にシナモンシュガーを振ったり、食べる時にアイスクリームかホイップクリームを添えることもある。
&bold(){アップル・パンダウディ}
アップル・コブラーの一種ともされていて、バニラアイスを添えて提供されることが多い。
リンゴ果汁・モラセス・コーンスターチなども使用したリンゴのフィリングに、縦横が2.54~5.08cmサイズの正方形に切った練りこみパイ生地を鱗状となるよう被せて焼いた菓子。
モラセスをメイプルシロップかブラウンシュガー、コーンスターチを小麦粉で代用したり、リンゴ果汁を生クリームに変更したり、生地がクリームビスケットタイプのレシピも存在する。
世界大恐慌の頃にはスキレットで調理し、後述するアップル・ブラウンベティと似たような代物を作る節約レシピも編み出された。
&bold(){アップル・クランブル}
リンゴのフィリングにシナモンパウダー入りのクランブル(クラム生地)を被せて焼いた菓子。
クランブルは薄力粉/中力粉・グラニュー糖/ブラウンシュガー・無塩バターをすり混ぜる粒状の生地で、薄力粉の一部をアーモンドパウダーに置き換えたり、食塩や膨張剤も足す場合がある。
カスタードソースかアイスクリームかホイップクリームを添える。
英国大使館がcookpadでレシピを公開している。
&bold(){アップル・クリスプ}
アップル・クランブルの一種。
生地にロールドオーツ(オートミール)やナッツ類(胡桃/アーモンド/ココナッツ/マカダミアナッツなど)が加わるので、より香ばしく仕上がる。
アイスクリームやホイップクリーム以外に、プレーンヨーグルトを添えても美味しい。
&bold(){アップル・ブラウンベティ}
アップル・クランブルの一種で、パイに分類されることもある。ブラウンベティプディングとも称した。
リンゴとクラム生地を交互に重ねて予熱したオーブンで焼くが、最初はアルミホイルの蓋をした状態で20~30分くらい焼いて、リンゴに火が通ったら外して10~15分ほど焼く。
リンゴは賽の目切りにするか摺りおろして、レモン果汁とシナモンシュガーを塗す。レモン果汁はリンゴの変色防止用だが、リンゴの品種によっては足りない酸味を補う役割もある。
クラム生地は、摺りおろしたフランスパンかパン粉を使う場合は熱したフライパンでバターを溶かして炒り、グラハムクラッカーを用いる場合は粉砕して溶かしバターを染み込ませて作る。
無糖のホイップクリームかアイスクリームを添えて食べることも多い。温かいキャラメルソースをかけることもある。
かつては、レーガン大統領夫妻の好物として知られていた。
&bold(){ハッセルバックスエップレン}
スウェーデンの家庭菓子で、ハッセルバックスポターティスの意匠を取り入れたスムールパイ・メード・エッペル(スウェーデン版アップル・クランブル)。
リンゴの芯を除いて何等分かに切り分けて、皮は剥かないまま切れ込みを入れて耐熱容器に並べ、溶かしバターを塗ってから砂糖類を振り、焼きリンゴに加工する。
オートミール、砂糖類、繋ぎの小麦粉、シナモンやカルダモンなどのスパイス、溶かしバター、刻んだローストナッツが混ぜ合わさったクラム生地を被せて、再びオーブンで焼く。
ヴァニリエクレーム(緩めのカスタードクリーム)やバニラアイスクリームを添えて食べる。
&bold(){ベールを被った農家の少女}
ドイツ北部(シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州)を含む北欧の[[デザート]]で、トライフルに分類されることもある。
デンマークではエーブルケイ(アップルケーキ)とも称していて、現地の料理店に訪れた日本人観光客を混乱させることもある。
リンゴのピュレとキャラメリゼを交互に重ねて、ベリーソース(※無い場合は省略可能)と無糖のホイップクリームを被せれば完成する。
キャラメリゼはお手軽に済ますならパン粉、本場に近付けるなら全粒粉パンかプンパニッケル(黒パン)、健康を多少意識するなら燕麦のフレークを使用する。
パン粉や燕麦のフレークはそのまま、全粒粉パンかプンパニッケルは砕くか摺りおろし、砂糖と混ぜた溶かしバターを染み込ませてからオーブンで焼くかフライパンで炒って冷ます。
リンゴではなく洋梨あるいはその両方をピュレにしたり、キャラメリゼにナッツ類やシナモンを加えたり、ホイップクリームに刻んだ[[チョコレート]]などを添える場合もある。
デンマーク大使館がオールドファッション・アップル・トライフルという料理名でレシピを公開しているので、ご家庭で試したい方は参考にされると良いだろう。
&bold(){スコンスク・エッペルカーカ}
スウェーデンにおけるスコーネ地方の伝統菓子。
伝統的なレシピだとカーヴリング(ダークシロップ入りの黒パン)由来のパン粉を使うが、現在はクネッケブロード(ライ麦粉から作る堅焼きのフラットブレッド)なども用いられる。
生地は、パン粉を砂糖類やシナモンなどのスパイスと合わせてバターで炒めてキャラメリゼするか、粉砕したクネッケブロードに溶かしバターと砂糖類とスパイスを混ぜて作る。
バターを塗った型に、生地、スイートタイプのエッペルムース(リンゴのピュレ)、レモン果汁が塗された薄切りのリンゴを層状に重ねていき、最上段は生地にする。
バターの欠片を散らすか溶かしバターを振り掛けてオーブンで焼き、冷めない内にヴァニリエクレームやホイップクリームを添えて食べる。
なおエッペルムースを使用しないレシピでは、リンゴにレモン果汁を塗さなかったり、生ではなく加熱調理する場合もある。
&bold(){ガトー・デュ・ヴェルジュ・ノルマン}
フランスのノルマンディー地方の伝統菓子で、古くなったパンをパン粉に加工して使用する。
バターを塗った型へリンゴとグラニュー糖を混ぜたパン粉を交互に敷き詰めて、最上段のリンゴまで載せたら澄ましバターを掛けてオーブンで2時間くらい焼く。
アプリコットジャムを添えて食べる。
}
#openclose(show=▼ケーキ系){
&bold(){ランバージャックケーキ}
オーストラリアやニュージーランドで好まれているケーキ。
カナダやアメリカが発祥地ではないかと言われているが、実際のところ不明である。
刻んだデーツを熱湯と重曹で戻して汁ごと、すりおろしたリンゴとともに、シュガーバッター法で作った生地に混ぜて型へ流し、オーブンで焼く。
キャラメルココナッツ(ココナッツファイン/ココナッツシュレッド+ブラウンシュガー+バター+生クリーム)を生地の上に延ばし、表面がカリカリになるまで焼く。
粗熱が取れたら、泣かない粉糖(プードルデコール)を振る。
&bold(){ウエスト・カントリー・アップルケーキ}
イギリスの家庭菓子で、イングランド南西部(ドーセット、サマセット、デヴォン、コーンウォールなど)で作られている。
リンゴは角切りか薄切りか、シュガーバッター法かフラワーバッター法か、スパイスやレモンやドライフルーツの有無、
小麦粉の一部をアーモンドパウダーあるいはバターの一部をヨーグルトに置き換えるか否か、焼く前に純粉糖かデメララシュガーを振るか否かなど、レシピは千差万別。
同種のドーセットプディングは古いレシピだと、バターではなくケンネ脂を入れていて、香り付けにはオレンジが使用されていた。
クロテッドクリームかカスタードソース、あるいはアイスクリームを添える時もある。
&bold(){アップルサイダーケーキ}
発泡性のシードルを使用するケーキで、ベーキングパウダーと炭酸ガスの相乗効果で生地がよく膨らむ。
もっとも煮詰めてアルコールを飛ばすレシピも一般的で、こういった場合は香り付け程度に留まっている。
&bold(){イヴズプディング}
グラニュー糖とレモン汁が塗された薄切りのリンゴを底に敷き詰め、生地を流し入れてオーブンで焼いたケーキ。
通常はバターケーキ生地を使うが、薄力粉の代わりにパン粉を混ぜた別立て法のスポンジ生地を用いる例もある。
生のリンゴではなく、アップルパイやアップルタルトのように加熱調理したフィリングを敷き詰める場合もある。
原型のレシピだとケンネ脂を使用するスエットプディングだった。
他の材料は、刻んだリンゴ、粉チーズ状のパン粉、レーズンとカラントのブランデー漬け、砂糖類、塩、溶き卵、シナモン、ナツメグ、クローブで、
混ぜ合わせた物をプディングクロスに包んで茹でて、食べる時にはワインソースを添えたという。
ワインソースは最も簡素なレシピだと、無塩バターと純粉糖を練り混ぜたバタークリームに温めたワインを少しずつ足して湯煎しながらかき混ぜて作る。
&bold(){ゴッシュ・メレー}
イギリスのチャンネル諸島に属するガーンジー島の伝統菓子。
小麦粉にケンネ脂かガーンジーバターを合わせて粒状にし、スパイス、砂糖類、リンゴ、溶き卵を入れて混ぜ、牛乳か水で生地を延ばし、型に流して焼く。
ガーンジークリーム(ガーンジー島産の生クリーム)やアイスクリーム、カスタードソースなどを添える。
&bold(){アップルグラント(※ペンシルベニアダッチ流)}
アメリカの伝統菓子。
何種類かレシピはあるが、敷き詰めたリンゴに生地を被せて焼く点は共通している。
リンゴは生のまま使うか、加熱調理してモラセス風味かバタースコッチ風味のフィリングにする。
生地はイエローケーキ系かクリームビスケット風で、イエローケーキ生地の上にクラム生地をトッピングする例もある。
バニラアイスかホイップクリーム、あるいは両方を添えることもある。
&bold(){アップルバックル}
アメリカのトレイベイクで、焼成後に粗熱が取れたら長方形に切り分ける。
イエローケーキ生地の上に生か加熱調理して冷ましたリンゴをのせて、アップル・クランブルかアップル・クリスプで使われるクラム生地を散らして焼く。
リンゴはのせないで、イエローケーキ生地に混ぜ込む場合もある。
&bold(){オザークプディング}
アメリカのミズーリ州にあるオザーク高原が菓子名の由来で、トルーマン大統領の好物としても知られている。
バター未使用で小麦粉の使用量も卵の約1/3と少ない共立て法の生地に、微塵切りにしたリンゴとローストして刻んだピーカンナッツを混ぜて焼いたデザート。
ラム酒で香り付けした無糖のホイップクリームを添えて食べる。
&bold(){アップル・スタックケーキ}
アメリカのアパラチアにおける伝統菓子。
ソルガムシロップ入りの生地とアップルバターを交互に重ねたレイヤーケーキで、ドライアップルで飾りつけたり、粉砂糖を振っている。
アップルバターは、ドライアップルをリンゴ果汁で煮詰めて、お好みでソルガムシロップを足し、ブレンダーで滑らかになるまで混ぜて作る。
&bold(){アップルソースケーキ/アップルバターケーキ}
アメリカの伝統的なケーキで、同国の6月6日はアップルソースケーキデーとされている。
アップルソース入りのバターケーキ生地あるいはオイルケーキ生地で、ドライフルーツ、ドライピール、ナッツ類、スパイスなども混ぜ込むことが多い。
キャラメル風味のフロスティングと相性が良い。
アップルソースではなく、アップルバターを使用した場合はアップルバターケーキになる。
アップルソースもアップルバターもケーキに入れる油脂類の使用量を抑えられるので、健康志向のアメリカ人に好まれている。
&bold(){ケンタッキー・ダービー・パンケーキ}
ピーカンプラリネ(シナモンとナツメグで香り付けしたピーカンナッツのキャラメリゼ)を盛り付けて、ソルガムシロップを掛けたパンケーキ。
パンケーキの生地は無糖で、バーボンウィスキーと加熱調理したリンゴのすりおろしを入れている。
上記とは異なる組み合わせもあり、リンゴを使わない場合がある。
&bold(){アプフェルクーヘン}
ドイツやオーストリアにおけるリンゴを使った焼き菓子の総称。
バターケーキ生地の他に、練り込みパイ生地(ミュルベタイクやマイレンダータイク((ミュルベタイクよりも小麦粉の割合が少なく、ベーキングパウダーを必ず使用する。)))、折り込みパイ生地(ブレッタータイク)、発酵生地(ヘーフェタイク)なども土台にされる。
カスタードクリーム(バニレクレメ)やアーモンドクリーム(マンデルクレメ)やキャラメルアーモンド(ロストマッセ/フロレンティーナマッセ)などと組み合わせたり、
汁気の多いリンゴの詰め物にブルーゼル((生地を粉砕したクラムのことで、センメル、プンパーニッケル、ヴィーナーマッセ、ビスクヴィットマッセ、ビスコッテンマッセなどの余り物を加工する。))を混ぜ込んだり、クランブル(シュトロイゼル)を散らしたり、といった風に多様である。
&bold(){アルトドイッチャー・アプフェルクーヘン}
リンゴを使ったドイツのケーキで、小麦澱粉(浮き粉)入りのバターケーキ生地と薄切りのリンゴを組み合わせている。
スポンジケーキ型を使うトルテ、パウンドケーキ型を使うザントクーヘン、天板を使うシュニッテンのタイプに分かれる。
型の内側や生地の表面にアーモンドを貼り付けたり、仕上げにアプリコットジャムを塗って糖衣掛けすることもある。
&bold(){アプフェルブロート}
リンゴを使ったドイツのローフケーキ。
主な材料は、リンゴ、小麦粉類、蜂蜜か砂糖類、ローストナッツ、ベーキングパウダー、シナモンなどのスパイス、塩で、卵は使用しない。
生地には、レーズン類や洋梨やイチジクなどのドライフルーツ、リンゴ果汁、レモン果汁、レモンゼスト、洋酒、ココアなどを加える場合もある。
乾燥材料を除いた材料は合わせて半日くらい寝かせて、乾燥材料をふるい入れて粉気が無くなるまで混ぜ、油脂類を塗ったローフ型(パウンド型)に流して焼く。
