憲磨呂

登録日:2010/06/21 Mon 20:53:02
更新日:2024/10/06 Sun 00:12:37
所要時間:約 3 分で読めます





だから
言っただろー


憲磨呂(ノリマロ)とは『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』に登場するキャラクター。
憲麻呂でも憲麿呂でもなく憲磨呂である。



坊主頭のような短い髪に眼鏡、紫の学ラン(2Pカラーは緑)に白いカバンをタスキ掛けしている昔の学生風の男性。
カバンから三角定規などの文房具を取り出して攻撃をする。

スケベな性格で女性キャラが相手だと鼻息を荒くして露骨に喜ぶ。一方、男が相手だと泣き叫ぶ。

アポカリプスから「カン違いの大たわけ」「お前はここにいること自体が間違いなのだ」と存在を全否定されるなど全体的に扱いが悪い。
EDではアポカリプスとメカ豪鬼を倒した事で更に調子に乗って何と世界征服を果たすも、悪政によって多くの人々を苦しめ、彼の死後も歴史の偉人として多くの受験生達をも苦しめたというギャグエンドだった。


・成り立ち

元々は『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』とのコラボで生まれたキャラクター。
元ネタは木梨憲武が演じるコントキャラ「木梨憲太郎」。格ゲー化に際してのデザインも木梨。
ゲーム中のボイスも木梨が担当し、収録の様子が番組内で放映された。
名前は一般公募で決まり、名付け親には筐体が贈られた。

当初はストリートファイターシリーズの最新作(おそらくⅢ)に登場させる予定だったが、ストリートファイターの発売が延期したため、登場作品を変更された。


彼に関する権利はカプコン・日本テレビ・アライバルの3者共同で保有し、使用するには3社の賛同が必要。
また、日本版にのみ登場し、海外版では使用することができない。*1
これはMARVEL側が「こんなカッコ悪いキャラクターにウチのヒーローを倒させるわけにはいかない」「最初の契約の時に居なかったキャラを後から勝手に出すとはどういうことなのか」というクレームがカプコンに伝わったため。
故に世界的に有名なゲームのキャラクターでありながら、日本国内で一作限りの登場という非常に限定的な存在である。
※実際、MARVEL側とは「日本では有名な芸能人のコラボであることと憲磨呂の参戦は日本国内に限定」「いかなる理由があろうと日本版仕様の基板は海外への流通・販売は禁止」ということで交渉した結果、何とか許しを得た旨を開発スタッフの1人であった「シェーキー」こと秋友克也氏*2が述懐している。

こういった事情にもかかわらず、国外でも格ゲーマーには高い知名度があり、英語本家wikiには彼の項目が存在する。(実際、海外版の基板には没データの形で憲磨呂のデータが残留していたことが有志の解析で判明している。)
ただし、日本国内ローカルなキャラのためか、木梨憲武が関わっていることがあまり知られていなかったり、
「春麗の大ファンで盗撮をしまくっているオタク」など独自の二次設定が付けられていたり、
さらには「ノリマロ登場!」という日本語を誤解したのかフルネームが「Norimaro Toujou」と記載されているサイトもいくつかある(公式には苗字不明)。

なお、国内アーケード版でもテストモードで1クレジット2コイン以上に設定すると、キャラ選択画面にて憲磨呂の枠が海外版と同じくタイトルロゴに差し変えられて選択不能になる。
これは稼働開始当時のゲームセンターであったプレイ料金高騰化の風潮を懸念しての対策とのこと。

ゲーム上の性能

一見すると扱いにくいイロモノキャラに見えるが、実際は三種の神器突進技飛び道具対空技)を持った扱い易いスタンダードキャラである。
「跳躍力が高い」という木梨が提案した設定からなのか、隠し要素としてある操作をすると4段ジャンプも使用可能になる。

収録の時には福澤アナがさくら役の笹本優子に「肛門に強い刺激が来たときの声」を出させるというセクハラをした。
(因みにその時は「ぅぅん、イッタイ!」と叫んで顔を赤らめさせられた…全国ネットでこの羞恥プレイはひどい…)

カンチョーをする技「おカンチョーサービス(命名:笹本優子)」もあったが、女性キャラにやるのはアレなのでボツとなった。更に言うと番組内ではさくらのほかスパイダーマンにおかんちょうサービスをカマしている映像も流れていた。

また、春麗さくらを妄想して鼻血を出すハイパーコンボも考えられていたがこちらもボツ。それ以外にも何故かザンギエフを妄想するパターンも用意されており、本作には登場していないキャミィどころか『ヴァンパイア』シリーズのモリガンフェリシアを妄想するパターンも用意されていたようだ。どこで知り合ったんだよと。

