動物番長(GC)

登録日:2011/05/03(火) 18:26:49
更新日:2025/01/13 Mon 04:53:06
所要時間:約 4 分で読めます





むかーしむかし
世界はヤセイにあふれてた。

「オドロキの 動物番長 キューブ行き」



動物番長とは2002年2月21日に発売されたGCゲームソフトである。

【概要】

世界にヤセイを取り戻しつつ、ヤセイを食い荒らす色の無いドーブツ逹を倒し動物番長を目指すのが目的。
任天堂から出たとは思えないなんとも前衛的な見た目だが、中身は良質なパズルアクションである。

このゲームの特徴は全ての物が四角形及び直方体で構成されている*1こと。
ドーブツだろうが血だろうが太陽だろうが全て四角い。Minecraftではない。
ローポリの極みとでも言うべきこのグラフィックは、元々64用ソフトとして開発が進んでいた最中に次世代機であるGCの発売が決まり、急遽GC用ソフトに仕様変更した名残だとか。
雑誌掲載時に使われた上記のキャッチコピーはそういう意味も込められている。

主人公はブタ。ゲームを進めるとクマ、トリと生まれ変わっていく*2
強くなるためにはドーブツの肉を食う必要がある。
食べた肉の色を取り込み、同じ色を揃えるとヘンタイして形や能力が変わる。
紳士の方のヘンタイではない。

グラフィックやシステムも独特だが用語や固有名詞、セリフ(?)などのセンスも強烈で、単なるバカゲー的世界に留まらない雰囲気の構築に一役買っている。
要所要所で挟まれる五七調のモノローグが印象に残っているプレイヤーも多いのではないだろうか。


【用語集】


【ハラ】
いわゆるHP。ハラが0になるとダウンし、この時にタックルすると肉に噛みつき、喰うことができる。
一定量喰うたびにハラレベルが上昇し、最大値が増加する。
ダメージを受けて減ったハラはニクやムシを喰ったり、夜に寝たり、オアシスに浸かったりする事で回復できる。ただし主人公だけでなく敵も同じように回復するので要注意。

【タックル】
相手にダメージを与える手段。チャージ攻撃となっており溜める程射程が伸びる。
強い動物ほど長射程・高威力になる傾向があるほか、青の動物は他の色よりもタックルを得意とする。

【ダッシュ】
ナマニクキュウ(後述)をとるとできる。やりすぎると息切れしてスピードが落ちる。

【ガード】
Bボタンで身構え、受けるダメージを減らす。ナマボーン(後述)でさらに堅くなる。

【ジャンプ】
Aボタンで跳び、敵の攻撃を回避する。ダッシュできない序盤は移動手段にもなる。

【バック】
Xボタンで後退。紫の動物が得意とする。

【節】(セツ)
肉の枚数。多いほど体が大きく、強くなる。肉は心臓の役割も担うため全部食われるとゲームオーバー
生まれた時は一節(一枚)だが、敵からナマニクを手に入れメスとコウビすると一節多い息子が生まれてそちらに操作キャラが移り、六節まで肉が増えていく。
二節以上肉が多い敵にはタックルが効かず、攻撃すら通らない。

【ケガ】
肉を喰われ、本来の節数よりも少なくなった状態。移動力などが減少するが、火事場の馬鹿力を発揮することも。
他の動物や草食動物を喰うと回復できる。

【威嚇】
Yボタンで吠えて敵をビビらせる。序盤で手に入る「イカクのタネ」をゲットすると使えるようになる。
キズポイントを上げると迫力が出て、弱い敵のHPを0にすることができる。
敵も頻繁にしてくる。

【キバ】
序盤は一度に1枚しか肉を喰えないが、キバがあると一気に2枚、3枚引き抜けるようになる。
節数が増えると生えてくる。

【立ち食い】
敵のHPが0でない状態でも相手の肉を喰える。肉がぶら下がっているようなカタチにのみ有効。
主人公も受けるのでカタチ選びは慎重に。

【うんこ】
「うんこ!うんこをしよう!
きっちりやっていこう イロこいドーブツになれるかも!
てゆーかうんこしないとダメ!うんこはZでモリモリでます」
獲得したイロを排出して無色に戻す。
ヘンタイは古いイロが上書きされていくが、うんこは新しいイロから消えていく。
イロを揃えるために何気に重要なアクション。