好みの厚さに切って、バターやアプリコットジャムを塗って食べる。
&bold(){アプフェル・バウムクーヘン}
リンゴのシロップ煮を包み込んで焼き上げた[[バウムクーヘン]]。
コットブス風バウムクーヘンのように、バウムクーヘン生地にシナモン、カルダモン、クローブ、ナツメグなどのスパイスを加える菓子店もある。
アップルパイと同様に、バニラアイスクリームやホイップクリームを添えても美味しい。
&bold(){アプフェル・ヌストルテ}
リンゴとナッツ類を組み合わせたオーストリアのレイヤーケーキ。
アーモンドパウダー入りのビスケット生地、ヘーゼルナッツと胡桃入りのバタースポンジ生地、バニラ風味のバタークリーム、加熱調理したリンゴ、キャラメルアーモンドの組み合わせで、
ビスケット生地やバタースポンジ生地には酸味の利いたアプリコットジャムが塗られていて、しつこ過ぎない絶妙なバランスに仕上がっている。
ヌストルテの派生形だが、スイスの伝統菓子として有名なエンガディナー・ヌストルテとは異なるタイプである。
&bold(){ガトー・アンビジブル・オ・ポンム}
2010年代に流行したフランスのケーキで、生地と果菜がほぼ一体化している。
卵:グラニュー糖:小麦粉:牛乳:無塩バター:リンゴの配合比は4:2:3:3:2:16で、他にベーキングパウダーや僅かな塩、リンゴと相性の良いスパイス、レモンゼストも加える。
極薄切りのリンゴ((リンゴの酸味が足りない場合は、レモン果汁をふりかける。))にオールインワン法の生地を絡めて、バターを塗ってグラニュー糖も塗した型に余さず移し、170~180℃のオーブンで焼いて冷めたら、お好みでプードルデコールを振る。
グラニュー糖をブラウンシュガーで代用したり、小麦粉の一部をアーモンドパウダーに置き換えたり、焼く前にアーモンドフレークを散らしても好い。
&bold(){ブール・ノルマンド・オ・ポンム}
フランスのノルマンディー地方における郷土菓子。
卵黄とグラニュー糖を泡立てて小麦粉と粉気が無くなるまで混ぜたら、メレンゲ、カルヴァドス漬けのカラント、リンゴの賽の目切りを加えてさっくりと混ぜ、型に流して焼く。
仕上げにプードルデコルを振り、クレームフレーシュを添えて食べることが多い。
&bold(){スフレ・ノルマンド}
フランスのノルマンディー地方における郷土菓子。
バターを塗って純粉糖も塗した型に、カルヴァドス風味のスフレ生地を流し、キャラメリゼ化したリンゴとカルヴァドスに漬けたビスキュイ(フィンガービスケット)を交互に重ねる。
オーブンで焼いて、仕上げにプードル・デコルを振る。
&bold(){ヴィトレ}
フランスのブルゴーニュ地方ヴィトレにおける郷土菓子で、現在は廃れつつあるレイヤーケーキ。
アーモンドパウダー入りのスポンジ生地であるビスキュイ・ジョコンドかビスキュイ・オ・ザマンドに、キャラメルやクレーム・フレーシュと合わせたリンゴのフィリングを挟み、
生地の上面に純粉糖と混ぜ合わせた卵白を塗り、アーモンドスライスを貼り付けて純粉糖も振ったら、オーブンで焼き色を付ける。
&bold(){グエロン・オ・ポンム}
フランスのベリー地方(シャラント地方)における郷土菓子で、リンゴのバターソテーをコニャックやピノー・デ・シャラントでフランベしている。
オールインワン法で作るバターケーキ生地か、溶かしバターをヨーグルトで置き換えた生地を、リンゴのバターソテーと混ぜ合わせて、バターを塗った型に流して焼く。
&bold(){マトファン・オ・ポンム/クラピオ・ド・ポンム}
マトファン・オ・ポンムはフランス南東部など、クラピオ・ド・ポンムはノルマンディー地方で呼ばれている。
角切りか薄切りあるいは粗くすりおろしたリンゴを使ったパンケーキで、バニラシュガーを振ってオーブンで焼くこともある。
フライパンで焼いた場合は、仕上げに粉砂糖かグラニュー糖を振る。
&bold(){エプレカーケ}
リンゴを使ったノルウェーのケーキで、パイ生地を使うアップルパイやアップルタルトも含まれる。
ホームメイドのクラシックなレシピは、他の欧米諸国でもありふれたバターケーキ生地とリンゴの組み合わせである。
焼成後も瑞々しさを残せるよう、リンゴを煮詰めたりソテーにしないことは多いが、加熱調理したリンゴと一緒に詰めるアレンジレシピもある。
&bold(){エッペルカーカ}
リンゴを使ったスウェーデンのケーキ。同国で11月10日は、エッペルカーカの日とされている。
大抵のレシピはバターケーキ生地とリンゴの組み合わせで、粗挽きカルダモンやシナモンを使用するとスウェーデン人好みになる。
ヴァニリエクレーム(緩めのカスタードクリーム)を添えることが多い。
スウェーデン大使館がX(元twitter)で、オールインワン法のバターケーキ生地で作るレシピを転載している。
&bold(){エッペルトスカ}
エッペルカーカとトスカカーカを合成したスウェーデンのケーキ。
ちなみにトスカとはイタリアのトスカーナを指していて、フランスの伝統菓子フロランタンと同じ由来である。
シナモンを振りかけた酸味の強いリンゴと甘く香ばしいキャラメルアーモンドが組み合わさったバターケーキは、コーヒーとの相性が抜群である。
&bold(){クローナンスカーカ}
リンゴとジャガイモを使ったスウェーデンのケーキ。
小麦粉をマッシュポテトとアーモンドパウダーで代用していて、リンゴは刻んで生地に混ぜるか薄切りを生地の上にのせた状態で焼く。
仕上げに粉砂糖を振り、ローロルダ・リンゴン(リンゴンベリージャム)やホイップクリームを添える。
&bold(){ウグンスパンカーカ・メ・エッペル}
スウェーデンにおけるパンケーキの一種だが、生地は膨張剤未使用でクレープに近い。
バターが塗られた耐熱皿にパンカーカ生地を注いで、櫛形切りのリンゴを並べ、シナモンシュガーを振ってからオーブンで焼く。
ローロルダ・リンゴンやホイップクリームを添える。
&bold(){エーブルスキーバー}
デンマークのクリスマスで、グルッグ(ホットワイン)とともに供されるパンケーキ。
小さめの[[たこ焼き]]器に取っ手を付けたようなムンクパンと呼ばれる鋳鉄製の調理器具を使って焼く。
カルダモンとレモンゼストで風味を付けたバターミルク入りの生地に、リンゴのフィリングかエーブルグロッドを詰めている。
もっとも現在はリンゴを詰める習慣が殆ど廃れていて、粉砂糖を振ってベリー系のジャムを添える伝統だけが残されているという。
ちなみは、生地はベーキングパウダーや重曹などの膨張剤を使う場合とイースト入りで発酵させる場合がある。
&bold(){ラツーシュキ・ス・ヤブウカミ}
ポーランドの小振りなパンケーキで、2種類の作り方がある。
仕上げに粉砂糖を振ったり、ジャムやサワークリームなどを添えて食べる点は共通している。
膨張剤を使用する場合。
卵黄はグラニュー糖、卵白は塩と一緒に泡立てる。
泡立てた卵黄に、小麦粉・バニラシュガー・ベーキングパウダー・重曹、バターミルク/ヨーグルト&牛乳、メレンゲの順で加えてその都度混ぜる。
生地に粗くおろしたリンゴを加えて、澄ましバターか植物油で揚げ焼きにする。
生地を発酵させる場合。
小麦粉とバニラシュガーを合わせて窪ませたところに卵を落とし、イーストやグラニュー糖を溶いた温かい牛乳を少しずつ注ぎながら混ぜて、1時間くらい発酵させる。
生地に刻んだリンゴを加えて、澄ましバターか植物油で揚げ焼きにする。
&bold(){マコヴィェツ・ヤポンスキィ}
ポーランドのケーキだが、菓子名にjapońskiが入っているせいか日本発祥だと誤解されていることもある。
牛乳で煮て磨り潰したブルーポピーシード(ケシの実)と粗くおろしたリンゴを加えたシュガーバッター法のバターケーキ生地で、チョコレートがコーティングされている。
ちなみに一般的なマコヴィェツは、発酵生地にケシの実入りのフィリングを巻き込んで焼いた伝統菓子で、マコヴィェツ・ヤポンスキィとはかなりかけ離れている。
&bold(){ヤブルコヴィ・ペルニーク}
チェコのリンゴ入りジンジャーブレッド。
液状材料(全卵、植物油、牛乳/バターミルク)とグラニュー糖をよく溶いて粗目にすりおろしたリンゴと混ぜ合わせて、お好みで刻んだローストナッツ類も加えたら、
乾燥材料(小麦粉、ココアパウダー、ジンジャーブレッド用スパイス、ベーキングパウダー/ベーキングソーダ)を篩入れて粉気が無くまで混ぜたら、型に注いでオーブンで焼く。
生地が冷めたら、無塩バターと合わせて湯煎したダークチョコレートで表面をコーティングし、チョコレートが固まったら完成である。
&bold(){シャルロートカ}
リンゴを使ったロシアのケーキで、ゴースチ・ナ・パローゲと呼ばれることもある。
型にリンゴを敷き詰めて、スメタナ入りの生地を注ぎ、焼成後に粗熱が取れたら粉砂糖を振る。
リンゴは加熱調理の有無を問わず、シナモンやカルダモンなどのスパイスと組み合わせる。
生地はスメタナを省略したり、バタースポンジにアレンジされる場合もある。
ちなみに昔のレシピでは、古くなった黒パンを使用している。
黒パンのクラスト(皮・耳の部分)はオーブンで水分を飛ばしてパン粉に加工し、澄ましバターを染み込ませる。
クラム(中身・内層の部分)は二つに分け、片方は薄く切ってプディング液(卵・生クリーム・純粉糖・スパイス・洋酒)に浸してから、バターを塗った型の内側に貼り付ける。
もう片方は細かくして残ったプディング液や刻んでコーンスターチを塗したリンゴとよく混ぜて型に入れたら、パン粉で覆ってリンゴの薄切りを被せ、ブラウンシュガーを振って焼く。
元々はイギリスのウィム・ワムから発展したアップル・シャーロットを基にして編み出されたシャルロット・パリジェンヌ(シャルロット・ア・ラ・リュス)だったらしいのだが、
昔のレシピではアップル・シャーロットとブレッドプディングのハイブリッドに変化し、その後はイギリスのイヴズプディングに近い作り方が採用される経緯を辿っている。
}
#openclose(show=▼発酵生地の菓子・パン菓子){
&bold(){アプフェル・シュトロイゼルクーヘン}
ドイツやオーストリアにおけるシュトロイゼルクーヘンの一種。
シュトロイゼルは小麦粉とバターと砂糖をすり混ぜたそぼろ状の生地で、配合比はレシピによっても異なる。
ヘーフェタイク(発酵生地)にバニラクレメ(カスタードクリーム)を塗り、リンゴのキャラメリゼを並べてシュトロイゼルで表面を覆い、焼いた後で溶かしバターや粉砂糖を振り掛ける。
&bold(){アルトヴィーナー・アプフェルクーヘン}
オーストリアのブレヒクーヘン。
ミュルベタイク(練り込みパイ生地)とゲルベタイク(イーストドーナツ生地)を一緒に捏ねて薄く延ばし、リンゴの薄切りを並べてシナモンシュガーを振り、生地を休ませてから焼く。
アプフェル・シュトロイゼルクーヘンのようにバニレクレメやシュトロイゼルと組み合わせたり、仕上げにアプリコットジャムを塗って糖衣掛けする場合もある。
&bold(){アッペル・フラーイ}
オランダとベルギーに跨るリンブルフ地方の伝統菓子。
発酵生地を土台にしたアップルタルトで、リンゴのフィリング以外にカスタードクリームも詰める場合がある。
クライメル(ドイツのシュトロイゼルや英語圏のクランブルに相当)を盛り付けて焼くこともある。
&bold(){コゼット}
ベルギーのワロン地方ナミュールにおける半月形の伝統菓子。
発酵生地にリンゴのフィリングを詰めてオーブンで焼き、粗熱が取れたらプードルデコールを振る。
コゼットはショーソンのワロン語で、フランスのショーソン・オ・ポンムと同様に折り込みパイ生地を使用した物も作られている。
&bold(){ボレイマ・デ・マサン}
ポルトガルの天板菓子で、ラードを練り込んで極薄に伸ばした中種法の発酵生地が使用されている。
生地は二等分して一枚を底に敷き詰めたら、薄切りのリンゴと砕いたナッツ類をのせて、粉砂糖とシナモンパウダーを振りかけ、もう一枚の生地を被せる。
生地の表面にフォークで穴を開け、再び粉砂糖とシナモンパウダーを振って焼成中にキャラメリゼ化させる。
&bold(){パネットーネ・ストゥルーデル}
イタリアのクリスマス菓子であるパネットーネ・モデルノのバリエーション。
ストゥルーデル・ディ・メーラ(アプフェルシュトゥリューデル)のリピエーノ(詰め物)を参考にしていて、リンゴ、レーズン、松の実、胡桃かアーモンド、シナモンなどと組み合わせる。
通常のパネットーネと同じく、食べる時にマスカルポーネクリームを添えることもある。
&bold(){エッペルブッラル}
リンゴを使ったスウェーデンの菓子パン(ヴェーテブッラル)で、いくつかバリエーションがある。
カネルブッレ(カルダモン入りのシナモンロール)とリンゴを組み合わせる、リンゴのフィリングを生地に折り込む、加工したリンゴとマンデルマッサを一緒に詰めるなどである。
マンデルマッサとはアーモンドのペーストで、スウェーデン版マリトッツォに例えられるセムラ、タルトレットのマザリーネル、アーモンドケーキのマンデルカーカなどにも使われている。
&bold(){ヤブレチュネー・コラーチ}
リンゴを使ったチェコの菓子パンで、一口サイズだとヤブレチュネー・コラーチュキになる。
なおコラーチやコラーチュキという呼称は、パイやクッキーなど他の焼菓子を指すことも珍しくないが、日本のチェコ大使館は菓子パンを代表例に挙げている。
円形に成形したレモンゼスト入りのパン生地を溶き卵を塗り、窪みにリンゴのフィリングを詰めたらクランブルものせて、オーブンで焼くと出来る。
仕上げに溶かしバターを塗って、粗熱が取れてから泣かない粉糖を振る場合もある。
