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285系特急型電車

登録日:2012/09/30(日) 17:53:42
更新日:2026/06/28 Sun 01:22:52
所要時間:約 5 分で読めます




285系特急型電車とはJR西日本JR東海が所有する特急型直流寝台電車である。


概要

「サンライズエクスプレス」の愛称があり、その名の通り寝台特急「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」に用いられる。
0番台(3編成)と3000番台(2編成)があり、書類上0番台はJR西日本後藤総合車両所出雲支所、3000番台はJR東海大垣車両区にそれぞれ所属する。
基本設計は当時のJR西日本車両に準じており、検査もJR西日本の後藤総合車両所で実施している。
2016年3月22日をもってはまなす(急行)が運行を終了したため、現在では国内唯一の定期寝台列車・夜行列車である。

運用までの経緯

時は1990年代。
それまで長距離移動を担ってきたブルートレインを主流とする寝台列車は、新幹線や航空機、更には夜行高速バスの台頭によって衰退の一途を辿っていた。
観光客向けに特化した「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」などの例外はあったが、基本的に用務客向けの旧来の寝台特急は乗車率が低下していったのである。

しかし、寝台列車は元来客単価が高い列車。そこで現代の需要に沿ったサービスを提供すれば、ビジネス客を取り込むことが可能な寝台列車には、新型車両を投入することが決まった。
選ばれた列車は東京 - 高松間を結ぶ「瀬戸」と、東京 - 出雲市間を結ぶ「出雲2・3号」。
いずれもブルートレインながら平均乗車率が高く、航空機への対抗も十分可能であると見込まれた列車である。

かくしてスピードアップと最新設備を備えた新型寝台電車の開発が決まり、これらの列車の運行主体であるJR西日本の主導の元、収益改善や客車列車削減を見込んだJR東海も参加して開発が開始される。
車体製造は近畿車輛・川崎重工・日本車両*1が、内装は住宅メーカーのミサワホームが担当した。

こうして完成したのが、「サンライズエクスプレス」こと285系である。
詳しくは後述するが、夜明けを意味する「サンライズ」の名の通り、夜をイメージした青主体のブルートレインと違った斬新な塗装で登場したこの車両は、
1998年7月10日に先述した「瀬戸」「出雲2・3号」の車両を置き換え、リニューアルした「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」において運行を開始した。

貨物列車以外の定期列車では唯一、本線を全線走破する列車である。またJR3社以上(出雲は3社、瀬戸は4社)を走行する唯一の旅客列車でもある。


構造

7両編成で、電動車/付随車比率は2M5T。車体は普通鋼製である上、室内の接客設備・機器もみっちり詰まっているため、付随車も含めて各車とも全備重量40トン超えとなかなかの重量級。電動車はさらに重く、モハネ285-0番代(ソロ/ミニサロン・シャワーブース車)は50トン超え。
制御車・付随車は二階建て、電動車はモーター配置の関係で平屋車両である。
最高時速が130km/hで、日本の寝台列車では現状史上最速である。
これは飛行機との競争において、「飛行機の最終便より遅く出発し、始発便より早く到着する」という目的を達成するためで、電車として作られたのもそのため。
ただし起動加速度はやや遅めでモーター音は若干うるさく、メカ全般の設計は当時増備されていた223系に近いものとなっている。
寝台列車であるが、ブルートレインのような紺色ではなく、「夜明け」をイメージにしたベージュと赤と金色である。
西日本と東海の車両に差異はまったと言っていいほどなく、車体番号の書体が違う*2程度である。
ちなみに禁煙化が進んだ現在、JR在来線では唯一喫煙可能な客室を備えた車両である。

車内設備

昼行列車にも使うことを前提としていた581・583系と異なり、285系は完全に寝台列車専業となっているのが特徴。
またノビノビ座席を除く全区画が個室となっているが、これはブルートレインとは時代が違う…つまり防犯上の面から当然とも考えられるだろう。
個室の鍵はJR化以降に登場したブルートレインの個室と同様、4桁の掛け捨て暗証番号キー。

  • A寝台一人用個室 シングルデラックス
4/11号車(サロハネ)の2階席。一編成に6室しかない。ちなみに「シングルデラックス」という名称は、1976年に登場した個室A寝台オロネ25形に始まるもの*3
新造車に加えて改造車も制作され、全国の寝台特急に連結された歴史ある個室寝台である。

室内は広々としていて洗面台がついている。
夏休みなどの連休シーズンではかなり取りにくいので、みどりの窓口で10時打ちしてもらうか、事前に旅行代理店で予約しておこう。
シングルデラックスではシャワー券とアメニティグッズがもらえる。

