オオクワガタ

登録日:2024/02/16 Fri 19:41:50
更新日:2025/07/05 Sat 19:58:50
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オオクワガタとは、主に日本国に生息するクワガタムシの一種である。
昆虫綱コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属に分類される。


概要

学名はドルクス ホペイ ビノドゥロスス
中国大陸に生息するホペイオオクワガタの亜種とされている。

日本に生息するクワガタムシとしては最大の大きさを誇る。
実は体長はミヤマクワガタノコギリクワガタといった他の有名なクワガタムシと大差ないのだが、オオクワガタは体の横幅が大きいため体全体の大きさは彼らを上回るのである。
野生の個体(オス)は最大でも70mm台だが、飼育下では90mmを超えるものもある。

カブトムシやノコギリクワガタ、ミヤマクワガタなどに比べて体が頑丈であり、他のクワガタに挟まれても致命傷にはなりにくい。
しかしその代わり、体重が重いせいか飛ぶのは苦手である。そのため移動することは少なく、普段は樹液の出る大木の空洞の中でじっとしていることが多い。また夜行性であり、昼間はあまり活動しない。

寒さに強く、越冬する習性があるので、成虫になってからも数年、飼育下では産卵されてから10年ぐらい生きた例も報告されている。

大アゴは太くて湾曲しており、大きな内歯がある。挟む力はヒラタクワガタと並び日本のクワガタムシとしては最も強い部類に入る。挟まれると非常に痛いどころか出血してしまうこともある。
また、カブトムシやノコギリクワガタなどは挟まれると真っ二つになって死んでしまうこともある。

脚で踏ん張る力が強いため、中途半端な力では投げ飛ばされず耐久力が高い。また相手を押し出す力も強い。

スズメバチの天敵としても知られており、オオスズメバチですらオオクワガタを襲うことはほとんど無いとされる。
オオスズメバチはカブトムシやノコギリクワガタと戦うことはあるが、殺傷能力が高いオオクワガタやヒラタクワガタと戦うとかえって自分が切断されてしまう危険性が非常に高いからである。

大型のクワガタムシとしては珍しく、ケンカをあまり好まない大人しい性格をしている。しかし縄張り意識が非常に強く、住み家に侵入しようとした者に対しては容赦なく攻撃する。その戦闘能力は日本のクワガタの中で最強クラスであり、本気で怒らせた場合は対戦相手を軽々叩きのめす程の凄まじい戦闘力を発揮する。その為、カブクワ相撲大会でもかなり使用者が多い。
また、ヒラタクワガタほど頻度は高くないものの、相性が悪いと交尾の際にメスを殺害してしまう危険性や逆に雄が雌に捕食されてしまう危険性もある。飼育する方はご注意ください。

意外にもクワガタムシの中では肉食傾向が強い種であり、特に産卵前の雌は他のクワガタムシを捕食する事が有る。
飼育下の個体はラードの様な動物性の脂肪やたんぱく質を好んで食べる。

ヒラタクワガタコクワガタアカアシクワガタは同じドルクス属(オオクワガタ属)である。
特にコクワガタは非常に近い仲間で、「オオコクワガタ」と呼ばれる雑種が生まれることもある。ただしこの雑種は死亡率が非常に高く、次の世代が生まれることも無い。

かつては非常に人気が高く、「黒いダイヤ」と呼ばれ10万円以上の高値で取引されていた時代もあった。しかしその影響で乱獲の被害に遭って個体数が激減しており、現在は絶滅危惧種に指定されている。


その他のオオクワガタ

ここでは海外(外国)に住むオオクワガタ亜属の甲虫を紹介する。

ちなみに日本国内(沖縄県を除く)に生息するヒメオオクワガタはオオクワガタ亜属ではなく、アカアシクワガタ亜属に分類される。

ホペイオオクワガタ

中国大陸に生息するオオクワガタ。
日本のオオクワガタは現在こいつの亜種とされている。
日本のオオクワガタに比べて体が太く大アゴの湾曲も強い。

グランディスオオクワガタ

中国大陸や台湾、東南アジアに生息するオオクワガタ亜属の最大種。
体長は野生でも90mmを超える個体が少なくない。
オオクワガタの仲間らしく温厚な性格とされることもあるが、オオクワガタとしては気性が荒く、闘争心が強い。特に強い個体はパラワンオオヒラタクワガタやコーカサスオオカブトといった世界最強クラスの甲虫とも互角に戦えるほど。特に走るスピードはクワガタの中でトップクラスであり、相手の懐に一瞬で飛び込み、持ち前のパワーで場外に叩き落としてしまうという、真正面からパワーで叩きのめすパラワンとは別の意味での実力を持っている。
ちなみにグランディスは「偉大な」という意味。
ちなみにホペイ系とは非常に近縁で交雑種も作ることが出来る。