&bold(){コワッチェ・ス・ヤブウカミ}
リンゴを使ったポーランドのイーストケーキ。
発酵生地の上にレモン果汁とコーンスターチで和えたリンゴを並べて、シナモンシュガーを振ってから焼き上げる。
シュトロイゼルも散らしたり、リンゴは加熱調理する場合もある。
&bold(){バブカ・ドロジュジュフカ・ス・ヤブウカミ}
クグロフの原型となったバブカの一種で、ポーランドのルブリン地方における郷土菓子。
薄く延ばした発酵生地に加熱調理したリンゴか、レモン果汁やシナモンパウダーと和えた生のリンゴを散らし、巻き込んで輪切りにしたら、クグロフ型に詰めて焼く。
仕上げにプードルデコールを振るか、糖衣(グラスアロー)掛けする。
&bold(){アップルシナモントースト}
一手間を加えたトースト。
食パンにバターを塗り、リンゴの薄切りを並べて、ブラウンシュガーとシナモンパウダーを振り、狐色になるまで焼く。
パン・デピス(フランスの蜂蜜入りスパイスケーキ)を厚切りにして、上記と同様の手順でトーストしても美味しい。
&bold(){トロワ・リビエール}
フランスのナント郡ブランで、1991年に誕生したガトー・デ・ロワ(ガレット・デ・ロワやブリオッシュ・デ・ロワの総称)。
ブリオッシュ生地に、カスタードクリーム(クレーム・パティシエール)、リンゴ、蜂蜜をサンドしている。
&bold(){アマーストプディング(※ブレッドプディングタイプ)}
アマーストプディングには数種類のタイプが存在し、溶かしバターが染み込んだ薄切りのパンを生地代わりにするアップル・シャーロットに近いバリエーションもある。
アップル・シャーロットとの差異は、中に詰めるリンゴは生で、ブラウンシュガー、シナモン、ナツメグを振りかける点である。
焼成後は耐熱皿から大皿に移し、すりおろしたナツメグ入りのバタークリーム(無塩バター+純粉糖)を添える。
&bold(){シャイター・ハウフェン(オーフェンシュルプファー)}
ドイツのブレッドプディング。
卵・牛乳・粉砂糖・バニラエッセンスのプディング液に漬け込んだパン、及びリンゴを粉砂糖とシナモンパウダーで和えてレーズンと合わせた詰め物を、
バターの塗った耐熱皿へ交互に重ねて、表面に細かく刻んだバターとお好みでスライスアーモンドを散らし、予熱したオーブンで焼くと出来る。
仕上げに粉砂糖を振るか、温かいカスタードソースあるいはバニラアイスクリームを添えて食べる。
&bold(){ジェムロフカ(ゼムルバーバ)}
チェコやスロヴァキアのブレッドプディング。
ロフリーク(三日月形のロールパン)かヴェカ(幅広なバケット)をスライスし、卵黄・牛乳・グラニュー糖から作る卵液を染み込ませる。
バターを塗った耐熱皿に、ロフリークかヴェカ、シナモンパウダーを塗したリンゴの薄切りとラムレーズンを交互に重ねていき、
染み込まなかった卵液やラム酒が残っていた場合は注いで、溶かしバターとグラニュー糖を振り掛けてから焼く。
仕上げにイタリアンメレンゲを盛り付けて、オーブンに戻して焼き色が付いたら完成である。
}
#openclose(show=▼上記以外の焼菓子){
&bold(){アフターソートプディング}
イギリスにおけるベイクドプディングの一種。
リンゴを煮潰してグラニュー糖とバターを溶かし、溶いた卵黄と混ぜて型に流して焼く。
スイスメレンゲを絞ってオーブンに戻し、焼き色を付ける。
&bold(){グレイテッドアップルプディング}
古くなったパンを粉チーズ状のパン粉に加工して再利用するベイクドプディングの一種。
すりおろしたリンゴに同量のパン粉、卵、牛乳、砂糖類、リンゴと相性の良いスパイスを混ぜ合わせて、バターの塗った耐熱皿に注いで焼く。
粉砂糖を振るかカスタードソースを掛けて食べる。
&bold(){アップルアンバープディング}
イギリスにおけるベイクドプディングの一種で、ドレンチェリーやアンジェリカなどを盛り付けることもある。
リンゴを少量の水、ブラウンシュガーかモスコバドシュガー、レモンの果汁とすりおろした果皮、バターとともに煮込んでピュレ状に加工し、
卵黄、パイクラムかケーキクラム、シナモンなどのスパイスと混ぜ合わせたら、バターを塗った耐熱皿に注いで焼く。
メレンゲで覆ってグラニュー糖を振り、オーブンへ戻してメレンゲに焼き色が付くまで焼いたら完成する。
ホイップクリームやカスタードソースを添える。
&bold(){デーツ&アップルスライス}
イギリスのデボン州で作られているトレイベイク。デーツとは、ナツメヤシのドライフルーツである。
リンゴとデーツを刻み、溶かしバター、グラニュー糖かブラウンシュガー、蜂蜜かゴールデンシロップ、全卵、ローストナッツ、小麦粉、塩と混ぜてオーブンで焼く。
リンゴの占める割合(焼成前の重量の約5割)が多く、デーツの下拵え(※熱湯か紅茶と重曹で戻す)が要らないくらいしっとりする。
&bold(){アップルタピオカプディング(※ベイクドタイプ)}
溶かしバター、一晩水に浸けてから茹でたタピオカ、純粉糖、バニラオイル、レモンの果皮をかき混ぜながら煮て、
レモン果汁を塗したリンゴが並べられた耐熱皿に注ぎ、スパイス(シナモンやナツメグなど)を振ってからオーブンで焼く。
ハードソース(無塩バター+純粉糖+ライトクリーム※乳脂肪分18~30%+バニラ/ナツメグ/レモン果汁/洋酒)やホイップクリームを添える。
&bold(){ノッティンガムプディング}
リンゴ入りのヨークシャープディングみたいな伝統菓子で、アップル・イン・アンド・アウトとも呼ばれている。
バターを塗った耐熱皿に、芯のあった部分にモスコバドシュガーとナツメグ・クローブ・シナモンなどのスパイスが詰められた皮付きのリンゴを並べて、
小麦粉・塩・卵・水・牛乳・溶かした油脂類(ケンネ脂/ラード/バターなど)から作った生地を注ぎ、オーブンで焼いて仕上げに粉砂糖を振る。
モスコバドシュガーは、ブラウンシュガー、デメララシュガー、ラパデュラシュガーなどに置き換えても良い。
&bold(){バード・ネスト・プディング}
アメリカの伝統菓子で、クロウズ・ネスト・プディングとも呼ばれている。
焼きリンゴを置いたままの型に、卵・牛乳・生クリームか油脂類・バニラか他のスパイス・小麦粉か澱粉類から作るカスタードを流し込んで、オーブンで焼き固める。
粉砂糖を振ったり、ハードソース、ワインソース、クリームソース(生クリーム+純粉糖+ナツメグ)、ホイップクリームなどが添えられる。
なお焼きリンゴではなく、リンゴのコンポートを使用する場合もある。
&bold(){アップルドラゴン}
イギリスのスコーンと同様に、ラブイン法(サブラージュ法)で作るクイックブレッド。
ウェールズの伝統菓子として有名なウェルシュケーキの派生で、すりおろしたリンゴを入れることでしっとり感が増す。
生地の材料は、薄力粉か中力粉、ベーキングパウダーか重曹、塩、無塩バター、グラニュー糖かブラウンシュガー、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、リンゴ、カランツ、卵で、
厚さ5~10mm程度に延ばして型抜きしてから、熱したグリドル(ベイクストーン)にバターかラードを溶かして両面を焼き、仕上げに溶かしバターを塗るか粉砂糖を振る。
生地には、牛乳かバターミルク、ゴールデンシロップか蜂蜜も加える場合もある。
&bold(){アップル・スコーンラウンド}
イギリスのスコーンラウンドで、卵やシナモン以外のスパイスも加えることもある。
生地の材料は薄力粉/中力粉、ベーキングパウダー/重曹、塩、無塩バター、グラニュー糖、リンゴ(生の粗目おろし/角切りのバターソテー/刻んだドライ)、バターミルク/牛乳で、
円盤状に成形した生地へ切れ目を入れてバターミルク/牛乳を塗り、デメララシュガー/シナモンシュガー/グラニュー糖を振ってから焼いている。
切れ目に沿って切り分けたら、ウエンズリーデイルチーズかクロテッドクリームを添える。
&bold(){アップル・ダッピー}
イギリスにおけるプディングの一種で、ウェスト・カントリーのデヴォン州で特に愛されている。
薄く延ばしたスコーンの生地にフィリングを巻き込んで輪切りし、切り口を上にして並べてオーブンで焼き上げる。
作り方は二種類あり、フィリングは加熱調理済みで表面に粉砂糖かデメララシュガーを振ってから焼いて仕上げに溶かしバターを塗るタイプ、
フィリングは非加熱で焼く前に粉砂糖・レモン果汁・ゴールデンシロップか蜂蜜・バターを煮溶かして作るシロップを注ぐタイプがある。
クロテッドクリームを添えるか、温かいカスタードソース(卵未使用のカスタードパウダーベースか粉類未使用のクレーム・アングレーズ)をたっぷりと掛けてから頂く。
フィリングはリンゴ、レモン果汁、粉砂糖かデメララシュガー、シナモンかオールスパイスを組み合わせるが、ナッツ類やレーズンなどのドライフルーツを追加しても美味しい。
&bold(){アップルダンプリング(※アメリカ式)}
アメリカのペンシルヴェニア州で特に好まれている。
薄力粉・バター・牛乳の配合比が3:2:1の生地((薄力粉と少々のベーキングパウダーと食塩ひとつまみをふるいに掛けて、5mm角の無塩バターとすり混ぜて粒状にした後で、牛乳を加えて一纏めにし、ラップで覆って生地を休ませる。))で、シナモンシュガーが塗されたリンゴを包み込み、シナモン入りのシロップを掛けてオーブンで焼いたデザート。
無糖のホイップクリームやアイスクリームを添えて食べることも多い。
&bold(){アプフェル・クワルク・ターラー}
ドイツのチーズ(クワルク)入りドロップクッキー。
小麦粉:クワルク:植物油:砂糖類の配合比が3:2~2.25:1:0.75~1の生地で、ベーキングパウダー、塩、バニラシュガーも加えている。
リンゴのダイスも混ぜ込んだらスプーンで生地を掬い取り、クッキングシートを広げた天板に並べて表面はならし、180℃に予熱したオーブンで25~30分くらい焼く。
粗熱が取れたらシナモンシュガーを塗すか、プードルデコールを振る。
&bold(){ミション・ブルトン}
フランスのブルターニュ地方における郷土菓子。
バターを塗った型にバターソテーしたリンゴを敷き詰めて、ランビッグ(ブルターニュ地方のブランデー)を振り掛け、牛乳・卵・小麦粉・グラニュー糖から作るアパレイユを注いで焼く。
焼き固まったら、いったん取り出してバターの欠片を散らすか溶かしバターを塗り、グラニュー糖か純粉糖を振ったらオーブンに戻して、キャラメリゼ化するまで加熱する。
粗熱が取れてから、アプリコットジャムを添える。
&bold(){タルトゥヤ・オ・ポンム}
ブルゴーニュ地方の郷土菓子で、クラフティやフロニャルドと似ている。
小麦粉とグラニュー糖をふるって僅かに塩も足し、牛乳と卵を少しずつ加えて混ぜたら、リンゴの薄切りと合わせて生地を休ませた後で焼く。
昔はキャベツやブドウの葉を容器代わりにしていたが、今はバターでクッキングシートを接着した型に流す。
&bold(){フロニャルド・オ・ポンム}
ブルゴーニュ地方などフランス南部の郷土菓子で、フラミュス・オ・ポンムの原型とされている。
櫛形切りのリンゴをバターが塗られた型に敷き詰め、グラニュー糖・牛乳・生クリーム・溶かしバター・小麦粉・シードル/ラム酒から作るクレープ様の生地を注いで焼く。
生地に入れる生クリームは必須ではなく、ペリゴール地方では加えないという。
仕上げにプードルデコールを振る。
&bold(){フラミュス・オ・ポンム}
ブルゴーニュ地方の郷土菓子で、フランやクラフティと似ている。
加熱調理したバタースコッチ味のリンゴをバターが塗られた型に敷き詰め、純粉糖・牛乳/生クリーム・コーンスターチ/小麦粉・バニラオイルから作るフラン様の卵液を注いで焼く。
仕上げにシナモンシュガーかプードルデコールを振る。
}
**未分類の菓子
&bold(){アップル・スノウ/アップルフロート/アプフェルシャウム/ゼフィール(※ポーランド)}
リンゴのピュレとメレンゲを混ぜ合わせたイギリスやアメリカの冷菓。
メレンゲは卵白と純粉糖を泡立てるが、レモン果汁やレモンゼスト、あるいはクリームタータを加えることもある。
亜種としてオレンジフラワーウォーターで香りを付けたアップルフロートが存在し、リンゴのピュレとイタリアンメレンゲを少しずつ混ぜて作る。
ホイップクリームやカスタードソースを添える。
ドイツにもアプフェルシャウムという似たようなデザートがある。
メレンゲや泡立てた生クリームにリンゴのピュレを混ぜていて、ゼラチンやアップルブランデーなどを加えたり、シナモンパウダーや刻んだナッツを散らすこともある。
ポーランドのゼフィールやオーストリアのシュネーアプフェル(アップル・スノウのドイツ語訳)は、リンゴのピュレにメレンゲと生クリームの両方を混ぜている。
&bold(){ゼフィール(※ロシア)}
ロシアの伝統菓子で、パスチラから派生した。ペクチンの多い果物から作るので、リンゴ味とは限らない。
ベラルーシ、ウクライナ、リトアニア、ラトヴィア、エストニアなど、旧ソ連から独立した元構成国でも食されている。
果物のピュレとメレンゲを合わせた物に、沸騰させたゼラチン入りのシロップを少しずつ注ぎながらかき混ぜて、絞り袋で絞り出して固まるまで待つと出来る。
甘さ控えめにしたい場合は、ピュレ、メレンゲ、シロップに入れる甘味料を減らすか抜く。
粉砂糖を振ったり、チョコレート掛けにすることもある。
&bold(){スモクワ}
ポルトガルのカイシャ・ダ・マルメラーダと似ているロシアの伝統菓子で、ペクチンの多い果物から作る。