禁煙席・喫煙席はそれぞれ3席であるので注意。
寝台料金は13980円。すべての寝台に共通して乗車券と特急券*4も必要になる。まあ特急券と寝台券はセットになるのだが。

かつては車内にテレビがついていて衛星放送が視聴可能だったが、2010年に撤去されている。

  • B寝台二人用個室 サンライズツイン
4/11号車(サロハネ)の1階席。一編成に4室ある。二人用の個室寝台で、非常に取りにくい。ベッドの頭側に鏡がついている。雰囲気がラブホと言ってはいけない
二人用なので一人で利用する場合でも二人分の寝台料金が必要なので注意。
禁煙席と喫煙席はそれぞれ2室ある。
寝台料金は7700円。

  • B寝台一人用個室 シングルツイン
1・7/8・14号車(クハネ)に1室ずつ、2・6/9・13号車(サハネ)に3室ずつ、一編成に8室ある。一人用ではあるが、追加料金(5500円)を払えば二人分のベッドが使用できる。 
寝台料金は9600円で下段ベッドのみ使用可能で、追加料金を払えば上段ベッドも使用できる。
6/13号車の3室のみ喫煙席。

下段ベットは分解して座席状にすることが可能で、座席状にすると折り畳みテーブルが使用できる。
車椅子対応の部屋が一編成に1室(2/9号車の1号室)あり、車椅子対応個室は同じタイプの他の部屋より入口が広くなっている。なお車椅子対応の部屋はネット予約不可で、購入にはみどりの窓口で有効な身体障がい者手帳の提示が必要。

  • B寝台一人用個室 シングル
1・2・5・6・7/8・9・12・13・14号車に一編成合計80室*5あり、285系で一番多い個室である。階上室、階下室、平屋室の3タイプがある。階上室は車窓風景がいいが、揺れやすい。階下室は揺れにくいが、車窓風景がよくない。
平屋室は各車車端部、台車の上にある部屋でシングルでは一番広いが、一編成に6室しかなく285系B寝台の中ではレアと言われている。シングルも禁煙席・喫煙席があり、6/13号車の20室のみ喫煙席。
寝台料金は3タイプとも同じ7700円。

  • B寝台一人用個室 ソロ
3/10号車(モハネ)に20室(上段10、下段10)ずつある。狭い。それしか言えないぐらい狭い。カプセルホテルと考えたほうがいいだろう。コンセントはあるので充電はちゃんとできるのが救い。
ある鉄道ファンのサイトでは「ぼったくり」や「おすすめできない」と酷評されているが意外と年中満席になることが多い。
前述するシングルとは金額では千円の差なので、この辺りをどう受け取るかにもよるだろう。
狭いため大きい荷物は収納できないことがある*6ので、大きい荷物を持って乗るならソロはやめよう。すべて禁煙室。
寝台料金は6600円。

  • 座席指定席 ノビノビ座席
普通乗車券と指定席特急券のみで乗車できる、上下二段式の開放型簡易寝台。5/12号車(モハネ285-200)に28席ずつ設けられている。座席と言ってもカーペット敷きなので寝る分には困らない。カーペットの下には床暖房が仕込まれている。枕元にコンセントなどの電源はない。通路の壁に掃除機用のコンセントが2ヶ所あり奪い合いになる
毛布と枕カバーは提供されるが、枕自体とシーツは提供されないので注意。上着か何かに枕カバーを巻いて枕にしよう。
利用し慣れた人ならより快適に利用する為に寝袋を持ち込むなんて人も。
こちらはソロと同じ年中満席になることがあるので、予約はお早めに。
指定席特急料金は3830円(東京→岡山間。それより先も同額)。なお大阪→東京間だと3490円。

  • ミニサロン・シャワーブース
3/10号車。自販機やゴミ箱が設置している。ここでご飯を食べるのよし、お酒を飲みながら談話するのもよし(隣は寝台なので静かにすること)。
近くにはシャワーブースがあるがシャワー券(300円)が必要。シャワー券は車内に備えついている自販機にて販売している。販売枚数には限りがあり、始発駅の時点で売り切れることもしばしばある。
かつてはタオルセット、サンライズエクスプレス乗車記念にクッション、サンライズ出雲の下り列車のみミニサロンで駅弁が売られていたが、今は販売中止になっている。
ちなみにA寝台利用者専用のシャワーブースが4/11号車にある。

■行先表示
LED表示器が本格普及する前の製造なので、行先と種別を印刷したフィルムを巻取り機で回転させる回転式を全車両装備している。事実上、使用する列車がかなり限定されるため幕でも事足りるのか、リニューアル工事が行われた後もLEDへの換装はされていない。