CPUダン挑発の「サインくれよ!」をすると、プレミアムサインで応えてくれる。但し、これは言うまでもなくサインを投げつけてくるため当たるとダメージを食らう。



必殺技

  • スーパーファンタスティックトレジャー
恐がるような動作をするとカバンの中身が飛び出し、放物線を描きながら端まで飛んでいく。出てくる物はランダム。

  • グレートファイティングジャンプ
飛び上がって体当たりをする対空技。強で出すと昇龍拳と叫ぶ。

  • ローリングパワフルアームズ(テレビ放映時はだだっ子パンチ)
泣きながら両手を振り回して突進する技。


【ハイパーコンボ】

  • ハイパーストロングミラクルトレジャー(放映時はごっつもの投げ)
カバンから大量の中身を取り出し、連続して相手に投げつける技。
終了時に決めポーズを取って隙だらけになるので使い勝手は良くない。
「時代を先取るニューパワー!」*3

  • アルティメットグランドチャンピオンジャンプ
無敵時間が付いた多段ヒットするグレートファイティングジャンプ。

  • ウルトラバラエティプライベートメモリーズ(放映時は変身乱舞)
通称・ノリマロアタック。
始動技の突進がヒットすると、様々なコスプレをしながら攻撃をする乱舞技。一瞬ロックマンコスにもなる。
制作段階では一瞬仮面ノリダーにも変身していたらしい。
これも終了時に決めポーズ有り。「だから言っただろー!」

後の展開について

憲磨呂は登場時に大きな波紋を呼んだことや権利事情が複雑な事もあり、以降のマヴカプシリーズどころか本家ストリートファイターシリーズにも一切登場せず、登場は本作のみにとどまっている。当時のVS.シリーズ歴代プレイアブルキャラがほぼ総出演した『MARVEL VS. CAPCOM 2』でもやはり未参戦であった。
存在自体もまるで居なかったかのように扱われており、CAPCOMの格ゲーについて書かれているムック本においても本作に触れられているが、憲磨呂に関しては一切記載されておらず、憲磨呂は次第に格ゲーマー達に知られている伝説のキャラクターへとなっていった…

しかし2024年6月に『MARVEL VS. CAPCOM Fighting Collection Arcade Classic』が発表され、本作『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』も収録される事となる。無論、憲磨呂の収録有無が話題となるが、キャラクター選択画面には憲磨呂のアイコンは無く、タイトルロゴが置き換わっている海外版の表示となっていた。
もっとも彼を収録させようにも上記の複雑な事情が絡むため「未収録になっても仕方ない」という意見が大半であった。


このまま憲磨呂未収録で発売されるのか?と殆どの人が思っていたが…


2024年8月27日配信の『Nintendo direct』にて憲磨呂がまさかの登場。
それだけでなく海外の『Nintendo direct』でも登場し、27年越しに悲願の海外正式デビューを果たした。

憲磨呂は明確にはMARVEL側でもCAPCOM側のキャラクターでも無いが、公式サイトのプレイアブルキャラリストではCAPCOM側のキャラクターとして扱われている。
また、予約開始記念として今作のストリートファイター組と憲磨呂のオリジナルアクリルスタンドが抽選で当たるキャンペーンも開始され、復活と同時に憲磨呂関連のグッズ展開も行われた。

幾多の壁を乗り越えて憲磨呂の勇姿が再び見られる日は近い。
なお、映像内には本作の小ネタである憲磨呂が挑発するとダンがプレミアムサインを出してくれる映像も含まれていた。

木梨憲武氏ご本人もラジオ番組である「木梨の会」にて、今回のコレクションに憲磨呂が登場すると嬉しそうに少し語っていた。

「この辺のゲーム大好きな人はなんだこれ?これなんなんだ?って思う人が最近居るけど~オレのラクガキから…え~コンパス投げたり!バッグで投げたり!スパイダーマンと戦ったりしてますが色んなキャラクターとこれが27年ぶりに帰ってきましたんで、この辺もチェックして頂きたい!え~ひとつよろしくお願いします!」



追記修正は憲磨呂単騎でメカ豪鬼に勝利してからお願いします。

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最終更新:2024年10月06日 00:12

*1 現在は前述の3社に加え、木梨の個人事務所「キナシコッカ」の賛同も必要になっていると思われる。2024年発売予定の「Marvel vs. Capcom Fighting Collection: Arcade Classics」でも当初は載っていなかったのだが公式HPでの使用可能キャラ一覧に明記された。しかも海外版のHPでも。

*2 当時のカプコン社内で最もアメコミに詳しいことで知られる人物

*3 ちなみに元はとんねるずが素人芸人時代のコンビ名であった「貴明&憲武」の頃に使っていたネタ