リンゴのピュレに砂糖を加えて煮詰め、[[ジャム]]以上に水分を飛ばし、薄くならして乾燥させると完成する。
似たような菓子は旧ソ連構成国にも存在し、リトアニアやベラルーシなどではアップルチーズ(の母国語)と呼ばれている。
&bold(){シュクル・ド・ポンム・ド・ルーアン}
フランスのノルマンディー地方ルーアンにおける伝統菓子。
円筒形の飴菓子で、グラニュー糖、グルコースシロップ、リンゴのコンポートと果汁、レモン果汁、各種香料から作られている。
レシピは現在と異なっているが、1592年にルーアンの薬剤師が開発した。
&bold(){リシュ・ザピエカニ・ス・ヤブウカミ}
ポーランドにおけるライスプディング(リシュ・ス・スメタナ)の一種。
ライスプディングをオーブンで焼く例は他国でも見られるが、ポーランドでは炊いたライスプディングに果物のフィリングを詰めたり、交互に重ねて焼く場合がある。
リンゴの皮と芯を取り除いてから細かく刻むか粗くおろし、[[サルタナ>レーズン(食品)]]、砂糖類、レモン果汁、バニラなどのスパイスと煮詰めた物が使われる。
アメリカにも伝来したらしく、19世紀の料理本に同様のレシピが掲載されている。
&bold(){エーブルスッペ}
デンマークのリンゴスープで、澱粉類やパン粉でとろみを付けることもある。
リンゴを煮込んでからブレンダーで滑らかにするか、果肉を裏漉しして煮汁に戻し、再び火に掛けて砂糖で味を調える。
バニラに加えて、レモン、ワイン、シナモンなどのスパイスも足して香りを付ける場合もある。
ホイップクリームやバニラアイスなどを盛り付けたり、クッキーなどを添えて食べる。
&bold(){エーブルグロッド}
デンマークのリンゴ粥で、ブレンダーでピュレ状にすることもある。
バニラかレモンピールで香りを付ける点を除けば、ジャムと素材は変わらないが、水も砂糖も少量で、リンゴの持ち味を活かす形になる。
バターを僅かに溶かすか、冷やしてから牛乳を掛けたり、ホイップクリームをのせることが多く、オートミールやヨーグルトなどと組み合わせる場合もある。
前述したエーブルケイやエーブルスキーバーといった菓子にも使用される。
&bold(){アップルタピオカプディング(※ノンベイクタイプ)}
リンゴ、ブラウンシュガー、バター、レモン果汁や果皮、スパイス(シナモンやナツメグなど)を一緒に煮込み、
一晩水に浸けてから茹でたタピオカ、リンゴ果汁、オレンジの薄切りを加えて、かき混ぜながらひと煮たちさせる。
温かいままでも冷やした状態でも提供される。
&bold(){アップルグラント(※カナダ・ニューイングランド流)/アップルスランプ}
ペンシルベニアダッチ流とは異なるシチュースタイルで、アップルスランプとも称される。
ドライアップルか刻んだリンゴとレモンゼストをリンゴ果汁で煮込んだら弱火にして、メープルシロップか蜂蜜、レモン果汁、少々の塩で味を調える。
小麦粉、グラニュー糖、ベーキングパウダー、重曹、少々の塩、無塩バター、バターミルクから作ったビスケット生地を食べやすく小分けして鍋に落とす。
蓋をして弱火のまま15分くらい煮て、生地に火が通ったことを確認したら完成である。バニラアイスやミルクバターソースなどを添えて提供する。
なお、他の甘味料(ブラウンシュガーやモラセスなど)で甘みを付けたり、リンゴと相性の良いスパイスを足すレシピも存在する。
#openclose(show=▼ボイルドプディング・スチームドプディング){
&bold(){バチェラーズプディング(レイチェルプディング)/パラダイスプディング}
イギリスのボイルドプディングないしスチームドプディングで、香り付けには、ナツメグかメース、レモン、ブランデー、ジンジャーなどが使用されている。
刻んだリンゴ、パン粉、レーズン類、砂糖類、泡立てた全卵を混ぜ合わせて、プディングクロスに包んで茹でるか、バターを塗ったプディングベイスンに入れて蒸す。
油脂類(ドリッピング※牛肉や豚肉などをローストした時に滲み出る肉汁、ケンネ脂、バターなど)、牛乳、僅かな塩、膨張剤も加える場合がある。
パラダイスプディングはバチェラーズプディングと材料や手順は同様で、卵や砂糖類の割合が増してパン粉の使用量は大幅に減っている。
なおアメリカにもバチェラーズプディングは存在したが、古くなったパンと下茹でした米を煮てモラセスで甘みを付けたミルク粥を指すこともあったという。
&bold(){カンバーランドプディング}
バチェラーズプディングの類似品だが、オレンジや砂糖漬けのシトロンピールが追加されていて、卵を別立てするレシピもある。
刻んだリンゴ、パン粉、ケンネ脂、レーズン類、卵黄、ナツメグなどのスパイス、オレンジやレモンの果汁とすりおろした果皮、シトロンピール、ブランデーを混ぜ合わせ、
卵白に砂糖類や塩と合わせて泡立てたメレンゲを足してから、プディングクロスに包んで茹でるか、バターを塗ったプディングベイスンに入れて蒸す。
レモン果汁入りのハードソースかプディング用のホワイトソース(牛乳+純粉糖+澱粉類+洋酒orバニラ)を添える。
&bold(){ブラックベリー・エクスター}
イギリスにおけるスエットプディングの一種。
油脂が塗られた型にスエットクラストを敷いて、ブラックベリーと刻んだリンゴ、ケンネ脂と蜂蜜を混ぜたパン粉が層状となるように詰めて、
残りのスエットクラストで塞ぎ、クッキングシートとアルミホイルで二重に包んで3時間くらい蒸したら型を外し、仕上げにカスタードソースを掛ける。
フィリングに使うケンネ脂はバター、パン粉はケーキクラム、蜂蜜はゴールデンシロップやメープルシロップで代用されることも多い。
&bold(){アップル・ハット}
イギリスにおけるスチームドプディングの一種。
バターを塗った型にスコーンの生地を貼り、グラニュー糖やレモン果汁及びシナモンかブランデーと和えたリンゴを詰め、残りの生地で塞いで蓋をしてから蒸す。
昔の方法だと蒸す際は布巾に包んで糸で縛っていたが、現在だと布巾はクッキングシートとアルミホイルの組み合わせにとって代わられている。
蒸し終えたら型から外してお湯で温めた皿に移して、温かいカスタードソースを好きなだけ掛けて食べる。
&bold(){アップルプディング(※ボイルドタイプ)/サセックス・ポンド・プディング(※古典的)}
イギリスにおけるスエットプディング(バターではなくケンネ脂を入れた生地で作るプディング)の一種。
芯のあった箇所に、バター、ブラウンシュガーかデメララシュガー、レモンの果汁と果皮が詰められたリンゴをスエットクラストで覆っている。
プディングクロスに包んで茹でた場合はアップルプディング、プディングベイスンに入れて蒸した場合は古典的なサセックス・ポンド・プディングになる。
ちなみに、サセックス・ポンド・プディングは時期不明ながら、リンゴ主体からレモンまるごと1個を使用する詰め物に変化している。
アップルプディングは、スエットクラストの代わりにボイルドプディング用のバタークラストで覆う例があるほか、クリスマスプディングと似たようなレシピも存在する。
&bold(){アップルダンプリング(※英国式)}
イギリスにおけるスエットプディングの一種で、ボイルドタイプとベイクドタイプが存在する。
基本的にアップルプディングの簡素版で、一緒に詰めるのは砂糖類のみだが、砂糖類ではなくマーマレードら果物加工の保存食を詰めた場合もある。
ベイクドタイプはボイルドタイプと同じ代物をオーブンで焼いて、仕上げに粉砂糖を振るが、レモンソースやクリームなどを添えることもあったという。
現在はパイ生地で覆って焼くスタイルが主流で、詰め物の内容も充実してきているので、アップルプディングとの差は無くなっている。
&bold(){アップルスノウボール(※ボイルドタイプ)}
英語圏におけるボイルドプディングの一種。
リンゴの芯をくり抜いてモスコバドシュガーとシナモンかクローブを詰め、下茹でして牛乳で煮た米で覆い、プディングクロスに包んで茹でる。
米はリンゴの表面を覆うだけでなく、芯をくり抜いた空洞にも詰める場合がある。
}
**[[ジャム]]
砂糖とレモン汁を使ってコトコト煮込もう。
トーストに良し、[[ホットケーキ]]に良し、[[ヨーグルト>ヨーグルト(食品)]]に良し。
そのままパウンドケーキやアップルパイなどのお菓子作りに使うこともできる。
リンゴはペクチンが多いため、ペクチンの含有量が少ない果菜をジャムにする時に、漉して果肉は除いたリンゴのジュレ(ジェリー)を加えることもある。
&bold(){コンフィチュール(フランス)/ヴァレーニエ(ロシア)}
ジャムの一種で、果物と砂糖の割合は果物の種類や品種によっても異なる。
ジャムよりも煮詰める時間は短いので、コンポート程ではないものの原形を保っている。
フランスのコンフィチュールは糖度55%以上という基準は存在するが、これはジャム作りで重要なペクチンがゲル化する糖度(60~65%)よりも低い数字である。
リンゴのコンフィチュールはプレーンタイプ以外に、シナモンなどのスパイス入り、タイムなどのハーブ入り、苦みを利かせた柑橘類のゼスト入り、キャラメル風味などがある。
キャラメル風味は煮詰める前にキャラメリゼ化の工程があるため、砂糖の使用量はプレーンタイプよりも多く、煮詰める過程で足す分も含めると、リンゴの重量の70%程度を要する。
&bold(){アップルバター}
リンゴ果汁で煮崩したリンゴの果肉を裏漉しするか攪拌してから煮詰めたスパイス入りのスプレッド。
果糖がキャラメリゼ化するまで煮詰めるので、アップルジェリーやアップルソースよりも色が濃く、ブラックバターと呼ばれることもある。
砂糖類ないしシロップ類は入れても比較的少量で、ジャムよりも糖度は低いが、高酸性かつ密閉時の加熱処理で雑菌の繁殖を抑えられるため、保存食として作られた。
使用するスパイスはシナモン、クローブ、ナツメグかメース、オールスパイス、ジンジャー、スターアニスなどで、他にレモン果汁、アップルビネガー、リコリス、塩を加える場合もある。
本来は乳製品未使用だが、日本だとアップルペーストが練り混ぜられたバターをアップルバターと称したり、口当たりを良くする目的でアップルバターにバターを足す例も見られる。
**[[カレーライス]]
某カレールーの謳い文句でも知られる通り、カレーの隠し味の代表格。
すりおろして入れるのが一般的だが、角切りやいちょう切りにして具材にしたり、水の代わりにリンゴジュースを使ったりするレシピもある。
ちなみに、某カレールーの語源のバーモント健康法で用いられるのは実はリンゴ酢。
**肉料理
[[酢豚]]にパイナップル、と同じ原理。[[ポーク>豚肉]]ソテーに添えるとうんまい。
くし切りにしてお肉と一緒に煮込んだり、薄切り豚肉で巻いて甘辛タレで焼いたり。
すりおろして肉を漬け込んだり、豚肉のしょうが焼きのタレやソテーのソースに混ぜたり。
騙されたと思ってやってみて。
抵抗があるならまずはソースの隠し味にリンゴ[[ジャム]]、リンゴ酢でさっぱり煮から試してみよう。
変わった物として、北欧のクリスマスでは丸焼きにした豚の口にリンゴを突っ込んだ料理が食べられるらしい。海外のアニメなどで見かけた人も多いのではないか。
**サラダ
給食でもお馴染みフルーツサラダに高確率で入っている。
一方で[[ポテトサラダ]]やマカロニサラダ、コールスローなど“おかず系サラダ”にも時々入っているが、彩りや食感、[[マヨネーズ]]との相性の良さを支持する“賛”と、おかずに果物が入っていることがどうしても受け付けない“否”で反応は真逆。
リンゴとニンジンのラペ、ベビーリーフや[[チーズ]]と合わせたオシャレ系サラダなど抵抗が薄い組み合わせもあるので興味がある否の方は試してみては。
海外のフルーツサラダには野菜を全く入れず、リンゴを含む数種類の果物を食べやすいサイズにして、砂糖と果汁あるいはシロップで和えたフルーツパンチに近い代物もある。
**ビルヒャー・ミューズリー
スイスの医師であるマクシミリアン・オスカー・ビルヒャー・ベナーが、羊飼いの伝統食を基に考案した。
元々は夕食用の療養食だったが、現在は朝食用の日常食と化していて、オーバーナイトオーツとも称されている。
材料はオートフレーク大さじ1(大さじ3の水で半日間ふやかす)、レモン果汁半個分、加糖練乳大さじ1、すりおろしたリンゴ1個分(小振りなら2~3個分)、ナッツ類大さじ1となっているが、
現代はアレンジされていて、水は牛乳やバターミルクなど、レモン果汁はオレンジ果汁やリンゴ果汁など、加糖練乳は蜂蜜やジャムなどに置き換えられている場合が多い。
ヨーグルトや他の果物を足すのも一般的になっていて、スーパーフードやプロテインなども加えて滋養強壮効果の強化を図ったレシピも存在する。
**ドライフルーツ
ドライフルーツとしても定番。生産地では大概作られる。
多くはバナナチップのようにカリカリの煎餅状に乾かされて長期保存が出来、ほのかな甘みが嬉しい。
中国などでは、半生に乾かしたグミか固いゼリーのような干しリンゴ(セミドライアップルやチャンクという)も作られる。
しっとりした食感と強い甘味で何個も食べそうになる逸品。
**[[漬け物]]
ロシアではリンゴもピクルスにすることがある。
蜂蜜や塩を溶いた麦汁に漬けて、乳酸発酵させる。
*[[花言葉>花言葉/花詞]]
実、木、花でそれぞれ意味合いの異なる花言葉が複数あることでも知られている。
リンゴ全体の花言葉としては「優先」、「好み」、「選択」といったものがあるが、リンゴの果実、即ち果物言葉には「&bold(){誘惑}」、「&bold(){後悔}」といった、上記の旧約聖書におけるアダムとイブの説話に由来するであろうものがある。