【ドコヘン】
「どこでもヘンタイ」の略。
特定のカタチが記録され、ボタン一つですぐさまヘンタイできる。
最強形態であるロックをどんな手段を使ってもドコヘンできるようにするべし。
コウビの際に選択したカタチと、50,60,70…140のキリのいい数字の時のカタチが対象。
百五十獣の王になると全てのカタチにドコヘンできる。

【ツノ】
攻撃力が上がる。一定確率でクリティカルヒット(ツノヒット)が出るようにもなる。モクバ・ツノのカケラで鍛えられる。

【キズ】
「キズにハクをつける」ことで防御力が上がるほか、威嚇の効果も上がる。鍛えるにはランページやキズのカケラで。

【コブ】
ハラの回復量が上昇する。ランニングマシーンやコブのカケラで。
ラクダのコブのようにエネルギーを蓄積しているのだろうか?

【ベロ】
立ち食いの成功率が上昇するが、いらない色を喰ってしまう事故につながる危険性もあるので微妙。
鍛えるにはオオザルのコシカケで。

【イロのない土地】
ヤセイが奪われて真っ白な土地。入る事はできない。
が、近くにナマムシがいる時はそれを喰らうと土地にヤセイが戻って入る事ができる。

【ドーブツの種類】

この世界のドーブツは肉の色と濃さによって分けられている。

【色の種類】

全部で5種類。*3それぞれ特徴がある。

黄畜類
デカいハラ(体力)をもちタックルの威力は5色中最強、防御力も固いが、足が遅い。
比較的使いやすい。ごり押しも可能。
敵はウシやウマ、カバの顔をしている。

赤翼類
ジャンプが高くタックルを回避しやすい。が、ハラと攻撃力は最低クラス。(防御力は無駄に高いが)
高いジャンプで敵の攻撃を回避し、そのまま敵の後ろに回って急所を狙うのが得意。
しかし敵が多いとジャンプ後の硬直を狙われやすい。1対1は得意だが、乱戦は苦手。淡濃種の名前が無駄に強そう。
敵はトリやコウモリの顔。

青爬類
タックルの距離が長く、威力が最大まで上がる時間も早い。だが横歩き・斜め歩きの種が多いため操作しにくく(特に淡濃)防御力も紙である。
遠くの敵にも攻撃できるが乱戦では狙いが定まらないことも。
敵はヘビやカエルの顔。

紫乳類
バック・ターンが早い。弱点は…強いて言えば防御力がちょびっと低いくらい。
灰獣類に次ぐスペックの高さを誇るが、常にバック移動やジャンプ移動を強いられるのでとても動かし辛い。
なお暴色に至っては普通に進もうにも逆方向に進むためバック移動の方が動かしやすかったりする。
ダッシュできるようになるまでは便利。敵のタックルをバックで避けつつタックルができる。
また上位種はガードも固い。
敵はサルやゴリラ、ネズミの顔。

灰獣類
間違いなく最強のイロ。ダッシュが早く攻撃力も黄畜類に次いで二番手、他の能力も高水準。
ただしダッシュが速すぎて小回りが利かないので操作には慣れが必要。
プレイヤーの前に幾度となく立ち塞がる強敵。
敵の顔はライオンやハイエナ、パンダ等。
主に中ボスとして登場し、イロの持ち味を活かして立ち回らないと勝てない。 

【濃さの種類】

肉の色の濃さは全部で3種類。ほとんど白な淡色、模様付きの濃色、そして光沢を持つ暴色の3種類。
ただし淡色と濃色の組み合わせや、色の違う暴色の組み合わせによってヘンタイできるドーブツも存在し、ドーブツの分類としては5種類となる。

淡色動物】
「カラダにイロがついた!あわいイロの○節もまたよし」
最も薄い色の肉で揃えたドーブツ。
イロごとに特化した能力はそこそこ高いが、それ以外は絶望的に低い。
序盤はお世話になるが、それ以降は無用の長物。

動物】
「こいイロのニクが、カラダにまじった ちょっと気力じゅうじつ」
淡色と濃色が混ざった状態で色が揃ったドーブツ。序盤はこれが主力。
1節の淡濃動物にヘンタイしたい場合、ほかの淡濃動物から濃い色のニクを喰らえばOK。