収録されているコマの中には「あさかぜ」や絶対に使用しないであろう「快速」も存在する。計画段階ではあさかぜやムーンライトシリーズもサンライズ化する事も想定していたのだろうか。
順番の関係で普段はお目にかかることは出来ないが、車掌のサービスで見せてくれることもあったりなかったり。

関連作品

電車でGO!プロフェッショナル2の没データに「サンライズ瀬戸」がある。恐らくJR東海の許可を得られなかったと思われる。

長らく収録されていなかったが、『A列車で行こう9』(2010年発売)にて「285系0番台」としてようやく登場した。番台区分を明記することでJR東海との権利問題を回避したと思われる*7

285系がモチーフのでんこ、坂出アサが登場。坂出駅はJR東海でもJR西日本でもなくJR四国の駅だが
「サンライズ」から連想して早起きが得意で好物はコーヒー、反対に騒がしい相手が苦手。
明確にJR四国管轄と見なされているらしく、エイプリルフールスキンで国内各地のグルメを扱った際には貫禄の「うどん」であった。

備考

  • 営業開始前には機関車牽引を想定した試運転も行われ、大阪-岡山間で電気機関車EF65 1131が牽引する形で実施された。この時空調などの電源は機関車と285系の間に連結されたブルートレインの電源車であるカニ24 104から供給された。この試運転は将来の九州乗り入れを想定したとか言われているが詳細は不明で、機関車牽引による営業運行は1度たりとも行われていない*8
  • 2015年3月までは車掌だけ全区間JR西日本の人が通しで乗っていた。現在は会社ごとに車掌も交代するようになっているが、この関係でシャワーカードの手売りが無くなった。ちなみに車掌が会社ごとに交代するようになった理由は、大地震発生時に乗客をすばやく避難場所へ誘導できるようにするためだという。
  • お盆や年末年始などの繁忙期には、臨時列車として「サンライズ出雲91号・92号」が運転される日がある。こちらは信号待ちや列車退避などによる運転停車が多い関係で、東京〜出雲市間を15時間以上かけて走破する。全区間7両での運転で、かつ混雑する時期に運転されるため予約が非常に取りにくい。また東京発のサンライズ瀬戸が高松から琴平まで延長運転される日もある。
  • かつては繁忙期にサンライズ瀬戸が高松から松山まで延長運転されたり、東京〜広島間(広島発が下関発のときもあった)を単独運転する「サンライズゆめ」が設定されたこともあった。
  • 「飛行機の最終便より遅く出発し、始発便より早く到着する」と書いたが、実は現在の瀬戸・出雲のダイヤはそれを飛び越えて「新幹線の終電より遅く発車して・大阪や岡山に初電よりも早く着ける」ものになっている。上り列車限定だが大阪からも乗車できるため、実際にギリギリまで関西圏にいられる東京行の電車としての需要も多くある。それじゃサンライズ銀河じゃん!*9
  • JR東海所属車両は大垣車両区所属とあるが、普段走行していない昼間は西日本所属車両と同じく、東京か出雲市、高松の車庫におり、検査の際は同じく西日本の後藤総合車両所で行われており、本来の所属である大垣車両区にはほとんど戻ることはない。




追記・修正はシャワーカードを買ってからお願いします。

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最終更新:2026年06月28日 01:22

*1 近畿車輛製→西日本第1・第2編成、東海第1編成、川崎重工製→西日本第3編成、日本車両製→東海第2編成

*2 西日本車はJR西日本書体、東海車は国鉄書体

*3 この名称はJR化後に登場した「北斗星」の改造車から命名されたもので、それまでは単にA寝台個室と呼ばれていた。

*4 寝台券で既に乗る場所を指定しているため、料金は自由席特急券相当(東京→岡山間3300円、それより先も同額。以下各室も同様。なお大阪→東京間だと2960円)

*5 1/8号車:19室(階上9、階下10)、2/9号車:20室(階上9、階下9、平屋2)、5/12号車:2室(平屋2)、6/13号車:20室(階上9、階下9、平屋2)、7/14号車:19室(階上9、階下10)

*6 上段個室だと足側の天井付近にカバンを置くスペースがあり、また寝るときは階段部分に荷物を置いておけるので幾分マシ。

*7 JR東海の車両が登場するのは『A列車で行こう9 JR東海パック』が発売された2015年以降。

*8 新製時の甲種輸送時はEF66形での牽引が確認されている

*9 設定されていた当時、急行銀河(東京~大阪)はまさに「新幹線の終電でもまだ時間的に早すぎる・初発でも遅すぎる」需要のフォロー役を担っていた。