*リンゴが登場する作品や関連するあれこれ
バナナと並んでメジャーで、我が国の家庭でもお馴染みの果物であることから登場頻度は高い。
特にアダムとイブの説話から、旧約聖書を題材にした作品では必ずと言っていいほどこれをモチーフにしただろうキーアイテムが登場する。
一昔前の創作では「生ゴミ」の表現として魚の骨や[[バナナの皮]]と並び「芯だけ残ったリンゴ」がやけに多い。
*○アニメ、マンガ、ゲーム、映画、ラノベ、特撮作品において
**[[ハローキティ]]
[[サンリオ]]社の看板キャラクター。
&bold(){身長はリンゴ5個分、体重はリンゴ3個分}という、他に類を見ないプロフィールが有名。
加えて、ハローキティのイラストにもよくリンゴが描かれているし、好物はママのアップルパイだし、テレビ番組『キティズパラダイスPLUS』内で放送されていたキティのアニメは「りんごの森」が舞台となっているなど、つくづくリンゴに縁がある。
**『[[ポケットモンスター]]』シリーズ
リンゴ(ヒメリンゴ)をモチーフとした[[きのみ>きのみ(ポケモン)]]として『[[ルビー・サファイア>ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』からヒメリのみが登場。
またリンゴそのものが明確に登場するのは第8世代からだが、それよりもずっと前に「たべのこし」というアイテムが出ていて、イラストを見るに明らかに&bold(){リンゴの芯だけを残したもの}。[[ポケモン>ポケットモンスター(ポケモン)]]に持たせると、[[ポケモンバトル]]中に毎ターン体力がHPの16分1だけ回復する効果がある。
しかし、何故こんなものでHPが回復するのか……。
リンゴをモチーフとしたポケモンとしては『[[剣盾>ポケットモンスター ソード・シールド]]』でカジッチュや[[その進化系>アップリュー/タルップル]]が登場。特にカジッチュは&bold(){リンゴそのもの}。
更に『[[スカーレット・バイオレット>ポケットモンスター スカーレット・バイオレット]]』でも、新しい進化系として[[カミッチュ]]が追加されたほか、同作のダウンロードコンテンツ第一弾の舞台である[[キタカミの里]]の名産品ともなっており、実際現地にはリンゴがいくつも実ったリンゴ園が広がる一帯が「アップルヒルズ」なんてお洒落な名前で呼ばれている。
ちなみに、[[ポケモン図鑑]]によれば「(タルップルの)背中の 皮は とくに 甘く 昔は 子どもの おやつだった」とあり、[[食用にできる>ポケモン世界の食肉事情]]ことが判明している。
また『剣盾』の[[ポケモンキャンプ]]で調理するカレーの食材に使える「とくせんリンゴ」や、調理には使えない代わりにカジッチュに対して[[進化の石>進化の石(ポケモン)]]と同じ役割をする「すっぱいりんご」「あまーいりんご」「みついりリンゴ」と、アイテムのほうも充実している。
加えて、派生作品においても度々登場してきた。
『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズにおいては満腹度の回復アイテムになっており、作品によっては実在の品種名がモチーフと思われる「セカイイチ」も登場する。
『[[ポケモンスナップ]]』『[[New ポケモンスナップ]]』においても、ポケモンたちに与え様々なリアクションを引き出したり誘導したり、ギミックの解除に用いたりする。
ちなみに前者においてはリンゴの形はしているものの、厳密にはそのものではなく「ポケモンフーズ」だったが、後者においては「ふわりんご」という名前が付き明確にリンゴだと示されている。
また、『New』では他のプレイヤーの写真も閲覧できるが、気に入ったショットには「りんごメダル」というものを贈って評価する機能が追加された。
その他、アニメ版においてはたまにそこら辺の樹に実る非常食もとい果物としても出番がある。
余談だが『ポケモン』シリーズの主要な人間キャラクターの名前は全て植物から取られており((和名や別名をそのまま取り入れたり一部を捩ったり、外国語での呼び名をそのままカタカナにしたりというパターンもある。))、もちろん中には[[ミカン>ミカン(ポケモン)]]などのように果実の名前がそのまま使われている者たちもいる。
しかし、超メジャーなリンゴそのものに由来する名前のキャラクターは、シリーズ誕生から25年経った今なお実はまだ登場していない。一応、リンゴの近縁で「コリンゴ」の別名を持つ野生種に由来する[[ズミ>ズミ(ポケモン)]]や、後述のように「大地のリンゴ」とも称されるハーブに由来する[[カミツレ>カミツレ(ポケモン)]]はいる。
**『たまごっち』シリーズ
1期のゲーム版、「ゲームで発見2」ではむしっちの餌の一種として登場し、イモっち、ちょびタマっち、カブトっち、ふたごアリっち、ムシばっちはりんごが好物である。
また、2期以降の[[たまごっち]]に「りんごっち」という半分に切ったりんごがモチーフのキャラがいる。
**『[[こげぱん]]』
キレイ仲間の一種としてりんごパンが登場する。りんごパンはりんごに似せた外見で、青森産の高級津軽りんごを使用しており、中身はりんごジャムでたっぷり。性格は純朴で、違う種類のパンの前では頑張って共通語兼敬語で話すが、りんごパン同士だと素が出て津軽訛りが出てしまう。不安になるとりんごのネットに入るなど、りんごの特徴も残している。
**『魔法少女まどか☆マギカ』
アニメ版でメインキャラの[[魔法少女]]の一人・[[佐倉杏子]]はりんごが好物らしく、たくさん持っていてよく食べている(9話など)。さやかに投げて渡そうとしたが、さやかはりんごを捨てて拒絶した。尚、[[スピンオフ]]『かずみ☆マギカ』では、りんご(食べ物)を粗末にしたさやかの行為が、かずみの信念と台詞で伏線回収されている。つまりさやかは……。
**[[マイリトルポニー]]
主要キャラの一頭であるアップルジャックの一族がリンゴ農家を営んでいる。
なお、一族の名前も多くがリンゴに関連するものから来ている。
(アップルジャック→リンゴを原料とする蒸留酒、ビッグマッキントッシュ→品種名など)
**『[[ドラゴンクエスト>ドラゴンクエストシリーズ]]』シリーズ
[[DQ5>ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁]]では見た目まんまリンゴのモンスター「エビルアップル」が登場。
リメイク版では[[仲間>アプール(DQⅤ)]]にできる。
**『[[名探偵コナン]]』、『[[名探偵コナン ゼロの日常]]』
犯罪組織である[[黒の組織]]の女幹部・[[ベルモット>ベルモット(名探偵コナン)]]は、彼女を追う[[FBI>FBI(名探偵コナン)]]から&bold(){“rotten apple”(腐ったリンゴ)}というターゲットネームを付けられている。
これは、ベルモットの表向きの顔である女優シャロン・ヴィンヤードとしての代表作の題名『ゴールデン・アップル』と、&bold(){「見た目は綺麗でも中身は皺くちゃ」}との皮肉を掛けたもの。
また、黒の組織の幹部のコードネームは洋酒や[[カクテル]]の名前から取られており、リンゴの蒸溜酒であるカルバドスの名を持つ幹部もいる&s(){が、結局直接出て来る前に自決してしまった}。
[[スピンオフ]]作品である『ゼロの日常』においては、[[安室透]]が後に自分の飼い[[犬]]となる迷い犬に初めて出会った際、「(リンゴの)種には毒がある」と雑学を披露しながらリンゴを&bold(){素手で割って}与えるシーンがある。本編でも、件の雑学が犯人を自白させるハッタリに使われた事件がある。
**[[『ヱヴァン>ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序]][[ゲリヲン>ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破]][[新劇場版』>ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q]][[4部作>シン・エヴァンゲリオン劇場版:||]]
秘密結社「[[ゼーレ>ゼーレ(新世紀エヴァンゲリオン)]]」のシンボルマークは従来7つの目だけだったが、新劇場版からは知恵の実をイメージしたリンゴ(と、それを食べようとする蛇)が追加されていた。
**[[『星のカービィ』シリーズ>星のカービィシリーズ]]
[[ウィスピーウッズ]]が落とす、或いは口から吐き出すものとして登場。現在はウィスピーウッズの他、マホロアがカビハンシリーズでジェムリンゴを販売したり、『Wiiデラックス』の『[[マホロアエピローグ>マホロアエピローグ 異空をかける旅人]]』でリンゴを集めたり、『真 格闘王への道』でリンゴを落としたり、[[カービィ]]の好物がトマトなのに対抗してか、マホロアを象徴する果物になっている。
また、[[ポピーブロスJr.>ポピーブロスSr./ポピーブロスJr.]]が玉乗りの要領で転がしてくることも。
[[アニメ>星のカービィ(アニメ)]]においては[[カービィ]]が[[スイカ>スイカ(果実)]]と並んで好む食べ物となっている。
青リンゴのような見た目をした、「大王の逆襲」に登場する[[スカーフィ>スカーフィ(星のカービィ)]]の強化版である「Mr.アングリップ」というキャラもいる。
漫画『[[デデデでプププなものがたり>星のカービィ デデデでプププなものがたり]]』では通貨として用いられたこともある。
**『どうぶつの森』シリーズ
初代から現在まで、5種類の特産品(リンゴ、オレンジ、さくらんぼ、モモ、ナシ)の一種として登場している。『とびだせ』では特産のみ「おいしいフルーツ」という上位種があり、『あつまれ』では特産がパスポートに表記される。また、[[ハムスター]]の住民に「アップル」というリンゴをモチーフにしたキャラがいる(余談だが、ネコ住民には「ヒャクパー」というオレンジをモチーフにしたキャラがいる)。
尚、『とびだせ[[amiibo]]+』のミニゲーム、『[[無人島]]脱出ゲーム』でのクマ住人とコグマ住人、カメヤマさんの好物フルーツはリンゴである。
**『[[狼と香辛料]]』
ヒロインである賢狼[[ホロ>ホロ(狼と香辛料)]]の大好物。
**[[『バイオハザード』シリーズ>バイオハザードシリーズ]]
『OB1』『OB2』『アンブレラ・クロニクルズ』において、色々な意味で始まりの地・[[ラクーンシティ]]にある「アップル・イン」という安[[宿>宿屋]]が登場。
ただ、宿のランクやスペックから言えばそのセキュリティは不釣り合いとも言えるが……。
**『[[テニスの王子様]]』シリーズ
主役校・青学の不二の好物の一つはりんごである。『新』のキャラでは高校生は遠野、オーストラリア代表のドルギアス兄弟はアップルパイが好物である。
**『[[東方Project]]』
『Bad Apple!!』というタイトルの楽曲がある。といっても旧作の曲だが。
同名のアレンジ楽曲の、意味深な歌詞と影絵のキャラクターたちが踊るスタイリッシュなPVが印象的。
ちなみにこの語は歌詞にもあるように「&bold(){ろくでなし}」という意味。
ちなみにキャラクターの名前としても使われており、ズバリ[[鈴瑚]]というキャラがいる。
しかし彼女は好きなものは団子、テーマ曲は[[カボチャ]]、使う技名は「ストロベリーダンゴ」とリンゴ要素は皆無、食べ物であれば何でも良いという感じとなっている。
**『[[MOTHER>MOTHER(ゲーム)]]』シリーズ
『[[2>MOTHER2 ギーグの逆襲]]』にて、[[敵>ギーグ(MOTHERシリーズ)]]陣営が用いる「ちえのリンゴ」という予言マシンの名前として登場する。
素直に考えれば、知恵の実(禁断の果実)の伝承からの着想と思われる。
彼らはこのマシンの予言によって敗北(する運命にあること)を知り、(後の)脅威となる[[主人公>主人公(MOTHER2)]]らに対してさまざまな妨害や攻撃を仕掛けてくる。
だが登場人物のセリフ中に何度か出てくる重要なワードながら、マシンそのものは[[ゲーム]]中には直接登場しない。
劇中で語られる情報がかなり少ないため不明な点が多く、ファンの間では考察や議論の対象にもなっている。
**『[[聖闘士星矢]]』
劇場アニメ第1作の敵・争いの女神エリスは「黄金のリンゴ」の力で封印されていたが、[[彗星]]レパルスの影響で復活。
星の子学園の少女・相沢絵梨衣に憑依し、配下の幽霊聖闘士を率いて[[星矢>星矢(聖闘士星矢)]]らに襲い掛かった。
後にスピンオフ作品『[[セインティア翔]]』においても登場している。
**『[[トリコ>トリコ(漫画)]]』
「ビックリアップル」という感情と表情の豊かすぎるリンゴが登場。まあトリコにはよくあること&s(){…でもない}。
IGO管轄のビックリ島では人工栽培に成功しているが、ただ収穫するよりも、ビックリというか情動を激しく揺さぶるほど美味しくなり高値がつくため、様々な手段が採られている。
最終話直前の[[トリコ>トリコ(トリコ)]]の結婚式の宴でもデザートの材料のひとつに供された。
**『[[戦姫絶唱シンフォギアG]]』
そのままズバリ『apple』という曲が登場。
『シンフォギア』世界におけるわらべ歌にして作品の世界観の背景にも繋がる歌で、最終章である『XV』では……?