濃色動物】
毛皮や鱗の模様が入ったやや濃い色。
能力も中くらいで、中盤はこれで戦うことになるだろう。

動物】
「すごくこいイロがまじった これは!いちじるしく強くなってる!!」
最高に濃い色を組み合わせてヘンタイする。かなり強いが、色ごとに組み合わせが決まっている。
  • 黄畜類: +
  • 赤翼類: +
  • 青爬類: ++
  • 紫乳類: +
  • 灰獣類: ++++
節が少ない場合は上記一覧の左側の組み合わせが優先されるというルールがある。
例えば2節の青爬類になりたい場合、+を揃えてもダメで、+を揃えなければならない。
このルールのおかげで混色灰獣類へのヘンタイがかなり難しい。特に6節混色灰獣類のゼネコンにヘンタイするにはうんこや抑え食いによる調節が必須。
それ以外の割合に関しては特に気にしなくてもよく、 +++++ のような組み合わせでも混色黄畜類にヘンタイする。そのため適当に喰らっているとその気も無いのにヘンタイしてしまいがち。

暴色動物】
「極まったイロがカラダにっ!ギャーッ!最高の強さッ!」
ニクの色の濃さは混色と同じだが、こちらは1色で統一されている。
相当強い。てか最強。
暴色の一節ドーブツには混色ドーブツから取った暴色ニクからはヘンタイ出来ず、きちんと暴色ドーブツからイロを奪わないとヘンタイ出来ない。
このゲームにおける最終形態は六節全部を濃い灰色に染めたロック
動物番長を倒すためにはほぼ必須。

【草食動物とムシ】

世界には肉食のドーブツ以外の生物も存在する。

【草食動物】
草の模様をしている。食べても色は増えないが体力が回復する。ケガも回復。
終盤では余計なイロがない分逆にありがたい。
匠ではない。爆発もしない。

【ムシ】
草色のムシ。少しだけハラにたまる(体力回復)。
タックルしてくるのもいる、弱いけど。
やっぱり うまい

なお、この世界におけるムシとドーブツの違いはアタマの有無。
ムシはこの世界においてはドーブツに喰われるためだけの存在である。

【ハートのムシ】
フィールドに落ちているモテカケラ三個分。モテカケラを100個集めるとモテモテになる。

【ナマムシ】
一定数食べると白い土地にヤセイが戻り先へ進める。
ゼネコン(灰混6節)に囲まれながら集めたのはトラウマ

【ナマニク】

イロのないドーブツ(そのステージのボス)を倒すと、ヤセイの力を溜め込んだナマニクが手に入る。
普通のドーブツとは違いナマニク持ちはナマニクを喰われるまで死なず、喰いちぎるとそれぞれ特殊能力が身に付く。
そしてなんとメスとコウビができる!
一回できる…。

【ナマニクキュウ】
ニクキュウの形。ダッシュができるようになる。必ず最初に手に入る。

【ナマボーン】
クロスしたホネの形。ガードが強化される。
ニクなのにホネ。

【ナマヅメ】
爪の(ry
ロックオン(タックル前の状態)しながら走れる。
あるのと無いのとでは大違い。
相手のナマヅメをゲットするって字面だけ見ると痛い。

【ナマハナ】
ハ(ry
しばらく何もしないと地形の色にギタイでき、敵にばれない。
そのまま移動できるが、別の地形に行くとばれる。

【ナマメダマ】
(ry
トリラップのみ入手可能。
自分の肉が喰われ、他のナマニクが無くなっても、その無くなったナマニクの効果が消えなくなる。

【ナマイノチ】
♂マークだがガチホモではない。
入手するとドーブツとして完成し、絶世のメスと交尾できるというが…

【ナマヤセイ】
動物番長及びボスダラケーのボスが持つ、この世のヤセイを凝縮したニク。
喰いちぎってもこれといった効果はない、ただのイベントアイテムである。
「R」と書いてあってまんまロケット団。


余談


一周目で百獣の王(百種類にヘンタイ)になると、キズとツノとコブが再現されたリアルフェイスでプレイできる。
怖い。

尚、ストーリーを進めて行くと段々体にヤセイがたまっていき、野生化なのか言語能力が欠如していく。
その様子は少し切ない。

中古の値段も安いのでこの機会にぜひプレイして欲しい。





ギャギャギャギャギャ

追記習性

してください トリアニヲタ


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最終更新:2025年01月13日 04:53

*1 その理由について公式攻略本では「ペヤング」なる太古の生物が四角くて食べやすく他の生物にも伝搬していったというトンチキなものが記されている

*2 鳥はトリ(最後)とかけている。公式攻略本ではコーハクウタガッセンなる戦争の大将がトリと呼ばれていたためというこれまた珍妙な解説が載っている

*3 ブタラップ1周目におけるゲーム開始直後の形態となる無色動物最初類「バンチュウ」のみいずれの色にも当てはまらない