アンタエウスオオクワガタ

グランディスオオクワガタと並ぶ世界最大級のオオクワガタ。
体の厚みがオオクワガタの中で最も大きいのが特徴で、その重厚な見た目からとても人気が高いクワガタ。
熱帯地方の標高が高い山に住んでいることが多く、暑さには弱い。
産地ごとに形態に違いが見られ、ヒマラヤ系、マレー系、インドシナ系に大別される。中でもヒマラヤ系とマレー系は特に人気がある。
かつては非常な高値で取引されており、特にヒマラヤ系などは100万の値が付くこともあったが、
温度にさえ気をつければ飼育も繁殖も難しくなかったため、現在では落ち着いている。
ちなみにアンタエウスはギリシャ神話に登場する巨人のことである。
オオクワガタ亜属の中では基盤的な種とされ、幼虫は腐食が進んで土状になったものを好むなど、食性はオオクワガタよりもヒラタクワガタに近いものがある*1

パリーオオクワガタ

リツセマオオクワガタとも呼ばれている。
主に東南アジアの離島に生息する。それぞれの島ごとに大アゴの形状が異なっている。

シェンクリングオオクワガタ

台湾に生息するオオクワガタ。
オオクワガタにしては大アゴが細いため、「コクワガタをそのまま大きくしたような感じの見た目」と例えられることが多い。
グランディスと同様に、オオクワガタの中では気性が荒く闘争心が強い性格であるとされている。
ちなみに甲虫王者ムシキングには登場していない。

クルビデンスオオクワガタ

主に東南アジア大陸部に分布しているオオクワガタ。
内歯が大きく曲がっているのが特徴であり、種小名の「クルビデンス」(曲がった歯、という意味)もこのことに由来している。
標高の高いところを好む個体が多い。

甲虫王者ムシキングでのオオクワガタ

初期の2003年春から参戦している。強さ140で必殺技はグー。
ムシキング(強さ160のカブトムシ)が参戦する前まではミヤマクワガタと並び、日本の甲虫で最も強さが高かった。
性格は2003年秋第1弾までは無し(実質バランスタイプ)、2003年秋第2弾からはディフェンスタイプとなった。
肩書きは「日本の英雄」。

カードに表記される学名が、2004ファースト拡張パックまで(2004年発売のデスクマットとフィギュア付属品含む)は「Dorcus curvidens hopei」→2004セカンドからフォレストグリーンまで(テレビアニメ関連商品と2006年のデスクマットと20063Dキャンペーンカード含む)は「Dorcus curvidens」→2007夏シャイニングから(5周年記念カードの黒バーコード全般含む。)「Dorcus hopei binodulosus」と、分類が見直されるに従って変わっている。

2006夏ネイチャーまで排出され、2006DS〜ダイナミックスタンド〜で一旦マシンからの排出を停止。その後、約半年後のフォレストグリーンで復活した。

超必殺わざは2006夏ネイチャーまでのカードなら「ドラゴンアタック」。ちなみにこれはプロレスの技として実在する。ゲーム内ではエレファスゾウカブトもこれを超必殺技として使用していた。
フォレストグリーン以降は「タツマキ」を超必殺技としており、復活と同時に究極必殺技「スーパータツマキ」も習得した*2
ちなみに2006年までのカードであれば「スーパードラゴンアタック」が究極必殺わざになる。
アダーコレクションは超必殺わざ変更前後両方がある。唯一アダーコレクションのバーコードが複数種ある。
  • ドラゴンアタック
2006夏ネイチャーまでの超必殺わざ。
一回転して相手を弾いた後、もう一度真上に弾き、上空に先回りして地面に叩き落とす。