**『[[仮面ライダー鎧武]]』
その名の通り、最初期の[[ロックシード]]である「禁断のリンゴロックシード」で変身する「リンゴアームズ」という[[装備>アームズ(仮面ライダー鎧武)]]が登場。アームズウェポンは[[盾]]「アップルリフレクター」と[[長剣>剣]]「ソードブリンガー」。
Vシネマ『[[鎧武外伝 仮面ライダー斬月]]/[[鎧武外伝 仮面ライダーバロン]]』において、前者では敵アーマードライダー・イドゥン、後者ではアーマードライダー・[[バロン>駆紋戒斗/仮面ライダーバロン]]が装備している。
それに先駆けて、映画『[[劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!]]』においては敵アーマードライダー・[[マルス>コウガネ/仮面ライダーマルス/仮面ライダー邪武]]が色違いのゴールデンアームズを装備した他、アーマードライダー・冠が同じく色違いのシルバーアームズを装備している。
ゴールデンアームズの武器はリンゴアームズ同様に盾「アップルリフレクター」と長剣「ソードブリンガー」だが、シルバーアームズの武器は[[錫杖>杖#id_a7b27955]]型の「蒼銀杖」となる。
そしてテレビ本編最終回でも、仮面ライダー邪武が同じく色違いのダークネスアームズを装備している。こちらの武器は大橙丸の色違い「ダーク大橙丸」。
なお、『[[鎧武外伝 仮面ライダーグリドン vs 仮面ライダーブラーボ]]』に登場したアーマードライダー・シルフィーはモチーフこそ本作に登場する架空の「ヘルヘイムの森の果実」だが、
スーツ自体はイドゥンの改造なので、カラーリングを除いた造形に関してはリンゴ(シルバー / ダークネス)アームズそのままとなっている。
加えて、同作におけるキーアイテムである&bold(){「禁断の果実/知恵の実/黄金の果実」}は、まさにアダムとイブの楽園追放に描かれたリンゴそのものである。
**『[[アイドルマスター シンデレラガールズ]]』
[[山形県]]のりんご農家出身アイドル・[[辻野あかり]]が登場(([[ゲーム]]中で彼女の言うりんごはすべてひらがなに統一されている。))。
りんごと言えば青森県や長野県が有名で、山形県の特産の果物としてもさくらんぼなどの方が知られているが、あかりは&s(){実家の宣伝のために}誇りを持って今日もふるさとのりんごを推しているのだった。
2020年には、彼女が山形県産のリンゴをPRするという内容の二次創作動画『&bold(){たべるんごのうた}』がインターネットミームを巻き起こした。
そして2022年に発表された、あかりの公式ソロ曲『トキメキは赤くて甘い』では、歌詞カードに乗らないのをいいことに&bold(){ウィスパーボイスパートで「山形のりんごはいいりんご」だとか歌ってしまっている。}ちなみにその直前で挙げているのは全部山形県で栽培されている品種&color(silver){で、他の地方の名前がついている「シナノスイート」や「つがる」についてもハブりはしないが、2番前のパートにまわしている辺りなかなかしたたか}。
また、青森県出身の工藤忍も実家からリンゴがたくさん送られてくるらしく、それを剥いている様子のカードもある。
余談だが、あかりと同期の[[夢見りあむ]]のプロフィールの体重が「&bold(){りんご沢山}」となっているが、多分前述のハローキティでも触れたプロフィールのパロディだろう。
&s(){大御所をパロってムダな火種を生む辺りがりあむたる所以である。キティさんなら笑って許してくれそうでもあるが。}
**『ヨッシーストーリー』
赤ヨッシー、ピンクヨッシーの好物として登場(他はスイカ(緑)、バナナ(黄色)、ぶどう(青と水色))。尚、スイカとバナナとメロンは分類上は野菜である為、純粋な果物はりんごとぶどうだけである。
**『[[クラッシュ・バンディクー]]』シリーズ
主人公であるクラッシュの好物として登場。
木箱の中に入っていたり、ステージのいたるところに落ちていたりして、100個集めると残り人数が1増える。
うっかりリンゴの近くでスピンして消し飛ばしてしまうのはお約束。
また、一部作品では武器として使われている。
『3』、『4』(『魔神パワー』)ではパワーアップアクションに「リンゴバズーカ((海外版においては“Fruit bazooka”となっている。))」が登場。
手に入るのはストーリー後半からだが、弾数無制限の遠距離武器として猛威をふるった。
一応上記のものはリンゴそのものではなくリンゴ型の爆弾を撃ち出しているらしいが、『2』ではエヌ・ジンとのボス戦において彼の駆るマシーンに対し&bold(){ただのリンゴをぶつけて撃退に成功している。}
精密機械を果汁まみれにすることでショートを引き起こし爆発させたのだろう、多分。
ちなみにこのボス戦でもリンゴは消費されない。
……ただし、リンゴ表記は過去の日本語版においての話。
実は長らくリンゴとされていたアレ、厳密にはクラッシュ達が暮らすウンパ・アイランドに自生する「ウンパ・フルーツ」といって、見た目はリンゴで中味は[[マンゴー]]、果肉は&color(purple){紫色}の架空の果物だったのだ。
リマスターの『ブッとび3段盛り』からは日本語版においても「ウンパ・フルーツ」と表記されるようになったが、リンゴ表記もまだ使われることがあり、混在している状態。
**『[[Fate/Grand Order]]』
スタミナ回復アイテムとして「赤銅の果実」「白銀の果実」「黄金の果実」が登場。
リンゴとははっきり言っていないが形は明らかにリンゴのそれなので、ユーザーからは「銅リンゴ」「銀リンゴ」「金リンゴ」と呼ばれている。
また、とあるイベント直前キャンペーンにおいてそれらが配布された際には[[あるキャラクター>キリシュタリア・ヴォーダイム]]のイラストが使用されていた。
だが、あまりにも脈絡が無さすぎたことがインパクトを与えたのか、彼はやがて一部のユーザーから&bold(){リンゴ農家}呼ばわりされるようになってしまった。
後にスタミナを一定量変換して貯蓄しておけるアイテム「青銅の果実」が追加。
将来のイベントの為に暇な時期のスタミナでリンゴを生産することになり、今度はプレイヤーが青リンゴ農家と化するのであった。
**『[[FLOWER KNIGHT GIRL]]』
ズバリ、リンゴをモチーフにした[[花騎士>花騎士(FLOWER KNIGHT GIRL)]]「リンゴ」が登場。
とはいえ見た目は桃色のドレスを纏った美少女で、一般的なリンゴのイメージである「赤」がほとんど使われていない。
それもそのはず、彼女はリンゴの「花」をモチーフにしたキャラなので、「実」はあまり考えられていないのだ。
……だが「赤」要素が無いわけではない。
彼女は花言葉である「最も美しい人へ」「誘惑」が強調され美しいもの……ズバリ&bold(){女の子が大好きなキャラ}となっており、美少女を見ると「むっはぁー」と誘惑され&bold(){[[鼻血]]を出す}。&bold(){赤要素はそこに詰まっている。}
この「むっはぁー」癖がとある種族との友好関係の架け橋になるのだからわからないものである。
しかし同性愛者ではなく[[両性愛]]者で、男である団長とも愛を育む。
なお鼻血以外に果実要素が皆無かと言うとそうではなく、武器は&bold(){ビームが出たり[[巨大化]]して乗り物になったりと謎が多い「箱に入った黄金のリンゴ」}である。ただし☆6ではそれを手放しビームを出すビットのような武器になる。&s(){つまりよくわからない。}
2022年6月に実装されたジューンブライトでは&bold(){自らが回ってスケートのような移動までするようになった}。もはや果物のリンゴ成分はほとんど残っていない……。
同郷に同じく赤い実をつける「ピラカンサ」がいるが「いる時間が多くて鼻血出しそうになるので我慢している」事で変な誤解が生まれている。
また[[クリスマス]]の飾りによくリンゴが使われる関係からか、そのクリスマスツリーである「モミノキ」からは心配されている。
**『ふるーつふるきゅーと!』
花騎士と同じFANZA系のソシャゲで、「果物の[[擬人化]]」をテーマとする作品『ふるーつふるきゅーと! 〜創生の大樹と果実の乙女〜』では、
[[ナビゲーター枠>ソーシャルゲームの同行キャラ]]の一人として「りんご」が登場。フルーティア達を指揮するプレイヤーの補佐を担当する。
花騎士のリンゴちゃんと違ってこちらはリンゴの実がモチーフなので、赤を基調とした服装とリンゴを模した帽子が特徴。
後に夏の水着イベントで正式にフルーティアとして実装され、現在は7バージョン存在する(水着・ハーフアニバ仕様・ウェディングドレス・創生りんご・1.5周年仕様・&bold(){ねこ})。
なお、趣味は&bold(){野球観戦}。ネタに走った時の発言は&bold(){実況J(通称なんJ)のやきう民}のそれ。
ボイスも野球を連想させるモノが多く、しかも後に&bold(){「りんごのホームランダービー」}なるコンテンツまで実装されてしまった。
なお「ふるーつふるきゅーと」&bold(){サービス終了後}の2024年8月に花騎士とコラボし、上のリンゴちゃんとも対面したが、向こうがふるふるキャラの可愛さに「むっはぁー」しちゃったのでふるふるりんごがまともに見える自体が発生した。&s(){やはりホームグラウンドの先輩には勝てなかった。}
**『[[DEATH NOTE>DEATH NOTE(漫画)]]』
[[死神]]の一人である[[リューク>リューク(DEATH NOTE)]]がリンゴを好む。
自分が元々いた世界のそれに比べて、人間界のリンゴは段違いに美味いらしく、死神界のリンゴ((萎びすぎて[[ピーマン>ピーマン(野菜)]]の様な外観となっている。))を一口齧った[[弥海砂]]は&bold(){「砂!」}と評していた。
この作品においての死神は食事の必要が無いが、人間で言う酒やタバコと同じような嗜好品で&bold(){食べないと禁断症状が出る}。
[[後年になると人間界のリンゴを献上すれば&bold(){死神大王も軽微な規律違反を見逃すようになる}>Cキラ編(DEATH NOTE)]]という死神にとってはまさしく禁断の果実となっている。
主人公の[[夜神月>夜神月(DEATH NOTE)]]にとってはこれが印象的だったらしく、序盤において「ノート」の実験をするために数人の受刑者を殺した際、[[L>L(DEATH NOTE)]]を[[挑発]]するために用意した[[暗号]](というか[[あいうえお作文]])の答えが「えるしっているか しにがみは &bold(){りんごしかたべない}」。意味がわからない警察関係者は当然憤慨していた。
なお、作中に登場した死神でリンゴしか食べないのはリュークだけで、他には[[チョコレート]]が好きな死神・シドウも登場していた。
**『ドナルドのリンゴ園』
1952年1月18日に公開された、ディズニー短編映画。
リンゴ園で働く[[ドナルドダック]]がリンゴが食べたい[[チップとデール]]とリンゴを巡る戦い(?)を繰り広げる内容である。
**『白雪姫』がモチーフのあれこれ
前述の通り、白雪姫は毒リンゴを食べて永遠の眠りについている(ご存知の通り&s(){[[ネクロフィリア>屍姦]]の}王子様のキスで生き返りますけどね)。
童話的にはリンゴ、というか毒リンゴは悪役の使うものだから良いイメージで描かれていないが、『白雪姫』がモチーフのあれこれはリンゴと関連付けられていることが多い。
例えば『[[Wonderland Wars]]』のシュネーヴィッツェンの盾はリンゴ型だったり、『[[おとぎ銃士赤ずきん]]』の白雪姫の喧嘩仲間の名前が「りんご」だったりするし、『ディズニー ツイステッドワンダーランド』の舞台となる学校にある寮の一つで、[[ディズニーの『白雪姫』>白雪姫(ディズニー映画)]]からインスパイアされた「&b(){&color(purple){ポムフィオーレ寮}}」のエンブレムは、短剣の刺さったドクロのようにも見えるリンゴである。
更にアイスクリームブランド「ハーゲンダッツ」からも「ストーリータイム 白雪姫の林檎 カスタードとともに」というフレーバーが発売されており、どうも両者の関係は深いようだ。
**『菱宮津軽』『ツガル』
『[[beatmania]] IIDX』に登場した、青森県出身のお嬢様「菱宮津軽」……をモチーフにした『[[武装神姫>武装神姫BATTLE MASTERS Mk2に登場する神姫]]』、『[[ボンバーガール>ボンバーガール(ゲーム)]]』などのコナミゲーに登場するサンタ型の武装神姫。
『[[武装神姫]]』の頃は名前の割に「リンゴ」と呼ばれることを嫌っていたが、『ボンバーガール』に登場する頃には慣れてしまったのか、趣味が「りんごの栽培」になっていた。
だがゲーム中において使うリンゴは&bold(){敵に投げつけてかなり長い間スタンさせる}という代物。仲間に食べさせて回復とか[[バフ>バフ/デバフ]]とかは一切無い。
**『[[アークナイツ>アークナイツ(明日方舟)]]』
キャラの一人「エクシア」がスキルを使う度に「&bold(){アップルパイ}!」と叫ぶ。
これは本来は“As easy as pie”、訳すると「パイを食べるのと同じくらい簡単だ」というスラングで、[[日本語]]で言う「お茶の子さいさい」である。
つまりこの掛け声が響けば&bold(){敵が血に染まりアップルパイみたいになってしまう}。
アメリカで「パイ」といえば大抵アップルパイとなるので、翻訳の過程で珍妙な台詞になってしまったのだろう。おかげでプレイヤーの間では「アップルパイ=エクシア」で通じてしまう。
……と色々と説明したが、イベントにおいて実際に&s(){銃弾じゃない}アップルパイを振る舞うこともあるので&bold(){「単に好きな食べ物の名前を叫んでいるだけ説」}もある。
**『[[パワーパフガールズ]]』
DCコミックスには、前述のキャラメルアップルを使って敵を撃退するエピソードがある。
**『[[聖☆おにいさん]]』
知恵の実ということからか、イエスはリンゴを食べると知性が高まる……というか&bold(){意識高い系}みたいになる。
[[ブッダ]]は「絡み辛い感じになる」としてこの状態を警戒し、リンゴをイエスに近付かせないようにしている。
ジャムにすると大丈夫なようだが、リンゴのお酒や&bold(){Apple社製品}からも同じような影響を受けてしまうなど、基準はよくわからない。
**『[[サザエさん]]』
[[オープニング>サザエさんのオープニング]]のラストで、磯野家の飼い[[猫]]であるタマがリンゴの中から現れて腰振りダンスを披露する。
ただしリンゴなのは冬期だけで、それ以外の季節だと別の果物になる。
**『[[Minecraft]]』
食べ物としてリンゴと金のリンゴ、エンチャントされた金のリンゴが登場。
[[オーク]]/樫の木の葉を刈る((樫の木には「[[オーク]]アップル」と呼ばれる、虫が寄生したことでできるこぶが付くことがあるが意図したものかは不明。))と時々リンゴが落ちてくることがある。
作業台で金インゴッド8個でリンゴを囲むと金のリンゴとなり、これを食べると体力増加と再生の効果が付く他、弱体化のスプラッシュポーションで弱らせた村人[[ゾンビ]]に食べさせると治療することもできる。
エンチャントされた金のリンゴは様々な構造物のチェストからのみ入手でき、ただの金のリンゴ以上の効果を得ることができる。
**『[[ぞくぞく村のおばけシリーズ]]』
見た目は舌を出したリンゴの実「ベロベロの実」が作中で何度も登場。美味しいが舌の部分は猛毒。
登場人物らがおやつやシチューの具にして食べるほか、[[ゴブリン]]一家がベロベロの木の家に住んでいる。
**『[[マクロスシリーズ]]』
『[[マクロスプラス]]』にて[[シャロン・アップル]]が登場し、『[[マクロスΔ]]』ではウィンダミアを中心にリンゴがフィーチャーされている。
ウィンダミア出身の[[フレイア・ヴィオン]]はリンゴが好物であり、作中ファンからは林檎娘と呼ばれることもある。
*○現実において
**Apple社
規模が[[デカァァァァァいッ説明不要!!>バキシリーズ]]な世界的IT企業。
あなたの周りにも同社の製品が1つはあるかもしれない。
故[[スティーブ・ジョブズ]]が社長を務めていたことでも知られる。
同社製品名「[[Macintosh>Mac/macOS]]」はリンゴ品種名「McIntosh(日本名:旭)」に由来している。
ちなみに後述のザ・ビートルズが設立した会社アップル・コーアとは、名前も事業内容も被って訴訟沙汰になったことも。
**『リンゴの唄』
1945年、戦後間もない頃に発表された並木路子歌唱の曲。
作詞者は『ちいさい秋みつけた』『[[うれしいひなまつり]]』などで有名なサトウハチロー。
素朴な歌詞とよく伸びる歌声は、当時の質の悪いラジオでもはっきりと聞こえる。
戦後をモチーフにした作品や当時を振り返る映像の中で&bold(){必ずと言っていいほど}流れる……
が、これは当時空前の大ヒットを記録したことが由来の他、当時の複雑な世相や現在の[[大人の事情]]が相当絡んでいるようだ。
「これの他にも曲はあるが使うと怒られる」というところから使われていたのが、いつの間にか戦後=この曲となっていった……というわけ。
ただし、&bold(){諸々の事情はどうあれ大ヒットしたのは間違いなく}、
これは戦時中には軍歌のような曲ばかりが流れていたのでこういう明るい曲が新鮮だったこと、戦禍に打ちひしがれている人々がこの前向きな歌詞とよく伸びる歌声に励まされたことなどが要因とされている。
元祖小説版『[[リーンの翼]]』でも、人間の明るさ・前向きさの象徴として使われた。
文化庁選定の「日本の歌100選」に選ばれ、『[[笑点]]』の大喜利の題材に使われたこともあるなど、歌い継いでいきたい名曲の一つである。
**『リンゴ園の少女』/『リンゴ追分』
1952年、美空ひばりがラジオドラマ『リンゴ園の少女』(後に美空の主演映画として実写化)の主題歌として発表した曲と、そのB面曲。
…なのだが、なぜか『リンゴ追分』の方が人気曲となり、11年後には『リンゴ追分』単体のセルフカバーシングルを発売。
曲・映画の主人公の出身地である青森にも弘前市に『リンゴ追分』の碑が立ち、美空が生前最期に紅白歌合戦に出演した際も3曲メドレーの2曲目として披露された。
内容は東京に出て来た津軽の少女が故郷や家族を思って泣く歌だが、それが人々の心をひきつけたのかも知れない。
**『ミニ・ストロベリ~パイ。』
ミニモニの『ミニモニ。ひなまつり!』のカップリング曲。ストロベリーパイとアップルパイを作る歌で、ストロベリーパイがメインで、アップルパイは2番だが一応。
**『アップルパイ・ア・ラ・モード』
『petit mirady([[悠木碧]]と[[竹達彩奈]]のデュエット)』の『恋はみるくてぃ』のカップリング曲。
タイトル通り、「アップルパイアラモード(バニラアイスを乗せたアップルパイ)」を作る歌である。
**『林檎殺人事件』
1978年に発表された郷ひろみと樹木希林のデュエット曲で、2人が共演したTBS系ドラマ『ムー一族』の挿入歌として制作された。
内容はコミカルな探偵もののパロディで(曲のコンセプト等はプロデューサーが提案したもの&s(){なので彼が自分で作詞も出来る事を知る作詞者は「自分で作れば」とも思ったそうな})、歌番組での披露時には二人が揃いの水兵服にサングラス・林檎のアクセサリーを纏っていたが、
動機として挙げられる「男と女の愛のもつれ」は、同ドラマが「&bold(){長男が家の土地主の嫁と駆け落ちしたせいで}、地主からの立ち退き要求に悩まされる足袋屋のドタバタな日常」(郷は次男役・樹木はお手伝い役)を描いている事を考えると意味深…かも知れない。
**[[椎名林檎]]
日本の女性ミュージシャン。詳しくは個別項目を参照されたし。
**『[[ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)]]』
ピコ太郎による楽曲及び動画のタイトル。
YouTubeに投稿されるや否や、瞬く間に世界中を席巻した。
詳しくは個別項目を参照されたし。
&s(){古坂大魔王?あんな奴知りません。}
**りんご娘
[[青森県]]のご当地アイドルグループ。
それぞれリンゴの品種を芸名にしており、特に王林は抜群の知名度を持ち、首都圏のテレビ番組などにも頻繁に出演する。&font(l){王林以外知らないとか言ってはいけない。}
2025年現在のメンバーは、ピンクレディ・スターキングデリシャス・はつ恋ぐりん(あおり24の商標名)・金星。2022年まで在籍していた王林・とき・ジョナゴールド・彩香(あおり9の商標名)や現メンバーの初期ユニット(りんご娘の妹分)「アルプスおとめ」と合わせ、それぞれリンゴ品種に由来する。
また平均身長170cmという高身長グループであることも特徴で、一番背が高い彩香は女性ながら177cmある。
2020年からのコロナ禍の下、[[青森県]]でもライブ活動は制限されているため、現在YouTube上での活動がメインとなっており、実際にリンゴ園の管理作業体験をしている。
**外崎修汰
[[埼玉西武ライオンズ]]に所属するプロ野球選手(内野手)。
実家は弘前のリンゴ農家「外崎りんご園」。本人もリンゴを潰せる握力の持ち主で、少年期にはリンゴをボール代わりに練習したこともある。
このバックボーンと野球選手としてのパンチ力ある打撃から、「&bold(){アップルパンチ}」という愛称が定着している。
「外崎りんご園」のオンラインショップでは生産したリンゴやそれを加工したリンゴジュースのみならず、「外崎りんご園」と大書された応援フェイスタオルも売っており、西武戦を見に行くと必ず1つは見かけるアイテムとなっている。
なお、西武では髙橋光成投手の実家も群馬県の利根川の上流部にあるリンゴ農家だが、西武でリンゴというと外崎の知名度があまりに高いため、リンゴネタで取り上げられることは少ない((2024年に外崎りんご園と髙橋りんご園のリンゴを使った球場スイーツが発売されている。))。
**[[ワルナスビ]]
実を英名では“Apple of Sodom”(ソドムのリンゴ)という。詳しくは個別項目を参照されたい。
他にも「フォックスフェイス」「キダチハリナスビ」等と言った&bold(){有毒の果実を結ぶ植物}に名付けられる。&s(){でもここで挙げたのは全部ナスビである。}
一応「ウシャル」という顕花植物の種も分類される。
旧約聖書で&s(){[[ラピュタ>天空の城ラピュタ]]}ヤハウェの裁きにより滅ぼされた背徳の街ソドムと、禁断の果実に擬せられるリンゴの名から取られている。
ちなみに上記のリンゴと同じく、[[ワルナスビ]]とフォックスフェイスも[[花騎士>花騎士(FLOWER KNIGHT GIRL)]]にもいる。
二人とも根は善人だが偽悪的といった立ち位置。
**マンチニール
縁は少し遠いトウダイグサ科だが葉と果実がリンゴとよく似ているため、スペイン語の"小林檎"を意味する名を持つ''ギネス公認・世界で最も危険な木''。
樹液などに複数の毒成分を含んでおり、木を触れた手で目に触れれば失明の危険もあり、実は甘いが食べれば喉や気管が腫れ上がって数時間は食事もできなくなって最悪呼吸困難で命を落とし、[[雨宿り]]などして木を伝った雫を浴びれば皮膚がただれ、燃やせば毒の煙が上がるなど、何から何まで毒まみれ。
**ポムフード
創作[[オムライス]]店『ポムの樹』を展開する外食チェーン。
会社ロゴマーク、及び『ポムの樹』ロゴマークは文字通りリンゴの樹をモチーフにしている。
なお発祥となったのは[[喫茶店]]『ポムドテール』。[[ジャガイモ]]の方かよ(後述)
**『リンゴ日報』(『アップルデイリー』)
香港特別行政区において2021年6月24日まで発行されていた新聞。現地表記は『蘋果日報』。
**リンゴ病
伝染性紅斑という感染症の通称。
**しりとり
お馴染みの言葉遊び。「[[しりとり]]→リンゴ→ゴリラ」と展開していくことも少なくないはず。
*余談
アイザック・ニュートンが&bold(){引力}という概念を知り、研究するきっかけとなったモノも落下したリンゴ。
だが、実はこれは&bold(){品種改良されていない大変マズい種類}で、味は渋くて食感も砂のようでとても食べられたものではなかったという。
一応、落果してしばらくすると完熟して美味しく食べられるようになるが、その代わりに日持ちしなくなるそうだ。
フィクション・リアル含めて怪力自慢がパフォーマンスに握り潰すものとしても有名だが、リンゴを片手で潰すのに必要な握力は&bold(){最低でも70kg}。
健康作用のあるハーブとして有名なカモミール(カミツレ)は、リンゴのような香りがすることで有名。
世界中で広く愛飲されているが、ギリシャ語で“chamaimelon”(カマイメロン)、「大地のリンゴ」と呼ばれ、どこの地方でもリンゴ絡みの通称や逸話があるなど、リンゴと妙に縁が深いハーブである。