  • スーパードラゴンアタック
2006夏ネイチャーまでの究極必殺わざ。
相手を左右のコンビネーションで怯ませた後、二連続で真上に弾き飛ばし、とどめに先回りして回転しながら地面に叩き落とす。

  • タツマキ
フォレストグリーンからの超必殺わざ。
相手を何度も弾いて回転させて飛ばし、遠方の岩にぶつけて跳ね返ってきたところを回転打を食らわせる。

  • スーパータツマキ
フォレストグリーンからの究極必殺わざ。
相手を何度も弾いて回転させて飛ばし、遠方の岩にぶつけて跳ね返ってきたところを打ち返し、更に岩にぶつけて跳ね返ってきたところをとどめの回転打を食らわせる。


ホペイオオクワガタ

DSソフト『スーパーコレクション』の特典カードとして登場。
強さと性格はオオクワガタと同じ。超必殺わざは「(スーパー)タツマキ」で、これもフォレストグリーン以降のオオクワガタと同じ。タッグマッチでのオオクワガタとの併用は可能。
肩書きは「天上将星」。

DSソフトでは食いしん坊であるという設定が追加されており、こいつを使うと石塚英彦氏の「まいう〜」の台詞が聞ける。

新甲虫王者ムシキングには登場しない。

パリーオオクワガタ

5周年コレクションカード第2弾から登場。
強さ120、必殺技はグー。性格はアタックタイプ。
肩書きは「勝利の貴公子」。

  • ウィニングショット
超必殺わざ。
相手に土埃をかけながら穴を掘り、背後に回り込んで打撃を食らわせ、穴に落とす。

  • スーパーウィニングショット
究極必殺わざ。
地面に穴を掘ったあと、相手を突き飛ばして遠方から穴に向けて弾き飛ばす。
飛ばされた相手は穴の周囲で回転したあと、穴に落ちる。


グランディスオオクワガタ

初期の2003年春から参戦している。強さ180で必殺技はグー。ゲーム内に登場するオオクワガタの中で最も強さが高い。
性格は2003年秋第1弾までは無し(実質バランスタイプ)、2003年秋第2弾からはディフェンスタイプとなった*3
肩書きは「最強のオオクワ」。

2006夏ネイチャーとDS〜ダイナミックスタンド〜ではアダーコレクションも排出されていた。
2006セカンドで再び排出を終了するが、「2007夏シャイニング 究極対決!ドルクスVSディナステス」で復活。ドルクス属の総大将を務めた。

旧作最終章となるアダー完結編第5弾では「世界最大のオオクワガタ」としてラインナップされた。

新甲虫王者ムシキングでは(実際のグランディスが結構気性が荒い種なのもあってか)バランスタイプに変更された。

  • ガンガンスマッシュ
超必殺わざ。
相手を正面から掴んだあと、左右に連続して地面に叩きつける。
ちなみに2003年バージョンのアクティオンゾウカブトもこれを超必殺技として使用していた*4


アンタエウスオオクワガタ

新甲虫王者ムシキングに登場。
階級は旧作でいう強さ160〜180に相当し、オオクワガタ亜属としてはグランディスと並び最も階級が高い。
必殺技はグー、超必殺技は「アンタエウスインパクト」。
肩書きは「無限力の巨人」。

新ムシキングで追加された覚醒というシステムによって強さ200相当に出世させることも可能。
この場合、超必殺技は「アンリミテッドインパクト」、肩書きは「永久機関の大巨人」に変わる。



追記、修正はスーパータツマキを発動させてからお願いします。

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最終更新:2025年07月05日 19:58

*1 このような腐食が進んだ朽木を好むクワガタを俗に「根食い」などという

*2 ちなみに強さ140〜160の中型甲虫で究極必殺技が使えるのはムシキング、オオクワガタ、ホペイオオクワガタ、エレファスゾウカブト、ミヤマクワガタの5種類。没データもアリならセアカフタマタクワガタを含めて6種類。

*3 ちなみに同じく凶暴な性格をしていながらゲーム内ではディフェンスタイプに設定されているクワガタムシとしてはディディエールシカクワガタやフォルスターフタマタクワガタ、スジブトヒラタクワガタ、ティティウスヒラタクワガタなどがある。

*4 2005ファーストプラス以降は「サマーソルトプレス」が超必殺わざ。