フランス語で[[ジャガイモ]]は“pomme de terre”(ポム ド テール)、直訳するとこれまた「大地のリンゴ」。
縮めて“pomme”(ポム)とリンゴと全く同じ呼び方をすることもある。
なので[[フランス料理]]で「ポム」の付くものがリンゴ料理とは限らず、[[ジャガイモ]]料理の可能性もあるので注意(お菓子かおかずかで[[なんとなく]]わかるとは思うが)。
リンゴから出るエチレンガスは、植物に対して成長ホルモンとして働き、他の果物を熟しやすくすることは有名。
他のフルーツと一緒に密閉することで追熟を早められるし、逆に長持ちさせたいなら一緒に置かないか換気をしっかりしておこう。
世界的ロックバンドであるザ・ビートルズの一員リンゴ・スター。その「リンゴ」という名前だが、これは日本語の「リンゴ」とは&bold(){一切関係が無い}。
芸名を考えている際に指輪(Ring)を嵌めていたため、これをもじって“Ringo”とした。ちなみに“Starr”は“Starkey”にしたかったが、語感が悪かったので縮めたのが由来らしい。
……何を当たり前のことを、と言っているかもしれないが、もしかしたら関係があるかもと考える人が妙に多いのだ((ジョン・レノンの妻が日本人だし、ビートルズが設立した会社の名前が「アップル」だし……また「リンゴ」なんて言葉が外国語にあるとも考えにくいためか。なお、90年代の頃には、リンゴ本人が出演し「リンゴ、擦った」という一発ギャグをかます缶チューハイのCMがマジで存在した。))。
さらに00年代後半に「&s(){[[DQNネーム]]}キラキラネーム」として話題になったものに「星(あっぷる)」というネタがやたら多かったが、おそらくこの「リンゴ(Apple)・スター(星)」が名付け親の&s(){足りない}頭の中で有機的に絡み合ってしまったものと思われる。
&font(l){なお、タレントの小倉優子が若い頃に自身の故郷だと主張していた惑星「こりん星」は断じて[[千葉県]]ではなくリンゴの形をした星だそうで、また彼女の地元での真名は「りんごももか姫」だったとか。}
[[青森県]]はリンゴの生産量日本一ということから、県を挙げて同県産リンゴのPR活動に努めている。
同県内の小学生にはリンゴの下敷きが配られ、2021年2月には[[青森県]]観光企画課が「青森版『私は[[ロボット]]ではありません』画像選択の画像です。」とTwitterに画像を投稿。
これは、&bold(){ぱっと見全部同じものにしか見えない9枚のリンゴの画像からふじの品種だけを選ぶ}というもので、難易度の高さとユニークさで話題を集めていた。
&s(){[[???>中川圭一]]「全部同じじゃないですか!?」}
さらに同年11月にも、やはりぱっと見全部同じものにしか見えないリンゴの画像から同じものを集めて消してゆく落ち物パズル「&bold(){ぷよりんご}」を公開((システムはセガが公開している「ぷよぷよプログラミング」のコードをベースにしたもの。))しているなど、リンゴ県のリンゴ愛はかくも深いのだ。
#center(){#bold(){
&sizex(5){&color(#f4ea20,red){これは……?}}
&color(hotpink){プロフェッサーからの贈り物よ。さっさと追記・修正しなさい!}
&sizex(5){&color(#f4ea20,red){良いだろう……。使ってやる!}}
&sizex(6){&color(oldlace,red){カモンッ!}}
&sizex(6){&color(oldlace,RED){リンゴアームズ!}}
&sizex(6){&color(oldlace,RED){デザイア・フォビドゥン・フルーツ!!}}}
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- たーべるんごー たべるんごー やまがたりんごを たべるんごー -- 名無しさん (2021-04-24 00:02:59)
- おぅゴンの果実...! -- 名無しさん (2021-04-24 00:25:05)
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- そういやガリガリ君はどの味もだいたいリンゴ果汁が入ってるな。袋を見比べて驚いた記憶がある -- 名無しさん (2021-04-25 20:02:00)
- Apple社のパソコン、Macこと「Macintosh」もリンゴの品種名から取られている。リンゴ品種‘Macintosh’は日本に導入されたとき‘旭’という名前で栽培されている。明治時代に導入されたリンゴは日本で名前をつけ直しているのが多い。‘Jonathan’→‘紅玉’とか -- 名無しさん (2021-04-26 20:32:28)
- たいした手間じゃないのに、なぜウサギさんリンゴはああもテンションが上がるのか。 -- 名無しさん (2021-04-27 08:25:19)
- メジャーな果物すぎて関連作品に入れるべきか迷ってしまうな。ハローキティの身長体重とか力石の減量とかミドリマキバオーの好物とかふぞろいの林檎たちとか ラブジェネレーションのガラス林檎とか林檎殺人事件とか -- 名無しさん (2021-04-28 00:59:12)
- マイリトルポニーのアップルジャックはないのか -- 名無しさん (2021-04-28 10:16:03)
- りんご娘のYou Tube番組『産地直送日本最高!』は見ているとだんだんりんご娘が好きになってくるし、最近はDASH村のようなリンゴ農地開拓まで始めたので今後が楽しみ -- 名無しさん (2021-05-03 11:30:14)
- 「ニュートンのリンゴ」が物語の鍵を握るジャンプ漫画がなかったっけ? -- 名無しさん (2021-07-07 11:31:40)
- ↑ ハングリージョーカー -- 名無しさん (2021-07-16 23:56:09)
- いつ食っても美味い -- 名無しさん (2021-07-17 00:30:36)
- 途中送信しちまったorz 食後のデザートで出されても真っ先に食うレベルで好き 布団から出る気力なくてもこれがあるとオカンから聞かされたら飛び起きるレベルで好き -- 名無しさん (2021-07-17 00:32:34)
- 子供が罹るリンゴ病なんてのもある -- 名無しさん (2021-07-17 06:19:37)
- 聖書関係でリンゴが間違って取り上げられた理由→「りんご」と「罪」が、ラテン語では同字異音であるゆえに取り違えられた。どっちも "malum" と綴る。 -- 名無しさん (2021-08-15 01:35:37)
- 知恵の実は黄金のリンゴってのが定説やね、じゃあ生命の実は? -- 名無しさん (2021-08-15 21:44:47)
- トリコにビックリアップルってなかったっけ -- 名無しさん (2021-11-07 13:26:19)
- 「果物の王様」って称号はドリアンよりこっちの方が合ってる気がする -- 名無しさん (2022-05-21 18:04:58)
- 青森はりんごでぷよぷよも作ってたな… -- 名無しさん (2022-08-07 13:41:06)
- ビートルズの会社の青りんごマークはマグリットの絵画「視聴室」が由来らしい。 -- 名無しさん (2023-10-07 14:08:13)
- 初代たまごっちで「ゲームで発見2」のオリジナル設定だけどむしっちの食べ物の一つにりんごがあって、一部のむしっち(イモっち、ちょびタマっち、カブトっち、ふたごアリっち、ムシばっち)がりんご好き。後、ミニモニの「ミニストロベリーパイ」や、他のユニットで「アップルパイ・ア・ラ・モード」って曲があって、りんご(アップルパイ)の事を歌ってる。どうぶつの森でも定番の特産の一種。 -- 名無しさん (2024-02-07 11:10:00)
- 人間の手で掴むのに丁度いいサイズで皮ごと丸かじりできるのが創作映えしやすいと思う。 -- 名無しさん (2024-07-22 12:05:54)
- この項目以外もそうだけどお菓子のこと詳しく書いてくれる方助かる。すごく美味しそう -- 名無しさん (2024-10-04 12:24:07)
- アンパンマンとりんごちゃん(それいけ!アンパンマン) -- 名無しさん (2024-10-05 10:15:28)
- リンゴそのものとはちゃうけど、ジョニー・アップルシードって人がいる。その昔、アメリカでリンゴを植えながらキリスト教を布教した伝説的人物だそうな。絵本やアニメの題材にもなったとか。 -- 名無しさん (2025-03-14 18:55:40)
- >リンゴが赤いのは実は農家さんが紙袋やビニール袋で保護することによって艶を出しているため それ着色系という色付きが悪い品種が主な時代の話。長野県ではほぼ絶滅しています(※継続しているのは個人客や業者(農産物直売所や道の駅の法人出店者)の要望で非着色系の古い品種を栽培している農家だけので)。今の継続しているのは青森県含む東北の一部だけです(北海道は道の試験場独自開発品種と”ふじ”の着色系に切り替えられていまして、研修に行った約20年前の時点で皆無です)。>赤くない方がうまいのに、赤くなきゃ売れない 色々前提や前段階を説明しなければならないので単刀直入に言うと消費者(これは実はりんご農家のも当てはまる※後述)が外観の悪い個体を敬遠するので市場(道の駅含む)には一定の外観の良い個体しか出回らないから。格外(かくがい、工業製品と同じで規格外の規が省略される場合が少なくない)は個人経営系の直売所や一部の道の駅やご当地スーパーで安く販売しているので知っている人が少なくないはず。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:20:03)
- ↑の続き。>固く糖度が低く酸味が強い果実が多くなりがち これも単刀直入に言うと正しくない。りんごの硬度は標高と栽培地の気温に左右される。高標高地でも気温が高ければ高度は同じ標高で気温が低い栽培地より柔らかい。南信(長野県南部)と北信(長野県北部)の同じ標高のりんごを食べ比べしてみは分かる。・・・で、では北に行くほど硬いのかというと北海道は逆に寒すぎて硬いが糖度が低い(なので農業試験場独自開発の品種と着色系かつ寒冷地でも糖度が高くなる”ふじ”に切り替わった。補足すると近年の温暖化で、東北も含め品種開発の動向が変化している)。←前述の農家も含むのはその為でもある。自分で食べるのなら、個人差はあるが固く甘い方が良いし、自分で栽培してない品種は外観の良い個体を選んでしまう傾向は非農家の消費者と同じ。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:22:50)
- ↑の続き②。表面のワックスは非”ふじ”以外の品種では完熟する前から、かなり出る(長野県独自開発品種ではシナノゴールドがその例。ゆえにワックスが充分出ても収穫する目安とはならない趣旨がJAや農家指導を行う試験場から必ず回ってくる)。そもそもワックスは果樹なら程度の差はあれ、果実に発生している。果粉に覆われていたり、人間の手では分からないというだけ。補足②着色系は”ふじ”以外にもある。左記の温暖化に対応する為、夏場に高温でも着色する品種に開発と普及がシフトしている(着色系でも台替わりしている。より着色するモノ→より着色し、より甘いモノ→温暖化でも着色するモノという具合※実際は耐病性や耐害虫性も込みなので両通している系統の数が50年農家やっても把握できないほどある)。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:25:51)
- 追記。>ちなみにリンゴの実生苗は物凄く大きく成長してしまうため 若干違う。耐病性と耐害虫性がかなり劣る為。それ以前に義務教育の授業で習った通り、実生ha -- 名無しさん (2025-06-13 18:35:49)
- 途中でエンターを押してしまったので続き。実生は片親は分からない交雑種なので”ふじ”の種を植えても、その実の”ふじ”にならない。市販のスイカや桃を食べた後にその種子を植えた結果と同じ。元の品種より糖度が落ち外観も異なる果実が発生する。昔も今も受粉はほぼ昆虫頼り。ゆえに果樹の実は片親は不明。 -- 名無しさん (2025-06-13 18:42:46)
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